第二五章 歓の島根〔一九八一〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻
篇:第4篇 神戦妖敗
よみ(新仮名遣い):しんせんようはい
章:第25章 歓の島根
よみ(新仮名遣い):えらぎのしまね
通し章番号:1981
口述日:1933(昭和8)年12月25日(旧11月9日)
口述場所:大阪分院蒼雲閣
筆録者:内崎照代
校正日:
校正場所:
初版発行日:1934(昭和9)年5月5日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:島彦・島姫夫婦は、初めて真火が燃えたつ様を見て、驚嘆のあまり卒倒してしまった。初頭比古の神は天の数歌によって、二人を蘇生させた。
島彦・島姫は、この激しさに恐れをあらわにするが、初頭比古の神は、これこそ歎きの島の初光であり、真火の恵みであると諭す。
島彦は歓び、感謝の歌を歌った。
朝香比女の神は、この島の国津神たちが、邪神をまつっていたがためにこの災いが起こっていたことを明らかにし、島彦・島姫に、主の大神を祭り、朝夕に生言霊を上げて禊の神事を怠らず、神言と禊を命の鍵をするように諭した。
島姫は、真火を賜ったことへの歓びと感謝の歌を歌った。
朝香比女の神一行は、国津神夫婦にさまざまの教訓を施し、天の真火の燧石を与えた。そして再び浜辺に引き返し、磐楠舟に乗り込んで万里の海原に浮かび、西方の国土を指して進んで行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm7825
愛善世界社版:
八幡書店版:第14輯 150頁
修補版:
校定版:458頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001 国津神夫婦は始めて真火の燃え立つ状を見たる事とて、002忽ち風に吹かれて燃え拡ごる猛火に驚嘆の余り卒倒し、003暫し息も絶え絶えに見えけるより、004初頭比古の神は側近く寄りそひ、005天の数歌を数回繰り返し歌ひけるにぞ、006夫婦はやつと気を取り直し、007頭を擡げ驚きの涙を絞りながら、
008『斯の如はげしき神に在すとは
010国津神はみな穴住居真火に焼ける
011おそれなけれど恐ろしと思ふ』
012 初頭比古の神はこれに答へて御歌詠ませ給ふ。
013『国津神の驚き宜よこの真火は
014歎の島の初光なる
015みるみるに大野ケ原の雑草は
016燃えつくされて塵も留めず
017曲津見は真火の焔に焼かれつつ
019この国土に真火の恵を与へむと
020わが公は燧石を持たせ給へり』
021 島彦は喜びて歌ふ。
022『ありがたき天津御神の神宣に
023われは命の安きを得たり
024今日よりはこの島ケ根の国津神の
025生きの命は永く栄えむ
026国津神の住む丘の辺は濠深く
028火の力如何に激しく燃ゆるとも
029わが住む家は恙なからむ
030朝夕に八十の曲津見は襲ひ来て
031吾等が命を脅かしつつ
032千頭の神を一日に呑みつくす
033大蛇の荒びはおそろしかりけり
034国津神は歎きかなしみ天地を
036わが前に真言の天津神の光
037伏し拝みつつ蘇りけり
038今日よりは日々の業をば喜びて
039働き暮さむ国津神等は』
040 朝香比女の神は御歌詠ませ給ふ。
041『朝夕に主の大神を斎きつつ
043天地の中には善神邪神あり
044邪神を祀りて禍まねくな
045朝夕に生言霊を宣りあげて
046禊の神事を怠るなゆめ
047神言と禊の神事は国津神の
048永久の命の鍵なりにけり
049何事をなすにも天津主の神の
050御許しを得て事に当れよ
051この島は邪神を祀りて曲津見の
052禍時じく受け居たるなり
053この島の真秀良場選りて主の神の
054貴の御舎仕へ奉れよ
055何よりも先づ第一に主の神を
056麻柱ひ奉りて世に栄えし
057わが賜ふこれの燧石は曲津見の
058ひそむ荒野を焼き放るなり
059国津神の日々の食物にことごとく
060味はひ与ふる真火なりにけり
061国民の日々の食物は悉く
062真火にあぶりて食ふべきなり』
063 島姫は喜びて歌ふ。
064『天晴れ天晴れ島の命を賜ひけり
065真言の神を斎けと宣らしつ
066曲津見と知らずに今まで斎きたる
067わが愚さを今更悔ゆるも
068国津神も今日より真言の主の神を
069斎かせ申さむ教へ導きて
070曲津見の荒びを退へと燧石
071手づから賜ひし神の尊さ
072この島の宝となして斎くべし
073光の神の御魂と共に
074食物をあぶりて食へと宣らします
075神の尊き神宣かも
076三千方里の広きに住める国津神も
077真火の恵に浴して栄えむ』
078 初頭比古の神は御歌詠ませ給ふ。
079『放ちたる真火は次ぎ次ぎひろごりて
080大野を遠く舐め尽しけり
081曲津見はのたうち廻り忽ちに
082雲を起して逃げ去りにけり
083この島に曲津見のかげの失するまで
084生言霊のつとめ忘れな
085神言の力は総ての曲津見を
086払ひて国土を生む力あり』
087 起立比古の神は御歌詠ませ給ふ。
088『この島に光の公の現れまして
089森羅万象は蘇りたり
090恐ろしき歎の島も今日よりは
091千代に歓の島と生れむ
092御樋代の尊き神の御影を
093忘れず斎け国津神等
094わが公はまたもや海路を打ち渡り
095旅に立たせば御魂を斎けよ』
096 立世比女の神は御歌詠ませ給ふ。
097『一夜をこの島ケ根に宿りして
098国津神等を照らしけるかも
099御光の神にしあれば歎かひの
100島根も今日より照り渡るなり
101月清く日は明らけく永遠に
102照らふ光の神国と栄えむ』
103 天晴比女の神は御歌詠ませ給ふ。
104『歎かひの島の生きたるさまを見て
105光の神の功をおもふ』
106 斯く神々は国津神夫婦に種々の教訓を施し、107燧石を与へて松の樹蔭より再び浜辺に引き返し磐楠舟に駒諸共に乗り込み給ひ、108万里の海原に浮びつつ、109曲津見の伊猛る西方の国土をさして進ませ給ひける。
110(昭和八・一二・二五 旧一一・九 於大阪分院蒼雲閣 内崎照代謹録)