霊界物語.ネット
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[273]万機公論に決すべし
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[275]克く忠克く孝
[276]無作の詩
[277]魂の大きさ
[278]過去の失敗
[279]捨てる事は正しく掴む事
[280]人間と現世
[281]安全な代物
[282]人の面貌
[283]堪忍
[284]信教の自由
[285]信仰に苔が生えた
[286]意志想念の儘なる天地
[287]謝恩の生活
[288]広大無辺の御神徳
[289]宗教団と其教祖
[290]忘れると云ふ事
[291]日本人の抱擁性
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[293]慧春尼
[294]社会学の距離説
[295]神と倶にある人
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[297]惟神の心
[298]悪魔の世界
[299]人間と云ふ問題
[300]学問も必要
[301]有難き現界
[302]梅で開いて松でをさめる
[303]地租委譲問題
[304]不戦条約
[305]細矛千足の国
[306]短い言語
[307]言霊奏上について
[308]性慾の問題
[309]秘密
[310]学と神力の力競べ
[311]軍備撤廃問題
[312]偽善者
[313]宗教より芸術へ
[314]年を若くする事
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[316]最後の真理
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[319]エト読込の歌
[320]動物愛護について
[321]易
[322]軍縮問題
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[325]淋しいといふこと
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(N)
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釈迦
(
しやか
)
と
提婆
(
だいば
)
インフォメーション
鏡:
月鏡
題名:
釈迦と提婆
よみ:
著者:
出口王仁三郎
神の国掲載号:
1929(昭和4)年03月号
八幡書店版:
339頁
愛善世界社版:
著作集:
第五版:
177頁
第三版:
177頁
全集:
566頁
初版:
147頁
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
kg370
001
基督
(
キリスト
)
が
生前
(
せいぜん
)
余
(
あま
)
り
世間
(
せけん
)
に
歓待
(
くわんたい
)
されなかつた
如
(
や
)
うに、
002
釈迦
(
しやか
)
も
在世
(
ざいせ
)
当時
(
たうじ
)
は
極
(
きは
)
めて
惨
(
みぢ
)
めなものであつた。
003
支那
(
しな
)
の
孔子
(
こうし
)
が
春秋
(
しゆんじう
)
時代
(
じだい
)
に
於
(
おい
)
て、
004
孟子
(
もうし
)
が
戦国
(
せんごく
)
時代
(
じだい
)
に
於
(
おい
)
て
不遇
(
ふぐう
)
であつた
以上
(
いじやう
)
に
不遇
(
ふぐう
)
であつたらしい。
005
日本
(
にほん
)
では
日蓮
(
にちれん
)
、
006
親鸞
(
しんらん
)
、
007
乃至
(
ないし
)
道元
(
だうげん
)
などが
悲運
(
ひうん
)
に
終
(
をは
)
つた
如
(
ごと
)
くであつた。
008
春秋
(
しゆんじう
)
戦国
(
せんごく
)
が
楊墨
(
やうぼく
)
の
思想
(
しさう
)
に
抑圧
(
よくあつ
)
された
如
(
ごと
)
く、
009
平安朝
(
へいあんてう
)
が
天台
(
てんだい
)
や
真言
(
しんごん
