第二三章 諸教同根〔二七三〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻
篇:第4篇 立花の小戸
よみ(新仮名遣い):たちはなのおど
章:第23章 諸教同根
よみ(新仮名遣い):しょきょうどうこん
通し章番号:273
口述日:1922(大正11)年01月20日(旧12月23日)
口述場所:
筆録者:井上留五郎
校正日:
校正場所:
初版発行日:1922(大正11)年5月10日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:国の御柱の神が歌い返して、二尊は青木ケ原の真ん中の八尋殿に帰り、休息した。
ここに月照彦神、足真彦、弘子彦、祝部、岩戸別の諸神は、野立彦神・野立姫神を慕って天教山の噴火口に飛び込み、大地の中心である火球の世界(=根底の国)に至って、幽界の諸霊を安息する神業に奉仕した。
これらの諸神は幽界を修理固成し、ふたたび地上に出生して、月照彦神は印度の国の浄飯王の太子と生まれて釈迦となった。足真彦司は、月照彦神を追って印度に生まれ、達磨となった。
天道別命はやはり根底の国で修業した後、地上に出てふたたび天地の律法をひろめた。これをモーゼの司という。天真道彦命も根底の国を探検し火の洗礼を受け、地上に出生してエリヤの司と生まれ、福音を宣伝した。
また、高皇産霊神の御子である大道別は、日の出神となって神界・現界に救いの道を宣伝し、天教山から天の浮橋を渡って日の御国に至り、大日如来となった。
豊国姫命は地中の火球・汐球を守り、罪ある身魂の無差別的な救済に神力を発揮した。仏教で言うところの地蔵尊である。
天教山は後にシナイ山とも呼ばれるようになったが、一巻に登場したシナイ山とは別のものである。
弘子彦命は閻羅王となった野立彦命の命によって何度も地上に出生し、ついに支那の国に孔子と生まれて治国安民の道を、天下にひろめた。しかしその教えがあまりに現世的だったため、野立彦命は我が身魂の一部を分けて、老子として出生させたのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm0623
愛善世界社版:132頁
八幡書店版:第1輯 676頁
修補版:
校定版:134頁
普及版:53頁
初版:
ページ備考:初版では「神儒仏耶の同根」だが聖師校正本で「諸教同根」に校正された。普及版は「諸教同根」、校定版は「万教同根」、八幡版・愛世版は「諸教同根」。王仁三郎は昭和21年の愛善苑発足の際に「万教同根」と「人類愛善」という二つの指標を示した。校定版はそれを根拠にして章題を変更したようである。
001 ここに伊弉冊命は返り歌詠まし給ひぬ。002其の歌、
004正しき清き秩序あり
005汝が命の宣言
010天にも地にも只一つ
011力と頼む汝が命
013たよるは汝が御魂一つ 014心の清き赤玉は
015魂の緒清く冴えわたり 016吾の御霊は月雪の
017色にも擬ふ白玉の 018天と地との真釣りあひ
019尊き御代に相生の 020松の神世の基礎を
021天より高く搗き固め 022地の底まで搗き凝らし
023天と地とは睦び合ひ 024力を協せ村肝の
025心一つに御子生まむ
027世は紫陽花の七かはり 028如何に天地変るとも
029汝と吾との其の仲は 030千代も八千代も変らまじ
033尽きせぬ縁は天伝ふ 034月に誓ひて大空の
035星の如くに御子生まむ 036生めよ生め生め地の上に
037仰げば高し久方の
039永久に栄ゆる汝がみたま 040阿那邇夜志愛袁登古
041阿那邇夜志愛袁登古
043八尋の殿にさし籠り 044天津御祖の皇神の
046御魂を永久に斎くべし』
047と声も涼しく歌ひ給ふ。
048 是より二神は撞の御柱を、049左右より隈なく廻り給ひて、050青木ケ原の真中に立てる八尋殿に立帰り、051息を休め給ひける。
052 ここに月照彦神、053足真彦、054弘子彦、055祝部、056岩戸別の諸神人は、057野立彦神、058野立姫神の御跡を慕ひて神界現界の地上の神業を終へ、059大地の中心地点たる火球の世界、060即ち根の国底の国に出でまして、061幽界の諸霊を安息せしめむため、062天教山の噴火口に身を投じ給ひける。
063 神徳高く至仁至愛にして、064至誠至直の神人は、065神魂清涼の気に充たされ、066さしもに激烈なる猛火の中に飛び入りて、067少しの火傷も負はせ給はず、068無事に幽界に到着し給ひぬ。
069 これらの諸神人は幽界を修理固成し、070かつ各自身魂の帰着を定め、071再び地上に出生して、072月照彦神は印度の国浄飯王の太子と生れ、073釈迦となつて衆生を済度し、074仏教を弘布せしめたまひけり。075ゆゑに釈迦の誕生したる印度を月氏国といひ、076釈迦を月氏と称するなり。
077 また足真彦は、078これまた月照彦神の後を逐ひて月氏国に出生し、079達磨となつて禅道を弘布したり。
080 時により処によりて、081神人の身魂は各自変現されたるなり。082何れも豊国姫命の分霊にして、083国治立命の分身なりける。
084 少名彦は幽界を遍歴し、085天地に上下し、086天津神の命をうけ猶太に降誕して、087天国の福音を地上に宣伝したまふ。
088 天道別命は天教山の噴火口より地中の世界に到達し、089これまた数十万年の神業を修し、090清められて天上に上り、091天地の律法を再び地上に弘布せり。092之を後世「モーゼ」の司と云ふ。
093 天真道彦命も同じく天教山の噴火口に飛び入り、094火の洗礼を受けて根底の国を探険し、095地上に出生して人体と化し、096エリヤの司と現はれてその福音を遍く地上に宣伝し、097天下救済の神業に従事したり。
098 また高皇産霊神の御子たりし大道別は、099日の出神となりて神界現界に救ひの道を宣伝し、100此度の変によりて天教山に上り、101それより天の浮橋を渡りて日の御国に到り、102仏者の所謂大日如来となりにける。103神界にてはやはり日出神と称へらるるなり。
104 また豊国姫命は地中の火球、105汐球を守り、106数多の罪ある身魂の無差別的救済に、107神力を傾注したまへり。108仏者の所謂地蔵尊は即ちこの神なり。
109 天教山は後にシナイ山とも称せらるるに至りぬ。110併し第一巻に表はれたるシナイ山とは別のものたるを知るべし。
111 弘子彦司は一旦根底の国にいたりしとき、112仏者の所謂閻羅王なる野立彦命の命により、113幽界の探険を中止し、114再たび現界に幾度となく出生し、115現世の艱苦を積みて遂に現代の支那に出生し、116孔子と生れ、117治国安民の大道を天下に弘布したりける。
118 然るに孔子の教理は余り現世的にして、119神界幽界の消息に達せざるを憂慮し給ひ、120野立彦命は吾が身魂の一部を分けて、121同じ支那国に出生せしめ給ひぬ。122之老子なり。
123(大正一一・一・二〇 旧大正一〇・一二・二三 井上留五郎録)