霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 玉眼開(ぎよくがんびらき)〔一一五五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第43巻 舎身活躍 午の巻 篇:第1篇 狂風怪猿 よみ:きょうふうかいえん
章:第4章 第43巻 よみ:ぎょくがんびらき 通し章番号:1155
口述日:1922(大正11)年11月26日(旧10月8日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年7月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
伊太公は二人に玉国別の介抱をたのみ、谷川に下って谷水を汲みに降りて行った。玉国別は両眼から血を流して痛さをこらえ、うつむいている。
谷から上がってきた伊太公はしかし、汲んだ水筒をどこかに落としてしまっていた。伊太公と純公は、水筒を探しに戻った。水筒は口を下に落ちており、水はこぼれて一滴も残っていない。
二人は谷底に降り立ち、水を汲んで坂をよじのぼり、ようやく玉国別に水を持ってきて目を洗った。玉国別の痛みはこれでかなり軽減したが、目は依然として見えないままであった。
玉国別の右の目はすっかりつぶれてしまっていた。玉国別は我が身第一で烈風を恐れ、神様への御祈願さえ怠った報いだと自らを省みている。
下の谷道から宣伝歌が聞こえてきた。これはケーリス、タークス、ポーロの一行が照国別の信書を携えて斎苑館に修業に行く途中であった。
三五教の宣伝歌に、道公は助けを求めようとするが、玉国別は宣伝使の身を持って他人に助けてもらうなどは恥ずかしい、何事も神様にお任せするしかないと押しとどめた。玉国別は天に向かって合掌し、天津祝詞を奏上し国治立大神の神名を唱えて罪を謝した。
祝詞を唱え終わると、玉国別の左目が見えだした。玉国別は合掌した。従者の三人は喜び、一斉に合掌して天津祝詞を奏上し始めた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4304
愛善世界社版:46頁 八幡書店版:第8輯 45頁 修補版: 校定版:49頁 普及版:19頁 初版: ページ備考:
001伊太公(いたこう)(おも)ひきや きや きや きやと()(さる)
002キヤツといふ()()はされるとは』
003道公(みちこう)『コリヤコリヤ伊太公(いたこう)004気楽相(きらくさう)狂歌(きやうか)(どころ)かい。005宣伝使(せんでんし)(さま)今日(けふ)明日(あす)()らぬよな()()はされて(くるし)んで(ござ)るのに、006(なに)(とぼ)けてゐるのだ。007サ、008(はや)谷川(たにがは)へでも()りて清水(しみづ)()んで()い。009(おれ)御介抱(ごかいはう)申上(まをしあ)げるから……』
010伊太公(いたこう)『そんならお前達(まへたち)両人(りやうにん)に、011先生(せんせい)御介抱(ごかいはう)(たの)(こと)にしよう。012(おれ)はこれから谷水(たにみづ)()んで()るワ』
013といひ(なが)ら、014水筒(すゐとう)をブラブラブラ()げ、015谷川(たにがは)さしておりて()く。
016伊太公(いたこう)『ヤア此所(ここ)綺麗(きれい)(みづ)(なが)れてゐる。017(これ)()んで(あら)つて()げたらキツと(なほ)るだろ。
018山猿(やまざる)()きむしられて(なに)もかも
019(みづ)御霊(みたま)(すく)(もと)むる。
020この(みづ)(かみ)(めぐみ)(つゆ)なれば
021今日(けふ)()えると()ひたくぞある。
022谷川(たにがは)()()(みづ)()みに()
023(ふか)(こころ)()ませ(たま)へよ。
024(この)みづ(まなこ)ばかりか(いのち)まで
025(すく)(たす)くる(めぐみ)(つゆ)ぞ。
026惟神(かむながら)(かみ)(ひかり)(あら)はれて
027玉国別(たまくにわけ)(まなこ)()らせよ。
028みず()らず懐谷(ふところだに)山猿(やまざる)
029()きむしられし(こと)(くや)しさ。
