霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 祠前(ほこらのまへ)〔一一五七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第43巻 舎身活躍 午の巻 篇:第2篇 月下の古祠 よみ:げっかのふるほこら
章:第6章 第43巻 よみ:ほこらのまへ 通し章番号:1157
口述日:1922(大正11)年11月26日(旧10月8日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年7月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一行は岩石けわしい急坂を、南を指して下って行く。伊太公はしわがれ声を張り上げて、冷たい風を苦にもせずに滑稽な宣伝歌を歌う。続いて純公が歌った。
一行は八分ばかり壊れた祠の前に下りついた。玉国別は目の痛みは軽減したが、頭がメキメキするといって休息を取ることになった。一行は古祠の前に両手を合わせ、天津祝詞を奏上した。
一行はまた祠の神の前に和歌を歌った。歌い終わって祠の神に別れを告げ、立ち出でようとすると、前方から駒の蹄の音が騒々しく聞こえてきた。これは大黒主の部下鬼春別将軍の先鋒隊が、斎苑館に向かって進軍してきたのであった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4306
愛善世界社版:77頁 八幡書店版:第8輯 56頁 修補版: 校定版:81頁 普及版:31頁 初版: ページ備考:
001山猿(やまざる)どものつどひたる
002懐谷(ふところだに)(あと)にして
003片目(かため)()られし神司(かむつかさ)
004玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)
005岩石(がんせき)崎嶇(きく)たる急坂(きふはん)
006一足(ひとあし)一足(ひとあし)(ちから)()
007(みなみ)をさして(くだ)()
008(また)もや()()烈風(れつぷう)
009(かさ)をむしられ裳裾(もすそ)をば
010()くられながらしとしとと
011(まなこ)()ゑてアブト(しき)
012どんどんどんと膝栗毛(ひざくりげ)
013吾物顔(わがものがほ)(くだ)りゆく
014御供(みとも)(つか)へし伊太公(いたこう)
015皺枯声(しわがれごゑ)()()げて
016一足(ひとあし)一足(ひとあし)拍子(へうし)()
017(あせ)をタラタラ(なが)しつつ
018(つめ)たき(かぜ)()にもせず
019伊太公(いたこう)『「ウントコドツコイドツコイシヨ」
020玉国別(たまくにわけ)(したが)ひて
021斎苑(いそ)(やかた)出立(しゆつたつ)
022意気(いき)揚々(やうやう)膝栗毛(ひざくりげ)
023(のぼ)りつ(くだ)りつ(すす)()
024(いま)()(かぜ)よりひどいやつ
025どつと(ばか)りにやつて()
026俺等(わしら)(からだ)中天(ちうてん)
027遠慮会釈(ゑんりよゑしやく)荒風(あらかぜ)()
028()()らさむとした(ゆゑ)
029用心(ようじん)(ぶか)宣伝使(せんでんし)
030(わが)()(きみ)吾々(われわれ)
031(いた)はりたまひ道端(みちばた)
032()()(しつか)しがみつき
033「ウントコドツコイ(あぶ)ないぞ」
034(また)もや(かぜ)()いて()
035うつかりしてると()らされる
036これこれ二人(ふたり)(とも)(もの)
037(しつか)()()(くら)ひつき
038(かぜ)(とほ)るを()つがよい
039などとドツコイ仰有(おつしや)つた
040これ(さいは)ひと三人(さんにん)
041(とどろ)(むね)()でながら
042(ふる)(をのの)()()かし
043(また)もや()()荒風(あらかぜ)
