霊界物語.ネット
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[276]無作の詩
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[279]捨てる事は正しく掴む事
[280]人間と現世
[281]安全な代物
[282]人の面貌
[283]堪忍
[284]信教の自由
[285]信仰に苔が生えた
[286]意志想念の儘なる天地
[287]謝恩の生活
[288]広大無辺の御神徳
[289]宗教団と其教祖
[290]忘れると云ふ事
[291]日本人の抱擁性
[292]至誠と徹底
[293]慧春尼
[294]社会学の距離説
[295]神と倶にある人
[296]夏
[297]惟神の心
[298]悪魔の世界
[299]人間と云ふ問題
[300]学問も必要
[301]有難き現界
[302]梅で開いて松でをさめる
[303]地租委譲問題
[304]不戦条約
[305]細矛千足の国
[306]短い言語
[307]言霊奏上について
[308]性慾の問題
[309]秘密
[310]学と神力の力競べ
[311]軍備撤廃問題
[312]偽善者
[313]宗教より芸術へ
[314]年を若くする事
[315]精力と精液
[316]最後の真理
[317]上になりたい人
[318]壇訓(扶乩)について
[319]エト読込の歌
[320]動物愛護について
[321]易
[322]軍縮問題
[323]小さい事
[324]善言美詞は対者による
[325]淋しいといふこと
[326]空相と実相
[327]刑法改正問題
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月鏡
> [433]人に化けた狸
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(B)
(N)
[434]襟首 >>>
人
(
ひと
)
に
化
(
ば
)
けた
狸
(
たぬき
)
インフォメーション
鏡:
月鏡
題名:
人に化けた狸
よみ:
著者:
出口王仁三郎
神の国掲載号:
1930(昭和5)年08月号
八幡書店版:
305頁
愛善世界社版:
著作集:
第五版:
250頁
第三版:
250頁
全集:
612頁
初版:
212頁
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
kg433
001
福知山
(
ふくちやま
)
にての
出来事
(
できごと
)
であるが、
002
開祖様
(
かいそさま
)
が
十七八歳
(
じふしちはつさい
)
の
頃
(
ころ
)
一人
(
ひとり
)
の
背
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
大坊主
(
おほばうず
)
が
住
(
す
)
んで
托鉢
(
たくはつ
)
をやつて
居
(
ゐ
)
た。
003
五六年
(
ごろくねん
)
も
其
(
その
)
土地
(
とち
)
に
居
(
ゐ
)
たので
誰
(
たれ
)
もが
人間
(
にんげん
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
004
然
(
しか
)
るに
或日
(
あるひ
)
の
事
(
こと
)
某
(
ぼう
)
侍
(
さむらい
)
が
彼
(
かれ
)
と
話
(
はな
)
しをして
居
(
ゐ
)
る
中
(
うち
)
、
005
耳
(
みみ
)
が
頻
(
しき
)
りに
動
(
うご
)
くので
其
(
その
)
故
(
ゆゑ
)
を
問
(
と
)
うと、
006
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
くからだと
云
(
い
)
ふ、
007
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いて
耳
(
みみ
)
が
動
(
うご
)
くとは
怪
(
あや
)
しい、
008
狸
(
たぬき
)
の
類
(
たぐひ
)
が
化
(
ばけ
)
て
居
(
ゐ
)
るのに
相違
(
さうゐ
)
ないとていきなり
抜手
(
ぬくて
)
も
見
(
み
)
せず
斬
(
き
)
りつけて
殺
(
ころ
)
して
仕舞
(
しま
)
つた、
009
そして
屍
(
しかばね
)
を
川原
(
かはら
)
に
曝
(
さら
)
しておいた、
010
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けると
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
であつた
大坊主
(
おほばうず
)
はダンダンと
変
(
かは
)
つてたうたう
狸
(
たぬき
)
の
姿
(
すがた
)
になつて
仕舞
(
しま
)
つた、
011
開祖様
(
かいそさま
)
も
実地
(
じつち
)
に
見
(
み
)
に
行
(
ゆ
)
かれたさうで、
012
時々
(
ときどき
)
其
(
その
)
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
してをられた。
013
之
(
これ
)
と
反対
(
はんたい
)
に
本当
(
ほんたう
)
の
人間
(
にんげん
)
を
狸
(
たぬき
)
と
間違
(
まちが
)
へた
例
(
ためし
)
もある。
014
園部
(
そのべ
)
に
珍妙
(
ちんめう
)
さんと
云
(
い
)
ふ
尼
(
あま
)
さんが
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
た。
015
小
(
ちひ
)
さな
小供
(
こども
)
のやうな
背
(
せ
)
をしておまけにビツコ
