霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二四章 言向(ことむけ)(やはし)〔四五四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻 篇:第1篇 千軍万馬 よみ(新仮名遣い):せんぐんばんば
章:第24章 言向和 よみ(新仮名遣い):ことむけやわし 通し章番号:454
口述日:1922(大正11)年02月25日(旧01月29日) 口述場所: 筆録者:井上留五郎 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年8月20日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
黄泉島の戦場で、神軍の言霊に戦意を喪失していた魔軍は、ロッキー山の伊弉冊命(=大国姫)自らの出陣を聞いて、再び勢いを盛り返し始めた。
このとき日の出神は黄泉比良坂の上に立ち、天地神明に祈りを捧げると、大火球となって魔軍の前後左右を唸りを上げて飛び回り始めた。
魔軍は神光に照らされて化石のごとく強直してしまった。
正鹿山津見は進み出て、魔軍に降伏を諭す宣伝歌を歌い始めた。そして大国姫に対して、幽界に出て黄泉醜女を言向け和し、幽界に落ち行く魂を和める役割をなせ、黄泉の神となれ、と呼びかけた。
大国姫はこの歌に感じ、黄泉の大神となって幽政を支配することとなった。ついに伊弉諾神の軍勢は、言霊によって魔軍を言向け和すことに成功し、天教山に凱旋した。
魔神たちは、そのまま行きながら悔改めて善道に立ち返るものもあり、また根底の国に落ち行きて、黄泉大神の戒めを受けて長い年月の苦しみを受け、その結果霊魂を清めて現界に生まれ変わり、神業に参加するものも多数あった、とのことである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-07-16 00:56:19 OBC :rm1024
愛善世界社版:180頁 八幡書店版:第2輯 456頁 修補版: 校定版:187頁 普及版:84頁 初版: ページ備考:
001(ぜん)(あく)とを立別(たてわけ)
002(とほ)神代(かみよ)大峠(おほたうげ)
003黄泉(よもつ)(しま)(たたか)ひに
004(よわ)りきつたる美山別(みやまわけ)
005国玉姫(くにたまひめ)部下(ぶか)たちは
006朝日(あさひ)(かがや)()出神(でのかみ)
007味方(みかた)(いくさ)(なや)まされ
008天地(てんち)(とどろ)言霊(ことたま)
009(うづ)(ちから)這々(はふはふ)(てい)
010(もだ)(くる)しむ(をり)からに
011黒雲(くろくも)(ふさ)がる大空(おほぞら)
012(とどろ)かしつつ()(くだ)
013磐樟船(いはくすふね)刻々(こくこく)
014地上(ちじやう)(むか)つて(くだ)()
015大国姫(おほくにひめ)(かむ)伊邪那美(いざなみの)大神(おほかみ)
016(てき)味方(みかた)(いつは)りて
017日頃(ひごろ)(たく)みし枉業(まがわざ)
018()げむとするぞ(あさ)ましき。
019 神軍(しんぐん)言霊(ことたま)(たましひ)()かし、020(きも)(くじ)かれ、021(こし)()かした醜女(しこめ)探女(さぐめ)悪神(あくがみ)(たち)は、022(どろ)()うたる(ふな)(ごと)く、023毒酒(どくざけ)()うた猩々(しやうじやう)(ごと)く、024(ほね)(すぢ)菎蒻然(こんにやくぜん)(もだ)(くる)しむ(その)(ところ)へ、025常世(とこよ)(くに)総大将(そうだいしやう)026(かむ)伊邪那美(いざなみの)(かみ)()出陣(しゆつぢん)()いて、027(ふたた)元気(げんき)()(かへ)し、028八種(やくさ)雷神(いかづちがみ)(はじ)めとし、029百千万(ももちよろづ)魔軍(まぐん)一度(いちど)にどつと(とき)をつくつて、030黄泉(よもつ)比良坂(ひらさか)()して破竹(はちく)(ごと)くに()(のぼ)る。
031 「ウロー、032ウロー」の(さけ)(ごゑ)033天地(てんち)震撼(しんかん)するばかりにて、034天津(あまつ)御空(みそら)黒雲(くろくも)益々(ますます)濃厚(のうこう)となり、035雷霆(いかづち)()(とどろ)き、036大地(だいち)震動(しんどう)し、037海嘯(つなみ)(やま)中央(ちうあう)までも(おそ)(きた)り、038黄泉(よもつ)(くに)か、039()(くに)か、040(そこ)(わか)らぬ無残(むざん)光景(くわうけい)に、041美山別(みやまわけ)042国玉姫(くにたまひめ)は、
