霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四五章 大歳神(おほとしのかみ)〔二九五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻 篇:第8篇 五伴緒神 よみ(新仮名遣い):いつとものおのかみ
章:第45章 大歳神 よみ(新仮名遣い):おおとしのかみ 通し章番号:295
口述日:1922(大正11)年01月24日(旧12月27日) 口述場所: 筆録者:藤原勇造 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月10日
概要: 舞台:御年村 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
田植えの最中に喧嘩をしていた男・虎公は、中でも図抜けた大男で大食らいであった。早苗饗祭でも酒を飲んでウラル教の歌を歌い、他愛ない口争いをしていたが、雲路別はウラル教の替え歌を節面白く歌ってたしなめた。
この歌の節に一同は踊り狂って喜び、祝宴は無事に終わった。
宣伝使たちがこの村に三五教と農業の改善を伝えたため、以降村では年々豊作が続くことになった。雲路別は百姓の神と尊敬され、ついには大歳神となった。
虎公は力が強く、醜悪な面相であったが、至って正直な男であった。広道別の弟子となり、宣伝使にしたがってローマをはじめ、世界の宣伝に努めた。ついに立派な宣伝使となり、天岩戸開きの際には岩戸を押し開いた手力男神となった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-04-26 18:02:17 OBC :rm0645
愛善世界社版:273頁 八幡書店版:第1輯 724頁 修補版: 校定版:274頁 普及版:113頁 初版: ページ備考:
001 二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)の、002骨身(ほねみ)()しまぬ昼夜(ちうや)勤労(きんらう)にて、003(おも)ひの(ほか)田植(たうゑ)(らく)片付(かたづ)いた。004ここに村内(そんない)取締(とりしま)(もつと)(ひろ)熊公(くまこう)(いへ)開放(かいはう)し、005早苗饗(さなぶり)(まつり)祝宴(しゆくえん)(ひら)かれた。006さうして村中(むらぢう)百姓(ひやくしやう)は、007(いのち)洗濯(せんたく)ぢや、008睾丸(きんたま)皺伸(しわの)ばしぢやと()つて、009神酒(みき)(いただ)き、010(もち)団子(だんご)舌鼓(したつづみ)()つて(うた)ふ。
011 このとき丑寅(うしとら)自称(じしよう)した虎公(とらこう)は、012一座(いちざ)(なか)でも図抜(づぬ)けた(おほ)きい(をとこ)である。013(さけ)二升(にしよう)三升(さんじよう)()ンだつて、014(かほ)(いろ)ひとつ()へぬ(がう)のものである。015獅子舞(ししまひ)(やう)(おほ)きな(くち)()けて、016(もち)団子(だんご)()()一度(いちど)につまんでは(くち)(なか)(ほう)りこみ、017(くちびる)()めるとたんに、018ぐう(おと)をさせて(たひら)げる。019(じつ)健啖家(けんたんか)である。020()ンでは(くら)ひ、021()ンでは(くら)ひ、022さすがの酒豪(しゆがう)もそろそろ(ゑひ)がまはり、023()()いたとみえて(うな)(はじ)めた。024牛飲(ぎういん)馬食(ばしよく)といふは、025自称(じしよう)丑寅(うしとら)金神(こんじん)から(はじ)まつたのだらう。026丑寅(うしとら)自称(じしよう)金神(こんじん)大口(おほぐち)()けて、027砂糖屋(さたうや)十能(じふのう)(やう)(ひら)たい(だい)なる(てのひら)をピシヤピシヤ(たた)きながら、028(うし)(とら)()える(やう)(こゑ)()して、
029虎公(とらこう)()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(やみ)よ、030(やみ)(あと)には(つき)()る』
031(うた)ひはじめた。032数多(あまた)百姓(ひやくしやう)どもは、033()(まる)くし、034(くち)(とが)らし、
035貴様(きさま)()しからぬ(こと)をいふ、036()(なほ)(うた)(なほ)せ』
037口々(くちぐち)()つた。038虎公(とらこう)一切(いつさい)かまはず(また)も、
039()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(やみ)よ』
040(うた)()した。041田吾作(たごさく)躍起(やくき)となり、