030さり(なが)(かみ)使命(しめい)をおろそかに
031いたせし(つみ)(むく)()しにや。
032時置師(ときおかし)(かみ)(みこと)(あら)はれて
033(こころ)(まなこ)(ひら)(たま)へり。
034()てしばしぐづぐづしてるとこぢやない
035(はや)(まなこ)をあらはにやならぬ。
036伊太公(いたこう)()大丈夫(だいぢやうぶ)さり(なが)
037()(きみ)()()いたいたしく(おも)ふ』
038(くち)ずさみ(なが)ら、039清冽(せいれつ)なる(あき)谷水(たにみづ)水筒(すゐとう)()り、040一刻(いつこく)(はや)玉国別(たまくにわけ)(たす)けむと、041小柴(こしば)(いばら)()きわけ、042(いき)をはづませ(のぼ)()く。043玉国別(たまくにわけ)両眼(りやうがん)より()()らし(なが)ら、044(ぬの)にて血糊(ちのり)()()り、045()(ひら)両眼(りやうがん)にあてて(いた)さをこらへて(うつむ)いてゐる。046道公(みちこう)047純公(すみこう)は、
048『サア大変(たいへん)々々(たいへん)
049(あわ)てふためき、050うろたへ(まは)つて、051チツとも()しやくに()はない。
052玉国別(たまくにわけ)道公(みちこう)053(みづ)はまだか。054伊太公(いたこう)はまだ(かへ)らぬか』
055道公(みちこう)『ハイ山路(やまみち)をタツタツタと(くだ)つて()たきり、056(いま)(いた)姿(すがた)()せませぬ。057先生(せんせい)(これ)(ほど)(きず)(こま)つて(ござ)るのに……エヽ()()かぬ(やつ)ですワイ。058オイ純公(すみこう)059貴様(きさま)(なに)をウロウロしてゐるのだ。060(はや)伊太公(いたこう)(みづ)催促(さいそく)伊太(いた)々々(いた)
061純公(すみこう)『エヽ洒落(しやれ)どころかい。062大変(たいへん)()()うて吾々(われわれ)進路(しんろ)(まよ)うてゐるのだ。063一寸先(いつすんさき)真暗(まつくら)やみだ。064そんな気楽(きらく)なことどこかいやい』
065かかる(ところ)伊太公(いたこう)はフースーフースーと鼻息(はないき)(あら)(のぼ)(きた)り、
066伊太公(いたこう)『アヽ大変(たいへん)(おそ)くなつてすみませぬ。067一刻(いつこく)()(はや)(かへ)りたいと(おも)ひ、068()をあせればあせる(ほど)069キツい(さか)(あし)がずり、070(やうや)くここ(まで)到着(たうちやく)(いた)しました』
071道公(みちこう)『オイ(はや)水筒(すゐとう)()さぬかい。072()つから()つてゐないぢやないか』
073伊太公(いたこう)(こし)のあたりを(さぐ)(なが)ら、074『アツ』と一声(いつせい)打驚(うちおどろ)き、
075伊太公(いたこう)『ヤア大変(たいへん)だ。076(あま)(あわ)てて、077谷底(たにそこ)(みづ)()んだなり(わす)れて()たのだ。078オイ道公(みちこう)079貴様(きさま)(はや)()つて()てくれぬかい。080先生(せんせい)(いた)みが()(どく)だから、081(はや)()(ひや)さぬと段々(だんだん)()れて()ちや大変(たいへん)だ』
082道公(みちこう)『エヽ慌者(あわてもの)だなア、083どこらに()いておいたのだ。084それをスツカリ()はぬかい』
085伊太公(いたこう)谷川(たにがは)()つたら、086(やま)(たに)(なが)れる(かは)だ。087(その)(みづ)()んでチヤンと(すな)(うへ)においてあるのだ。088サア(はや)()かぬかい。089一分間(いつぷんかん)でも先生(せんせい)苦痛(くつう)(たす)けにやなるまいぞ』
090純公(すみこう)『オイ伊太公(いたこう)091貴様(きさま)()いといたのだから、092貴様(きさま)()かなグヅグヅ(さが)してゐる()がないぢやないか。093本当(ほんたう)(こま)つた(やつ)だな。094(まる)雉子(きぎす)直使(ひたづかひ)だ。095(みづ)()みに()つたつて、096()つて(かへ)らにや(なに)になるものか』
