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第三三章 武装(ぶさう)解除(かいぢよ)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 特別篇 山河草木 入蒙記 篇:第5篇 雨後月明 よみ(新仮名遣い):うごげつめい
章:第33章 武装解除 よみ(新仮名遣い):ぶそうかいじょ 通し章番号:
口述日:1925(大正14)年08月 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年2月14日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
猪野軍医は前夜のうちに、従卒の蒙古人を連れて、脱走してしまっていた。パインタラから七八十支里の場所で、山路の向こうの谷あいに、六七十騎の兵隊が、平行して進んでいるのが見えた。
盧占魁はそれを見るや、馬にまたがって先頭部隊を追いかけた。日出雄が追いついたころは、盧占魁が主な武将と密議を凝らしている最中であった。
やがて全部隊はそれぞれ村落の民家に宿営したが、盧占魁は日出雄と真澄別に人払いの上面会を乞いに来た。そして、一度奉天に行って張作霖と談判しなければ虫が治まらない、ついては神勅を伺ってください、と言った。
日出雄は、神勅は先般のとおり、パインタラに行くのは薪を抱いて火に飛び込むのと同じ、と真澄別に伝えさせた。盧はそんなはずはないと言い、先ほど平行していた騎兵たちは自分たちの討伐隊ではない、と否定した。
真澄別が盧の認識は間違っているのではないか、とたしなめようとした時に、盧の副官が厳封した密書を持ってきた。それには、武装解除しない限り、パインタラには入ることはできない、としたためてあった。
盧はもしものことがあったら、パインタラに暴風雨か大洪水が起こるように祈願してください、と言い残して、あわただしく去っていった。
日出雄と真澄別は庭前に座して、神に祈願を凝らした。神勅は、当日午後六時以降より異変打ち続くべし、されど洪水などはみだりに起こすべきものにあらず、皆それぞれの人心、時期に応ず、というものであった。
後に日出雄らがパインタラの獄舎を出てから後、パインタラは二度まで大洪水に見舞われ、惨憺たる光景を呈してしまったという。
そうするうちに、すでに日出雄の仮本営にも官兵の従卒たちが入り込んで、双方打ち解けて談笑するという有様になっていた。盧占魁は官兵に案内で、井上を伴って日出雄を同道してパインタラに入ることになったという。真澄別は次の日に、やはり官兵の護衛で後からパインタラ入りすることになった。
日出雄が先にパインタラに出立した後、噂が噂を呼び、劉陞山の部隊は姿を消し、脱営を企てるものが後を絶たなかったという。
翌日、真澄別らは一個師団はある官兵に包囲されて拘束された。盧占魁は官兵に送られて帰って来た。長時間の協議の結果、盧占魁の軍はすべて武器を台車数台に積み込まれた。
市内につくと、日出雄と井上が馬車に乗っているのに合流した。一同は兵営内に連れて行かれ、盧占魁の従卒たちはご馳走による歓迎を受けた。日出雄は士官に案内されて、宿所である鴻賓旅館に向かった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考:2024/2/13出口王仁三郎全集第6巻を底本として校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-02-13 23:02:49 OBC :rmnm33
