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[278]過去の失敗
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[280]人間と現世
[281]安全な代物
[282]人の面貌
[283]堪忍
[284]信教の自由
[285]信仰に苔が生えた
[286]意志想念の儘なる天地
[287]謝恩の生活
[288]広大無辺の御神徳
[289]宗教団と其教祖
[290]忘れると云ふ事
[291]日本人の抱擁性
[292]至誠と徹底
[293]慧春尼
[294]社会学の距離説
[295]神と倶にある人
[296]夏
[297]惟神の心
[298]悪魔の世界
[299]人間と云ふ問題
[300]学問も必要
[301]有難き現界
[302]梅で開いて松でをさめる
[303]地租委譲問題
[304]不戦条約
[305]細矛千足の国
[306]短い言語
[307]言霊奏上について
[308]性慾の問題
[309]秘密
[310]学と神力の力競べ
[311]軍備撤廃問題
[312]偽善者
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碁盤
(
ごばん
)
を
買
(
か
)
うた
インフォメーション
鏡:
月鏡
題名:
碁盤を買うた
よみ:
著者:
出口王仁三郎
神の国掲載号:
1930(昭和5)年06月号
八幡書店版:
325頁
愛善世界社版:
著作集:
第五版:
143頁
第三版:
143頁
全集:
545頁
初版:
118頁
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
kg350
001
宗教
(
しうけう
)
博覧会
(
はくらんくわい
)
の
売店
(
ばいてん
)
に
碁盤
(
ごばん
)
が
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
たので
買
(
か
)
うて
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
た。
002
私
(
わたし
)
が
碁盤
(
ごばん
)
を
買
(
か
)
うたといふ
事
(
こと
)
は、
003
碁客
(
ごかく
)
に
取
(
と
)
つては
大
(
だい
)
なる
福音
(
ふくいん
)
で、
004
天下
(
てんか
)
晴
(
は
)
れて
碁
(
ご
)
がうてるといふ
気分
(
きぶん
)
を
喚起
(
くわんき
)
することになるかも
知
(
し
)
れないが、
005
私
(
わたし
)
は
依然
(
いぜん
)
として
碁
(
ご
)
は
嫌
(
きら
)
ひである。
006
決
(
けつ
)
して
打
(
う
)
つ
為
(
た
)
めでは
無
(
な
)
い、
007
一
(
ひと
)
つはお
客様
(
きやくさま
)
へのお
愛想
(
あいさう
)
、
008
又
(
また
)
一
(
ひと
)
つには
時間
(
じかん
)
浪費
(
らうひ
)
の
好
(
す
)
きな
人
(
ひと
)
によつて、
009
私
(
わたし
)
の
貴
(
たふと
)
い
時間
(
じかん
)
の
浪費
(
らうひ
)
させらるるのを
防
(
ふせ
)
ぐための
一
(
ひと
)
つの
防禦
(
ばうぎよ
)
砲台
(
はうだい
)
にする
為
(
ため
)
である。
010
私
(
わたし
)
には
時間
(
じかん
)
が
大切
(
たいせつ
)
である、
011
碁
(
ご
)
を
打
(
う
)
つて
楽
(
たの
)
しむ
様
(
やう
)
な
時
(
とき
)
は
些
(
すこ
)
しも
無
(
な
)
い、
012
時
(
とき
)
に
他
(
ほか
)
の
人
(
ひと
)
の
二三時間
(
にさんじかん
)
が
私
(
わたし
)
にとつては
二三年
(
にさんねん
)
に
相当
(
さうたう
)
することがある。
013
私
(
わたし
)
には
神様
(
かみさま
)
から
仰
(
あふ
)
せつかつて
居
(
ゐ
)
る
経綸
(
けいりん
)
といふものがあるので、
014
ほんの
二三時間
(
にさんじかん
)
ですからと
他
(
ほか
)
の
人
(
ひと
)
は
云
(
い
)
ふが、
015
その
二三時間
(
にさんじかん
)
の
間
(
あひだ
)
に
流星
(
りうせい
)
光底
(
くわうてい
)
長蛇
(
ちやうだ
)
を
逸
(
いつ
)
すの
悔
(
く
)
いを
招
(
まね
)
いて
神様
(
かみさま
)
に
申訳
(
まをしわけ
)
の
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ると、
016
私
(
わたし
)
はほんとうに
苦
(
くる
)
しい。
017
そりや
比較的
(
ひかくてき
)
ゆつくりした
時間
(
じかん
)
を
偶
(
たま
)
に
持
(
も
)
つ
時
(
とき
)
もあるけれど……だから
私
(
わたし
)
はいつも
思
(
おも
)
ふ、
018
私
(
わたし
)
の
行動
(
かうどう
)
だけは、
019
私
(
わたし
)
の
自由
(
じいう
)
意志
(
いし
)
に
任
(
まか
)
して
欲
(
ほ
)
しいと。
020
皆
(
みな
)
さん
方
(
がた
)
が
好意
(
かうい
)
をもつて
方々
(
はうばう
)
へ
案内
(
あんない
)
して
下
(
くだ
)
さる
其
(
その
)
誠心
(
まごころ
)
は
全
(
まつた
)
く
嬉
(
うれ
)
しいけれど、
021
実
(
じつ
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
へば、
022
吉野
(
よしの
)
の
桜
(
さくら
)
も、
023
耶馬渓
(
やばけい
)
の
勝
(
しよう
)
も
私
(
わたし
)
は
居
(
ゐ
)
ながらにして、
024
霊眼
(
れいがん
)
で
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る
方
(
はう
)
が
楽
(
らく
)
なのである。
025
それでもみんなは
見度
(
みた
)
からうと
思
(
おも
)
つて……。
026
碁
(
ご
)
も
其
(
その
)
通
(
とほ
)
り
好
(
す
)
きな
人
(
ひと
)
に
取
(
と
)
つては
矢張
(
やは
)
り
天国
(
てんごく
)
気分
(
きぶん
)
であらうから
偶
(
たま
)
にはそれもよからう。
027
小
(
ちひ
)
さな
小供
(
こども
)
は
一生懸命
(
いつしやうけんめい
)
大人
(
おとな
)
の
真似
(
まね
)
をして
布団
(
ふとん
)
を
巻
(
ま
)
いて
負
(
お
)
んぶしては
母親
(
ははおや
)
をまねたり、
028
犬
(
いぬ
)
に
乗
(
の
)
りブリキのサーベルをさげて
大将軍
(
だいしやうぐん
)
を
気取
(
きど
)
つて
見
(
み
)
たりするが、
029
逆
(
さか
)
さまに
大人
(
おとな
)
は
小供
(
こども
)
の
真似
(
まね
)
をして
石
(
いし
)
を
積
(
つ
)
んだり、
030
こはしたりしてよろこんで
居
(
ゐ
)
る。
031
面白
(
おもしろ
)
いなあ──。
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