042『コラ、043オイ、044(とら)045こんな目出度(めでた)(ところ)で、046ウラル(ひこ)宣伝歌(せんでんか)(うた)ふちう(こと)があるものか。047()(なほ)せ、048()(なほ)せ、049()かぬと(この)(むら)()ねられてしまふぞ』
050虎公(とらこう)()ねるなら()ねるがえー、051(おれ)もまた()ねる……()うて()てはねる蚯蚓(みみず)(くも)(みね)……もうこの(つち)(くさ)(むら)()()覚悟(かくご)だ』
052杢兵衛(もくべゑ)(とら)053貴様(きさま)蚯蚓(みみず)()たやうな(やつ)だ。054そんな誤託(ごたく)(なら)べると蛙飛(かはづと)ばしの蚯蚓(みみず)()りさまの()(あつ)まりの()だぞ。055手斧鍬(てうのくは)手斧とは大工道具の一種。一般には「ちょうな」と読む。広辞苑によると「ちょうな」という読みは「テヲノがテウノと転じ、さらに訛ったもの」なので、「てうの」は「ちょうの」と読むと思われる。ちよん()つてしまつてやらうか』
056 泥酔者(よひどれもの)他愛(たあい)なき、057この(さけ)(うへ)問答(もんだふ)()いてゐた宣伝使(せんでんし)雲路別(くもぢわけ)は、058一座(いちざ)機嫌(きげん)(なほ)すべく()()つて(うた)(はじ)めける。
059()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(かみ)
060(かみ)(めぐ)みを(よろこ)びて
061(あせ)(なが)せよ(あぶら)(しぼ)
062(あせ)(あぶら)(さけ)となる
063(かせ)ぎに()ひつく貧乏(びんばふ)なし
064(かせ)げば(やみ)(よる)はない
065何時(いつ)月夜(つきよ)(こめ)(めし)
066()めよ(さわ)げよ心地(ここち)よく
067()ンで(はたら)(あせ)をかけ
068(あせ)(あぶら)(さけ)となる
069(かみ)(そな)へたこの神酒(みき)
070(いのち)()ばす()(くすり)
071(どく)(くすり)となる()(なか)
072あまり(くすり)()()ぎて
073(どく)とならない程度(ていど)()めよ
074(ぜん)(わる)とを立別(たてわ)ける
075(かみ)(おもて)(あら)はれて
076(はたら)(われ)らの保護(ほご)をする
077(はたら)(われ)らの保護(ほご)をする』
078(ふし)面白(おもしろ)く、079(くち)から出任(でまか)せの(うた)(うた)つて、080()うて()せた。081一同(いちどう)はこの(うた)()いて非常(ひじやう)(よろこ)び、082(また)もや()つて(をど)(くる)うた。083虎公(とらこう)も、084田吾作(たごさく)も、085杢兵衛(もくべゑ)も、086熊公(くまこう)も、087一同(いちどう)(さけ)(うへ)争論(いさかひ)も、088サラリと()めてしまつて、089(たがひ)()()()つて(いさ)ましくこの祝宴(しゆくえん)()ぢにける。
090 二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)はこの御年村(みとせむら)百姓(ひやくしやう)に、091大神(おほかみ)宣示(せんじ)(つた)へ、092かつ農業(のうげふ)改善(かいぜん)(をし)へた。093それより年々(ねんねん)収穫(しうくわく)おほく豊年(ほうねん)(つづ)くことになつた。094村人(むらびと)(よろこ)んで雲路別(くもぢわけの)天使(かみ)を、095百姓(ひやくしやう)(かみ)(さま)尊敬(そんけい)したり。096(つひ)雲路別(くもぢわけ)農業(のうげふ)(みち)奨励(しやうれい)し、097三五教(あななひけう)教理(けうり)()き、098(ここ)大歳(おほとしの)(かみ)となりにける。
099 虎公(とらこう)膂力(りよりよく)(しゆう)(すぐ)醜悪(しうあく)なる面相(めんさう)()ず、100いたつて正直(しやうぢき)(をとこ)であつた。101これより広道別(ひろみちわけ)弟子(でし)となり、102宣伝使(せんでんし)(あと)(したが)ひローマの(みやこ)をはじめ、103その()世界(せかい)宣伝(せんでん)(つと)めた。104この虎公(とらこう)はおひおひ宣伝使(せんでんし)感化(かんくわ)されて心魂(しんこん)ますます(きよ)まり、105つひに立派(りつぱ)なる宣伝使(せんでんし)となりたり。106(あま)岩戸(いはと)(へん)(さい)し、107岩戸(いはと)()()けたる手力男(たぢからをの)(かみ)はこの(をとこ)後身(こうしん)なりける。
108大正一一・一・二四 旧大正一〇・一二・二七 藤原勇造録)
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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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