043美山別、国玉姫常世(とこよ)(くに)興亡(こうばう)(この)一挙(いつきよ)にあり』
044と、045部下(ぶか)魔軍(まぐん)(はげ)まして、
046美山別、国玉姫(すす)(すす)め』
047下知(げち)すれば、048(いのち)()らずの魔軍(まいくさ)は、049醜女(しこめ)探女(さぐめ)先頭(せんとう)に、050(こころ)(やみ)(まよ)ひつつ、051(ちから)(かぎ)りに(たたか)ひける。
052 爆弾(ばくだん)(ひび)き、053(つつ)(おと)054()(かよ)(おと)は、055暴風(ばうふう)(こゑ)相和(あひわ)して益々(ますます)(すさま)じくなり(きた)る。
056 ()(とき)()出神(でのかみ)比良坂(ひらさか)(さか)(うへ)()ちて、057()(のぼ)()数万(すうまん)魔軍(まぐん)(むか)ひ、
058日の出神(かむ)伊邪那岐(いざなぎの)大神(おほかみ)059(かむ)伊邪那美(いざなみの)大神(おほかみ)060(まも)らせ(たま)へ。061常世(とこよ)(くに)より(うと)(すさ)(きた)黄泉神(よもつがみ)062大国姫(おほくにひめ)伊邪那美(いざなみの)(みこと)一泡(ひとあわ)()かせ、063(こころ)(まが)(はら)()り、064(すめ)大神(おほかみ)神嘉言(かむよごと)(こゑ)(まが)(こころ)(てら)させ(たま)へ。065(ひと)(ふた)()()(いつ)(むゆ)(なな)()(ここの)(たり)(もも)()(よろづ)(かみ)(たち)よ、066()出神(でのかみ)(ひと)()を、067天地(てんち)(てら)すは(いま)この(とき)ぞ。068(ゆる)させ(たま)へ』
069()ふより(はや)く、070姿(すがた)()えて巨大(きよだい)なる大火球(たいくわきう)(へん)じ、071魔軍(まぐん)頭上(づじやう)(むか)つて(うな)りを()て、072前後(ぜんご)左右(さいう)()(まは)るにぞ、073数多(あまた)魔軍(まぐん)は、074神光(しんくわう)(てら)されて(まなこ)(くら)み、075()(うな)りに(あたま)(いた)み、076(みみ)(しび)れ、077身体(しんたい)(たちま)強直(きやうちよく)して化石(くわせき)(ごと)く、078幾万(いくまん)立像(りつざう)大地(だいち)(すな)(かず)(ごと)くに(あら)はれける。
079 正鹿山津見(まさかやまづみ)(すず)しき(こゑ)()りあげて、
080正鹿山津見(かみ)(おもて)(あら)はれて
081(ぜん)(あく)とを立別(たてわけ)
082(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
083(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
084(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
085直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
086()過失(あやまち)()(なほ)
087黄泉(よもつ)(しま)善悪(ぜんあく)
088(みち)(へだ)つる大峠(おほたうげ)
089言問(ことと)ひわたす神々(かみがみ)
090(まこと)(みち)千代(ちよ)八千代(やちよ)
091(さだ)むる世界(せかい)大峠(おほたうげ)
092(おに)大蛇(をろち)曲津見(まがつみ)
093言問(ことと)(やは)言問岩(ことどいは)
094(この)(さか)()(さや)りたる
095千引(ちびき)(いは)(かみ)()
096邪曲世(まがよ)(へだ)つる八重(やへ)(かき)
097出雲(いづも)八重垣(やへがき)(つま)ごみに
098八重垣(やへがき)(つく)(かみ)(くに)
099ソモ伊邪那美(いざなみ)大神(おほかみ)
100(いつは)(きた)曲神(まがかみ)
101大国姫(おほくにひめ)国姫(くにひめ)
102(なれ)(みこと)幽界(かくりよ)
103黄泉(よもつ)醜女(しこめ)(ことごと)
104言向(ことむ)(やは)現世(うつしよ)
105あとに見捨(みす)てて(かへ)()
106(もも)霊魂(みたま)(まも)れかし
107黄泉(よもつ)(くに)()でまして
108一日(ひとひ)千人(ちひと)八千人(やちひと)
109()()(たま)(なご)めつつ
110(うつつ)(くに)(きた)らじと