愛善世界社版:299頁 八幡書店版:第14輯 657頁 修補版: 校定版:302頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 ()伝令騎(でんれいき)(ゆめ)(おどろ)かされた日出雄(ひでを)一行(いつかう)()宿営(しゆくえい)民家(みんか)到着(たうちやく)するや、002()不機嫌(ふきげん)面色(かほいろ)坂本(さかもと)白凌閣(パイリンク)散々(さんざん)(あた)()らし(なが)ら、003(ただ)ちに日出雄(ひでを)轎車(けうしや)同乗(どうじやう)し、004(やうや)笑顔(えがほ)(つく)つて進発(しんぱつ)合図(あひづ)をした。005猪野(ゐの)前夜(ぜんや)(うち)蒙古人(もうこじん)従卒(じゆうそつ)()きつれ、006勝手(かつて)()つたる白音太拉(パインタラ)(むか)つて脱走(だつそう)したのであつた。007(この)地方(ちはう)最早(もはや)白音太拉(パインタラ)七八十(しちはちじふ)支里(しり)距離(きより)なれば、008支那(しな)よりの移住者(いぢゆうしや)(おほ)く、009耕地(かうち)(ひら)け、010広大(くわうだい)なる高粱(かうりやん)(ばたけ)耕作(かうさく)最中(さいちう)である。011(その)(うち)(とほ)()ぎて山地(やまぢ)(かか)(ころ)012左手(ひだりて)谷間(たにま)(あた)り、013六七十(ろくしちじふ)()支那兵(しなへい)並行(へいかう)して(すす)むのが()()いた。014(これ)()るや()占魁(せんくわい)轎車(けうしや)より()()り、015(うま)(またが)つて先頭(せんとう)部隊(ぶたい)()つかけた。016日出雄(ひでを)轎車(けうしや)丘陵(きうりよう)頂上(ちやうじやう)(ちか)(すす)んだ(ころ)は、017()(りゆう)陞山(しようさん)(その)()(おも)なる部将(ぶしやう)密議(みつぎ)()らしてゐる最中(さいちう)であつた。
018 やがて全部隊(ぜんぶたい)右方(うはう)(むか)つて(をか)()()り、019村落(そんらく)民家(みんか)にそれぞれ宿営(しゆくえい)することとなり、020()司令部(しれいぶ)日出雄(ひでを)仮寓所(かりぐうしよ)構内(かうない)別館(べつくわん)(さだ)められた。021(やや)(しばら)くして()井上(ゐのうへ)兼吉(かねきち)通訳(つうやく)として(ともな)ひ、022日出雄(ひでを)(および)真澄別(ますみわけ)人払(ひとばら)ひの(うへ)面会(めんくわい)()ふた。
023()(わたくし)()うしても(ちやう)彦三(けんさん)(あと)(まか)せて、024一度(いちど)奉天(ほうてん)()つて談判(だんぱん)せねば(むし)(をさ)まりませぬ。025(もつと)白音太拉(パインタラ)まで()つて、026佐々木(ささき)()()せ、027奉天(ほうてん)模様(もやう)一応(いちおう)()いた(うへ)でも(かま)ひませぬが、028(ひと)神勅(しんちよく)(うかが)つて(くだ)さいませ』
029日出雄(ひでを)真澄別(ますみわけ)さま、030神勅(しんちよく)先般(せんぱん)(とほ)りだから、031さう()ふてな』
032真澄別(ますみわけ)『ハイ、033承知(しようち)いたしました。034……()さま、035(かみ)二言(にごん)なしで、036(まき)(いだ)いて()()()むが(ごと)し……と()ふのが貴下(あなた)白音太拉(パインタラ)(ゆき)運命(うんめい)ですよ』
037()『そんな(はず)はありませぬ。038最前(さいぜん)吾々(われわれ)並行(へいかう)して(すす)んだ騎兵(きへい)通遼(つうりやう)旅団(りよだん)部下(ぶか)です。039()しそんな傾向(けいかう)があるのなら、040あの(とき)大先生(だいせんせい)轎車(けうしや)(むか)つて発砲(はつぱう)する(はず)です』
041真澄別(ますみわけ)()さん、042貴下(あなた)のお(かんが)へは間違(まちが)つてる(やう)(おも)ひます』
