霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二〇章 還軍(くわんぐん)〔四五〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻 篇:第1篇 千軍万馬 よみ(新仮名遣い):せんぐんばんば
章:第20章 還軍 よみ(新仮名遣い):かんぐん 通し章番号:450
口述日:1922(大正11)年02月25日(旧01月29日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年8月20日
概要: 舞台:常世城 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
逆国別が去った後、常世城から黄泉島へ出陣したはずの竹山彦が、大軍を従えて帰ってきた。竹山彦は、ロッキー城の日の出神が広国別を召捕ろうとしていることを探知して、警護のために帰ってきたのだ、と述べた。
そして、逆にロッキー城を攻めて日の出神の大自在天をとりこにし、自分たちがロッキー城の主となろう、と広国別をたきつけた。
ロッキー城はこの様子を聞いて驚き、黄泉島からやはり軍団の一部を割いて、急ぎロッキー城の防備に回らせた。そのため、黄泉島の大自在天軍は大半が削がれてしまった。(竹山彦の正体は大江山の鬼武彦。第9巻第30章参照)
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-07-16 00:43:49 OBC :rm1020
愛善世界社版:157頁 八幡書店版:第2輯 448頁 修補版: 校定版:164頁 普及版:73頁 初版: ページ備考:
001 (ぜん)退(しりぞ)け、002(あく)(すす)め、003天地(てんち)(みち)逆国別(さかくにわけ)上使(じやうし)は、004(とら)()()野狐(のぎつね)の、005意気(いき)揚々(やうやう)として主人(しゆじん)(かさ)威張(ゐば)()らす笠取別(かさとりわけ)贋物(にせもの)を、006これこそ(まこと)神王(しんわう)(おも)(あやま)り、007唐丸(たうまる)駕籠(かご)()()れ、008勝鬨(かちどき)()げて悠々(いういう)(こま)(またが)り、009数多(あまた)軍勢(ぐんぜい)引連(ひきつ)れて、010帰城(きじやう)()にぞ()きにける。
011 常世城(とこよじやう)門番(もんばん)高彦(たかひこ)は、
012高彦『オイ倉彦(くらひこ)013常世(とこよ)神王(しんわう)(さま)科人(とがにん)()唐丸(たうまる)駕籠(かご)()せられて、014ロッキー(じやう)召連(めしつ)れて()かれたぢやないか。015大変(たいへん)(こと)(おこ)つて()たものだのう。016かうなると吾々(われわれ)門番(もんばん)をして()つても()()ぢやないね。017主人(しゆじん)留守(るす)門番(もんばん)も、018(なん)だか(かげ)(うす)いやうな()がして威張(ゐば)甲斐(がひ)がないぢやないか』
019倉彦『そんな(こと)はどうでもよいワ。020()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(やみ)だ、021(やみ)(あと)には(つき)()る、022()ふからには、023常夜(とこよ)(やみ)もいつしか()れる(こと)があるよ。024まあまあ(この)(かんぬき)吾々(われわれ)(しつか)りと(まも)(こと)だ。025まアよく(かんが)へて()よ、026この城内(じやうない)には、027(えら)(やつ)(みな)黄泉島(よもつじま)出陣(しゆつじん)して仕舞(しま)つて、028本当(ほんたう)人物(じんぶつ)払底(ふつてい)だ。029オイ、030(ひと)(もの)相談(さうだん)だが、031これから倉彦(くらひこ)は、032唯今(ただいま)(かぎ)門番(もんばん)廃業(はいげふ)して常世(とこよ)神王(しんわう)になるのだなあ。033さうして貴様(きさま)鷹取別(たかとりわけ)になれ』
034高彦馬鹿(ばか)にするない。035貴様(きさま)家来(けらい)だ』
036(ささや)いて()る。037(また)もや(もん)()手厳(てきび)しく打叩(うちたた)く。
038高彦(たかひこ)『オイオイ、039また()たぞ()たぞ。040今度(こんど)()をつけぬと吾々(われわれ)()れて()くかも()れないぞ。041貴様(きさま)(のぞ)(どほ)常世(とこよ)神王(しんわう)になつてフン(じば)られて()れて()かれるとよいワ』
