霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 (たま)所在(ありか)〔七六四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第25巻 海洋万里 子の巻 篇:第5篇 千里彷徨 よみ(新仮名遣い):せんりほうこう
章:第18章 玉の所在 よみ(新仮名遣い):たまのありか 通し章番号:764
口述日:1922(大正11)年07月12日(旧閏05月18日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫、黒姫、高山彦、アール、エースは一生懸命、国依別と秋彦を元の人間に戻すようにと祈願を凝らし始めた。国依別と秋彦は起き上がると、飛び上がって高姫らをからかう。
高姫は、日の出神の神力で二人を畜生道から救い出したと悦に入っている。そして、そのまま二人から玉のありかを白状させようとする。駒彦は、二人は高姫たちをからかっているのだ、と忠告するが、高姫は耳を貸さない。
高姫が祈願をこらして霊を送ると、国依別は再度山の大天狗と名乗って、偽の神懸りを始めた。問答をしているうちに、国依別は面倒くさくなって白状するが、玉のありかを神懸りから聞き出したい高姫は、信用しないで詰問する。
仕方なく国依別は、高姫、黒姫、高山彦の三人に、三つの玉のありかをそれぞれ明かすと言ってこの場を逃れようとする。そして一人一人に、それぞれ玉のありかは竹生島の社殿の下に埋めてある、と同じ事を囁いた。
高姫、黒姫、高山彦は、国依別の偽の託宣を信じて、それぞれ互いに同じ場所に向かって走って行ってしまった。一方国依別と秋彦は、駒彦に留守を任せて聖地の神業に参加するために急いで出て行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-10-15 02:46:12 OBC :rm2518
愛善世界社版:266頁 八幡書店版:第5輯 129頁 修補版: 校定版:278頁 普及版:119頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)言葉(ことば)(したが)ひ、002黒姫(くろひめ)003高山彦(たかやまひこ)004アール、005エースは一生(いつしやう)懸命(けんめい)(あせ)みどろに()つて、006両人(りやうにん)身魂(みたま)(すく)はれむ(こと)祈願(きぐわん)(はじ)めた。007国依別(くによりわけ)008秋彦(あきひこ)両人(りやうにん)はムツクと()(あが)()()み、009ドスン ドスンと座敷(ざしき)真中(まんなか)(ゆか)がぬける(ほど)010()(あが)揶揄(からか)ふ。
011高姫(たかひめ)(みな)さま御覧(ごらん)なさい。012()出神(でのかみ)()神力(しんりき)()ふものは(えら)いものでせう。013あの(とほ)()(なが)畜生道(ちくしやうだう)()()み、014(あし)をピンと(うへ)にあげて、015如何(どう)する(こと)出来(でき)ずに(ねずみ)(みたま)(うつ)られて……チユウ チユウ、016クウ クウ……と()いて()りましたが、017()出神(でのかみ)反魂力(はんこんりよく)()りて(この)(とほ)(もと)(やう)になりました。018座敷中(ざしきちう)()(あが)つて()つたのも、019()()出神(でのかみ)()神力(しんりき)(おそ)れての(こと)020サア(みな)さま、021()つて(たか)つて四方(しはう)八方(はつぱう)から鎮魂攻(ちんこんぜ)めにあはせ、022国依別(くによりわけ)()霊媒(れいばい)として、023(まこと)(たま)所在(ありか)白状(はくじやう)させようぢやありませぬか』
024黒姫(くろひめ)『そりや、025至極(しごく)結構(けつこう)でせう』
026駒彦(こまひこ)『もしもし、027高姫(たかひめ)さま、028黒姫(くろひめ)さま、029何卒(どうぞ)()心配(しんぱい)(くだ)さいますな。030彼奴(あいつ)ア、031あんな(こと)をして貴方(あなた)(がた)揶揄(からか)つて()るのですよ。032本当(ほんたう)にして()ると馬鹿(ばか)()ますよ』