043 と真澄別(ますみわけ)何事(なにごと)(かた)らむとする(とき)044()副官(ふくくわん)厳封(げんぷう)せる手紙(てがみ)(もた)らしたので、045()(ただ)ちに開封(かいふう)して()(くだ)した。046(この)手紙(てがみ)は、047()急使(きふし)(もつ)(この)(とき)白音太拉(パインタラ)方面(はうめん)出発(しゆつぱつ)して()(かん)中将(ちうじやう)参謀長(さんぼうちやう)何事(なにごと)照会(せうくわい)した返書(へんしよ)で、048それには武装(ぶさう)解除(かいぢよ)(うへ)でなくては白音太拉(パインタラ)方面(はうめん)()(くだ)さるなとの意味(いみ)(したた)めてあつた。049()(これ)()るより、
050盧占魁万一(まんいち)(こと)()りましたら051白音太拉(パインタラ)暴風雨(ばうふうう)大洪水(だいこうずい)(おこ)(やう)()祈願(きぐわん)(ねが)ひます』
052 と()()(あは)ただしく()()した。053日出雄(ひでを)()むを()ず、054真澄別(ますみわけ)(とも)庭前(ていぜん)趺座(ふざ)し、055(かみ)祈願(きぐわん)()らした。056(この)(とき)神示(しんじ)日出雄(ひでを)057真澄別(ますみわけ)(とも)同一様(どういちやう)(かん)じ、058当日(たうじつ)午後(ごご)(ろく)()以後(いご)より異変(いへん)()(つづ)くべし、059されど洪水(こうずい)などは(みだ)りに(おこ)すべきものに(あら)ず、060(みな)それぞれの人心(じんしん)061時機(じき)(おう)ず……との(むね)であつた。062日出雄(ひでを)()白音太拉(パインタラ)獄舎(ごくしや)立出(たちい)でて(のち)063白音太拉(パインタラ)二回(にくわい)(まで)大洪水(だいこうずい)見舞(みま)はれ惨憺(さんたん)たる光景(くわうけい)(てい)して(しま)つた。064()(この)洪水(こうずい)(はや)かりせば、065日出雄(ひでを)()(その)渦中(くわちう)(たう)ぜられたに(ちが)ひない。066(ああ)(じつ)(かみ)摂理(せつり)毛筋(けすぢ)横幅(よこはば)(ほど)(すき)がない。
067 ()かる折柄(をりから)五六(ごろく)(ちやう)西方(せいはう)陣取(ぢんど)つて()(ちやう)彦三(けんさん)(もと)から、068従卒(じゆうそつ)(はげ)しい腹痛(ふくつう)(おこ)してるからとて真澄別(ますみわけ)(むか)へに()た。069真澄別(ますみわけ)早速(さつそく)(おもむ)いて鎮魂(ちんこん)(ほどこ)し、070病人(びやうにん)(ただ)ちに平癒(へいゆ)(うま)()いて野外(やぐわい)()た。071(その)(とき)(ちやう)彦三(けんさん)副官(ふくくわん)(わう)増祥(ぞうしよう)真澄別(ますみわけ)一室(いつしつ)(まね)き、072食膳(しよくぜん)をすすめながら、
073(わう)増祥(ぞうしよう)『いろいろ有難(ありがた)(ござ)いました。074あなたも司令(しれい)同道(どうだう)奉天(ほうてん)へお()しになるのですか』
075真澄別(ますみわけ)『イヽエ、076(しか)道筋(みちすぢ)()うなるか(わか)らないが、077結局(けつきよく)大庫倫(だいクーロン)()(つも)りです』
078(わう)増祥(ぞうしよう)『それならば何処(どこ)(まで)もお使(つか)(くだ)さいませ。079(じつ)綏遠(すゐゑん)(わたし)部下(ぶか)血気(けつき)(ざか)りの青年(せいねん)のみで一千(いつせん)(にん)(ほど)()りますから、080大丈夫(だいぢやうぶ)(やく)()てます。081どうぞ、082これで(しばら)くお(わか)(いた)しましても、083連絡(れんらく)()たない(やう)()(ねがひ)(いた)します』
084 真澄別(ますみわけ)名刺(めいし)何事(なにごと)(しる)して(これ)(わた)した。085(わう)増祥(ぞうしよう)名残(なご)()しげに真澄別(ますみわけ)(かげ)()えなくなる(まで)見送(みおく)つて()た。