097伊太公(いたこう)貴様(きさま)098(みづ)()んで()いとぬかしたぢやないか。099(べつ)()つて(かへ)れと(まで)()はぬものだから(わす)れたつて仕方(しかた)がないワイ。100オイ純公(すみこう)101貴様(きさま)()てくれぬかい。102(じつ)(ところ)はどこで(おと)したか(わか)らぬのだ。103二人(ふたり)よつて()()(たか)()で、104小柴(こしば)(なか)枯草(かれくさ)(あひだ)(さが)(もと)めて()つけて()うぢやないか、105……モシモシ先生様(せんせいさま)106モウ(しばら)くの御苦痛(ごくつう)107どうぞ御辛抱(ごしんばう)(くだ)さいませ。108(まこと)()()かぬ(をとこ)(ござ)いまして、109御心中(ごしんちう)(さつ)(まを)します。110コラ、111道公(みちこう)112(なに)(とぼ)けてゐるのだ、113(はや)御介抱(ごかいはう)(まを)さぬかい』
114道公(みちこう)介抱(かいほう)せいと()つたつて、115仕方(しかた)がないぢやないか。116(おれ)やここで(さる)再襲来(さいしふらい)防禦(ばうぎよ)してゐるから、117貴様(きさま)(たち)両人(りやうにん)118水筒(すゐとう)(さが)しに()つて()い』
119 伊太公(いたこう)120純公(すみこう)両人(りやうにん)はブツブツ(つぶや)(なが)ら、121小柴(こしば)()けて水筒(すゐとう)()ちた場所(ばしよ)(さが)しに()く。122(やうや)くにして一丁(いつちやう)ばかり(くだ)つた(ところ)に、123水筒(すゐとう)()ちて()た。124(しか)(なが)入口(いりぐち)(した)(しり)(うへ)(おと)したのだから、125一滴(いつてき)(のこ)らず()()して(しま)ひ、126空水筒(からすゐとう)となつて、127天下(てんか)太平(たいへい)気分(きぶん)(よこた)はつてゐる。
128伊太公(いたこう)『エヽ()()かない水筒(すゐとう)だな、129()ちるのなら何故(なぜ)上向(うへむ)けに()ちないのだ。130折角(せつかく)(おれ)()ましてやつた(みづ)を、131(みな)()()して……(なん)都合(つがふ)(わる)(とき)にや、132都合(つがふ)(わる)いものだなア。133オイ純公(すみこう)134仕方(しかた)がない。135一度(いちど)谷底(たにそこ)まで一走(ひとはし)()つて()うかい』
136純公(すみこう)『さうだなア。137水筒(すゐとう)()つかつた以上(いじやう)貴様(きさま)一人(ひとり)でいいのぢやけれど、138元来(ぐわんらい)慌者(あわてもの)だから、139(また)(みち)(おと)しよると(なん)にもならぬ。140(おれ)監視役(かんしやく)として()いて()てやらう』
141 純公(すみこう)水筒(すゐとう)(ふところ)にねぢ()み、142急坂(きふはん)小柴(こしば)()け、143(くさ)(すべ)(なが)ら、144伊太公(いたこう)(とも)(ふか)谷底(たにそこ)()()ち、145清泉(せいせん)をドブドブドブと(まる)(あわ)()てさせ、146(くち)まで()たした。
147純公(すみこう)すみ()りし(この)谷水(たにみづ)水筒(すゐとう)
148()ませて(かへ)()こそ(うれ)しき。
149伊太公(いたこう)折角(せつかく)()んだ谷水(たにみづ)
150水泡(みなわ)となりて()()せにける』
151伊太公(いたこう)(おれ)だとて(おと)(こころ)はなけれ(ども)
152()()智慧(ちゑ)(おと)したるらむ。
153(おと)したる(かめ)(ひろ)うて音彦(おとひこ)
154(まなこ)(あら)ふわれおとましき』
155純公(すみこう)『さア(はや)伊太公(いたこう)(やつ)よついて()
156(まなこ)伊太公(いたこう)()つて(ござ)るぞ』
157()(なが)ら、158(また)もや急坂(きふはん)()(のぼ)り、159(やうや)くにして玉国別(たまくにわけ)(そば)()き、160水筒(すゐとう)(みづ)()にすくひ、161玉国別(たまくにわけ)両眼(りやうがん)念入(ねんい)りに洗滌(せんでき)した。
162玉国別(たまくにわけ)『アヽ有難(ありがた)い、163これでスツカリ()(いた)みが()まつたやうだ』