033高姫(たかひめ)『お(だま)りなさい。034(まへ)さま()(わか)つて(たま)りますか。035(この)(はう)には()出神(でのかみ)竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)とが()いて()ります。036揶揄(からか)つて()るのか、037本当(ほんたう)か、038邪霊(じやれい)(うつ)つて()るのか、039そんな(こと)(わか)らずに如何(どう)して神界(しんかい)御用(ごよう)出来(でき)ますか。040(まへ)さまのやうに、041(ばば)になつたり(むすめ)になつて誤魔化(ごまくわ)さうとしても、042()出神(でのかみ)(この)高姫(たかひめ)が……ヘン……()れば()(ばけ)(あら)はれる。043(まへ)さまはゴテゴテ()資格(しかく)はないから、044其辺(そこら)(あたり)のペンペン(ぐさ)でも()きなさい。045それが(しやう)()うて()りますワイ、046オホヽヽヽ』
047駒彦(こまひこ)高姫(たかひめ)さま、048(まへ)さまの仰有(おつしや)るのも一応(いちおう)御尤(ごもつと)もだが、049よく(およ)(もの)はよく(おぼ)ると()(こと)がありますぜ。050神懸(かむがか)りの(みち)()らぬ(もの)神懸(かむがか)初版・三版・校定版では「神懸」、愛世版では「神憑」。(だま)される(こと)()いが、051(まへ)さまの(やう)神懸(かむがか)りに不徹底(ふてつてい)して()ると、052(かへ)つてアフンと()()()はされるか()れませぬよ。053此処(ここ)(れい)のアフン鉄道(てつだう)終点(しうてん)054ビツクリ(えき)だからなア』
055高姫(たかひめ)『エー、056八釜(やかま)しいワイな。057まア(だま)つて(この)生宮(いきみや)審神(さには)()御座(ござ)れ。058(いま)(この)両人(りやうにん)(くち)をきらして、059(まへ)(たち)一切(いつさい)素性(すじやう)素破抜(すつぱぬ)かすから……。060アーア、061竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)から(かへ)つて()途中(とちう)随分(ずゐぶん)苦労(くらう)をしたが、062(ひと)試験(しけん)()(れい)をかけて()いて()よう』
063両手(りやうて)()み、
064高姫大将軍(だいしやうぐん)(さま)065十悪道(じふあくだう)(さま)066地上(ちじやう)大神(だいじん)(さま)067地鎮(ぢちん)荒神(くわうじん)(さま)068大黒主(おほくろぬしの)(かみ)(さま)069鷹鳥(たかとりの)(かみ)(さま)070何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)(この)両人(りやうにん)にお(うつ)(くだ)さいまして、071(たま)所在(ありか)一伍(いちぶ)一什(しじふ)(しめ)(くだ)さいませ。072天下(てんか)国家(こくか)一大事(いちだいじ)073(けつ)して高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)私有物(しいうぶつ)(いた)すのでは御座(ござ)いませぬ。074惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)075(ひと)076(ふた)077(みつ)(この)(たま)(いち)()(はや)()ます(やう)に、078(ひと)079(ふた)080()081()082(いつ)つの(たま)(また)もや(あら)はれたと()(こと)083それが真実(しんじつ)ならば、084今度(こんど)こそは高姫(たかひめ)085黒姫(くろひめ)086高山彦(たかやまひこ)(さん)(にん)にお(わた)(くだ)さい。087()088()089()090()091()つの(たま)(はや)発見(はつけん)(いた)しまするやう……(むゆ)092(なな)093()094(ここの)095(たり)096(もも)097()098(よろづ)099仮令(たとへ)何処(いづく)(はて)(かく)しあるとも、100大神(おほかみ)(さま)()眼力(がんりき)(もつ)()発見(はつけん)(あそ)ばし、101(この)肉体(にくたい)(くち)()つて直接(ちよくせつ)()(しめ)(くだ)さいませ』
102とウーンウーンと(れい)(おく)る。103国依別(くによりわけ)()んだ()頭上(づじやう)(たか)くさし()げ、104(ゆみ)(やう)()()になつて、
105国依別『ウヽヽヽ運命(うんめい)(つな)()かれて、106竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)まで彷徨(さまよ)(ある)(なんぢ)(こころ)可憐(いぢら)しさ、107オホヽヽヽおれは……(おれ)は、108(おれ)は、109(おれ)は、110(おれ)は、111フヽヽヽ再度山(ふたたびやま)大天狗(だいてんぐ)であるぞよ。112高山彦(たかやまひこ)黒姫(くろひめ)心事(しんじ)(あはれ)み、113聖地(せいち)(かみ)には()まぬなれども、114(たま)所在(ありか)()らして(つか)はす。115それに()いては意地(いぢ)くね(わる)高姫(たかひめ)が、116此処(ここ)()つては絶対(ぜつたい)()(こと)出来(でき)ぬぞよ』