086 一方(いつぱう)日出雄(ひでを)仮本営(かりほんえい)には、087(すで)支那(しな)官兵(くわんぺい)幾部(いくぶ)入込(いりこ)(きた)り、088双方(さうはう)打解(うちと)けて談笑(だんせう)してゐる。089煙草(たばこ)()がれてゐた連中(れんちう)は、090支那(しな)官兵(くわんぺい)から煙草(たばこ)寄贈(きぞう)()けて、091彼方(あつち)にも此方(こつち)にも(ちひ)さな煙突(えんとつ)立並(たちなら)んだ。092日出雄(ひでを)真澄別(ますみわけ)()(むか)へ、
093日出雄(ひでを)先程(さきほど)()()て、094(おれ)井上(ゐのうへ)とを同伴(どうはん)して今夜(こんや)(うち)に、095(いま)()てる官兵(くわんぺい)案内(あんない)白音太拉(パインタラ)()くことに(はなし)(まとま)つた。096貴方(あなた)明日(みやうにち)轎車(けうしや)()つて(みな)同道(いつしよ)()くのださうな。097矢張(やは)官兵(くわんぺい)護衛(ごゑい)して()くと()ふこつちや』
098 と万一(まんいち)用意(ようい)にと(のこ)してあつた金子(きんす)日出雄(ひでを)はそれぞれ分与(ぶんよ)携帯(けいたい)せしめた。099(この)()6月20日の夜日出雄(ひでを)()(ともな)はれて白金竜(はくきんりう)(またが)出立(しゆつたつ)した(あと)光景(くわうけい)は、100(じつ)惨憺(さんたん)たるものであつた。101(うわさ)(うわさ)()み、102不安(ふあん)空気(くうき)(かく)宿営(しゆくえい)(みなぎ)り、103(りゆう)陞山(しようさん)部隊(ぶたい)何時(いつ)()にか(かげ)(ぼつ)し、104(あるひ)泣声(なきごゑ)()して愚痴(ぐち)をこぼす(もの)105脱営(だつえい)(くわだ)つる(もの)引止(ひきと)むる(こゑ)106(あるひ)変装(へんさう)して宿営(しゆくえい)(だつ)する(もの)など、107()かる状態(じやうたい)()()くる(まで)継続(けいぞく)した。108(しか)日出雄(ひでを)直属(ちよくぞく)して()白凌閣(パイリンク)日本(につぽん)(まで)(したが)つて()くと()ひ、109(をん)長興(ちやうこう)心臓(しんざう)(そこ)ねてゐるから奉天(ほうてん)(まで)(かへ)りたいと()ひ、110(とも)真澄別(ますみわけ)一行(いつかう)随行(ずゐかう)する(こと)となつた。111(わう)瓚璋(さんしやう)112(かう)国宝(こくほう)心細(こころぼそ)がつて(わか)れを()しむ。113真澄別(ますみわけ)()人々(ひとびと)協議(けふぎ)(うへ)114それぞれ手当(てあて)(あた)()()くるを()つて6月21日の朝真澄別(ますみわけ)115萩原(はぎはら)116坂本(さかもと)轎車(けうしや)()り、117守高(もりたか)真澄別(ますみわけ)乗馬(じようば)白銀竜(はくぎんりう)(またが)り、118白音太拉(パインタラ)(むか)(こと)とした。119守高(もりたか)(うま)萩原(はぎはら)(ゆず)つて轎車(けうしや)()()み、120(いま)(まさ)華胥(くわしよ)(くに)遊楽中(いうらくちう)真澄別(ますみわけ)()(おこ)し、
121守高『あれ見給(みたま)へ、122大変(たいへん)兵隊(へいたい)だよ』
123真澄別(ますみわけ)『さうか、124モウ白音太拉(パインタラ)()いたのか』
125守高(もりたか)(なに)()ふのだ、126(もと)場所(ばしよ)()(かへ)されたのだ、127()副官(ふくくわん)(やつ)馬鹿(ばか)だから、128先頭(せんとう)()つて向方(むかう)軍隊(ぐんたい)正中(まんなか)割込(わりこ)んだからだよ』
129真澄別(ますみわけ)(きみ)()うして(うま)をやめたのだ』
130守高(もりたか)兵隊(へいたい)(やつ)131(この)長靴(ながぐつ)()をつけたのか、132(あし)引張(ひつぱ)つて仕様(しやう)がないから下馬()りたのだ、133砲兵(はうへい)まで引出(ひきだ)してるが……どうしても一個(いつこ)師団(しだん)十分(じふぶん)()る』