044(わが)()大事(だいじ)一散(いつさん)
045懐谷(ふところだに)()けつけて
046避難(ひなん)なしける折柄(をりから)
047「アイタヽヽタツタ コン畜生(ちくしやう)
048(たか)(いし)めに(つまづ)いた
049猿公(さるこう)(やつ)めがやつて()
050畜生(ちくしやう)だてら吾々(われわれ)
051揶揄(からか)ひやがる「ウントコシヨ」
052それ()(たび)に「ウントコシヨ」
053(しやく)(さは)つて(たま)らない
054遠慮会釈(ゑんりよゑしやく)()らぬ(やつ)
055とうとう(そば)へやつて()
056伊太公(いたこう)さまは「ウントコシヨ」
057(うで)(ちから)()めながら
058(さる)一匹(いつぴき)()(たふ)
059キヤツ キヤツ キヤツ キヤツと(ほえ)(なが)
060縦横無尽(じうわうむじん)に「ウントコシヨ」
061(むら)がり(かか)(おそ)ろしさ
062大猿(おほざる)(やつ)めが()んで()
063(わが)()(きみ)両眼(りやうがん)
064キヤツとも(なん)とも(ほざ)かずに
065背中(せなか)(はう)から()きむしり
066ドテライ羽目(はめ)(おと)しよつた
067(おれ)谷川(たにがは)水汲(みづく)みに
068いつた(ところ)が「ドツコイシヨ」
069肝腎要(かんじんかなめ)水筒(すゐとう)
070小柴(こしば)(なか)へ「ヤツトコシヨ」
071(おと)した(とき)阿呆(あはう)らしさ
072道公(みちこう)さまにクドクドと
073小言(こごと)(ばか)頂戴(ちやうだい)
074(おれ)()()はあるものか
075アタ阿呆(あはう)らしい「ドツコイシヨ」
076純公(すみこう)さまの()()いて
077水筒(すゐとう)所在(ありか)(たづ)ねむと
078(くだ)つて()けば(くさ)(うへ)
079平気(へいき)平左(へいざ)水筒(すゐとう)()
080素知(そし)らぬ(かほ)して()()よる
081(しつか)りせぬかと(しり)たたき
082純公(すみこう)さまがひん(にぎ)
083(ふか)谷間(たにま)()りたつて
084()()水筒(すゐとう)ブルブルブル
085()のよな(あわ)()(なが)
086(はら)一杯(いつぱい)()みよつた
087今度(こんど)(おと)しちやならないと
088グツと素首(そつくび)ひん(にぎ)
089(わが)()(きみ)御前(おんまへ)
090()(かへ)()両眼(りやうがん)
091(あら)へば「ドツコイドツコイシヨ」
092(にはか)()まる()(いた)
093(みづ)御霊(みたま)御神徳(ごしんとく)
094あゝ有難(ありがた)(たふと)やと
095両手(りやうて)(あは)(をが)(をり)
096脚下(きやくか)(きこ)ゆる宣伝歌(せんでんか)
097こいつはテツキリ三五(あななひ)
098(かみ)(つかさ)相違(さうゐ)ない
099これより(あと)()つかけて
100「ウントコドツコイ」鎮魂(ちんこん)
101(ねが)つて眼病(がんびやう)全快(ぜんくわい)
102(いの)つて(もら)はふと(ねが)うたら
103律儀(りちぎ)一方(いつぱう)宣伝使(せんでんし)
104なかなか(たて)(くび)ふらぬ
105(われ)天下(てんか)宣伝使(せんでんし)
106(こころ)油断(ゆだん)につけ()まれ
107畜生原(ちくしやうばら)()をとられ
108(なん)顔色(かんばせ)あるものぞ
109(たの)むでないと「ウントコシヨ」
110「ヤツトコドツコイ」(あぶ)ないぞ
111なかなか(ゆる)して(くだ)さらぬ
112(おれ)因果(いんぐわ)(こし)()
113もう(この)(うへ)神様(かみさま)
114(ねが)ひするより(みち)はない
115枯草(かれくさ)()にどつと()
116両手(りやうて)(あは)惟神(かむながら)
117御霊(みたま)(さち)はへましませと
118(いの)りし甲斐(かひ)もありありと
