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絵(ゑ)について

インフォメーション
鏡：月鏡 題名：絵について よみ： 著者：出口王仁三郎
神の国掲載号：1930（昭和5）年02月号（八幡版）？1929（昭和4）年02月号（著作集） 八幡書店版：285頁 愛善世界社版： 著作集：183頁 第五版：215頁 第三版：215頁 全集：590頁 初版：182頁
概要： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日： OBC ：kg406
001　南画(なんぐわ)は詩(し)を主(しゆ)とし、002詩(し)で現(あら)はせないところを絵(ゑ)で補(おぎな)はうと試(こころ)みて居(ゐ)るのだから、003絵(ゑ)としてはあつさりとしたものである。004私(わたし)の流儀(りうぎ)は自(みづか)ら称(しよう)して神代派(じんだいは)といつて居(を)るが、005神素盞嗚尊(かんすさのをのみこと)を心(こころ)に念(ねん)ずる時(とき)、006ああした絵(ゑ)がかけるのである。007絵画(くわいぐわ)展覧会(てんらんくわい)を見(み)た人(ひと)が、008「一々(いちいち)描(か)き方(かた)がかはつて居(ゐ)て、009一人(ひとり)の人(ひと)がかいたとは思(おも)へない」と評(ひやう)したと聞(き)くが、010まことに其(その)通(とほ)りで、011私(わたし)の想念(さうねん)が応挙(おうきよ)にある時(とき)其(その)画風(ぐわふう)が応挙(おうきよ)と現(あら)はれ、012月樵(げつせう)を思(おも)ふ時(とき)、013其(その)筆法(ひつぱふ)が月樵流(げつせうりう)と出(で)て来(く)るので、014私(わたし)の想念(さうねん)次第(しだい)で千種万態(せんしゆばんたい)の画風(ぐわふう)が生(しやう)ずるのであるから、015一人(ひとり)の人(ひと)が描(か)いたと思(おも)へぬと云(い)ふ評(ひやう)は、016私(わたし)の絵(ゑ)を知(し)るものの言(げん)である。017一流一派(いちりういつぱ)に拘泥(こうでい)する必要(ひつえう)は無(な)いと思(おも)ふ。018私(わたし)は近頃(ちかごろ)山水(さんすゐ)と漫画(まんぐわ)との調和(てうわ)を思(おも)ひ立(た)ち、019筆(ふで)を執(と)つて見(み)たが、020案外(あんぐわい)甘(うま)くいつて、021一寸(ちよつと)面白(おもしろ)いものが出来(でき)た。022これは恐(おそ)らくレコードであらうと思(おも)ふ。023抑々(そもそも)芸術(げいじゆつ)の祖神(そしん)は、024素盞嗚大神(すさのをのおほかみ)様(さま)であるから心中(しんちう)この大神(おほかみ)を念(ねん)ずる時(とき)、025絵画(くわいぐわ)と言(い)はず、026陶器(たうき)と言(い)はず、027詩歌(しか)と言(い)はず凡(あら)ゆるものに独創(どくさう)が湧(わ)くのである。
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