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第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
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第78巻(巳の巻)
序文
第1篇 波濤の神光
01 浜辺の訣別
〔1957〕
02 波上の追懐
〔1958〕
03 グロスの島
〔1959〕
04 焼野の行進
〔1960〕
05 忍ケ丘
〔1961〕
06 焼野の月
〔1962〕
第2篇 焼野ケ原
07 四神出陣
〔1963〕
08 鏡の沼
〔1964〕
09 邪神征服
〔1965〕
10 地異天変
〔1966〕
11 初対面
〔1967〕
12 月下の宿り
〔1968〕
第3篇 葦原新国
13 春野の進行
〔1969〕
14 花見の宴
〔1970〕
15 聖地惜別
〔1971〕
16 天降地上
〔1972〕
17 天任地命
〔1973〕
18 神嘉言
〔1974〕
19 春野の御行
〔1975〕
20 静波の音
〔1976〕
第4篇 神戦妖敗
21 怪体の島
〔1977〕
22 歎声仄聞
〔1978〕
23 天の蒼雲河
〔1979〕
24 国津神島彦
〔1980〕
25 歓の島根
〔1981〕
余白歌
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> 第3篇 葦原新国 > 第18章 神嘉言
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第一八章
神嘉言
(
かむよごと
)
〔一九七四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻
篇:
第3篇 葦原新国
よみ(新仮名遣い):
あしはらしんこく
章:
第18章 神嘉言
よみ(新仮名遣い):
かむよごと
通し章番号:
1974
口述日:
1933(昭和8)年12月23日(旧11月7日)
口述場所:
大阪分院蒼雲閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年5月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
妖邪の気が鬱積して、ほとんど亡国に瀕していたグロスの島は、朝香比女の神の降臨によって天地清まり、葦原新国と改称してよみがえった。そして国津神を抜擢して神業を司らせることとなった。
グロノス、ゴロスの曲津神たちは生言霊と真火の功によって逃げ失せたので、国土の中心にある忍ケ丘に宮居を移し、国津神たちを治めることとなった。生きとし生けるものは忍ケ丘の聖場に集まり来て、新しい国土の成立を寿ぎ祝うこととなった。
葦原比女は、新たに任命した天津神たちを率いて忍ケ丘に太き宮柱を立てて主の大神を斎き祭り、大御前に潔斎して国の初めの神嘉言を奏し、感謝と喜びの歌を歌った。朝香比女の神は、寿ぎの歌を歌った。
朝香比女の神が寿ぎの歌を歌っているおりしも、鋭敏鳴出(うなりづ)の神が、天空より十曜の神旗をふりかざし、数多の従神を従えて、紫の雲に乗ってこの場に天降った。朝香比女の神はこの光景に驚き、合掌敬拝しつつ鋭敏鳴出の神への感謝と祈願を歌った。
鋭敏鳴出の神は、まず新宮に主の大神へののりごとを上げ、そして葦原比女の神に、新しい国土の誕生への寿ぎ歌を歌った。葦原比女の神は驚きと感謝の歌を歌い、朝香比女、鋭敏鳴出の神の御魂をこの国土に永遠に止めてもらうよう、歌を歌った。
野槌比古を始め、新任の天津神たちは、祝歌を歌った。天津神々は、葦原の国土の新たな甦りに祝辞を述べ、忍ケ丘の中心地に宮居を移した大神業を謳歌しつつ、おのおの言祝ぎをして国土の前途を祈った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7818
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 113頁
修補版:
校定版:
321頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
妖邪
(
えうじや
)
の
気
(
き
)
鬱積
(
うつせき
)
して
黒雲
(
こくうん
)
天地
(
てんち
)
を
塞
(
ふさ
)
ぎ、
002
殆
(
ほとん
)
ど
亡国
(
ばうこく
)
に
瀕
(
ひん
)
したるグロスの
島
(
しま
)
は、
003
天
(
てん
)
の
時
(
とき
)
到
(
いた
)
りて、
004
高地秀
(
たかちほ
)
の
宮居
(
みや
)
より
天降
(
あも
)
りませる
八柱
(
やはしら
)
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
一柱
(
ひとはしら
)
なる
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
ご
)
降臨
(
かうりん
)
によりて、
005
天地
(
てんち
)
清
(
きよ
)
まり、
006
国内
(
こくない
)
一点
(
いつてん
)
の
風塵
(
ふうぢん
)
も
止
(
とど
)
めざるに
至
(
いた
)
りたれば、
007
茲
(
ここ
)
にグロスの
島国
(
しまぐに
)
を
葦原
(
あしはら
)
新国
(
しんこく
)
と
改称
(
かいしよう
)
し、
008
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
を
抜擢
(
ばつてき
)
して
