霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四八章 鈿女命(うづめのみこと)〔二九八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻 篇:第8篇 五伴緒神 よみ(新仮名遣い):いつとものおのかみ
章:第48章 鈿女命 よみ(新仮名遣い):うずめのみこと 通し章番号:298
口述日:1922(大正11)年01月24日(旧12月27日) 口述場所: 筆録者:井上留五郎 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
岩彦の怒声に逃げ散った群集は、またもや十字街頭に集まってきて、今度はそこかしこで喧嘩を始めた。元照別の従者らは、喧嘩を制止にかかっている。
そこへ先ほどの美しい女宣伝使が長袖を振りながら、悠々として歌い舞い始めた。その歌は、元照別がウラル彦に臣従したことを厳しく戒める歌であった。岩彦も、拳を固めた大男も、この歌にぐにゃぐにゃとなってしまった。
広道別は、この女宣伝使が出雲姫であることを知った。互いに挨拶を交わしていると、元照別の従者たちが、宣伝使たちを丁重に迎えにやってきた。
群集の祭頭で広道別に殴りかかって強直していた男(熊彦)は、いよいよ改心して宣伝使となった。これは、天岩戸開きで手力男と並んで岩戸を開いた、岩戸別神の前身である。
手力男神のまたの名を豊岩窓神という。岩戸別神のまたの名を櫛岩窓神という。そして出雲姫は、天宇受売命の前身である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0648
愛善世界社版:290頁 八幡書店版:第1輯 730頁 修補版: 校定版:291頁 普及版:121頁 初版: ページ備考:
001 一旦(いつたん)()()つたる群集(ぐんしう)は、002(ふたた)十字(じふじ)街頭(がいとう)(うしほ)のごとく(あつ)まつて()た。003さうして(たが)ひに争論(そうろん)をはじめ、004つひには(なぐ)()ひ、005組打(くみうち)修羅場(しゆらぢやう)となつた。006敵味方(てきみかた)区別(くべつ)なく、007手当(てあた)放題(はうだい)に、008()つ、009()る、010(なぐ)る、011たちまち阿鼻(あび)叫喚(けうくわん)地獄(ぢごく)(ちまた)(くわ)()りにける。
012 (れい)仁王(にわう)依然(いぜん)として、013十字(じふじ)街頭(がいとう)(かた)くなり佇立(ちよりつ)しをる。
014 一方(いつぱう)元照別(もとてるわけ)従者(じゆうしや)は、015(こゑ)をかぎりに制止(せいし)した。016されど争闘(そうとう)はますます(はげ)しくなりぬ。
017 このとき(をんな)宣伝使(せんでんし)は、018群集(ぐんしふ)(なか)蓑笠(みのかさ)()()て、019花顔(くわがん)柳腰(りうえう)あたりに(まなこ)(そばだ)てながら、020悠々(いういう)として長袖(ながそで)()り、021みづから(うた)ひつつ()ひはじめける。
022羅馬(ローマ)(みやこ)十字街(じふじがい)
023()()せきたる(ひと)(なみ)
024(こころ)(くら)()(くら)
025常夜(とこよ)(やみ)のウラル(ひこ)
026ウラルの(ひめ)曲事(まがごと)
027相交(あひまじ)こりて村肝(むらきも)
028(こころ)(くも)元暗(もとやみ)
029(わか)らぬ(みこと)誕生日(たんじやうび)
030()めよ(さわ)げの宣伝歌(せんでんか)
031一寸(いつすん)(さき)(しん)(やみ)
032(やみ)(よさ)には(おに)()
033(おに)より(こは)仁王(にわう)さま
034十字(じふじ)街頭(がいとう)()()けて
