天帝・大六合治立尊(おおくにはるたちのみこと)は、一霊四魂三元八力をもって万物を創造した。そして、万物を自ら直接保護するのではなく、各自に守り神を定めて、これを管掌せしめたもうた。
太陽、大地、太陰をはじめその他万物に、霊魂・霊力・霊体が賦与されているのである。ここではそのうち、一霊四魂について大略を述べるにとどめる。
大宇宙には、一霊四魂が原動力となって、活気凛々として活動している。小宇宙の一霊四魂とは、太陽が一霊=直霊である。これを大直日神とも言う。
小宇宙の一霊である太陽自身にもまた、一霊四魂が存在しているのである。そして、太陽の一霊四魂それぞれに、また一霊四魂が存在する、という入れ子のような構造になっている。
太陽の一霊四魂を特に、厳の身魂を総称する。また、霊主体従の身魂ともいう。ゆえに、大空は霊を主とし体を従としている。一方、大地は体を主とし、霊を従として形成されている。
地の霊は瑞の身魂といい、体主霊従の身魂という。大地球の一霊=直霊を特に、大曲津日の神という。大地球内にもそれぞれ一霊四魂がある。大地球の荒魂・奇魂・幸魂・和魂の各直霊を、八十曲津日の神という。
重く濁ったものが地を形成したがゆえに、地上に棲息する限りは、体主霊従の身魂に制御されるものなのである。だからこそ、体主霊従を調和して、霊体一致の美しい身魂を作る必要があるのである。
体主霊従とは、決して体が霊に勝った状態を言うのではなく、天の命じる体主霊従とは、体五霊五の状態である。この状態から、体六霊四などの体が勝った状態に超過するとき、それが罪となるのである。
体五霊五の天測を破った身魂を、大曲津神という。また、体が超過した状態に導こうとする身魂を八十曲津神という。
大曲津日の神(大地球の直霊)・八十曲津日の神(大地球の四魂の各直霊)は、体主霊従の大地球の悪を制御する直日の神である。これと、曲津神を混同してはならない。
厳の身魂は荒魂、和魂に重きをおく。瑞の身魂は奇魂、幸魂に重きをおいている。
次に、伊都能売の身魂について簡単に述べると、この身魂は月の霊魂ともいい、五六七(みろく)の身魂といわれている。伊都能売の身魂は厳にも瑞にも偏らず、厳・瑞の身魂を相調和した完全無欠の身魂である。
伊都能売の身魂は時々刻々、形を変えて同じところに固着することがない、反省力の強い活動を備えている。このように身魂が活用できれば、それは伊都能売の身魂と言えるのである。これは、善悪正邪を超えて自由自在の活動をなしうる、至粋至純の神霊の活用なのである。
伊都能売の身魂の活用を会得して、自由自在の神人となることができれば、初めて五六七の活動をなすことができるのである。
月にもまた、一霊四魂がある。月球を保持しているのは、北斗星・北極星・オリオン星・三角星の四大星体である。四大星体は月球を直接保護しており、瑞の身魂の活用を主としつつ、大空、大地の中間を調節する重要な職務を果たしているのである。
「体主霊従」という言葉は、体が勝った天則違反の行動を行う身魂を指していう場合がある。ここで言う大地球の「体主霊従」とは、体が五・霊が五という霊魂の組織構成上の説明である。両者を混同してはならない。