霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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忘(わす)れると云(い)ふ事(こと)

インフォメーション
鏡:月鏡 題名:忘れると云ふ事 よみ: 著者:出口王仁三郎
神の国掲載号:1929(昭和4)年05月号 八幡書店版:216頁 愛善世界社版: 著作集: 第五版:64頁 第三版:64頁 全集:493頁 初版:46頁
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:541 OBC :kg290
001 古(いにしへ)の寛仁大度(くわんじんたいど)の君公(くんこう)は其(そ)の臣下(しんか)の過失(くわしつ)に対(たい)し「今回(こんくわい)に限(かぎ)つて何事(なにごと)も忘(わす)れて遣(つか)はす以後(いご)は必(かなら)ず注意(ちゆうい)せよ」と言(い)つて其(そ)の罪(つみ)を不問(ふもん)に附(ふ)したのは神(かみ)の如(ごと)き仁慈(じんじ)を以(もつ)て臣下(しんか)を愛撫(あいぶ)したのである。002凡(すべ)て何事(なにごと)にても忘(わす)れるといふ事(こと)は尊(たふと)いことである。003自分(じぶん)はいつも各地(かくち)の信徒(しんと)から電信(でんしん)や書状(しよじやう)を以(もつ)て「ヤマイキトクカミサマヘオワビタノム」とか又(また)は「今(いま)一度(いちど)本復(ほんぷく)する様(やう)御願(おねがひ)被下度(くだされたし)」とか申(まを)し来(く)るもの引(ひ)きも切(き)らない状態(じやうたい)であるが、004自分(じぶん)はその時(とき)限(かぎ)りで全然(ぜんぜん)忘(わす)れて居(を)るのである。005さうすると全快(ぜんくわい)の礼電(れいでん)が来(きた)り、006礼状(れいじやう)が来(く)るが、007少(すこ)しも覚(おぼ)えてゐない。008自分(じぶん)が忘(わす)れず覚(おぼ)えて日夜(にちや)祈願(きぐわん)を凝(こ)らす様(やう)では決(けつ)して依頼者(いらいしや)の苦悩(くなう)を救(すく)ふ事(こと)は出来(でき)ぬ。009忘(わす)れて遣(や)ればこそ、010又(また)依頼者(いらいしや)も病苦(びやうく)を忘(わす)れて快癒(くわいゆ)するに到(いた)るのである、011と話(はな)して居(を)る処(ところ)へ明月(めいげつ)が訪(と)ひ来(きた)り「聖師様(せいしさま)に忘(わす)れられては困(こま)ります、012信徒(しんと)の中(なか)に私(わたし)も居(を)る事(こと)だけは忘(わす)れないで覚(おぼ)えて居(ゐ)て下(くだ)さい。013何(な)んだか心細(こころぼそ)くなります」と云(い)ふ。014そこで自分(じぶん)は「よろしい、015あなたのそのサツクだけ忘(わす)れて上(あ)げやう」と笑(わら)つたら「どうぞ私(わたし)の身(み)の上(うへ)を忘(わす)れずに守(まも)つて下(くだ)さい」といつて帰(かへ)つた。
016 忘(わす)れられる事(こと)は誰人(たれびと)もいやだと見(み)えるが、017モシも「覚(おぼ)えて居(ゐ)やがれ」と捨台詞(すてせりふ)[*「捨台詞」…底本では「捨台辞」。]でも残(のこ)された時(とき)は余(あま)りよい気(き)がせぬものだのに、018覚(おぼ)えて居(を)つて下(くだ)さいと云(い)ふ明月(めいげつ)も余(あま)り大悟(たいご)徹底(てつてい)して居(ゐ)ない様(やう)にも思(おも)はれた。
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