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
国津柱
(
くにつはしら
)
の
御側
(
みそば
)
近
(
ちか
)
く
神業
(
みわざ
)
を
司
(
つかさど
)
らしめ
給
(
たま
)
ふ
事
(
こと
)
とはなりぬ。
009
茲
(
ここ
)
に
新
(
あたら
)
しく
蘇
(
よみがへ
)
りたる
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
はグロノス、
010
ゴロスの
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
、
011
生言霊
(
いくことたま
)
の
御光
(
みひかり
)
と
真火
(
まひ
)
の
功
(
いさを
)
に
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せければ、
012
国土
(
くに
)
の
中心
(
ちうしん
)
なる
忍ケ丘
(
しのぶがをか
)
に
宮居
(
みや
)
を
移
(
うつ
)
し
給
(
たま
)
ひ、
013
八尋殿
(
やひろどの
)
を
急
(
いそ
)
ぎ
見建
(
みた
)
て
給
(
たま
)
ひて、
014
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
上
(
うへ
)
に
臨
(
のぞ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ
事
(
こと
)
とはなりぬ。
015
十曜
(
とえう
)
の
神旗
(
しんき
)
は
春風
(
はるかぜ
)
に
翩翻
(
へんぽん
)
として
翻
(
ひるがへ
)
り、
016
日月
(
じつげつ
)
の
光
(
ひかり
)
は
殊更
(
ことさら
)
に
美
(
うる
)
はしく
天
(
てん
)
に
輝
(
かがや
)
き
地
(
ち
)
に
照
(
て
)
らひ、
017
四方
(
よも
)
八方
(
やも
)
より
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
を
初
(
はじ
)
めとし
禽獣
(
きんじう
)
虫魚
(
ちうぎよ
)
の
生
(
い
)
きとし
生
(
い
)
けるものの
限
(
かぎ
)
り、
018
忍ケ丘
(
しのぶがをか
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
りて、
019
新
(
あたら
)
しき
国土
(
くに
)
の
成立
(
せいりつ
)
を
寿
(
ことほ
)
ぎ
祝
(
いは
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る
事
(
こと
)
とはなりぬ。
020
茲
(
ここ
)
に
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
新
(
あらた
)
に
言依
(
ことよ
)
さし
給
(
たま
)
へる
天津神
(
あまつかみ
)
等
(
たち
)
を
率
(
ひき
)
ゐて、
021
忍ケ丘
(
しのぶがをか
)
に
宮柱太
(
みやはしらふと
)
しき
立
(
た
)
て
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
を
斎
(
いつ
)
き
祭
(
まつ
)
り
給
(
たま
)
ひ、
022
大御前
(
おほみまへ
)
に
潔斎
(
けつさい
)
して
国
(
くに
)
の
初
(
はじ
)
めの
神嘉言
(
かむよごと
)
を
奏
(
そう
)
し
給
(
たま
)
ひける。
023
其
(
その
)
神嘉言
(
かむよごと
)
に
言
(
い
)
ふ。
024
『
掛巻
(
かけまく
)
も
綾
(
あや
)
に
畏
(
かしこ
)
き
忍ケ丘
(
しのぶがをか
)
の
下津
(
したつ
)
岩根
(
いはね
)
に
大宮柱
(
おほみやはしら
)
太
(
ふと
)
しき
立
(
た
)
て、
025
高天原
(
たかあまはら
)
に
千木高
(
ちぎたか
)
知
(
し
)
りて、
026
国
(
くに
)
の
鎮
(
しづ
)
めと
鎮
(
しづ
)
まりたまふ
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
大御前
(
おほみまへ
)
に、
027
葦原
(
あしはら
)
の
国
(
くに
)
の
国津柱
(
くにつはしら
)
と
仕
(
つか
)
へまつる
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
、
028
謹
(
つつし
)
み
敬
(
ゐやま
)
ひ
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
みも
白
(
まを
)
す、
029
抑々
(
そもそも
)
これの
神国
(
みくに
)
は、
030
未
(
いま
)
だ
地
(
つち
)
稚
(
わか
)
く、
031
国形
(
くにがた
)
定
(
さだ
)
まらず、
032
曲津見
(
まがつみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
悪
(
あ
)
しき
水火
(
いき
)
は
天地
(
あめつち
)
に
塞
(
ふさ
)
がり、
033
雲霧
(
くもきり
)
深
(
ふか
)
く、
034
天日
(
あまつひ
)
の
光
(
ひかり
)
は
地
(
つち
)
に
届
(
とど
)
かず、
035
総
(
すべ
)
ての
木草