035元暗別(もとやみわけ)素首(そつくび)
036()くか()かぬかそりや()らぬ
037()らぬが(ほとけ)市人(まちびと)
038元暗別(もとやみわけ)(だま)されて
039眉毛(まゆげ)()まれて(しり)ぬかれ
040(しり)(しま)りはこの(とほ)
041渋紙(しぶがみ)さまが(あら)はれて
042(しぶ)(かほ)して拳骨(げんこつ)
043(かた)めて御座(ござ)(おそ)ろしさ
044殿(との)さま(こは)いと強飯(こはめし)
045こはごは()いて泣面(なきづら)
046おん目出(めで)目出(めで)たい()目出(めで)たい
047目玉(めだま)()るよな苦面(くめん)して
048()()(おも)ひの時鳥(ほととぎす)
049ホツと一息(ひといき)する()もあらず
050(あら)はれ(いで)たる荒男(あらをとこ)
051その()()げた拳骨(げんこつ)
052荒肝(あらぎも)とられてあら(こは)
053荒肝(あらぎも)とられてあら(こは)
054(こは)(こは)いと()ひながら
055(なに)(こは)いか()つてるか
056何程(なにほど)威勢(ゐせい)(つよ)くとも
057(こころ)(くら)元暗別(もとやみわけ)
058(しこ)(みたま)仁王(にわう)さま
059それより(こは)いは(あし)(かは)
060まだまだ(こは)いものがある
061天地(てんち)(つく)日月(じつげつ)
062(つく)つて(この)()(まも)られる
063(かみ)律法(おきて)(きび)しいぞ
064律法(おきて)(やぶ)れば(その)()から
065根底(ねそこ)(くに)へと(おと)されて
066焦熱(せうねつ)地獄(ぢごく)水地獄(みづぢごく)
067地獄(ぢごく)(かま)(こげ)おこし
068それも()らずに(いま)(やつ)
069盲目(めくら)ばかりが()()うて
070()めよ(さわ)げと(なん)のざま
071一寸先(いつすんさき)()(くるま)
072(めぐ)因果(いんぐわ)(むく)いにて
073羅馬(ローマ)(みやこ)()(あた)
074()けて(ほろ)びて(しん)(やみ)
075栄華(えいぐわ)(あと)には(つき)()
076(つき)(つき)ぢやが息尽(いきつ)きぢや
077きよろつきまごつき(うそ)つき
078(うそ)(かた)めた羅馬城(ローマじやう)
079天津(あまつ)(かみ)より(たま)ひたる
080(もと)(こころ)(みが)()
081元照別(もとてるわけ)神司(かみ)となり
082三五教(あななひけふ)(かみ)(のり)
083(みみ)(さら)へて()くがよい
084(まへ)(みみ)木耳(きくらげ)
085海月(くらげ)(ごと)(ただよ)うた
086この人浪(ひとなみ)()うするぞ
087(なみ)()(さわ)(むね)(うち)
088さぞや無念(むねん)であろ(ほど)
089慢心(まんしん)するにも(ほど)がある
090羅馬(ローマ)(みやこ)輿(こし)()
091吾物顔(わがものがほ)()(ある)
092貴様(きさま)(あし)はどうしたか
093(とら)(おほかみ)(やまいぬ)
094(やう)(こころ)()(なか)
095(をさ)まる道理(だうり)荒浪(あらなみ)
096(なみ)(ただよ)民草(たみくさ)
097どうして(すく)元暗(もとやみ)
098(わけ)(わか)らぬ盲目神(めくらがみ)
099(よわ)女人(によにん)(われ)なれど
100天津(あまつ)御空(みそら)(くも)()けて
101(くだ)(きた)れる出雲姫(いづもひめ)
102出雲(いづも)(からす)()くやうに
103うかうか()くなよ聾神(つんぼがみ)
104盲目(めくら)(つんぼ)()(なか)
105なにほど立派(りつぱ)神言(かみごと)
106どれほど(たふと)(かみ)さまの
107(こゑ)()けよまい御姿(みすがた)