134坂本(さかもと)猪野(ゐの)(やつ)135(うま)(こと)をしましたなア、136(をん)長興(ちやうこう)反対(はんたい)方向(はうかう)全速力(ぜんそくりよく)で、137先刻(さつき)()()したが、138()うでせうなア』
139守高(もりたか)包囲(はうゐ)される(まへ)だつたから、140大丈夫(だいぢやうぶ)だ。141吾々(われわれ)だつて先生(せんせい)さへ()られなけりやなア……』
142萩原(はぎはら)『どうです真澄別(ますみわけ)さん、143()うなりや領事館(りやうじくわん)(わた)しでせう』
144真澄別(ますみわけ)結局(けつきよく)さうなるだらう』
145 一同(いちどう)146支那(しな)官兵(くわんぺい)(うなが)されて下車(げしや)した。147すると数多(あまた)官兵(くわんぺい)(つど)(きた)り、148目星(めぼ)しい(もの)(かた)(ぱし)から没収(ぼつしう)するやら、149真澄別(ますみわけ)守高(もりたか)()して
150『これは韓国人(ハンゴレン)だ』
151(ひやう)するやら、152(おも)(おも)ひの行動(かうどう)混雑(こんざつ)最中(さいちう)153日出雄(ひでを)白音太拉(パインタラ)(おく)つた()占魁(せんくわい)官兵(くわんぺい)(おく)られて(かへ)(きた)り、154(ここ)(かん)中将(ちうじやう)との(あひだ)武装(ぶさう)解除(かいぢよ)(くわん)する協約(けふやく)()せられた。155(その)(かん)基督教(キリストけう)信者(しんじや)(しよう)する軍曹(ぐんさう)156一旦(いつたん)没収(ぼつしう)した銀貨包(ぎんくわづつみ)真澄別(ますみわけ)(かへ)領収書(りやうしうしよ)請求(せいきう)する、157一方(いつぱう)には萩原(はぎはら)腕時計(うでどけい)()られたとて
158萩原(なん)だ、159支那兵(しなへい)(みな)泥棒(どろばう)だ、160()せろと()ふから、161腕時計(うでどけい)()せてやつたら、162(はづ)して持逃(もちに)げしやがつた』
163 と小言(こごと)たらたらである。
164 長時間(ちやうじかん)協議(けふぎ)結果(けつくわ)165盧軍(ろぐん)全部(ぜんぶ)武器(ぶき)官兵(くわんぺい)持参(ぢさん)大車(だいしや)数台(すうだい)()みこまれ、166真澄別(ますみわけ)167守高(もりたか)168坂本(さかもと)轎車(けうしや)()り、169萩原(はぎはら)白銀竜(はくぎんりう)(またが)り、170(うま)(うしな)ひたる(もの)牛馬(ぎうば)便乗(びんじよう)し、171(かん)旅団(りよだん)前後(ぜんご)(まも)られつつ白音太拉(パインタラ)(すす)()くこととなつた。172途中(とちう)騎兵(きへい)聯隊(れんたい)(おい)て、173茶湯(ちやゆ)饗応(きやうおう)()け、174白音太拉(パインタラ)市街(しがい)人垣(ひとがき)(なか)辿(たど)()くと、175日出雄(ひでを)井上(ゐのうへ)との無事(ぶじ)(かほ)馬車(ばしや)(なか)()えたのに一同(いちどう)(こころ)(やす)んじ(なが)ら、176兵営内(へいえいない)(みちび)かれて()く。177兵営(へいえい)には芸者(げいしや)繰込(くりこ)む、178()馳走(ちそう)(はこ)ばれるといふ混雑(こんざつ)で、179()占魁(せんくわい)以下(いか)歓迎宴(くわんげいえん)準備(じゆんび)最中(さいちう)を、180支那(しな)旅団(りよだん)少佐(せうさ)案内(あんない)せられて、181日出雄(ひでを)宿所(しゆくしよ)なる鴻賓(こうひん)旅館(りよくわん)(むか)つたのである。
182大正一四、八、筆録)
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