(
きぐさ
)
を
初
(
はじ
)
め、
036
五穀
(
たなつもの
)
等
(
ら
)
豊
(
ゆた
)
に
稔
(
みの
)
らず、
037
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
の
生
(
いき
)
の
命
(
いのち
)
を
危
(
あやふ
)
からしめ、
038
これの
稚国土
(
わかぐに
)
は
二葉
(
ふたば
)
にして
枯果
(
かれは
)
てむとしけるが
故
(
ゆゑ
)
に、
039
如何
(
いか
)
にもして
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
美国
(
うましくに
)
を
造
(
つく
)
り
固
(
かた
)
めばやと、
040
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
心
(
こころ
)
を
砕
(
くだ
)
き
血潮
(
ちしほ
)
をしぼり
天
(
あめ
)
を
仰
(
あふ
)
ぎ
地
(
つち
)
に
俯
(
ふ
)
して
歎
(
なげ
)
かひける
折
(
をり
)
もあれ、
041
高地秀
(
たかちほ
)
山
(
やま
)
の
貴
(
うづ
)
の
聖所
(
すがど
)
に
宮柱
(
みやはしら
)
清
(
すが
)
しく
立
(
た
)
てて
仕
(
つか
)
へませる
朝香
(
あさか
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
の
端
(
はし
)
なくもこの
稚国土
(
わかぐに
)
に
天降
(
あも
)
りまし、
042
生言霊
(
いくことたま
)
の
御光
(
みひかり
)
と
真火
(
まひ
)
の
功
(
いさを
)
に
曲津見
(
まがつみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
棲処
(
すみか
)
を
焼
(
や
)
き
尽
(
つく
)
しまし、
043
今
(
いま
)
は
全
(
また
)
く
風塵
(
かぜちり
)
治
(
をさ
)
まりて、
044
曲津見
(
まがつみ
)
の
影
(
かげ
)
も
朝
(
あした
)
の
御霧
(
みきり
)
夕
(
ゆふべ
)
の
御霧
(
みきり
)
を
朝風
(
あさかぜ
)
夕風
(
ゆふかぜ
)
の
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ふ
如
(
ごと
)
く
散
(
ち
)
らせ
失
(
うしな
)
ひ
給
(
たま
)
ひければ、
045
国土
(
くに
)
の
東
(
ひがし
)
に
偏在
(
かたよ
)
れる
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
宮居
(
みや
)
を
国土
(
くに
)
の
真秀良場
(
まほらば
)
なるこれの
聖所
(
すがど
)
に
移
(
うつ
)
し、
046
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
神霊
(
みたま
)
を
永久
(
とこしへ
)
に
斎
(
いつ
)
きまつりて、
047
国
(
くに
)
の
御旗
(
みはた
)
を
定
(
さだ
)
め
政所
(
まんどころ
)
を
移
(
うつ
)
して
国土生
(
くにう
)
み、
048
神生
(
かみう
)
みの
神業
(
みわざ
)
に
心
(
こころ
)
清
(
すが
)
しく
真言
(
まこと
)
の
水火
(
いき
)
を
凝
(
こ
)
らして
仕
(
つか
)
へまつらむと
思
(
おも
)
ふが
故
(
ゆゑ
)
に、
049
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
天降
(
あも
)
り
給
(
たま
)
ひしを
機会
(
しほ
)
に、
050
今日
(
けふ
)
の
佳辰
(
よきひ
)
の
吉時
(
よきとき
)
に
新
(
あたら
)
しき
国土
(
くに
)
の
生
(
あ
)
れの
御祭
(
みまつ
)
りを
取行
(
とりおこな
)
ひ、
051
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
の
神霊
(
みたま
)
を
招
(
お
)
ぎ
奉
(
まつ
)
りて、
052
この
国
(
くに
)
の
山野
(
やまぬ
)
に
生
(
お
)
ふる
種々
(
くさぐさ
)
の
美味物
(
うましもの
)
を
百足
(
ももたり
)
の
机代
(
つくゑしろ
)
に
置
(
お
)
き
足
(
たら
)
はして
供
(
そな
)
へまつる
有様
(
ありさま
)
を、
053
平
(
たひ
)
らけく
安
(
やす
)
らけく
聞召
(
きこしめ
)
し
相諾
(
あひうづな
)
ひたまひて、
054
これの
新国土
(
にひくに
)
を
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
動
(
うご
)
くことなく
変
(
かは
)
る
事
(
こと
)
なく、
055
五十橿
(
いかし
)
八桑枝
(
やくはへ
)
のごとく
茂栄
(
むくさか
)
に
栄
(
さか
)
えしめ
給
(
たま
)
ひ
夜
(
よ
)
の
守
(
まも
)
り
日
(
ひ
)
の
守
(
まも
)
りに
守
(
まも
)
り
幸
(
さきは
)
へ
給
(
たま
)
へと、
056
恐
(
かし
)
こみ
恐
(
かし
)
こみも
祈願
(
こひのみ
)
奉
(
まつ
)
らくと
白
(
まを
)
す。