117高姫再度山(ふたたびやま)大天狗(だいてんぐ)118そりやチツと量見(りやうけん)(ちが)ひはしませぬか。119高山彦(たかやまひこ)黒姫(くろひめ)()らして(この)高姫(たかひめ)()らさぬと()ふのは、120そりや(また)如何(どう)()理由(りいう)ぢや。121それを()かして(くだ)され』
122国依別『それは…それは…それは(わが)眷族(けんぞく)小天狗(こてんぐ)が、123秋彦(あきひこ)肉体(にくたい)(うつ)つて()るから、124それに()いたが()からうぞ。125(おれ)はもう()()るぞよ』
126高姫()()ると()うても(この)(こと)解決(かいけつ)をつける(まで)127霊縛(れいばく)(くは)へて()()らせませぬぞ。128サア高姫(たかひめ)()はれぬと()(その)理由(りいう)から判然(はつきり)()かして(もら)ひませう』
129国依別()出神(でのかみ)世界中(せかいぢう)()()(かみ)ぢやから、130(たま)所在(ありか)大天狗(だいてんぐ)()らさずともよく御存(ごぞん)じの(はず)だ。131申上(まをしあ)ぐるも(おそれおほ)し、132釈迦(しやか)説教(せつけう)(いた)(やう)なものだ。133高姫(たかひめ)(たい)(たま)所在(ありか)()かさぬのは、134畢竟(つまり)敬意(けいい)(はら)つて、135()出神(でのかみ)()神力(しんりき)(かがや)かさむと(おも)大天狗(だいてんぐ)真心(まごころ)御座(ござ)る』
136高姫()心遣(こころづか)ひは()無用(むよう)()されませ。137さあチヤツと()出神(でのかみ)(さま)(やう)(たふと)(かみ)()苦労(くらう)をかけるのも(おそ)(おほ)い、138(まへ)さま、139()つてるのなら(ちひ)さい(こゑ)でソツと()つて(くだ)さい。140黒姫(くろひめ)高山彦(たかやまひこ)は、141()はばお添物(そへもの)だから如何(どう)でも(よろ)しいのだ』
142(みみ)(はた)(くち)()つて()き、143(ちひ)さい(こゑ)(ささや)く。144国依別(くによりわけ)故意(わざ)(おほ)きな(こゑ)で、
145国依別『それは高姫(たかひめ)146一寸(ちよつと)量見(りやうけん)(ちが)ひは(いた)さぬか、147(いま)(みみ)(はた)で……高姫(たかひめ)さへ(たま)()()れたら()い、148高山彦(たかやまひこ)黒姫(くろひめ)などは添物(そへもの)だ、149如何(どう)でもいい……と(ささや)いたであらうがな。150そんな二心(ふたごころ)黒姫(くろひめ)151高山彦(たかやまひこ)(あつか)つて()るのか。152ヤイ、153高山彦(たかやまひこ)154黒姫(くろひめ)155よう今迄(いままで)高姫(たかひめ)馬鹿(ばか)にしられよつたな。156もう神懸(かむがか)りは(いや)になつた。157(おれ)()()えて()つてもチツとも(れい)(かか)つては()らぬぞ。158国依別(くによりわけ)肉体(にくたい)(まを)して()るぞよ。159それに間違(まちが)ひは()いぞよ。160よく審神(さには)して(くだ)されよ』
161高姫悪神(あくがみ)()ふものはよく嘘言(うそ)をつくものだ。162コラ大天狗(だいてんぐ)163(その)()()はぬぞ。164国依別(くによりわけ)肉体(にくたい)()うた(など)(うま)()(やう)(おも)つても、165いつかないつかな(この)()出神(でのかみ)(にら)んだ以上(いじやう)()がしはせぬ。166サア綺麗(きれい)サツパリと、167高姫(たかひめ)168黒姫(くろひめ)169高山彦(たかやまひこ)(さん)(にん)(まへ)(たま)所在(ありか)白状(はくじやう)(いた)すが()からう』
170国依別(くによりわけ)(みつ)つの(たま)所在(ありか)()らせませうか、171(ただ)(いつ)つの(たま)所在(ありか)からお()らせ(いた)しませうか』
172高姫何卒(どうぞ)(みつ)つの(たま)所在(ありか)(まを)すも(さら)なり、173(いつ)つの(たま)所在(ありか)一緒(いつしよ)仰有(おつしや)つて(くだ)さい。174さうすれば再度山(ふたたびやま)立派(りつぱ)なお(みや)()て、175(その)(うへ)大天狗(だいてんぐ)(あそ)公園(こうゑん)(つく)つて()げますから……何卒(どうぞ)仰有(おつしや)つて(くだ)さい』