119パツと(ひら)いた(ひだり)()
120あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
121(かみ)(めぐみ)()のあたり
122「ウントコドツコイ ドツコイシヨ」
123これから(さき)はだんだんと
124(さか)がはげしくなるやうだ
125純公(すみこう)()をつけ道公(みちこう)さま
126(まへ)足許(あしもと)(あぶ)ないぞ
127(おれ)もなんだか膝坊子(ひざばうず)
128キヨクリ キヨクリと(ぬか)しよる
129ほんに(こま)つた(さか)だなア
130アイタヽヽヽつまづいた
131(つまづ)(いし)(えん)のはし
132一樹(いちじゆ)(かげ)雨宿(あまやど)
133一河(いつか)(なが)れを()むさへも
134(ふか)(えにし)()(うへ)
135「ウントコドツコイ(つまづ)いた」
136(にく)(いし)でも「ドツコイシヨ」
137(あんま)()てたものぢやない
138あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
139御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましまして
140一日(ひとひ)(はや)(つき)(くに)
141ハルナの(みやこ)へドウドウと
142(すす)ませ(たま)三五(あななひ)
143皇大神(すめおほかみ)御前(おんまへ)
144(つつし)(うやま)()ぎまつる
145「アイタタツタ(また)()けた」』
146 純公(すみこう)(また)(うた)ふ。
147河鹿峠(かじかたうげ)(やま)()
148()木枯(こがらし)木々(きぎ)()
149(あへ)なく()りて羽衣(はごろも)
150()いで()てたる枯木原(かれきはら)
151冬野(ふゆの)(ごと)くなりにけり
152(あき)山野(やまの)(かざ)りたる
153黄金姫(わうごんひめ)紅葉(こうえう)
154夕日(ゆふひ)清照姫(きよてるひめ)()
155(いま)(まつた)く「ドツコイシヨ」
156(あは)()かなくなりにけり
157小猿(こざる)(やつ)()(たま)
158「ウントコドツコイ」引抜(ひきぬ)かれ
159(わが)()(きみ)(さぞ)やさぞ
160残念(ざんねん)だらう無念(むねん)だらう
161「ヤツトコドツコイ ドツコイシヨ」
162足許(あしもと)用心(ようじん)するがよい
163(たか)(いし)()(なら)んで()
164小面(こづら)(にく)(さる)(やつ)
165(あめ)(つち)との経綸者(けいりんしや)
166(よろづ)(もの)霊長(れいちやう)
167(うま)()でたる人間(にんげん)
168馬鹿(ばか)にしやがる「ドツコイシヨ」
169どうしてこれが()(ひと)
170(はなし)がならうか(はづ)かしや
171三人(みたり)(とも)がありながら
172肝腎要(かんじんかなめ)のお師匠(ししやう)
173「ウントコドツコイ」むごい()
174()はして(なん)(まを)(わけ)
175神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)
176御前(みまへ)(まを)()げられよか
177(おも)へば(おも)へば腑甲斐(ふがひ)ない
178(はなし)にならぬ御供達(おともたち)
179これから(いづ)れも()をつけて
180(わが)()(きみ)身辺(しんぺん)
181(まも)らにやならぬ道公(みちこう)
182伊太公(いたこう)(しつか)りするがよい
183アイタヽタツタ(つまづ)いた
184厄介(やくかい)至極(しごく)坂道(さかみち)
185うかうかしとれば(たま)()
186(いのち)()られて仕舞(しま)ふぞよ
187こんなところで(くた)ばつて
188どうして天地(てんち)神様(かみさま)
189(なん)()(わけ)()つものか
190「ウントコドツコイ コレワイナ」