057
天晴
(
あは
)
れ
天晴
(
あは
)
れ
豊葦原
(
とよあしはら
)
と
栄
(
さか
)
えます
058
神
(
かみ
)
の
御国
(
みくに
)
は
生
(
うま
)
れけるはや
059
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
大宮柱
(
おほみやはしら
)
太知
(
ふとし
)
りて
060
仕
(
つか
)
へまつらむ
今日
(
けふ
)
ぞ
目出度
(
めでた
)
き
061
群雲
(
むらくも
)
の
天地
(
あめつち
)
を
塞
(
ふさ
)
ぎし
島ケ根
(
しまがね
)
も
062
隈
(
くま
)
なく
晴
(
は
)
れて
月日
(
つきひ
)
はかがよふ
063
二十年
(
はたとせ
)
の
長
(
なが
)
き
月日
(
つきひ
)
を
包
(
つつ
)
みてし
064
醜
(
しこ
)
の
黒雲
(
くろくも
)
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
りけり
065
光
(
ひかり
)
ある
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
を
選
(
え
)
りあげて
066
国
(
くに
)
の
守
(
まもり
)
の
神
(
かみ
)
と
依
(
よ
)
さしぬ
067
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
は
永久
(
とは
)
に
葦原
(
あしはら
)
の
068
新
(
あたら
)
しき
国土
(
くに
)
を
光
(
て
)
らさせたまへ
069
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
は
各
(
おの
)
も
各
(
おの
)
も
070
任
(
ま
)
けのまにまにならはせたまへ
071
久方
(
ひさかた
)
の
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
は
開
(
ひら
)
けたり
072
常世
(
とこよ
)
の
闇
(
やみ
)
も
明
(
あ
)
け
渡
(
わた
)
りつつ
073
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
宮居
(
みや
)
をこの
地
(
ち
)
に
新
(
あたら
)
しく
074
移
(
うつ
)
して
治
(
をさ
)
めむこの
新国土
(
にひくに
)
を
075
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
の
中央
(
なかご
)
の
忍ケ丘
(
しのぶがをか
)
は
076
大政所
(
おほまんどころ
)
にふさはしきかな
077
忍ケ丘
(
しのぶがをか
)
を
常磐
(
ときは
)
ケ
丘
(
をか
)
と
改
(
あらた
)
めて
078
神世
(
かみよ
)
のまつり
開
(
ひら
)
かむと
思
(
おも
)
ふ
079
万世
(
よろづよ
)
に
神
(
かみ
)
の
賜
(
たま
)
ひし
燧石
(
ひうちいし
)
を
080
伝
(
つた
)
へて
日継
(
ひつぎ
)
の
印
(
しるし
)
と
定
(
さだ
)
めむ
081
もろもろの
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
も
生物
(
いきもの
)
も
082
今日
(
けふ
)
のよき
日
(
ひ
)
を
蘇
(
よみがへ
)
るかな
083
歓
(
よろこ
)
びの
声
(
こゑ
)
は
天地
(
てんち
)
に
響
(
ひび
)
かひて
084
動
(
ゆる
)
ぐがごとし
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
は
085
万世
(
よろづよ
)
も
動
(
ゆる
)
がぬ
国土
(
くに
)
の
礎
(
いしずゑ
)
を
086
立
(
た
)
てし
功
(
いさを
)
に
天地
(
てんち
)
は
動
(
ゆる
)
げり
087
歓
(
よろこ
)
びの
声
(
こゑ
)
に
天地
(
てんち
)
は
動
(
ゆる
)
ぎつつ
088
動
(
ゆる
)
がぬ
国土
(
くに
)
の
基礎
(
きそ
)
固
(
かた
)
まりぬ
089
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
功績
(
いさをし
)
に
090
葦原
(
あしはら
)
国土
(
くに
)
は
稚
(
わか
)
く
生
(
うま
)
れし』
091
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
寿
(
ことほ
)
ぎの
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
092
『
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
の
礎
(
いしずゑ
)
固
(
かた
)
まりて
093
御空
(
みそら
)
の
月日
(
つきひ
)
も
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
りける
094
天
(
あめ
)
清
(
きよ
)
く
地
(
つち
)
又
(
また
)
浄
(
きよ
)
く
生
(
うま
)
れたる
095
この
新国土
(
にひくに
)
は
永久
(
とは
)
に
栄
(
さか
)
えよ
096
遥々
(
はろばろ
)
と
荒野