176国依別『そんなら是非(ぜひ)(およ)ばず、177()らしてやらう。178(みつ)つの(たま)二三(にさん)日中(にちぢう)聖地(せいち)八咫烏(やあたがらす)()つて()るぞよ。179(ひと)つの(たま)玉治別(たまはるわけ)180(ひと)つは玉能姫(たまのひめ)181(ひと)つはお(たま)(かた)182これが(みつ)つの生魂(いきだま)であるぞよ。183(また)玉照彦(たまてるひこ)184玉照姫(たまてるひめ)(あは)せて(いつ)つの御魂(みたま)となるぞよ。185アハヽヽヽ』
186高姫『エー、187合点(がてん)(わる)い。188それは人間(にんげん)()ぢやないか。189本当(ほんたう)宝玉(ほうぎよく)何処(どこ)にあるのだ、190それを()ひなさい』
191国依別(じつ)(ところ)(この)国依別(くによりわけ)も、192秋彦(あきひこ)193駒彦(こまひこ)聖地(せいち)()()いのが胸一杯(むねいつぱい)なれど、194(をり)あしく(その)(はう)()がやつて()たものだから()くに()かれず、195迷惑(めいわく)(いた)して()るぞよ。196それに()いて(たま)所在(ありか)此処(ここ)ぞと嘘言(うそ)()ひ、197高山彦(たかやまひこ)一行(いつかう)(ある)地点(ちてん)(たま)(さが)しにやつて()き、198(その)ままコツソリと(さん)(にん)聖地(せいち)()つて秘密(ひみつ)神業(しんげふ)参加(さんか)する(つも)りであつたが……アヽ如何(どう)したら()いかなア』
199高姫『それ()たか、200矢張(やつぱ)国依別(くによりわけ)では()い。201大天狗(だいてんぐ)神懸(かむがか)りだ。202国依別(くによりわけ)如何(どう)して自分(じぶん)秘密(ひみつ)自分(じぶん)(くち)()ふものか。203これ大天狗(だいてんぐ)204そんな嘘言(うそ)()うた(ところ)(この)高姫(たかひめ)承知(しようち)しませぬぞ。205(はや)(たま)所在(ありか)()らして(くだ)さい。206大天狗(だいてんぐ)なら(なん)でも()つてる(はず)だ』
207国依別『そんなら(たま)所在(ありか)(いつは)つて(だま)してやらうか。208間違(まちが)つても(けつ)して国依別(くによりわけ)肉体(にくたい)(たい)して不足(ふそく)(まを)さぬか』
209高姫(けつ)して不足(ふそく)(まを)さぬ。210嘘言(うそ)から()(まこと)211(まこと)から()嘘言(うそ)()(こと)がある。212嘘実(きよじつ)不二(ふじ)表裏(へうり)一体(いつたい)だ。213(なん)でも()いから()つて(くだ)さい。214(もの)研究(けんきう)だ。215オーストラリヤ三界(さんがい)まで調(しら)べに()つて()熱心(ねつしん)我々(われわれ)一同(いちどう)216仮令(たとへ)(いち)(にち)二日(ふつか)(おく)れても(かま)ふものか、217なるべく本当(ほんたう)(こと)嘘言(うそ)らしく()ふのだよ』
218国依別本当(ほんたう)嘘言(うそ)(こと)本真(ほんま)らしく(まを)してやらう。219(かみ)(おく)には(おく)があり、220(その)(また)(おく)には(おく)があるぞよ』
221高姫『エーそんな(こと)(わし)()(こと)だ。222(おく)(おく)(その)(おく)羽織(はおり)(ひも)ぢやないがチヤンと(むね)にある。223サア()つて(くだ)さい』
224国依別『オヽヽヽ(おれ)は、225(おれ)大天狗(だいてんぐ)(こと)であるから、226言依別(ことよりわけの)(みこと)()さる(こと)はチツとも(わか)らぬぞよ。227(じつ)(ところ)()らぬと(まを)すより(ほか)()いぞよ』
228高姫『エー、229意茶(いちや)つかさずに()いて(くだ)され。230あた辛気臭(しんきくさ)い、231(はや)()ふのだよ。232何時(いつ)までも(ひと)(ひま)さうに焦慮()らすものだない。233時機(じき)切迫(せつぱく)今日(こんにち)神界(しんかい)234仮令(たとへ)(いつ)分間(ぷんかん)でも(むだ)光陰(くわういん)(つひ)やす(こと)出来(でき)ませぬ』
235国依別(この)大天狗(だいてんぐ)()らぬと()うたら何処迄(どこまで)も、236シヽ()らぬぞよ。237ウフヽヽヽ』
238黒姫『もしもし高姫(たかひめ)さま、239此奴(こいつ)駄目(だめ)ですよ。240あんまり玉々(たまたま)()つて(たま)(たましひ)()かして()るものだから、241大天狗(だいてんぐ)鼻高(はなだか)我々(われわれ)(なぶ)るのですから、242よい加減(かげん)になつて()きなさいませ』