164伊太公(いたこう)先生(せんせい)165(いた)みが()まりましたか、166それは(なに)より(うれ)しい(こと)(ござ)います。167(しか)(あか)りは()えますかな』
168玉国別(たまくにわけ)『イヤ(いた)みは余程(よほど)軽減(けいげん)したやうだが、169チツとも()えないワ』
170道公(みちこう)『エヽ(なん)仰有(おつしや)います、171()()えませぬか、172コリヤ大変(たいへん)だ。173大西洋(たいせいやう)真中(まんなか)蒸気船(じやうきせん)機関(きくわん)破裂(はれつ)したよなものだ、174これから俺達(おれたち)如何(どう)したら()からうかなア』
175玉国別(たまくにわけ)心配(しんぱい)してくれな。176(もの)あいろ(わか)らぬが、177ボンヤリとそこら(ぢう)(あか)()えるやうだ。178(いづ)(ねつ)(さが)つたら、179(もと)(とほ)りになるだらう。180これといふのも(わが)()安全(あんぜん)第一(だいいち)として烈風(れつぷう)(おそ)れ、181肝腎(かんじん)神様(かみさま)祈願(きぐわん)することや言霊(ことたま)(もつ)風神(かぜのかみ)駆逐(くちく)することを(わす)れてゐた(その)(つみ)(むく)うて()たのだ。182(じつ)によい教訓(けうくん)()けたものだ。183せめて北光神(きたてるのかみ)(さま)のやうに一眼(いちがん)なりと(ひら)かして(くだ)されば、184結構(けつこう)だがなア』
185 道公(みちこう)はつくづくと玉国別(たまくにわけ)両眼(りやうがん)()(なが)め、
186『ヨウこれは(おも)つたよりも大疵(おほきず)だ。187モシ先生(せんせい)188(みぎ)()はサツパリ(つぶ)れて(しま)つてゐますよ。189まだも見込(みこみ)のあるのは(ひだり)()ですよ』
190玉国別(たまくにわけ)(ひだり)()()大神様(おほかみさま)191(みぎ)()(つき)大神様(おほかみさま)だ。192(つき)(くに)魔神(まがみ)征服(せいふく)出陣(しゆつぢん)途中(とちう)193(つき)大神(おほかみ)(はい)すべき(みぎ)()(さる)()られたのは、194(まつた)神罰(しんばつ)(ちがひ)ない。195まさしく(ひつじさる)大神様(おほかみさま)が、196(わが)()をお取上(とりあ)げになつたのだらう、197あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
198道公(みちこう)『オイ伊太公(いたこう)199純公(すみこう)200コリヤ()うしては()られまい、201これから三人(さんにん)谷底(たにそこ)(くだ)つて一生懸命(いつしやうけんめい)水垢離(みづごり)()り、202先生(せんせい)()祈願(きぐわん)をさして(いただ)かうぢやないか』
203 ()(はな)(をり)しも、204(した)谷道(たにみち)宣伝歌(せんでんか)(うた)ひつつ東北(とうほく)()して(のぼ)()一隊(いつたい)があつた。205これはケーリス、206タークス、207ポーロの一行(いつかう)照国別(てるくにわけ)信書(しんしよ)(たづさ)へ、208斎苑館(いそやかた)修行(しうぎやう)(むか)ふのであつた。
209道公(みちこう)『ヤアあの(こゑ)三五教(あななひけう)宣伝歌(せんでんか)ぢやないか。210モシ先生(せんせい)211キツとあれは吾々(われわれ)味方(みかた)(ちがひ)ありませぬ。212(ひと)(あと)()つかけて、213貴方(あなた)眼病(がんびやう)鎮魂(ちんこん)して(もら)ひませうか』
214玉国別(たまくにわけ)(いやし)くも宣伝使(せんでんし)()(もつ)て、215山猿(やまざる)()()きむしられ、216どうしてそんな(こと)が、217(はづか)しうて(たの)めるものか。218何事(なにごと)神様(かみさま)にお(まか)せするより(みち)はないのだから、219御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)いが、220それ(だけ)はどうぞ()めてくれ』