(
あらの
)
を
渉
(
わた
)
り
海
(
うみ
)
越
(
こ
)
えて
097
国土
(
くに
)
の
固
(
かた
)
めの
吉日
(
よきひ
)
にあふかな
098
過
(
あやまち
)
を
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
し
099
罪
(
つみ
)
なる
神
(
かみ
)
も
許
(
ゆる
)
したまひぬ
100
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
もゆるされここに
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
と
101
なりて
永久
(
とこしへ
)
に
蘇
(
よみがへ
)
りませり
102
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
清
(
きよ
)
き
神魂
(
みたま
)
を
選
(
え
)
り
抜
(
ぬ
)
きて
103
依
(
よ
)
さしたまへる
神
(
かみ
)
の
畏
(
かしこ
)
さ
104
新
(
あたら
)
しき
国土
(
くに
)
の
生
(
うま
)
れをことほぎて
105
生言霊
(
いくことたま
)
を
奉
(
たてまつ
)
りける』
106
かく
歌
(
うた
)
はせ
給
(
たま
)
ふ
折
(
をり
)
しも
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
より
十曜
(
とえう
)
の
神旗
(
しんき
)
を
振翳
(
ふりかざ
)
し、
107
数多
(
あまた
)
の
従神
(
じうしん
)
をしたがへて
紫
(
むらさき
)
の
雲
(
くも
)
に
乗
(
の
)
り
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
天降
(
あも
)
り
給
(
たま
)
ひしは、
108
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御使
(
みつか
)
ひ
神
(
がみ
)
なる
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
雄姿
(
ゆうし
)
に
在
(
おは
)
しましける。
109
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
はこの
光景
(
くわうけい
)
に
驚
(
おどろ
)
きたまひ、
110
合掌
(
がつしやう
)
敬拝
(
けいはい
)
しつつ
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
111
『
掛巻
(
かけま
)
くも
畏
(
かしこ
)
き
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
は
112
今日
(
けふ
)
の
吉日
(
よきひ
)
に
天降
(
あも
)
りましける
113
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
に
草枕
(
くさまくら
)
114
吾
(
わが
)
行
(
ゆ
)
く
旅
(
たび
)
は
安
(
やす
)
けかりけり
115
曲津見
(
まがつみ
)
の
伊猛
(
いたけ
)
り
狂
(
くる
)
ひしこの
島
(
しま
)
も
116
公
(
きみ
)
の
功
(
いさを
)
に
清
(
きよ
)
まりにける
117
曲津見
(
まがつみ
)
の
伊猛
(
いたけ
)
る
国
(
くに
)
を
進
(
すす
)
みゆく
118
吾
(
わが
)
道
(
みち
)
の
辺
(
べ
)
を
守
(
まも
)
らせたまへ
119
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
助
(
たす
)
けのなかりせば
120
吾
(
わが
)
旅立
(
たびだ
)
ちに
光
(
ひかり
)
あらまじを』
121
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
は
大宮
(
おほみや
)
の
前
(
まへ
)
に
降
(
くだ
)
らせ
給
(
たま
)
ひ、
122
恭
(
うやうや
)
しく
拍手
(
はくしゆ
)
しながら、
123
『
掛巻
(
かけま
)
くもこれの
新宮
(
にひみや
)
におはします
124
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
にのりごと
申
(
まを
)
さむ
125
久方
(
ひさかた
)
の
雲路
(
くもぢ
)
をわけて
神宣
(
みことのり
)
126
畏
(
かしこ
)
み
吾
(
われ
)
はここに
来
(
き
)
つるも
127
願
(
ねが
)
はくは
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
葦原
(
あしはら
)
の
128
国土
(
くに
)
を
守
(
まも
)
りて
栄
(
さかえ
)
あらせよ
129
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
出立
(
いでた
)
ち
守
(
まも
)
らひつ
130
目出度
(
めでた
)
く
今日
(
けふ
)
を
現
(
あら
)
はれにける
131
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
に
新
(
あたら
