第四二章 途上の邂逅〔二九二〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻
篇:第8篇 五伴緒神
よみ(新仮名遣い):いつとものおのかみ
章:第42章 途上の邂逅
よみ(新仮名遣い):とじょうのかいこう
通し章番号:292
口述日:1922(大正11)年01月23日(旧12月26日)
口述場所:
筆録者:加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:1922(大正11)年5月10日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:三五教の宣伝使・久方彦、またの名を雲路別天使は、元照別が治めるローマの都を指して進んで行った。
雲路別天使はふと路傍に腰掛けて、妻子への思いに駆られて身を休めていたところ、もう一人の宣伝使が宣伝歌を歌いながらやって来た。
その歌によると、ローマを治める元照別はウラル彦の勢力に屈した、と歌われていた。
この宣伝使は、広道別天使であった。雲路別天使は、広道別天使に声をかけた。二神司は相携えて、ローマの都に入ることとなった。そして元照別を帰順させることになる。
広道別天使は、天岩戸開きの際に、岩戸の前に太玉串を捧げて神慮を慰めた、太玉命の前身である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:2020-04-25 17:03:16
OBC :rm0642
愛善世界社版:253頁
八幡書店版:第1輯 717頁
修補版:
校定版:255頁
普及版:106頁
初版:
ページ備考:
001 東や西に立つ雲の、002雲路を分けて進みくる、003三五教の宣伝使、004黄金山を立ち出でて、005久方彦のまたの御名、006雲路別の天使は、007夜を日に継いで遥々と、008宣伝歌を謡ひながら、009進み来たるは羅馬の都、010心も清き元照別の守ります、011伊太利亜さして進みける。
012 路傍の石に腰打ちかけ、013空を眺めて行く雲の、014変る姿を見るにつけ、015変り果てたる吾身の姿、016可憐しき妻子を振り捨てて、017何処を宛とも長の旅、018長き吐息を漏らす折柄に、
019『この世を造りし神直日 020御魂も広き大直日
021ただ何事も人の世は 022直日に見直せ聞直せ
023身の過は宣り直せ』
024と声も涼しく謡ひくる宣伝使ありけり。025雲路別天使は耳を欹立て、026その声を懐かしげに聞き入りぬ。
028撞の御柱廻り合ひ
029天の御柱大御神 030国の御柱大御神
032思ひは胸に三つ栗の
033中津御国を胞衣として 034国土造り神を生み
035青人草や草や木や 036万の物に御恵みの
037乳房を哺ませ永久に 038照らさせ給ふ三柱の
039神の御稜威は天が下 040四方の国々三葉彦
041神の御勅を畏みて
044草鞋脚絆の扮装に
046神の教の道広く
047塩の八百路の八塩路を 048渡り難みて白雲の
049向伏す限り青雲の 050靉靆く極み雲路別
051貴の御勅の宣伝使 052今は何処に漂らひの
054ここは伊太利の国境
055羅馬の都も近づけど
058聞きし日よりも村肝の
059心の空は掻き曇る 060雨の繁しげ降る中を
061広道別の今日の旅
063黄金山を立ち出でて 064歩みも慣れぬ長旅に
065疲れ果てたる吾姿 066疲れ果てたる吾姿
067空行く鳥を眺むれば 068各々家路に帰り行く
069空飛ぶ鳥も繁りたる
071親子諸共睦び合ひ
073頼み難きは人の世の 074明日をも知れぬ吾命
075故郷に捨てし妻や子の
078知られぬ国の暮の空
080神の恵に生ひ立てる
081吾らは尊き神の御子
083夕暮淋しき独身の
086御魂と共に進むなる
087尊き聖き宣伝使
089直日に見直し聞き直し 090宣り直します埴安の
092彦の命ぞ尊けれ』
093と謡ひながら黄昏の空を、094とぼとぼと進みきたる。095雲路別天使は広道別天使の姿を見て大に喜び、
096『ヤア、097広道別天使よ』
098と声をかくれば、099宣伝使は藪から棒のこの言葉に驚き、100熟々眺むれば、101雲路別の宣伝使なりき。102二神司は茲に相携へて羅馬に入り、103元照別天使を帰順せしめ、104伊弉諾命の神政に奉仕せしめたりける。
105 広道別天使は、106天照大御神、107天の岩戸に隠れ給ひ、108六合暗黒となりし時、109岩戸の前に太玉串を捧げ、110神慮を慰めたる太玉命の前身なり。
111(大正一一・一・二三 旧大正一〇・一二・二六 加藤明子録)