221道公(みちこう)『それだと(まを)して、222危急(ききふ)存亡(そんばう)場合(ばあひ)223そんな(こと)()うてゐられますか。224(いま)となつては(はぢ)外聞(ぐわいぶん)もいつたものぢや(ござ)いませぬ。225何程(なにほど)神徳(しんとく)(たか)宣伝使(せんでんし)でも、226怪我(けが)(まは)りものですからそれが(はぢ)になると()(こと)はありますまい。227オイ伊太公(いたこう)228純公(すみこう)229(なに)をグヅグヅしてるのだ。230千危一機(せんきいつき)(この)場合(ばあひ)()(やつ)があるかい。231(はや)宣伝歌(せんでんか)(こゑ)(たづ)ねて(たの)んで()ぬか』
232伊太公(いたこう)『それもさうだ。233オイ純公(すみこう)234(まへ)御苦労(ごくらう)だが、235(おれ)()いて()てくれ』
236純公(すみこう)『ヨーシ、237合点(がつてん)だ。238()かねばならぬ、239()いては(こと)仕損(しそん)ずる。240()をおちつけて、241ゆるゆる(いそ)いで()かう』
242道公(みちこう)何卒(どうぞ)さうしてくれ。243サアサア(はや)(はや)う、244()()はして、245今日(けふ)(おれ)(たの)むから』
246玉国別(たまくにわけ)『コリヤ三人(さんにん)247どうしても(おれ)のいふ(こと)()かぬのか、248(おれ)(はぢ)をかかす(つも)りか』
249 道公(みちこう)(あたま)()(なが)ら、
250道公(みちこう)『ダツて貴方(あなた)251これが如何(どう)して安閑(あんかん)として()られませうか』
252玉国別(たまくにわけ)神様(かみさま)(をしへ)に、253(ひと)(つゑ)につくな、254身内(みうち)(ちから)にするな……といふ(こと)がある。255(わし)()(わし)神様(かみさま)(いの)つて(なん)とかして(もら)ふから、256どうぞそれ(だけ)はやめてくれ、257(たの)みだから』
258道公(みちこう)『オイ伊太(いた)259(すみ)260どうも仕方(しかた)がないぢやないか』
261伊太公(いたこう)(おれ)(たち)先生(せんせい)だもの、262(おれ)(たち)三人(さんにん)神様(かみさま)(いの)つて(なほ)して(もら)へばいいのだ。263(ほか)宣伝使(せんでんし)先生(せんせい)(はぢ)(さら)すのも()まないからなア』
264 玉国別(たまくにわけ)(てん)(むか)つて合掌(がつしやう)し、265天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)し、266……国治立大神(くにはるたちのおほかみ)神名(しんめい)(とな)へて、267(つみ)(しや)した。268(その)(ことば)
269高天原(たかあまはら)主宰(しゆさい)にして、270一霊四魂(いちれいしこん)三元八力(さんげんはちりき)大元霊(だいげんれい)にまします大国治立大神(おほくにはるたちのおほかみ)(さま)271(わたし)貴神(あなた)(たふと)霊力体(れいりよくたい)賦与(ふよ)せられ、272(この)地上(ちじやう)(うま)()て、273幼少(えうせう)(ころ)よりいろいろ雑多(ざつた)()からぬ(こと)のみ(いた)しまして、274()(けが)し、275(みち)(そこな)ひ、276(ひと)(くるし)め、277(おや)()かせ、278他人(たにん)迷惑(めいわく)をかけ、279しまひの(はて)にはウラル(けう)宣伝使(せんでんし)となり、280()出別神(でわけのかみ)(さま)(すく)はれて一人前(いちにんまへ)宣伝使(せんでんし)として(いただ)きました。281かかる(つみ)(ふか)吾々(われわれ)をも()(たま)はず、282きため(たま)はず、283(ひろ)(あつ)大御心(おほみこころ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)詔直(のりなほ)(くだ)さいまして、284(たふと)宣伝使(せんでんし)にお使(つか)(くだ)さいました(こと)は、285(つみ)(ふか)吾々(われわれ)()つては、286無上(むじやう)光栄(くわうえい)(ござ)います。