)
しき
132
国土
(
くに
)
の
生
(
うま
)
れをことほぎまつるも
133
地
(
つち
)
稚
(
わか
)
く
国土
(
くに
)
稚
(
わか
)
けれど
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
134
神
(
かみ
)
は
非時
(
ときじく
)
守
(
まも
)
りまつらむ
135
心安
(
うらやす
)
くこの
稚国土
(
わかくに
)
を
開
(
ひら
)
きませ
136
吾
(
われ
)
は
力
(
ちから
)
を
添
(
そ
)
へて
守
(
まも
)
らむ』
137
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
驚喜
(
きやうき
)
しながら
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
138
『
思
(
おも
)
ひきやこの
新国土
(
にひくに
)
に
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
139
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
天降
(
あも
)
りますとは
140
力
(
ちから
)
なき
吾
(
われ
)
にありせば
昼夜
(
ひるよる
)
を
141
守
(
まも
)
らせたまへ
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
142
天地
(
あめつち
)
の
雲霧
(
くもきり
)
晴
(
は
)
れて
新
(
あたら
)
しく
143
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
に
国土
(
くに
)
は
生
(
うま
)
れし
144
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
二柱
(
ふたはしら
)
を
145
斎
(
いつ
)
きまつりて
永久
(
とは
)
に
仕
(
つか
)
へむ
146
二柱
(
ふたはしら
)
の
神
(
かみ
)
よ
御魂
(
みたま
)
を
永遠
(
とことは
)
に
147
この
新国土
(
にひくに
)
に
止
(
とど
)
めたまはれ
148
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
百千万
(
ももちよろづ
)
の
生
(
い
)
けるもの
149
今日
(
けふ
)
の
吉日
(
よきひ
)
に
蘇
(
よみがへ
)
りつつ』
150
野槌
(
ぬづち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
祝歌
(
ほぎうた
)
をうたひ
給
(
たま
)
ふ。
151
『
掛
(
かけ
)
まくも
綾
(
あや
)
に
尊
(
たふと
)
き
神々
(
かみがみ
)
の
152
光
(
ひかり
)
に
生
(
あ
)
れし
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
よ
153
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
稚
(
わか
)
けれど
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
154
恵
(
めぐ
)
みに
生
(
い
)
きていよよ
栄
(
さか
)
えむ
155
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
功績
(
いさをし
)
に
156
醜
(
しこ
)
の
黒雲
(
くろくも
)
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
りける
157
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
宮居
(
みや
)
をここに
移
(
うつ
)
しまして
158
神国
(
みくに
)
を
知
(
し
)
らさす
今日
(
けふ
)
ぞ
目出度
(
めでた
)
き
159
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
もろもろここに
集
(
あつ
)
まりて
160
国土
(
くに
)
の
基礎
(
もとゐ
)
を
寿
(
ことほ
)
ぎ
祝
(
いは
)
ふ
161
吾
(
わが
)
公
(
きみ
)
に
選
(
えら
)
まれわれは
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
ゆ
162
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
となりて
仕
(
つか
)
へむ
163
許々多久
(
ここたく
)
の
国
(
くに
)
の
罪穢
(
つみけが
)
れ
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひ
164
仕
(
つか
)
へまつらむ
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
165
果
(
はて
)
しなきこの
新国土
(
にひくに
)
を
今日
(
けふ
)
よりは
166
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
と
共
(
とも
)
に
開
(
ひら
)
かむ