)
に
魅
(
み
)
せられて
居
(
ゐ
)
たやうに、
010
釈迦
(
しやか
)
の
時代
(
じだい
)
もウバニシヤド
哲学
(
てつがく
)
の
分裂
(
ぶんれつ
)
、
011
所謂
(
いはゆる
)
九十六派
(
くじふろくは
)
の
哲学
(
てつがく
)
が、
012
各自
(
かくじ
)
に
鏑
(
しのぎ
)
を
削
(
けづ
)
つて
戦
(
たたか
)
つて
居
(
ゐ
)
た
暗黒
(
あんこく
)
時代
(
じだい
)
に、
013
新
(
あたら
)
しい
信仰
(
しんかう
)
の
燈明
(
とうみやう
)
を
掲
(
かか
)
げて
人心
(
じんしん
)
の
闇
(
やみ
)
を
照
(
て
)
らした
革命児
(
かくめいじ
)
が
生
(
うま
)
れて
来
(
き
)
たのは、
014
耆那教
(
じやいなけう
)
の
始祖
(
しそ
)
ジユナタブトラと
釈迦
(
しやか
)
であるが、
015
孰
(
いづ
)
れも
吠陀
(
ぼいだ
)
の
根本
(
こんぽん
)
精神
(
せいしん
)
を
失
(
うしな
)
つた、
016
婆羅門
(
ばらもん
)
の
死儀式
(
しぎしき
)
の
排斥者
(
はいせきしや
)
であつたのだ。
017
そしてジユナタブトラは、
018
理性
(
りせい
)
に
目覚
(
めざ
)
めた
極端
(
きよくたん
)
な
持戒者
(
ぢかいしや
)
で、
019
而
(
しか
)
も
新進
(
しんしん
)
宗教
(
しうけう
)
の
精彩
(
せいさい
)
を
放
(
はな
)
つてゐるのに
反
(
はん
)
し、
020
偏
(
へん
)
を
捨
(
す
)
てて
中
(
ちう
)
を
執
(
と
)
る、
021
所謂
(
いはゆる
)
中道
(
ちうだう
)
実相
(
じつさう
)
主義
(
しゆぎ
)
、
022
人間性
(
にんげんせい
)
を
失
(
うしな
)
はない
範囲
(
はんゐ
)
に
於
(
おい
)
て
精神
(
せいしん
)
の
向上
(
こうじやう
)
と
肉体
(
にくたい
)
の
発達
(
はつたつ
)
を
遂
(
と
)
げ、
023
且
(
か
)
つ
遂
(
と
)
げしめんと
力
(
つと
)
めたのは
釈迦
(
しやか
)
であつた。
024
そこで
持戒
(
ぢかい
)
を
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
生命
(
せいめい
)
として
居
(
ゐ
)
るジユナタブトラが、
025
生臭
(
なまぐさ
)
坊主
(
ばうず
)
として
釈迦
(
しやか
)
を
見
(
み
)
くびつたのも
当然
(
たうぜん
)
であらう。
026
勿論
(
もちろん
)
釈迦
(
しやか
)
は
余
(
あま
)
りに
人間的
(
にんげんてき
)
な
感情家
(
かんじやうか
)
であつたに
反
(
はん
)
し、
027
ジユナタブトラは
超人的
(
てうじんてき
)
であり、
028
自力的
(
じりきてき
)
であり
学究的
(
がくきうてき
)
であつたのだ。
029
茲
(
ここ
)
にこの
両極端
(
りやうきよくたん
)
を
調和
(
てうわ
)
して、
030
其処
(
そこ
)
に
新
(
あたら
)
しい
生命
(
せいめい
)
を
生
(
う
)
み
出
(
だ
)
さうとしたのは
提婆達多
(
だいばだつた
)
である。
031
提婆
(
だいば
)
は
釈迦
(
しやか
)
の
凡人
(
ぼんじん
)
主義
(
しゆぎ
)
、
032
人道
(
じんだう
)
主義
(
しゆぎ
)
は
首陀羅
(
プロレタリヤ
)
の
蹶起
(
けつき
)
に
疑倶
(
ぎぐ
)
不安
(
ふあん
)
の
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しづ
)
んだ
王者
(
わうじや
)
貴族
(
きぞく
)
の
信頼
(
しんらい
)
を
得
(
う
)
るとしても、
033
永遠
(
ゑいゑん
)
の
勝利
(
しようり
)
は
民族性
(
みんぞくせい
)
に
徹底
(
てつてい
)