287かかる広大無辺(くわうだいむへん)なる御恩寵(ごおんちやう)(よく)(なが)ら、288()らず()らずの(あひだ)慢心(まんしん)(いた)天下(てんか)宣伝使(せんでんし)気分(きぶん)になつて、289()(なか)(めくら)(つんぼ)(おし)(あしなへ)などを()やし(たす)けむと、290(いさ)(すす)んで此処(ここ)(まで)(まゐ)りました(こと)を、291(まこと)(はづ)かしく(ぞん)じます。292今日(けふ)只今(ただいま)山猿(やまざる)()()つて、293吾々(われわれ)両眼(りやうがん)刔出(けつしゆつ)し、294(けが)れたる(こころ)(きよ)め、295(くも)りたる(こころ)(まなこ)(ひら)かせ、296身霊(みたま)(あか)きに(すく)(たま)ひし(その)御恩徳(ごおんとく)有難(ありがた)感謝(かんしや)(いた)します。297人間(にんげん)(からだ)神様(かみさま)生宮(いきみや)とある以上(いじやう)何処迄(どこまで)大切(たいせつ)(この)肉体(にくたい)(まも)らねばならないので(ござ)いますが、298自分(じぶん)(こころ)愚昧(ぐまい)より大切(たいせつ)なる(にく)(みや)(そこな)(やぶ)り、299吾々(われわれ)霊肉(れいにく)(あた)(くだ)さいました貴神(あなた)(さま)(たい)してお(わび)申上(まをしあ)げやうも(ござ)いませぬ。300(まこと)にすまない無調法(ぶてうはふ)(いた)しました。301仮令(たとへ)玉国別(たまくにわけ)両眼(りやうがん)(めい)(しつ)する(とも)302せめては(こころ)(まなこ)()らさせ(くだ)さいますれば神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)(さま)より()さし(たま)ひし(わが)使命(しめい)飽迄(あくまで)()たし、303斎苑(いそ)(やかた)復命(ふくめい)をさして(いただ)(かんが)へで(ござ)います。304(この)(うへ)御無理(ごむり)(ねがひ)(けつ)して(いた)しませぬ。305何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)惟神(かむながら)御摂理(ごせつり)()りて、306御心(みこころ)(まま)にお取成(とりな)(くだ)さいます(やう)(つつし)んで御願(おねがひ)申上(まをしあ)げます』
307(ねが)(をは)り、308両眼(りやうがん)より(あめ)(ごと)(なみだ)(なが)してゐる。309三人(さんにん)(この)有様(ありさま)()て、310(おも)はず落涙(らくるい)にむせび、311大地(だいち)にかぶり()いて感謝(かんしや)祈願(きぐわん)()らしてゐる。312玉国別(たまくにわけ)(なほ)一生懸命(いつしやうけんめい)に、313天地(てんち)大神(おほかみ)(たい)し、314懴悔(ざんげ)告白(こくはく)をなしつつあつた。315不思議(ふしぎ)(ひだり)()(にはか)(あかる)くなり、316四辺(あたり)状況(じやうきやう)()()(ごと)()えて()た。317玉国別(たまくにわけ)(うれ)(なみだ)(むせ)(なが)ら、318(また)もや拍手(はくしゆ)再拝(さいはい)して神恩(しんおん)感謝(かんしや)する。
319玉国別(たまくにわけ)『イヤ道公(みちこう)320伊太公(いたこう)321純公(すみこう)322(よろこ)んでくれ。323どうやら片眼(かため)()()したやうだ。324神様(かみさま)(つみ)(ふか)玉国別(たまくにわけ)(たす)けて(くだ)さつた。325あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)し』
326(また)もや合掌(がつしやう)327三人(さんにん)(この)言葉(ことば)驚喜(きやうき)し、
328『あゝ有難(ありがた)勿体(もつたい)なし』
329一斉(いつせい)合掌(がつしやう)し、330(いきほひ)()んで(ふたた)天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)(はじ)めた。331あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
332大正一一・一一・二六 旧一〇・八 松村真澄録)