191又々(またまた)きつい(かぜ)()
192(あたま)(さき)から(つめ)(さき)
193(こし)(まは)りに()をつけて
194一歩(ひとあし)々々(ひとあし)(ちから)()
195「ウントコドツコイ」(この)(さか)
196エンヤラヤツと(くだ)らうか
197黄金姫(わうごんひめ)清照姫(きよてるひめ)
198(うづ)(つかさ)(この)(さか)
199どうして(くだ)つて()かれたか
200その御艱難(ごかんなん)こそ(おも)ひやる
201照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)
202三人(みたり)(とも)諸共(もろとも)
203此所(ここ)(とほ)らせたまうたに
204(ちが)ひあるまい「ウントコシヨ」
205キツト功名(こうみやう)手柄(てがら)
206七千余国(しちせんよこく)国々(くにぐに)
207()てなさるで(ござ)らうぞ
208何程(なにほど)大将(たいしやう)(えら)うても
209()()(やつ)(わる)ければ
210(ちから)(いつ)ぱい(うご)けない
211純公(すみこう)さまの()(こと)
212(まへ)のお()(さは)つたら
213直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
214(けつ)して(けつ)して(わる)(こと)
215「ウントコドツコイ」()はぬぞよ』
216 ()(うた)(なが)ら、217八分(はちぶ)(ばか)(こは)れた(ほこら)(まへ)(くだ)りついた。
218玉国別(たまくにわけ)『お(かげ)()(いた)みも余程(よほど)軽減(けいげん)したが(なん)だか(すこ)(ばか)(あたま)がメキメキして()た。219(さいは)此処(ここ)広場(ひろば)があり、220(こぼ)れた(ほこら)()つて()る、221何神様(なにがみさま)がお(まつ)りしてあるか()らぬが、222此処(ここ)一息(ひといき)して()かうぢやないか』
223道公(みちこう)『ハイ、224それが宜敷(よろし)(ござ)いませう、225貴方(あなた)御病症(ごびやうしやう)御身(おんみ)(うへ)226無理(むり)をなさつてはいけませぬ。227今日(けふ)(ばか)りでない明日(あす)明後日(あさつて)もあるのですから、228(ゆる)りと御休息(ごきうそく)なさいませ。229道公(みちこう)大変(たいへん)(つか)れましたからおつきあひを(いた)しませう』
230 玉国別(たまくにわけ)(うなづ)(なが)(みの)大地(だいち)にパツと()いて(その)(うへ)にドツカと(こし)(おろ)し、231古祠(ふるほこら)(まへ)両手(りやうて)(あは)せ、232天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)(はじ)めた。233三人(さんにん)(おな)じく祝詞(のりと)奏上(そうじやう)する。
234玉国別(たまくにわけ)何神(なにがみ)(まつ)りし(ほこら)かしらねども
235いたいたしくもなりましにける。
236よし(みや)(こは)れたりとも神実(かむざね)
237常磐堅磐(ときはかきは)(しづ)まりまさむ。
238国治立神(くにはるたちのかみ)(みこと)(とき)()
239根底(ねそこ)(くに)(かく)れましぬる。
240あゝ(われ)(かみ)御恵(みめぐみ)(かかぶ)りて
241(この)()(うへ)(いさ)()るかな。
242神様(かみさま)(くに)(うま)れて神様(かみさま)
243(いつ)かぬ(やつ)(しこ)曲津見(まがつみ)
244この(やしろ)()るにつけても(おも)ふかな
245(あま)日澄(ひす)みの(みや)如何(いか)にと。
246エルサレム(むかし)姿(すがた)()()てて
247(いま)(さび)しき(こがらし)()く。
248惟神(かむながら)(かみ)(おもて)()れまして
249()(をさ)めます(とき)()たるる。
