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善言美詞(ぜんげんびし)は対者(たいしや)による

インフォメーション
鏡：月鏡 題名：善言美詞は対者による よみ： 著者：出口王仁三郎
神の国掲載号：1930（昭和5）年01月号 八幡書店版：219頁 愛善世界社版： 著作集：14頁 第五版：114頁 第三版：114頁 全集：526頁 初版：91頁
概要： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日： OBC ：kg324
001　善言美詞(ぜんげんびし)は対者(たいしや)による事(こと)であつて、002車夫(しやふ)が同士(どうし)に対(たい)しては車夫(しやふ)の言葉(ことば)、003一寸(ちよつと)聞(き)いて甚(はなは)だ悪言暴語(あくげんばうご)の様(やう)な言葉(ことば)でも其(それ)が善言美詞(ぜんげんびし)であるし、004地位(ちゐ)名望(めいばう)のある人達(ひとたち)の間(あひだ)にはそれ相当(さうたう)の美(うつく)しい言葉(ことば)が交(かは)されねばならぬ。
005　「未(ま)だ生(い)きてけつかるのか、006米(こめ)が高(たか)くて困(こま)るぞ、007よう」といふと「やあ、008手前(てめい)もまだ生(い)きて居(ゐ)たのか」これは私(わたし)が荷車(にぐるま)をひいて居(ゐ)た時代(じだい)にこれ等(ら)の社会(しやくわい)に於(おい)て互(たがひ)に取(と)りかはさるる言葉(ことば)であつた。009労働者(らうどうしや)達(たち)の間(あひだ)の善言美詞(ぜんげんびし)である。010かうした暴(あら)い言葉(ことば)の底(そこ)にひそむ、011友(とも)を思(おも)ふの情(じやう)は互(たがひ)に充分(じうぶん)に相(あい)通(つう)じ了解(れうかい)されるのである。012もしこれ等(ら)の人(ひと)が切口上(きりこうじやう)や、013丁寧(ていねい)な言葉(ことば)を使(つか)ひ出(だ)したら敵意(てきい)を含(ふく)んで居(ゐ)るのである。014舌(した)の下(もと)には心(こころ)ありとの神歌(しんか)の如(ごと)く、015要(えう)は心(こころ)の問題(もんだい)で、016敬愛(けいあい)の心(こころ)から出(で)る言葉(ことば)は、017表現(へうげん)はまづくとも、018善言美辞(ぜんげんびじ)となつて表(あら)はるるもので、019この心(こころ)なくて美辞(びじ)を使(つか)ふとそれは阿諛(あゆ)諂佞(てんねい)となり、020欺言(ぎげん)、021詐語(さご)となる。
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