243高姫『これ黒姫(くろひめ)さま、244そりや(なに)仰有(おつしや)る。245掃溜(はきだめ)(なか)にも金玉(きんぎよく)(かく)される(こと)がある。246()()(ひく)(かみ)()いた(はう)(かへつ)都合(つがふ)()いのだ。247(すこ)(はら)のある(かみ)中々(なかなか)秘密(ひみつ)(まを)さぬが、248()()(ひく)(かみ)()めて()めて()(たふ)すとツイ白状(はくじやう)するものだ。249(まへ)さまも()てチツト鎮魂攻(ちんこんぜ)めを手伝(てつだひ)つて(くだ)さい。250何処(どこ)までも()めて、251白状(はくじやう)させねば()きませぬぞえ』
252国依別『アーア、253悪戯(てんご)本当(ほんたう)になつて()た。254二進(につち)三進(さつち)方法(はうはふ)がつかぬワイ、255……もし高姫(たかひめ)さま、256(なに)(うつ)つては()りませぬ。257国依別(くによりわけ)出放題(ではうだい)(まを)したのですから、258何卒(どうぞ)神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)し、259一座(いちざ)(きよう)だと(おも)つて(あきら)めて(くだ)さい』
260 高姫(たかひめ)(くび)()りウンと(いき)をかけ、
261高姫一座(いちざ)けふ明日(あす)もあつたものかい。262何処(どこ)までも調(しら)べて調(しら)べて、263調(しら)()げねば()きませぬぞ。264仮令(たとへ)(ひやく)(にち)かかつても(せん)(にち)かかつても白状(はくじやう)させねば()くものか、265サア大天狗(だいてんぐ)266もう()加減(かげん)白状(はくじやう)したら如何(どう)だい』
267国依別『アヽ(こま)つたな。268(じつ)(ところ)(はや)聖地(せいち)()かねば、269言依別(ことよりわけの)(かみ)(さま)にお目玉(めだま)頂戴(ちやうだい)するのだ。270(しか)高姫(たかひめ)一緒(いつしよ)(かへ)つては(こま)るなり、271実際(じつさい)嘘言(うそ)だから何処(どこ)(たま)(かく)してあるか、272そんな(こと)(わか)るものか。273国依別(くによりわけ)肉体(にくたい)間違(まちが)ひないから、274何卒(どうぞ)(うたが)ひを()らして(くだ)さい』
275 高姫(たかひめ)はキツとなり、
276高姫『こりや、277再度山(ふたたびやま)大天狗(だいてんぐ)()278(なん)()つても白状(はくじやう)させねば()くものか』
279(また)もや(あせ)をたらたら(なが)し、280『ウンウン』と(れい)(おく)る。281(そば)()(ふさ)()()んで(すわ)つて()秋彦(あきひこ)(はう)()つから、282相手(あひて)になつて()れぬので、
283秋彦『アーア、284偽神懸(にせかむがか)りも(つら)いものだ。285(たれ)相手(あひて)になつて()れない。286本当(ほんたう)(たま)なしだ。287アヽもう()めとこかい』
288高姫『これ、289小天狗(こてんぐ)290(うま)(こと)()けやがるな。291(なん)()つても肉体(にくたい)ぢや()い。292サアお(まへ)はチツとでよいから何方(どちら)方面(はうめん)だと()(こと)(くらゐ)()らして()れ。293さうしたら公園(こうゑん)(こしら)へお(みや)()てて(まつ)つてやる』
294秋彦公園(こうゑん)(なに)()りませぬ。295あゝ(あし)(いた)くなつて()た』
296()(あが)らうとする。
297高姫『これ黒姫(くろひめ)さま、298高山彦(たかやまひこ)さま。299秋彦(あきひこ)両方(りやうはう)()をグツと(にぎ)つて(くだ)さい。300小天狗(こてんぐ)(やつ)301何処(どこ)肉体(にくたい)()れて()くか(わか)りませぬぞ。302白状(はくじやう)させる(まで)(この)肉体(にくたい)(そと)にやる(こと)絶対(ぜつたい)になりませぬぞ』
303国依別(くによりわけ)『そんなら、304エー、305白状(はくじやう)(いた)します。306再度山(ふたたびやま)大天狗(だいてんぐ)間違(まちが)ひはありませぬ。307(また)(この)秋彦(あきひこ)肉体(にくたい)(うつ)つて()るのは(わたし)眷族(けんぞく)小天狗(こてんぐ)です。308何卒(どうぞ)しつかり手足(てあし)(つか)まへて()つて()なぬ(やう)にして(くだ)さい』
