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再(ふたた)び日本刀(にほんたう)に就(つい)て

インフォメーション
鏡：月鏡 題名：再び日本刀に就て よみ： 著者：出口王仁三郎
神の国掲載号：1930（昭和5）年03月号 八幡書店版：404頁 愛善世界社版： 著作集： 第五版：233頁 第三版：233頁 全集：601頁 初版：198頁
概要： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日： OBC ：kg417
001　日本刀(にほんたう)が世界(せかい)に冠絶(くわんぜつ)する所以(ゆゑん)は、002モリブデン（水鉛(すゐえん)）を混入(こんにふ)して鍛(きた)へる秘法(ひほふ)を早(はや)くから知(し)つて居(を)つたからである。003二三十年(にさんじふねん)前(ぜん)から独逸(ドイツ)あたりでこの秘密(ひみつ)を発見(はつけん)して、004精巧(せいかう)なる軍器(ぐんき)を造(つく)り出(だ)してゐるが、005日本(にほん)に於(おい)ても秘密中(ひみつちう)の秘密(ひみつ)として、006深山(しんざん)に入(はい)つて造(つく)つたので、007天狗(てんぐ)に教(をそ)はつたなどと称(しよう)し決(けつ)して他人(たにん)に教(をし)へなかつたものである。008鉄(てつ)も雲(うん)、009因(いん)、010伯(はく)の三国(さんごく)［※「雲、因、伯の三国」…出雲、因幡、伯耆の三国のこと。］に限(かぎ)られたもので、011この外(ほか)から出(で)たものでは、012たとへモリブデンを混入(こんにふ)してもさう立派(りつぱ)なものは出来(でき)ない。013この鉄(てつ)があり、014水鉛(すゐえん)があるので細矛千足(くわしほこちたる)の国(くに)の名(な)に背(そむ)かぬ逸品(いつぴん)が出来(でき)たのである。015素尊(すそん)斬蛇(ざんじや)の十握(とつか)の剣(つるぎ)は長船(をさふね)［※「長船」…岡山県（備前）邑久（おく）郡に長船（おさふね）という町があり古来より名刀の産地として有名。］では無(な)いかと聞(き)くが、016それは違(ちが)ふ、017前(まへ)云(い)ふ通(とほ)り、018雲(うん)、019因(いん)、020伯(はく)三国(さんごく)の中(うち)に産(さん)する鉄(てつ)でなければならないのだから、021之(これ)は長船(をさふね)で鍛(きた)へられたものではない。
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