108()えはしまいが(かみ)(さま)
109(もら)うた身魂(みたま)(ひか)らして
110元照別(もとてるわけ)天使(かみ)となり
111(むかし)(こころ)立復(たちかへ)
112(つき)御柱(みはしら)大御神(おほみかみ)
113(あめ)御柱(みはしら)大御神(おほみかみ)
114(くに)御柱(みはしら)大神(おほかみ)
115御前(みまへ)()びよ()(をが)
116(もと)(たふと)大神(おほかみ)
117()けの御魂(みたま)(うま)れたる
118元照別(もとてるわけ)にはあらざるか
119甲斐(かひ)ない浮世(うきよ)(なが)らへて
120吾物顔(わがものがほ)()(なか)
121()()ふお(かた)()()れぬ
122ヤツトコドツコイ、ドツコイシヨ
123ヨイトサー、ヨイトサ
124ヨイヨイヨイの
125ヨイトサツサ』
126(ふし)面白(おもしろ)く、127()つき(あや)しく(をど)(くる)うた。
128 木綿(もめん)洗濯物(せんたくもの)固糊(かたのり)()けた(やう)に、129街頭(がいとう)(しやち)()つて()岩彦(いはひこ)も、130(だい)(をとこ)も、131この(うた)とろかされて、132何時(いつ)のまにか菎蒻(こんにやく)のやうに、133ぐにやぐにやになつて(しま)つて()た。
134 広道別(ひろみちわけの)天使(かみ)(をんな)宣伝使(せんでんし)にむかひ、
135貴方(あなた)(うはさ)()く、136出雲姫(いづもひめ)におはせしか。137(ぞん)ぜぬこととて、138無礼(ぶれい)(だん)()(ゆる)しくだされませ』
139慇懃(いんぎん)挨拶(あいさつ)した。
140 出雲姫(いづもひめ)丁寧(ていねい)挨拶(あいさつ)(かへ)(をり)しも、141礼服(れいふく)着用(ちやくよう)したる四五(しご)役人(やくにん)らしき(もの)142(まへ)(あら)はれ丁寧(ていねい)辞儀(じぎ)をしながら、
143役人(やくにん)(わたくし)羅馬(ローマ)(しろ)(つか)へまつる端下役(はしたやく)であります。144(いま)城主(じやうしゆ)命令(めいれい)により(まゐ)りました。145どうかこの駕籠(かご)()つて羅馬城(ローマじやう)()出張(しゆつちやう)(ねが)ひたい』
146(たの)()つた。
147 元照別(もとてるわけの)天使(かみ)輿(こし)何故(なにゆゑ)か、148(あと)一目散(いちもくさん)引返(ひきかへ)して(しま)つた。
149 この群集(ぐんしふ)(なか)から(あら)はれ、150十字(じふじ)街頭(がいとう)(こぶし)(かた)め、151(くち)()いたなり強直(きやうちよく)してゐた(だい)(をとこ)は、152いよいよ改心(かいしん)して宣伝使(せんでんし)となり、153(あま)岩戸(いはと)(まへ)において手力男(たぢからをの)(みこと)相並(あひなら)び、154岩戸(いはと)(ひら)いた岩戸別(いはとわけの)(かみ)前身(ぜんしん)である。
155 手力男(たぢからをの)(かみ)(また)()を、156豊岩窓(とよいはまどの)(かみ)といひ、157岩戸別(いはとわけの)(かみ)(また)()を、158櫛岩窓(くしいはまどの)(かみ)()ふのである。159さうして(いま)(あら)はれた出雲姫(いづもひめ)は、160岩戸(いはと)(まへ)俳優(わざをぎ)をなし、161神々(かみがみ)(あご)()いた滑稽(こつけい)洒落(しやらく)(あめの)宇受売(うづめの)(みこと)前身(ぜんしん)である。
162大正一一・一・二四 旧大正一〇・一二・二七 井上留五郎録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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