309秋彦『これこれ国依別(くによりわけ)さま、310殺生(せつしやう)(こと)()はないで(くだ)さい。311(あし)(いた)んで仕方(しかた)がありませぬ。312(まへ)さまがするから真似(まね)したのが病付(やみつ)きだ。313……もしもし()両人(りやうにん)(さま)314どうぞ()(はな)して(くだ)さい。315(まへ)さまも肉体(にくたい)神懸(かむがか)りか(わか)らぬ(こと)はあるまい。316本当(ほんたう)によく調(しら)べて(くだ)さい』
317黒姫(なん)仰有(おつしや)つても小天狗(こてんぐ)小天狗(こてんぐ)だ。318国依別(くによりわけ)平常(ふだん)から(はな)(たか)いから大天狗(だいてんぐ)(うつ)るのは当然(あたりまへ)だ。319(まへ)鼻高(はなだか)だから身魂(みたま)相応(さうおう)小天狗(こてんぐ)(うつ)るのだ。320(うま)(こと)肉体(にくたい)()けてもあきませぬぞよ』
321国依別(くによりわけ)『アハヽヽヽ、322暁没漢(わからずや)ほど(こま)つたものは()いワイ。323そんなら(にせ)神懸(かむがか)りで、324大天狗(だいてんぐ)高姫(たかひめ)(たま)所在(ありか)スカタン()らして()げようかい。325(その)(かは)りに()らしてやつたら此処(ここ)()退()くだらうなア』
326高姫何処(どこ)(まで)もお(まへ)引張(ひつぱ)つて()つて神懸(かむがか)りをさせて(たま)(さが)させ、327(つち)(なか)でも何尺(なんじやく)(した)()(こと)透視(とうし)さすのだから、328(たま)()(まで)(はな)しませぬぞえ』
329国依別(くによりわけ)『こいつは(こま)つたなア。330(わし)自分(じぶん)(なが)肉体(にくたい)だか神懸(かむがか)りだか(わか)らぬ(やう)になつて仕舞(しま)つた』
331高姫(たかひめ)『それ()なさい。332何処(どこ)だかハツキリと白状(はくじやう)しなさい、333(こと)(しな)とに()つたら(この)()開放(かいはう)してやるかも()れませぬ』
334国依別(くによりわけ)(べつ)開放(かいはう)して(もら)はなくてもよい。335霊縛(れいばく)されたのでも()し、336自由(じいう)自在(じざい)()()(ところ)()けるのだが、337(ひと)(こま)るのはお(まへ)さまが()いてくる(こと)だ。338()いて()さへせねば国依別(くによりわけ)国依別(くによりわけ)としての御用(ごよう)(つと)まるのだ。339二三(にさん)(にち)(おく)れて聖地(せいち)(かへ)るなら(かへ)つて(くだ)さい。340それ(まで)にチヤンと秘密(ひみつ)相談(さうだん)をして、341(まへ)さま(たち)にアフンとさせる仕組(しぐみ)をさせねばならぬからなア』
342高姫(なん)()つても国依別(くによりわけ)()んな自分(じぶん)不利益(ふりえき)(こと)(しやべ)るものか。343再度山(ふたたびやま)大天狗(だいてんぐ)間違(まちがひ)はあるまいがな』
344(あと)(ほど)(おほ)きな(こゑ)呶鳴(どな)りつける。
345国依別『そんなら(みつ)つの(たま)所在(ありか)一人(ひとり)々々(ひとり)一ケ所(いつかしよ)づつ(まを)()げるから、346(たがひ)秘密(ひみつ)(まも)つて(くだ)さい。347(さん)(にん)(さん)(にん)(なが)(わか)らない(やう)にするといふお約束(やくそく)になれば、348実際(じつさい)(こと)大天狗(だいてんぐ)(まを)()げませう。349(じつ)(ところ)言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)明日(あす)(あさ)(はや)()()しに()(いで)になり、350(また)(ほか)へお(かく)(あそ)ばすのだから、351(たま)()()れるのなら(いま)(うち)ですよ』
352 高姫(たかひめ)353(くび)(たて)(みつ)()()(なが)ら、
354高姫『あ、355さうだらうさうだらう、356そんなら高山彦(たかやまひこ)さま、357黒姫(くろひめ)さま、358(わたし)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(たま)所在(ありか)()きますから、359貴方(あなた)(たち)彼方(あちら)()つて(くだ)さい。360順番(じゆんばん)(まは)つて()たら()らせますから……』
361黒姫(くろひめ)『エー、362仕方(しかた)()い。363そんなら順番(じゆんばん)()(まで)()つて()ませう』
364(つぎ)()()がる。
365国依別(この)(いへ)(とほ)(はな)れて(もり)(なか)まで()つて(くだ)さい。366さうでないとお(まへ)さまの(ふく)守護神(しゆごじん)立聞(たちぎ)きすると(こま)るから……』