せるジユナタブトラに
帰
(
き
)
する、
034
少
(
すくな
)
くも
理性
(
りせい
)
と、
035
淫逸
(
いんいつ
)
と
相
(
あい
)
闘
(
たたか
)
つて
居
(
ゐ
)
る
印度
(
いんど
)
の
当時
(
たうじ
)
に
於
(
おい
)
ては、
036
さうでなければならぬと
信
(
しん
)
じて
居
(
ゐ
)
た。
037
さうして
提婆
(
だいば
)
は
心
(
こころ
)
に
期
(
き
)
した「
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
如来
(
によらい
)
の
許
(
もと
)
に
到
(
いた
)
り
大衆
(
たいしう
)
を
求索
(
きうさく
)
すべし、
038
仏
(
ぶつ
)
若
(
も
)
し
許
(
ゆる
)
さば
吾
(
われ
)
将
(
まさ
)
に
意
(
い
)
に
従
(
したが
)
うて、
039
舎利弗
(
しやりほつ
)
等
(
ら
)
を
教詔
(
けうせう
)
勅使
(
ちよくし
)
すべし」と。
040
即
(
すなは
)
ち
伯父
(
をぢ
)
なる
釈迦
(
しやか
)
の
教壇
(
けうだん
)
に
至
(
いた
)
りて
曰
(
い
)
ふ「
願
(
ねが
)
はくは
如来
(
によらい
)
よ、
041
此
(
こ
)
の
大衆
(
たいしう
)
を
以
(
もつ
)
て
我
(
われ
)
に
附属
(
ふぞく
)
せよ、
042
吾
(
われ
)
将
(
まさ
)
に
種々
(
しゆじゆ
)
に
法
(
はふ
)
を
説
(
と
)
いて、
043
それを
調伏
(
てうふく
)
せしむべし」とて
教壇
(
けうだん
)
を
己
(
おの
)
れに
譲
(
ゆづ
)
り
引退
(
いんたい
)
せよと
迫
(
せま
)
つた。
044
釈迦
(
しやか
)
は
提婆
(
だいば
)
の
智慧
(
ちゑ
)
と
勇気
(
ゆうき
)
は
認
(
みと
)
めたけれども、
045
未
(
ま
)
だその
徳
(
とく
)
の
備
(
そな
)
はつて
居
(
ゐ
)
ないのを
見
(
み
)
て「
舎利弗
(
しやりほつ
)
等
(
ら
)
は
聡明
(
そうめい
)
大智
(
だいち
)
にして、
046
世
(
よ
)
の
信服
(
しんぷく
)
する
所
(
ところ
)
なるに、
047
吾
(
われ
)
は
猶
(
な
)
ほ
彼
(
かれ
)
に
大衆
(
たいしう
)
を
以
(
もつ
)
て
附属
(
ふぞく
)
せず、
048
况
(
いは
)
んや
汝
(
なんぢ
)
の
如
(
ごと
)
き
痴人
(
ちにん
)
の
唾
(
つば
)
を
喰
(
くら
)
ふものをや」ときめつけた。
049
然
(
しか
)
るに
年壮
(
ねんさう
)
気鋭
(
きえい
)
の
提婆
(
だいば
)
は
客気
(
かくき
)
に
任
(
まか
)
せて、
050
釈迦
(
しやか
)
の
弟子
(
でし
)
五百人
(
ごひやくにん
)
を
誘
(
さそ
)
ひ
去
(
さ
)
り、
051
盛
(
さか
)
んに
釈迦
(
しやか
)
の
攻撃
(
こうげき
)
を
試
(
こころ
)
み
出
(
だ
)
した。
052
本仏
(
ほんぶつ
)
、
053
新仏
(
しんぶつ
)
並
(
なら
)
び
立
(
た
)
つと
言
(
い
)
はれる
迄
(
まで
)
に
釈迦
(
しやか
)
に
対抗
(
たいかう
)
したけれども、
054
釈迦
(
しやか
)
は
提婆
(
だいば
)
を
愍
(
あはれ
)
む
為
(
た
)
めに、
055
好意
(
かうい
)
を
以
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
た
舎利弗
(
しやりほつ
)
と
目蓮
(
もくれん
)
を
彼
(
かれ
)
の
教壇
(
けうだん
)
に
遣
(
つか
)
はしたのである。
056
然
(
しか
)
るに
釈迦
(
しやか
)
は
説法中
(
せつぽふちう
)
に、
057
瑞月
(
わたし
)
が
霊界
(
れいかい
)
物語
