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国(くに)生(う)み神(かみ)生(う)みの神業(しんげふ)

インフォメーション

鏡：玉鏡題名：国生み神生みの神業よみ：著者：出口王仁三郎

神の国掲載号：1933（昭和8）年12月号八幡書店版：58頁愛善世界社版：50頁著作集：第五版：143頁第三版：144頁全集：初版：116頁

概要：備考：タグ：データ凡例：データ最終更新日： OBC ：kg590

001　良(よ)い植物(しよくぶつ)の種(たね)からはよい植物(しよくぶつ)が出来(でき)、002雑草(ざつさう)からは雑草(ざつさう)しか出来(でき)ない。003而(しか)して雑草(ざつさう)は何等(なんら)肥料(ひれう)を与(あた)へなくとも、004どんどん繁茂(はんも)しゆくものであるが、005若(も)しも良(よ)い草木(さうもく)が少(すく)なく、006雑草(ざつさう)雑木(ざふき)ばかりが多(おほ)かつたならば、007土地(とち)は荒廃(くわうはい)してゆく計(ばか)りである。008人間(にんげん)も其(その)通(とほ)り、009体質(たいしつ)の悪(わる)い性質(せいしつ)のよくない人間(にんげん)ばかりが世(よ)の中(なか)に蔓(はびこ)つては、010世(よ)の中(なか)は悪化(あくくわ)するより外(ほか)ないのである。011徳川(とくがは)氏(し)は自己(じこ)の勢力(せいりよく)を日本(につぽん)全国(ぜんこく)に植(う)ゑつけむとして沢山(たくさん)の妻妾(さいせふ)を蓄(たくは)へ、012子孫(しそん)を諸侯(しよこう)に配置(はいち)して万代不易(ばんだいふえき)の基礎(きそ)を堅(かた)めようとした。013之(これ)は自己(じこ)中心(ちうしん)、014自己愛(じこあい)の政策(せいさく)から来(き)て居(ゐ)るのであつて良(よ)い事(こと)とは云(い)へないが、015ユーゼニツクスの法則(ほふそく)そのままに、016神代(かみよ)の昔(むかし)に於(おい)ては主(ス)の大神様(おほかみさま)の御命令(ごめいれい)により所謂(いはゆる)国生(くにう)みなる国土(こくど)経営(けいえい)の神業(しんげふ)と共(とも)に、017神生(かみう)みなる神業(しんげふ)があつて、018経営(けいえい)せられたる国土(こくど)に主人(しゆじん)を配置(はいち)せられたのである。019霊肉(れいにく)共(とも)に優秀(いうしう)なる選(えら)ばれたる男神様(をがみさま)が諸国(しよこく)を廻(まは)り、020諸所(しよしよ)の選(えら)まれたる細女(くわしめ)、021賢女(さかしめ)に見逢(みあ)ひて御子(みこ)を生(う)まれたもので、022祝詞(のりと)に「国魂(くにたま)の神(かみ)を生(う)み、023産土(うぶすな)の神(かみ)を任(ま)けたまふ」とあるのがそれである。

024　かくて善(よ)い神様(かみさま)のよい胤(たね)が世界中(せかいぢう)に間配(まくば)らるれば、025世界(せかい)の国土(こくど)は良(よ)くなつて行(ゆ)くのであるし、026悪魔(あくま)の胤(たね)が拡(ひろ)がれば、027神(かみ)に抗(そむ)かふ人(ひと)が多(おほ)くなつて、028世界(せかい)には争闘(そうとう)が絶(た)えないやうになる道理(だうり)である。

029　神代(かみよ)の或(あ)る時代(じだい)、030この御子(みこ)生(う)みの神柱(かむばしら)として選(えら)まれた神様(かみさま)は、031素盞嗚(すさのを)の神様(かみさま)と大国主(おほくにぬし)の神様(かみさま)だけであつた。032この神々様(かみがみさま)は国魂神(くにたまがみ)を生(う)むべく、033諸国(しよこく)を経廻(へめぐ)られた。034八人乙女(やたりおとめ)と云(い)ふのも、035この神業(しんげふ)によつて誕生(たんじやう)せられた神(かみ)である。036大国主(おほくにぬし)の神様(かみさま)がこの神業(しんげふ)の為(た)め出(い)で立(た)たす折(をり)、037妻神(つまがみ)須勢理姫(すせりひめ)が嫉妬(しつと)せられて離縁(りえん)騒(さわ)ぎが持(も)ち上(あが)り、038おしまひには須勢理姫(すせりひめ)がこの神業(しんげふ)を理解(りかい)せられて心持(こころもち)よく夫神(をつとがみ)と和合(わがふ)したもふ件(くだり)が古事記(こじき)に現(あら)はれて居(ゐ)る。