367黒姫『ハーイ ハーイ』
368(なが)返事(へんじ)をし(なが)黒姫(くろひめ)()でて()く。
369高姫(たかひめ)『さア()註文(ちゆうもん)(どほ)(たれ)()りませぬ。370チヤツと仰有(おつしや)つて(くだ)さいませ』
371国依別金剛(こんがう)不壊(ふえ)(おん)(たま)は、372杢助(もくすけ)(むすめ)373初稚姫(はつわかひめ)374言依別(ことよりわけ)()より受取(うけと)(たま)ひ、375近江(あふみ)(くに)竹生島(ちくぶしま)社殿(しやでん)(した)三角石(さんかくいし)(しるし)として(かく)()かれたぞよ。376その(はう)只今(ただいま)より黒姫(くろひめ)姿(すがた)(かく)して、377(いち)()(はや)竹生島(ちくぶしま)(むか)つて玉取(たまと)りに()くが()からう。378愚図(ぐづ)々々(ぐづ)(いた)して()ると言依別(ことよりわけ)使者(ししや)(さき)掘出(ほりだ)されて仕舞(しま)ふぞよ』
379高姫(なん)でも(わし)霊眼(れいがん)(えい)じたのは(しま)ぢやと(おも)うて()た。380(れい)(あと)(まを)()げる。381(また)国依別(くによりわけ)肉体(にくたい)()御用(ごよう)をしたのだから、382肉体(にくたい)(たい)しても(あと)()(れい)(まを)すから……』
383欣々(いそいそ)杢助館(もくすけやかた)裏口(うらぐち)より駆出(かけだ)して仕舞(しま)つた。
384国依別(くによりわけ)『オイ秋彦(あきひこ)385駒彦(こまひこ)386如何(どう)だ。387(おれ)狂言(きやうげん)(あま)(うま)くやり()ぎて、388本当(ほんたう)大天狗(だいてんぐ)にしられて仕舞(しま)つたぢやないか。389アハヽヽヽ』
390秋彦(あきひこ)(しか)国依別(くによりわけ)さま、391本当(ほんたう)金剛(こんがう)不壊(ふえ)(たま)竹生島(ちくぶしま)(かく)してあるのですか。392(おれ)(はじ)めて()きましたよ』
393国依別(くによりわけ)(おほ)きな(こゑ)()ふな。394(うたが)(ぶか)高姫(たかひめ)がソツと(おれ)(たち)(はなし)立聞(たちぎ)きしてるか()れぬぞ……オイ、395駒彦(こまひこ)396(いへ)周囲(ぐるり)()()い』
397駒彦(こまひこ)『イヽエ、398高姫(たかひめ)(くも)(かすみ)(はし)つて()きましたよ』
399国依別『サア、400(これ)から(この)大天狗(だいてんぐ)黒姫(くろひめ)401高山彦(たかやまひこ)(なん)とか()かねばならぬ。402今度(こんど)何処(どこ)(かく)したと()はうかな。403エー、404よしよし、405(その)(とき)塩梅(あんばい)ぢや、406……オイ駒彦(こまひこ)407黒姫(くろひめ)さま(ただ)一人(ひとり)()いと()うて()んで()い』
408駒彦承知(しようち)しました』
409尻引(しりひつ)からげ、410(もり)(なか)(ひか)へて()黒姫(くろひめ)(むか)へて()た。411黒姫(くろひめ)はイソイソとして(あし)()()かず(この)()(あら)はれた。
412国依別(いま)(あらた)めて大天狗(だいてんぐ)より黒姫(くろひめ)黄金(こがね)(たま)所在(ありか)()らしてやらう。413高姫(たかひめ)(すで)(たから)所在(ありか)(をし)へられ掘出(ほりだ)しに出立(しゆつたつ)(いた)したぞよ。414サア秋彦(あきひこ)415駒彦(こまひこ)416(その)(はう)門外(もんぐわい)()仕舞(しま)へ、417秘密(ひみつ)()れると大変(たいへん)だから……』
418 二人(ふたり)(わら)(なが)門口(もんぐち)()()す。
419国依別再度山(ふたたびやま)大天狗(だいてんぐ)(いま)(あらた)めて黒姫(くろひめ)黄金(こがね)(たま)所在(ありか)()らしてやる(ほど)に、420仮令(たとへ)高山彦(たかやまひこ)になりとも口外(こうぐわい)せぬと()(こと)(ちか)ふか、421如何(どう)だ』
422黒姫『ハイ、423(けつ)して秘密(ひみつ)()らしませぬ』
424国依別『そんなら(たしか)()け。425近江(あふみ)(くに)琵琶(びは)(みづうみ)426竹生島(ちくぶしま)弁天(べんてん)(ほこら)(した)に、427三角形(さんかくけい)(いし)(しるし)として三尺(さんじやく)(した)黄金(こがね)(たま)(かく)されてあるぞよ。428(はや)(まゐ)らぬと言依別(ことよりわけ)使(つかひ)(もの)掘出(ほりだ)して、429(あと)でアフンとせねばならぬぞよ。430(いち)()(はや)()つたが()からう』