(
ものがたり
)
を
口述
(
こうじゆつ
)
する
時
(
とき
)
の
如
(
や
)
うに、
058
ゴロリと
寝転
(
ねころ
)
ぶ
癖
(
くせ
)
があつて、
059
疲
(
つか
)
れた
時
(
とき
)
には
弟子
(
でし
)
をして
代
(
かは
)
つて
説法
(
せつぽふ
)
せしめた。
060
それは
信者
(
しんじや
)
に
所謂
(
いはゆる
)
仏足頂礼
(
ぶつそくちやうらい
)
させる
為
(
ため
)
ばかりで
無
(
な
)
く、
061
年
(
とし
)
も
老
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
るなり、
062
疲労
(
ひらう
)
をしばし
休
(
やす
)
めんためである。
063
目蓮
(
もくれん
)
や、
064
舎利弗
(
しやりほつ
)
などの
弟子
(
でし
)
が
釈迦
(
しやか
)
の
言
(
い
)
つた
教理
(
けうり
)
を
詳論
(
しやうろん
)
細説
(
さいせつ
)
して、
065
女子
(
ぢよし
)
や
小児
(
せうに
)
にまで
解
(
わか
)
るやうに
説明
(
せつめい
)
した。
066
所
(
ところ
)
が
人間
(
にんげん
)
の
好
(
よ
)
い
提婆
(
だいば
)
が
又
(
また
)
釈迦
(
しやか
)
のその
態度
(
たいど
)
を
真似
(
まね
)
て、
067
自己
(
じこ
)
の
言
(
い
)
はんとする
所
(
ところ
)
を
大略
(
たいりやく
)
述
(
の
)
べて、
068
ゴロリと
釈迦
(
しやか
)
の
真似
(
まね
)
を
行
(
おこな
)
つた。
069
そして、
070
目蓮
(
もくれん
)
、
071
舎利弗
(
しやりほつ
)
に
代
(
かは
)
らせた。
072
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
釈迦
(
しやか
)
は
所謂
(
いはゆる
)
臥禅
(
ぐわぜん
)
をして
居
(
ゐ
)
たのだが、
073
磊落
(
らいらく
)
で
無邪気
(
むじやき
)
な
提婆
(
だいば
)
は
鼾
(
いびき
)
をかいて
寝込
(
ねこ
)
んで
了
(
しま
)
つた。
074
此
(
こ
)
の
光景
(
くわうけい
)
を
打
(
う
)
ち
眺
(
なが
)
めた
目蓮
(
もくれん
)
、
075
舎利弗
(
しやりほつ
)
は
時
(
とき
)
こそ
来
(
きた
)
れと、
076
口
(
くち
)
を
極
(
きは
)
めて
釈迦
(
しやか
)
の
功徳
(
くどく
)
を
賞讃
(
しやうさん
)
し
強調
(
きやうてう
)
すると
共
(
とも
)
に
提婆
(
だいば
)
を
根
(
ね
)
こそぎこき
下
(
お
)
ろしたので、
077
茲
(
ここ
)
に
又
(
また
)
浮
(
う
)
き
草
(
ぐさ
)
の
風
(
かぜ
)
に
従
(
したが
)
ふ
如
(
ごと
)
く、
078
提婆
(
だいば
)
に
奪
(
うば
)
はれた
五百人
(
ごひやくにん
)
の
弟子
(
でし
)
を、
079
易々
(
やすやす
)
と
釈迦
(
しやか
)
の
教壇
(
けうだん
)
へ
伴
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
つた
為
(
ため
)
に、
080
忽
(
たちま
)
ち
死地
(
しち
)
に
陥
(
おちい
)
つた
提婆
(
だいば
)
は、
081
地団駄
(
ぢだんだ
)
踏
(
ふ
)
んで
憤
(
いきどほ
)
つた。
082
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
が
釈迦
(
しやか
)
に
背
(
そむ
)
いたのは
釈迦
(
しやか
)
に
代
(
かは
)
つてジユナタブトラの、
083
耆那教
(
じやいなけう
)
を
打
(
う
)
ち
壊
(
こは
)
さなければ、
084
釈迦
(
しやか
)
の
前途
(
ぜんと
)
が