167
天地
(
あめつち
)
の
水火
(
いき
)
を
清
(
きよ
)
めて
今日
(
けふ
)
よりは
168
生国原
(
いくくにはら
)
と
神世
(
みよ
)
を
開
(
ひら
)
かむ
169
長年
(
ながとせ
)
の
雲霧
(
くもきり
)
ここに
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り
170
公
(
きみ
)
に
親
(
した
)
しく
仕
(
つか
)
へまつるも』
171
高比古
(
たかひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
祝歌
(
ほぎうた
)
を
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
172
『
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
を
清
(
きよ
)
め
身
(
み
)
を
浄
(
きよ
)
め
173
つつしみ
敬
(
ゐやま
)
ひ
神国
(
みくに
)
に
仕
(
つか
)
へむ
174
朝夕
(
あさゆふ
)
に
生言霊
(
いくことたま
)
を
宣
(
の
)
りあげて
175
国土
(
くに
)
の
栄
(
さかえ
)
を
吾
(
われ
)
は
祈
(
いの
)
らむ
176
惟神
(
かむながら
)
禊
(
みそぎ
)
の
神事
(
わざ
)
を
怠
(
をこた
)
らず
177
天地
(
てんち
)
の
水火
(
いき
)
を
清
(
きよ
)
め
澄
(
す
)
まさむ
178
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
畏
(
かしこ
)
き
神宣
(
みことのり
)
に
179
常磐
(
ときは
)
ケ
丘
(
をか
)
となりし
聖所
(
すがど
)
よ
180
常磐
(
ときは
)
ケ
丘
(
をか
)
の
常磐
(
ときは
)
の
宮居
(
みや
)
に
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
な
181
生言霊
(
いくことたま
)
を
宣
(
の
)
りて
仕
(
つか
)
へむ
182
天界
(
てんかい
)
は
愛
(
あい
)
と
善
(
ぜん
)
との
国
(
くに
)
故
(
ゆゑ
)
に
183
生言霊
(
いくことたま
)
を
怠
(
をこた
)
るべけむや
184
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
ります
185
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
世
(
よ
)
は
安
(
やす
)
けれ
186
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
に
生
(
あ
)
れし
神司
(
かむづかさ
)
187
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
光
(
ひかり
)
よ
188
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
をつつみたる
189
醜雲
(
しこぐも
)
晴
(
は
)
れし
今日
(
けふ
)
の
目出度
(
めでた
)
さ
190
葦原
(
あしはら
)
やいや
永久
(
とこしへ
)
に
弥長
(
いやなが
)
に
191
栄
(
さか
)
えましませ
神
(
かみ
)
のまにまに』
192
照比古
(
てるひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
193
『
三柱
(
みはしら
)
の
大神
(
おほかみ
)
等
(
たち
)
の
御功
(
みいさを
)
に
194
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
今
(
いま
)
生
(
うま
)
れたり
195
グロスの
島
(
しま
)
は
跡
(
あと
)
なく
消
(
き
)
えて
葦原
(
あしはら
)
の
196
国土
(
くに
)
新
(
あたら
)
しく
生
(
うま
)
れましける
197
新
(
あたら
)
しき
国津柱
(
くにつはしら
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
に
198
つかへて
真言
(
まこと
)
を
捧
(
ささ
)
げまつらむ
199
野
(
や
)
にありて
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
ををさめつつ
200
今日
(
けふ
)
の
吉日
(
よきひ
)
を
待
(
ま
)
ち
佗
(
わ
)
びしはや
201
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
目
(
め
)
に
見出
(
みいだ
)
され
202
天津
(
あまつ
)
神位
(
みくら
)
に
仕
(
つか
)
へまつるも
203
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
濁
(
にご
)
りて
大空
(
おほぞら
)
に
204
醜
(
しこ
)
の
黒雲
(
くろくも
)
立
(
た
)
ち
塞
(
ふさ
)
ぎける
205
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
は
隔
(
へだ
)
てなく
206