431黒姫『それはそれは、432有難(ありがた)貴方(あなた)のお(しめ)し、433そんなら(これ)から(まゐ)ります』
434裏口(うらぐち)より夜叉(やしや)(ごと)尻引(しりひつ)からげ、435(くも)(かすみ)()()しぬ。436(つづ)いて高山彦(たかやまひこ)此処(ここ)(まね)かれて(また)もや国依別(くによりわけ)居間(ゐま)()(きた)る。
437国依別『ヤア其方(そなた)高山彦(たかやまひこ)御座(ござ)つたか。438(いま)大天狗(だいてんぐ)()つた(だけ)(こと)(をし)へて(つか)はす。439高姫(たかひめ)には金剛(こんがう)不壊(ふゑ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(たま)所在(ありか)(しめ)し、440黒姫(くろひめ)には黄金(こがね)(たま)所在(ありか)()らした(ところ)441両人(りやうにん)(とき)おくれては一大事(いちだいじ)と、442(たま)(かく)場所(ばしよ)(はし)つて()つたぞ。443(むらさき)(たま)所在(ありか)(みづ)御魂(みたま)()かせ(たま)十握(とつか)(つるぎ)より(あら)はれ()でたる、444三女神(さんぢよしん)(しづ)まり(たま)近江(あふみ)(くに)竹生島(ちくぶしま)445弁天(べんてん)(ほこら)(した)に、446三角形(さんかくけい)(いし)()せて三尺(さんじやく)ばかり(そこ)(はう)(かく)してあるぞよ。447(いち)()(はや)()りに()かぬと聖地(せいち)より掘出(ほりだ)しに()くぞよ。448如何(どう)ぢや、449ありがたいか』
450高山彦『ハイ、451有難(ありがた)う。452(さん)(にん)(とも)願望(ぐわんまう)成就(じやうじゆ)453()(れい)(あと)から、454ゆつくり……左様(さやう)なら……大天狗(だいてんぐ)(さま)455(これ)にてお(わか)(いた)します』
456国依別(なんぢ)裏口(うらぐち)より(はし)つて()け。457さうしてアール、458エースの二人(ふたり)(ともな)ひ、459(とき)(うつ)さず(はし)つて()くが()いぞよ』
460高山彦(なに)から(なに)まで()注意(ちうい)(くだ)さいまして有難(ありがた)御座(ござ)います。461()(れい)(あと)より……』
462()()てて、463(なが)いコンパスを大股(おほまた)踏張(ふんば)(なが)地響(ぢひび)()たせて、464ドスンドスンと(ゆか)()らして(すす)()く。465国依別(くによりわけ)後見送(あとみおく)つて、
466国依別『アハヽヽヽ、467三五(あななひ)(かみ)(みち)にはチツとも嘘言(うそ)(まを)されぬのだが、468アア()められちや仕方(しかた)がない。469(たま)はなくても弁天(べんてん)(さま)参拝(さんぱい)して結構(けつこう)(さとり)(ひら)き、470(たま)以上(いじやう)()神徳(かげ)(いただ)くと(おも)つて、471竹生島(ちくぶしま)(まゐ)りをさしてやつたのだ。472()らず()らずに(みづ)御魂(みたま)(かしら)()げさすと()(おれ)仕組(しぐみ)だ、473(なん)妙案(めうあん)だらう』
474秋彦(あきひこ)其奴(そいつ)上出来(じやうでき)だつた。475(しか)駒彦(こまひこ)さま、476(まへ)しつかり留守(るす)して()()れ。477愚図(ぐづ)々々(ぐづ)して()ると初稚姫(はつわかひめ)(さま)玉能姫(たまのひめ)(さま)聖地(せいち)へお(かへ)(あそ)ばした(あと)になつては大変(たいへん)だから、478(おれ)(たち)二人(ふたり)(これ)から聖地(せいち)参拝(さんぱい)するから……あと(よろ)しく(たの)むよ』
479駒彦(こまひこ)『ヨシ、480承知(しようち)した。481サア(はや)()つたが()からう。482東助(とうすけ)さまも、483モウ今頃(いまごろ)聖地(せいち)安着(あんちやく)されてる時分(じぶん)だ。484(まへ)(たち)両人(りやうにん)(かへ)るのを(くび)(なが)うして()つて()られるだらう。485サア(あと)(おれ)引受(ひきう)けるから、486心配(しんぱい)せずに(はや)(あし)用意(ようい)(かか)つて()れ』
487 国依別(くによりわけ)488秋彦(あきひこ)(いそ)旅装(りよさう)(ととの)へ、489(やかた)(あと)聖地(せいち)()して(すす)()く。
490大正一一・七・一二 旧閏五・一八 北村隆光録)

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