039　八千矛(やちほこ)の　神(かみ)の命(みこと)や

040　吾(あ)が大国主(おほくにぬし)　汝(な)こそは　男(を)にいませば

041　打(う)ち見(み)る　島(しま)のさきざき

042　かき見(み)る　磯(いそ)の岬(さき)落(お)ちず

043　わか草(くさ)の　妻(つま)持(も)たせらめ

044　吾(あ)はもよ　女(め)にしあれば

045　汝(な)を置(き)て　男(を)はなし

046　汝(な)を置(き)て　夫(つま)はなし　（下略(げりやく)）

047　即(すなは)ち歌(うた)の意味(いみ)は、048背(せ)の君(きみ)は男(をとこ)にましませば、049到(いた)る処(ところ)で沢山(たくさん)の美(うつく)しい妻(つま)をお持(も)ちになりませう、050妾(わたし)は女(をんな)ですから、051貴方(あなた)の外(ほか)に夫(をつと)があらう筈(はず)はありませぬ云々(うんぬん)と云(い)ふので、052この須勢理姫(すせりひめ)の譲歩(じやうほ)によつて、053大国主(おほくにぬし)の神(かみ)の御機嫌(ごきげん)も直(なほ)り、054御仲(おんなか)睦(むつ)まじくならせ給(たま)うたのである。

055　大国主(おほくにぬし)の神(かみ)は、056宗像(むなかた)の奥津宮(おくつみや)の多紀理媛(たぎりひめ)にお娶(あ)ひになつて、057阿遅鉏高日子根(あぢしきたかひこね)の神(かみ)と高姫(たかひめ)の命(みこと)をお生(う)みになり、058神屋楯姫(かむやたてひめ)の命(みこと)にお娶(あ)ひになつて、059事代主(ことしろぬし)の神(かみ)を生(う)み、060又(また)八島牟遅能神(やしまむぢのかみ)の女(むすめ)、061鳥耳(とりみみ)の神(かみ)に娶(あ)つて鳥鳴海(とりなるみ)の神(かみ)を生(う)みたまうたとある。062一夫多妻(いつぷたさい)であるが、063これは前(まへ)云(い)ふ通(とほ)り大国主(おほくにぬし)の神(かみ)の御系統(ごけいとう)が拡(ひろ)がらねばならなかつたからである。

064　もし人(ひと)過(あやま)つて、065天(てん)の使命(しめい)でないのに、066自己(じこ)の情欲(じやうよく)にかられて妻(つま)の外(ほか)に他(ほか)の女(をんな)に娶(あ)ふならば、067それこそは罪悪(ざいあく)である。068考(かんが)へても見(み)るがよい、069自分(じぶん)が本当(ほんたう)に優秀(いうしう)なる体格(たいかく)の持主(もちぬし)であり、070同時(どうじ)に明晰(めいせき)な頭脳(づなう)の持主(もちぬし)であるとの自信(じしん)がないのに、071どんどん子孫(しそん)を殖(ふ)やして行(ゆ)く事(こと)が、072何等(なんら)社会(しやくわい)を益(えき)せないと云(い)ふ事(こと)は火(ひ)を睹(み)るよりも明(あきら)かではないか。

073　神命(しんめい)を受(う)けられた神様(かみさま)の御子孫(ごしそん)が国魂神(くにたまがみ)として、074依(よ)さしの国(くに)を支配(しはい)せらるることになれば、075神様(かみさま)の御裔(みすゑ)であるから、076国民(こくみん)は国魂(くにたま)の神様(かみさま)に文句(もんく)なしに従(したが)ふのである。077所謂(いはゆる)天下(てんか)一家(いつか)の春(はる)である。078是(これ)でこそ世(よ)は平和(へいわ)に幸福(かうふく)に治(おさ)まつてゆくのである。

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