250(わが)(おも)(こころ)(まま)になるならば
251千木高知(ちぎたかし)れる宮居(みやゐ)()てむ。
252たてとほす(まこと)(みち)(つよ)ければ
253(うづ)宮居(みやゐ)もやがて()つべし。
254()(をが)(ほこら)(まへ)(なみだ)して
255(わが)大神(おほかみ)行方(ゆくへ)しのばゆ。
256()をしのび人草(ひとぐさ)(すく)素盞嗚(すさのを)
257(かみ)(みこと)(たふと)かりけり。
258自凝(おのころ)(しま)にまします国武彦(くにたけひこ)
259(かみ)(みこと)(した)はしきかな。
260玉照彦(たまてるひこ)(うづ)(みこと)玉照姫(たまてるひめ)
261如何(いかが)まさむと(そら)(あふ)ぎつ』
262道公(みちこう)(かみ)(みち)(あさ)(ゆふ)なに(すす)()
263やがて(とど)かむ勝利(しようり)(みやこ)へ。
264瑞御魂(みづみたま)(いづ)御魂(みたま)諸共(もろとも)
265三五教(あななひけう)(きづ)きましけり。
266三五(あななひ)(みち)(つか)へし(われ)なれば
267(しこ)曲津(まがつ)如何(いか)(おそ)はむ。
268惟神(かむながら)(かみ)より(ほか)(なに)もなし
269(おや)()もなき(わが)()なりせば』
270伊太公(いたこう)(われ)(いま)(かみ)(つかさ)(したが)ひて
271(かみ)大路(おほぢ)(さか)(あゆ)むなり。
272(この)(ほこら)如何(いか)なる(かみ)のましますか
273()らずながらも(いの)りたくなりぬ。
274いろいろと(かみ)御名(おんな)はかはれども
275国治立(くにはるたち)のみすゑなるらむ。
276皇神(すめかみ)行先(ゆくさき)(さき)(まも)りませ
277(わが)()(きみ)御身(おんみ)はことさら。
278()(さき)如何(いか)なる(まが)のさやるとも
279(かみ)息吹(いぶき)(はら)はせたまへ』
280純公(すみこう)村肝(むらきも)(こころ)(つき)(きよ)ければ
281如何(いか)なる(まが)もさやらざらまし。
282三五(あななひ)(つき)(をしへ)(まも)りつつ
283(つき)御国(みくに)(われ)(すす)むなり。
284(つき)(くに)ハルナの(みやこ)(わだかま)
285八岐大蛇(やまたをろち)如何(いか)(すく)はむ。
286曲神(まがかみ)(みな)皇神(すめかみ)御子(みこ)ならば
287吾等(われら)如何(いか)(にく)むべしやは』
288玉国別(たまくにわけ)玉国別(たまくにわけ)(かみ)(つかさ)今日(けふ)よりは
289(かみ)のまにまに(すす)()くべし。
290斎苑館(いそやかた)(かみ)御言(みこと)(かかぶ)りて
291吾等(われら)四人(よにん)大道(おほぢ)ゆくなり。
292河鹿山(かじかやま)(みね)(あらし)(つよ)くとも
293如何(いか)(おそ)れむ(かみ)兵士(つはもの)
294()(かぜ)(あふ)られながら(すす)()
295(かみ)(つかさ)雄々(をを)しかりけり。
296バラモンの(いくさ)(つかさ)()(さき)
297()(きた)るとも刃向(はむか)ふなゆめ。
298さり(なが)千騎一騎(せんきいつき)(とき)()れば
299(かみ)のゆるしを()けて(うご)かむ。
300(うご)きなき(たま)御柱(みはしら)撞固(つきかた)
301愛善(あいぜん)(みち)(つた)()くなり』
302道公(みちこう)皇神(すめかみ)(みち)にさやりし曲神(まがかみ)
303言向(ことむ)(すす)()(さち)(たの)しも。
304(この)(もり)千歳(ちとせ)(まつ)(こと)とはむ
305国治立(くにはるたち)(かみ)(むかし)を。
306(この)(もり)千歳(ちとせ)(まつ)(もの)()はば
307神代(かみよ)(むかし)()かましものを。
308()()りし(むかし)(ゆめ)辿(たど)りつつ
309(ゆめ)浮世(うきよ)(なが)らへてゆく。