[
*
「ビツコ」(びっこ)は天五版、八幡版では「足が不自由」に変更されている。
]
でヒヨクリヒヨクリと
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
た、
016
言葉
(
ことば
)
つきなども
小供
(
こども
)
のやうで
明瞭
(
めいれう
)
を
欠
(
か
)
いて
居
(
ゐ
)
た、
017
其
(
その
)
後
(
ご
)
園部
(
そのべ
)
を
後
(
あと
)
に
畑中
(
はたけなか
)
と
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
の
尼寺
(
あまでら
)
に
移
(
うつ
)
り
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
たが、
018
或
(
ある
)
夜
(
よ
)
の
事
(
こと
)
お
仏前
(
ぶつぜん
)
にお
燈明
(
とうみやう
)
を
捧
(
ささ
)
げようと
思
(
おも
)
ふと
生憎
(
あいにく
)
油
(
あぶら
)
が
切
(
き
)
れて
居
(
ゐ
)
たので、
019
徳利
(
とくり
)
をさげて
買
(
か
)
ひに
出掛
(
でか
)
けた。
020
話
(
はなし
)
変
(
かは
)
つて
其
(
その
)
頃
(
ころ
)
新
(
あたら
)
しく
其
(
その
)
村
(
むら
)
に
赴任
(
ふにん
)
してきた
駐在
(
ちゆうざい
)
巡査
(
じゆんさ
)
が
夜警
(
やけい
)
に
出
(
で
)
ると、
021
向
(
むか
)
ふから、
022
小供
(
こども
)
とも
大人
(
おとな
)
とも
分
(
わか
)
らぬやうな
尼
(
あま
)
が
油徳利
(
あぶらどくり
)
をさげてやつて
来
(
く
)
る、
023
怪
(
あや
)
しいと
思
(
おも
)
つて
誰何
(
すゐか
)
すると、
024
畑中
(
はたけなか
)
の
尼
(
あま
)
や、
025
油
(
あぶら
)
を
買
(
か
)
ひに
行
(
ゆ
)
くのやと
呂律
(
ろれつ
)
の
廻
(
まは
)
らぬ
小供
(
こども
)
のやうな
言葉
(
ことば
)
で
答
(
こた
)
へたので、
026
何
(
なに
)
、
027
畑中
(
はたけなか
)
から
油
(
あぶら
)
を
買
(
か
)
ひに
行
(
ゆ
)
くと、
028
人
(
ひと
)
を
馬鹿
(
ばか
)
にするない、
029
化狸
(
ばけだぬき
)
めがと、
030
サーベルの
鞘
(
さや
)
で
擲
(
なぐ
)
りつけると、
031
キヤツと
叫
(
さけ
)
んで
倒
(
たふ
)
れて
仕舞
(
しま
)
つた、
032
巡査
(
じゆんさ
)
は
狸
(
たぬき
)
だと
信
(
しん
)
じ
切
(
き
)
つて
居
(
ゐ
)
たので
翌日
(
よくじつ
)
其
(
その
)
話
(
はなし
)
を
隣人
(
りんじん
)
にすると、
033
いやそれは
全
(
まつた
)
くの
人間
(
にんげん
)
だとの
事
(
こと
)
、
034
ビツクリして
其
(
その
)
後
(
ご
)
の
様子
(
やうす
)
を
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
ると、
035
尼
(
あま
)
さんは
病床
(
びやうしやう
)
でウンウンと
唸
(
うな
)
り
続
(
つづ
)
けて
居
(
ゐ
)
るとの
話
(
はなし
)
、
036
吃驚
(
びつくり
)
敗亡
(
はいばう
)
……
其
(
その
)
後
(
ご
)
間
(
ま
)
もなく
其
(
その
)
巡査
(
じゆんさ
)
は
転任
(
てんにん
)
になつたとの
噂
(
うはさ
)
を
聞
(
き
)
いた
事
(
こと
)
がある。
037
狸
(
たぬき
)
が
人間
(
にんげん
)
に
化
(
ば
)
けて
居
(
ゐ
)
るか、
038
どうかと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
見
(
み
)
るためには、
039
傍
(
そば
)
でマツチを
擦
(
す
)
つて
見
(
み
)
るとよい。
040
狸
(
たぬき
)
なら
毛
(
け
)
がやけるから
恐
(
おそ
)
れて
逃
(
に
)
げる。
041
又
(
また
)
体
(
からだ
)
を
逆
(
さか
)
さまに
撫
(
な
)
でて
見
(
み
)
ても
毛
(
け
)
がモジヤモジヤと
生
(
はえ
)
て
居
(
ゐ
)
るから
分
(
わか
)
るものである。
042
(
以上
(
いじやう
)
は
過日
(
くわじつ
)
某
(
ぼう
)
新聞
(
しんぶん
)
紙上
(
しじやう
)
に
狸
(
たぬき
)
を
夫
(
をつと
)
と
思
(
おも
)
うて
同棲
(
どうせい
)
した
女
(
をんな
)
といふ
記事
(
きじ
)
が
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
たのでかかる
事
(
こと
)
もあるものにやとお
伺
(
うかが
)
ひした
時
(
とき
)
のお
話
(
はなし
)
であります。)
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<<< [432]不知火
(B)
(N)
[434]襟首 >>>
三鏡
>
月鏡
> [433]人に化けた狸
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【人に化けた狸|月鏡|/kg433】
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