危
(
あやふ
)
いと
考
(
かんが
)
へたからだ。
085
吾
(
われ
)
は
反抗
(
はんかう
)
を
以
(
もつ
)
て
与
(
あた
)
へんとするを、
086
釈迦
(
しやか
)
は
忍辱
(
にんにく
)
を
以
(
もつ
)
て
奪
(
うば
)
はんとする。
087
吾
(
われ
)
は
自
(
みづか
)
らを
揣
(
し
)
らざるやも
知
(
し
)
れず、
088
されど
釈迦
(
しやか
)
は
来
(
きた
)
るべき
危険
(
きけん
)
を
覚
(
さと
)
らず、
089
五百人
(
ごひやくにん
)
の
弟子
(
でし
)
を
奪
(
うば
)
つたのも、
090
釈迦
(
しやか
)
を
救
(
すく
)
はんが
為
(
ため
)
であつた。
091
然
(
しか
)
るにも
拘
(
かか
)
はらず、
092
自分
(
じぶん
)
を
斯
(
こ
)
んな
酷
(
ひど
)
い
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
はさせるとは、
093
伯父
(
をぢ
)
とも
思
(
おも
)
へぬ
酷
(
ひど
)
い
行
(
や
)
り
方
(
かた
)
だと
深
(
ふか
)
く
恨
(
うら
)
んだ
結果
(
けつくわ
)
、
094
平素
(
へいそ
)
仲
(
なか
)
の
好
(
よ
)
かつた
阿闍世
(
あじやせ
)
を
煽動
(
せんどう
)
して、
095
其
(
その
)
父
(
ちち
)
毘牟婆舎羅
(
ひむばしやら
)
を
殺
(
ころ
)
して
王位
(
わうゐ
)
を
奪
(
うば
)
はしめ、
096
己
(
おのれ
)
も
亦
(
また
)
釈迦
(
しやか
)
を
殺
(
ころ
)
して
教団
(
けうだん
)
を
奪
(
うば
)
ひ、
097
相
(
あい
)
携
(
たづさ
)
へて
天下
(
てんか
)
の
政教
(
せいけう
)
を
擅
(
ほしいまま
)
にせんとしたが、
098
何処
(
どこ
)
までも
天真
(
てんしん
)
爛漫
(
らんまん
)
にして、
099
小児
(
せうに
)
の
如
(
や
)
うな
初心
(
うぶ
)
なる
提婆
(
だいば
)
は、
100
釈迦
(
しやか
)
を
猛象
(
まうざう
)
をして
牙
(
きば
)
にて
引
(
ひ
)
き
裂
(
さ
)
かしめようとしたり、
101
低
(
ひく
)
い
所
(
ところ
)
へ
突
(
つ
)
き
落
(
おと
)
すやうな
児戯
(
じぎ
)
に
類
(
るゐ
)
した
迫害
(
はくがい
)
を
試
(
こころ
)
みて、
102
老熟
(
らうじゆく
)
せる
釈迦
(
しやか
)
に、
103
却
(
かへ
)
つて
愚弄
(
ぐろう
)
されたので、
104
遂
(
つい
)
には
爪
(
つめ
)
の
間
(
あひだ
)
に
毒薬
(
どくやく
)
を
潜
(
ひそ
)
めて
釈迦
(
しやか
)
に
飛
(
と
)
び
付
(
つ
)
き、
105
引掻
(
ひつか
)
き
挘
(
むし
)
つて、
106
中毒
(
ちうどく
)
せしめんとした。
107
すると
陥穿
(
おとしあな
)
が
設
(
まう
)
けられてあつた
為
(
ため
)
に、
108
提婆
(
だいば
)
は
俄破
(
がば
)
と
地中
(
ちちう
)
に
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
んだ。
109
仏徒
(
ぶつと
)
はこの
出来事
(
できごと
)
をば、
110
大地
(
だいち
)
忽
(
たちま
)
ち
割
(
わ
)
れて
火
(
ひ
)
を
発
(
はつ
)
し、
111
提婆
(
だいば
)
は
仏罰
(
ぶつばつ
)
で
阿鼻
(
あび
)
地獄
(
ぢごく
)
へ
堕
(
お
)
ちたと
誇
(
ほこ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのである。
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