111黄泉(よみ)鉄門(かなど)をよく(まも)
112(かむ)伊邪那岐(いざなぎ)大神(おほかみ)
113生成(せいせい)化育(くわいく)(おん)(とく)
114()出神(でのかみ)(あら)はれて
115一日(ひとひ)千五百(ちいほ)人草(ひとぐさ)
116(よろづ)民草(たみぐさ)大空(おほぞら)
117(ほし)(ごと)くに()()やし
118(かみ)御国(みくに)(ひら)くべし
119那岐(なぎ)那美(なみ)との二柱(ふたはしら)
120(たがひ)呼吸(いき)(あは)せまし
121(くに)八十国(やそくに)八十(やそ)(しま)
122青人草(あをひとぐさ)諸々(もろもろ)
123()ける(もの)らを()みなして
124堅磐(かきは)常磐(ときは)(かみ)()
125()てさせ(たま)常世国(とこよくに)
126ロッキー(ざん)をふり()てて
127(こころ)をしづめ幽界(かくりよ)
128黄泉(よもつ)(かみ)()れませよ
129黄泉(よもつ)(かみ)()れませよ』
130 大国姫(おほくにひめ)はこの(うた)(かん)じてや、131千引(ちびき)(いは)(まへ)(あら)はれて、
132大国姫(われ)常世(とこよ)神司(かむづかさ)
133(かむ)伊邪那美(いざなみ)大神(おほかみ)
134(もも)神人(かみびと)(いつは)りて
135()()(まが)(おこな)ひつ
136(こころ)(くも)らせ(なや)ませて
137あらぬ月日(つきひ)(おく)りしが
138(かみ)御稜威(みいづ)(あきら)けき
139()出神(でのかみ)諸神(ももがみ)
140(きよ)(こころ)(てら)されて
141(むね)(ひと)()(かがや)きぬ
142(かがや)きわたる村肝(むらきも)
143(こころ)(そら)(うる)はしき
144(まこと)月日(つきひ)()れましぬ
145嗚呼(ああ)天地(あめつち)(かた)めたる
146(かむ)伊邪那美(いざなみ)大神(おほかみ)
147(われ)黄泉(よみぢ)()をひそめ
148(しこ)枉霊(まがひ)(しこ)みたま
149醜女(しこめ)探女(さぐめ)(ことごと)
150(かみ)御教(みのり)(みちび)きて
151霊魂(みたま)(あら)(きよ)めさせ
152(ふたた)()きて現世(うつしよ)
153(かみ)(はしら)()れしめむ
154(うつ)神世(かみよ)()みながら
155曲業(まがわざ)たくむ醜神(しこがみ)
156一日(ひとひ)千人(ちひと)(むか)()
157根底(ねそこ)(くに)()()きて
158(もも)責苦(せめく)(あた)へつつ
159きたなき(たま)(きよ)むべし
160あゝ皇神(すめかみ)皇神(すめかみ)
161常世(とこよ)(やみ)黄泉国(よもつのくに)
162(やみ)(てら)して日月(じつげつ)
163(そこ)ひも()れぬ()(くに)
164(そこ)(くに)まで(くま)もなく
165(てら)させ(たま)朝日(あさひ)()
166夕日(ゆふひ)(かがや)(ひと)()
167()出神(でのかみ)よいざさらば
168(もも)(かみ)(たち)いざさらば』
169(うた)つて改心(かいしん)(まこと)(あら)はし、170黄泉(よみ)大神(おほかみ)となつて幽政(いうせい)支配(しはい)する(こと)(ちか)(たま)ひたるぞ(かしこ)けれ。171ここに伊邪那岐(いざなぎの)(かみ)神言(みこと)()ちて、172()出神(でのかみ)その()諸神(しよしん)将卒(しやうそつ)は、173(やいば)(ちぬ)らず、174言霊(ことたま)威力(ゐりよく)によつて、175黄泉軍(よもついくさ)言向(ことむ)(やは)し、176(かみ)守護(まもり)(もと)天教山(てんけうざん)(むか)つて凱旋(がいせん)されたり。
177 数多(あまた)曲津(まがつ)(かみ)()(あらた)めて、178()きながら善道(ぜんだう)立帰(たちかへ)るもあり、179霊魂(みたま)となりて()(あらた)むるもあり、180(あるひ)根底(ねそこ)(くに)()()きて黄泉(よもつ)大神(おほかみ)(いまし)めを()け、181長年月(ちやうねんげつ)(あひだ)(くる)しみて、182その(こころ)(あらた)霊魂(れいこん)(きよ)め、183現界(げんかい)(むか)つて(うま)(きた)り、184神業(しんげふ)参加(さんか)する神々(かみがみ)(すくな)からずとの神言(みこと)なりけり。
185大正一一・二・二五 旧一・二九 井上留五郎録)
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