親
(
した
)
しみあひて
国土
(
くに
)
開
(
ひら
)
かばや
207
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
と
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
の
心
(
こころ
)
より
208
御空
(
みそら
)
に
黒雲
(
くろくも
)
湧
(
わ
)
き
立
(
た
)
ちしかも
209
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
と
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
は
村肝
(
むらきも
)
の
210
心
(
こころ
)
をてらして
国土
(
くに
)
は
栄
(
さか
)
えむ』
211
清比古
(
きよひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
212
『
新
(
あたら
)
しく
生
(
あ
)
れましにける
新国土
(
にひくに
)
の
213
千代
(
ちよ
)
の
栄
(
さかえ
)
を
寿
(
ことほ
)
ぎまつる
214
もろもろの
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
は
勇
(
いさ
)
みたち
215
国土
(
くに
)
の
生
(
うま
)
れをことほぎまつれり
216
御功
(
みいさを
)
は
鷹巣
(
たかし
)
の
山
(
やま
)
の
頂
(
いただき
)
を
217
光
(
て
)
らして
昇
(
のぼ
)
る
朝日
(
あさひ
)
に
等
(
ひと
)
しも
218
月
(
つき
)
も
日
(
ひ
)
も
清
(
きよ
)
く
輝
(
かがや
)
く
新国土
(
にひくに
)
の
219
この
真秀良場
(
まほらば
)
に
神嘉言
(
かむよごと
)
宣
(
の
)
る
220
喜
(
よろこ
)
びの
心
(
こころ
)
は
凝
(
こ
)
りて
歌
(
うた
)
となり
221
言霊
(
ことたま
)
となりて
鳴
(
な
)
り
出
(
い
)
でにけり』
222
晴比古
(
はるひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
祝歌
(
ほぎうた
)
をうたひ
給
(
たま
)
ふ。
223
『
久方
(
ひさかた
)
の
空
(
そら
)
に
月日
(
つきひ
)
も
晴比古
(
はるひこ
)
の
224
吾
(
われ
)
は
祝
(
いは
)
はむ
新
(
あたら
)
しき
国土
(
くに
)
を
225
新
(
あたら
)
しく
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
に
生
(
うま
)
れたる
226
国土
(
くに
)
の
栄
(
さかえ
)
は
久
(
ひさ
)
しかるらむ
227
天地
(
あめつち
)
と
共
(
とも
)
に
果
(
はて
)
なき
葦原
(
あしはら
)
の
228
国土
(
くに
)
の
礎
(
いしずゑ
)
定
(
さだ
)
めし
今日
(
けふ
)
かも
229
樛
(
つが
)
の
木
(
き
)
のいやつぎつぎに
葦原
(
あしはら
)
の
230
国土
(
くに
)
の
国魂
(
くにたま
)
知
(
しろ
)
しめすらむ
231
やがて
今
(
いま
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
天降
(
あも
)
りまして
232
国魂神
(
くにたまがみ
)
を
授
(
さづ
)
けたまはむ』
233
茲
(
ここ
)
に
天津
(
あまつ
)
神々
(
かみがみ
)
は
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
の
新
(
あらた
)
に
蘇
(
よみがへ
)
りたる
祝辞
(
しゆくじ
)
や、
234
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
宮居
(
みや
)
を
忍ケ丘
(
しのぶがをか
)
の
中心地
(
ちうしんち
)
に
移
(
うつ
)
し
給
(
たま
)
ひし
大神業
(
おほみわざ
)
を
謳歌
(
おうか
)
しながら
各自
(
おのもおのも
)
言祝
(
ことほ
)
ぎたまひ、
235
新国土
(
にひくに
)
の
前途
(
ぜんと
)
を
祈
(
いの
)
らせ
給
(
たま
)
ひける。
236
又
(
また
)
新
(
あらた
)
に
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
に
任命
(
にんめい
)
されたる
五柱
(
いつはしら
)
の
神
(
かみ
)
及
(
およ
)
び
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
の
祝
(
ほ
)
ぎ
歌
(
うた
)
は
数限
(
かずかぎ
)
りなくあれども、
237
余
(
あま
)
り
長
(
なが
)
ければ
茲
(
ここ
)
に
省略
(
しやうりやく
)
しおく
事
(
こと
)
とせり。
238
(
昭和八・一二・二三
旧一一・七
加藤明子
謹録)
239
本章を口述し初むる折しも
240
皇太子殿下御誕生遊ばさる
241
との号外来り、
242
我国民の魂を蘇らせ歓喜せしめたるぞ畏けれ。
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