310現世(うつしよ)(また)幽世(かくりよ)(かみ)()
311すべ(まも)ります(くに)祖神(おやがみ)
312三五(あななひ)(みち)()てたる神柱(かむばしら)
313神素盞嗚(かむすさのを)(みこと)(かしこ)き。
314素盞嗚(すさのを)(みづ)御魂(みたま)にかなひなば
315如何(いか)なる(まが)(そむ)かざるらむ。
316(われ)(いま)(かみ)(めぐみ)(まも)られて
317()(きみ)(したが)宣伝(せんでん)(たび)()く。
318ゆく(さき)(そら)()(わた)(つき)(くに)
319ハルナの(みやこ)()くは(いさ)まし』
320伊太公(いたこう)(しばら)くは(あらし)()けどもやがて(また)
321(はな)()(はる)()はむと(たの)しむ。
322山々(やまやま)諸木(もろき)(すゑ)(いた)るまで
323(ふゆ)ごもりして(とき)をまつなり。
324田鶴(たづ)(すく)()松ケ枝(まつがえ)夏冬(なつふゆ)
325わかちも()らに(さか)えけるかも。
326(うぐひす)(たに)()あけて()(はる)
327まつも(うれ)しき宣伝(せんでん)(たび)
328杜鵑(ほととぎす)八千八声(はつせんやこゑ)()()らし
329黄金(こがね)(はな)()(とき)をまちぬる。
330(ふゆ)()ぬと()にはさやかに()えねども
331(そら)()(かぜ)にそれと(しの)ばる。
332(この)(もり)常磐堅磐(ときはかきは)(いま)(かみ)
333吾等(われら)永久(とは)(まも)らせ(たま)へ』
334純公(すみこう)()(わた)(あき)大空(おほぞら)(なが)むれば
335(たちま)(おこ)(しこ)黒雲(くろくも)
336時雨(しぐれ)して()()(あと)初冬(はつふゆ)
337(つき)御空(みそら)(かがや)きにけり。
338()(すで)西山(にしやま)()(うすづ)きて
339うら(さび)しくもなりにけらしな。
340さりながら(かみ)(こころ)にかへりなば
341夜昼(よるひる)しらに(にぎは)しと(おも)ふ。
342いざさらば(わが)()(きみ)()(たま)
343やがては(ひろ)(みち)()でまさむ』
344玉国別(たまくにわけ)有難(ありがた)(まなこ)(いた)(いま)(はや)
345うち(わす)れたり(かみ)(めぐ)みに。
346いざさらば三人(みたり)(とも)(かみ)(まへ)
347祝詞(のりと)(ささ)げて()()()かむ。
348()(がた)(たふと)(かみ)御前(おんまへ)
349(いき)やすめたる(めぐみ)(うれ)しむ。
350御恵(みめぐみ)(つゆ)()()(すゑ)までも
351きらめき(わた)(つき)夜半(よは)なり。
352(もち)()(つき)御空(みそら)()でましぬ
353山蔭(やまかげ)あかくなりしと(おも)へば』
354 ()(うた)(をは)(ほこら)(かみ)(わか)れを()げ、355()()でむとする(とき)しもあれ、356前方(ぜんぱう)より(こま)(ひづめ)(おと)騒々(さうざう)しく(きこ)数百騎(すうひやくき)兵士(つはもの)時々刻々(じじこくこく)此方(こなた)をさして(すす)(きた)る。357玉国別(たまくにわけ)(ほか)三人(さんにん)(この)物音(ものおと)(みみ)をすませ何者(なにもの)ならむと双手(もろて)()思案(しあん)()れて()た。358(いま)物音(ものおと)大黒主(おほくろぬし)部下(ぶか)鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)先鋒隊(せんぽうたい)斎苑(いそ)(やかた)(むか)つて進軍(しんぐん)(きた)るのである。359あゝ玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)運命(うんめい)如何(いか)()()くならむか。
360大正一一・一一・二六 旧一〇・八 加藤明子録)