042倉彦(くらひこ)『ヤア、043常世(とこよ)神王(しんわう)はもう廃業(はいげふ)だ』
044 門外(もんぐわい)には人馬(じんば)物音(ものおと)物凄(ものすご)(きこ)えゐる。
045竹山彦『ヤアヤア、046(われ)常世(とこよ)神王(しんわう)従臣(じゆうしん)047竹山彦(たけやまひこ)なるぞ。048この(もん)(すみやか)(ひら)けよ』
049倉彦(くらひこ)『オイ、050黄泉島(よもつじま)出陣(しゆつじん)したと(おも)つた竹山彦(たけやまひこ)(かへ)つて()よつたぞ。051こりやきつと敗軍(はいぐん)ぢやな』
052高彦(たかひこ)『まア(なん)でもよい。053(はや)(ひら)かうかい』
054二人(ふたり)()つて(かんぬき)(はづ)し、055左右(さいう)(もん)(ひら)いた。056竹山彦(たけやまひこ)雲霞(うんか)(ごと)大軍(たいぐん)(ひき)ゐて、057威風(ゐふう)堂々(だうだう)()(きた)り、058(おく)(おく)へと(すす)()る。
059 常世(とこよ)神王(しんわう)夫婦(ふうふ)は、060青息(あをいき)吐息(といき)思案(しあん)()るる(をり)しも、061竹山彦(たけやまひこ)(かへ)(きた)りしと()きて合点(がてん)ゆかず、062四五(しご)侍臣(じしん)(とも)本殿(ほんでん)(あら)はれ(きた)り、063竹山彦(たけやまひこ)拝謁(はいえつ)(ゆる)した。064竹山彦(たけやまひこ)威勢(ゐせい)よく神王(しんわう)(まへ)()()めたり。
065常世(とこよ)神王(しんわう)(に化けた広国別)(なんぢ)竹山彦(たけやまひこ)(あら)ずや、066黄泉島(よもつじま)出陣(しゆつじん)せしに(あら)ざるか。067(しか)るに中途(ちうと)(かへ)(きた)れるは(その)()()ず、068これには(ふか)仔細(しさい)のあらむ』
069竹山彦(たけやまひこ)()不審(ふしん)御尤(ごもつと)もなれど、070ロッキー(じやう)には悪人(あくにん)(おほ)く、071常世(とこよ)神王(しんわう)(さま)陥害(かんがい)せむとする(もの)(あら)はれたるを中途(ちうと)にて探知(たんち)し、072容易(ようい)ならざる一大事(いちだいじ)と、073常世城(とこよじやう)軍卒(ぐんそつ)(のこ)らず召連(めしつ)れて(かへ)りたり。074(やが)以下(いか)諸将(しよしやう)各自(めいめい)部下(ぶか)()()れて(かへ)(きた)るべし。075かくなる(うへ)吾々(われわれ)常世城(とこよじやう)(かた)(まも)り、076ロッキー(じやう)(まも)(すくな)くなりしを(さいは)ひ、077一挙(いつきよ)()()せて、078()出神(でのかみ)捕虜(とりこ)にし、079神王(しんわう)(わざはひ)殲滅(せんめつ)せむ。080アヽ面白(おもしろ)面白(おもしろ)し』
081常世神王(に化けた広国別)『ヤア、082(さすが)竹山彦(たけやまひこ)083()(ところ)()がついた』
084 かかる()りしも、085門前(もんぜん)またもや騒々(さうざう)しく、086矢叫(やさけ)びの(こゑ)087(とき)(こゑ)088()()(ごと)(きこ)(きた)る。089これは常世城(とこよじやう)勇将(ゆうしやう)猛卒(まうそつ)一人(ひとり)(のこ)らず帰城(きじやう)したる(さけ)(ごゑ)なりけり。
090 これより常世(とこよ)神王(しんわう)は、091将卒(しやうそつ)(かへ)りしに(ちから)()て、092ロッキー(じやう)攻寄(せめよ)せる(こと)となりぬ。093ロッキー(じやう)(おい)ては、094この様子(やうす)()(おほ)いに(おどろ)き、095黄泉島(よもつじま)(むか)軍卒(ぐんそつ)一部(いちぶ)()きて、096(いそ)帰城(きじやう)せしめ、097防禦(ばうぎよ)全力(ぜんりよく)(つく)したるにぞ、098そのために黄泉島(よもつじま)兵力(へいりよく)は、099その大半(たいはん)()がるるに(いた)れり。
100大正一一・二・二五 旧一・二九 加藤明子録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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