霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 山神(やまがみ)(たき)〔六六〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻 篇:第4篇 地異天変 よみ:ちいてんぺん
章:第15章 山神の滝 よみ:やまがみのたき 通し章番号:660
口述日:1922(大正11)年05月09日(旧04月13日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
来勿止神は、松姫の来歴を尋ねた。そして、あらましは言照姫から聞いているが、まだ副守護神が残っているため、山の神の滝で七日七夜の荒行が必要だ、と松姫に告げた。
来勿止神は、松姫の荒行の世話を勝公と竹公に命じた。勝公と竹公は、荒行の決まりとして心ならずも松姫を虐待する。しかし勝公が去ると、竹公は松姫の禊の手伝いとして、自分も滝行を行うのだった。
四日目の朝、勝公がやってきて、来勿止神より禊完了の許しが出たことを告げた。三人は来勿止神のところに戻ってきた。来勿止神は松姫と竹彦をいたわった。
そこへ、ウラル教とバラモン教の四人が関所の門前にやってきて、玉照彦を奪ったことや、松姫を打ちすえたことを懺悔し、許しを請い始めた。
勝彦は、来勿止神と松姫に、四人の処置を伺いに戻っていく。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm1915
愛善世界社版:255頁 八幡書店版:第4輯 125頁 修補版: 校定版:259頁 普及版:119頁 初版: ページ備考:
001 松姫(まつひめ)来勿止神(くなどめのかみ)(みちび)かれ、002(もん)(かたはら)(ささ)やけき二間(ふたま)(づく)りの(へや)案内(あんない)された。
003来勿止神(くなどめのかみ)()暗夜(あんや)(をんな)()として()神山(しんざん)御参拝(ごさんぱい)なされますに(つい)ては、004(なに)(ふか)理由(わけ)がございませう。005(わたし)()関所(せきしよ)(まも)役目(やくめ)として一応(いちおう)御尋(おたづ)ねして()必要(ひつえう)がございますから、006どうぞ(つつ)まず(かく)さず事情(じじやう)()べて(くだ)さい』
007松姫(まつひめ)御恥(おはづ)かしいことで御座(ござ)いますが、008(わたくし)(いま)まで大変(たいへん)取違(とりちが)ひを(いた)して()りましたものでございます。009ウラナイ(けう)分社(でやしろ)高城山(たかしろやま)(ふもと)(やかた)(おい)て、010三五教(あななひけう)対抗(たいかう)し、011素盞嗚大神(すさのをのおほかみ)(さま)御邪魔(おじやま)ばかり(いた)して()ました(つみ)(ふか)(をんな)でございます。012(わたくし)師匠(ししやう)高姫(たかひめ)013黒姫(くろひめ)()(かた)大変(たいへん)素盞嗚尊(すさのをのみこと)(さま)反対(はんたい)(をしへ)をなさつたので、014(わたくし)はそれを()()け、015何処(どこ)までも天下(てんか)国家(こくか)のためにウラナイ(けう)拡張(くわくちやう)し、016素盞嗚尊(すさのをのみこと)一派(いつぱ)言依別(ことよりわけ)017八島主神(やしまぬしのかみ)(さま)主管(しゆくわん)せらるる三五教(あななひけう)根底(こんてい)から()(こわ)決心(けつしん)(もつ)て、018昼夜(ちうや)活動(くわつどう)(つづ)けて()たものでございますが、019素盞嗚尊(すさのをのみこと)(さま)吾々(われわれ)凡人(ただびと)(かんが)へて()るやうな(かた)ではなく、020大慈(だいじ)大悲(だいひ)世界(せかい)贖主(あがなひぬし)であるといふ(こと)を、021第一(だいいち)高姫(たかひめ)(さま)合点(がつてん)(あそ)ばし、022()つても()ても()られないので、023黒姫(くろひめ)(さま)御相談(ごそうだん)(うへ)(わたくし)(はう)へも詳細(しやうさい)手紙(てがみ)(まゐ)りました。024(つい)ては高姫(たかひめ)025黒姫(くろひめ)御二方(おふたかた)今迄(いままで)(つみ)(ゆる)して(いただ)かねばなりませぬので、026弟子(でし)としての(わたくし)()つても()ても()られませず、027(なに)(ひと)つの荒修行(あらしうぎやう)(いた)しまして、028功名(こうみやう)手柄(てがら)(あら)はし、029それを御土産(おみやげ)三五教(あななひけう)(まゐ)り、030師匠(ししやう)自分(じぶん)(つみ)(ゆる)して(いただ)()いばつかりに、031高城山(たかしろやま)(やかた)()()てて一人(ひとり)とぼとぼと()霊山(れいざん)修行(しうぎやう)がてら、032玉照彦(たまてるひこ)(さま)如何(どう)かして御迎(おむか)(まを)し、033これを土産(みやげ)三五教(あななひけう)(かへ)るつもりで(まゐ)つたのでございます』
034来勿止神(くなどめのかみ)『アヽさうでせう。035(わたし)もうすうす言照姫(ことてるひめ)(さま)より(うけたま)はつて()りました。036(しか)(なが)貴女(あなた)余程(よほど)御改心(ごかいしん)出来(でき)()るやうだが、037()だお(はら)(なか)副守護神(ふくしゆごじん)沢山(たくさん)潜伏(せんぷく)して()りますから、038(この)(まま)御出(おい)でになつても玉照彦(たまてるひこ)(さま)御承知(ごしようち)(くだ)さいますまい。039(この)(さき)(やま)(かみ)(たき)がございますから、040其処(そこ)七日七夜(なぬかななや)荒行(あらぎやう)をなさつて副守護神(ふくしゆごじん)()()し、041至粋(しすゐ)至純(しじゆん)本心(ほんしん)復帰(たちかへ)水晶玉(すいしやうだま)(みが)()げた(うへ)042御出(おい)でにならなくては駄目(だめ)ですよ』
043松姫(まつひめ)如何(いか)にも左様(さやう)でございませう。044どうか如何(いか)なる荒行(あらぎやう)でも(いと)ひませぬ、045どうぞ御命(おめい)(くだ)さいませ』
046来勿止神(くなどめのかみ)此処(ここ)修行(しうぎやう)大変(たいへん)(つら)いですが、047貴女(あなた)それが(こば)()れますか』
048松姫(まつひめ)何程(なにほど)(つら)くても(かま)ひませぬ。049仮令(たとへ)生命(いのち)()くなつても、050御師匠様(おししやうさま)(つみ)()えさへすれば、051それで満足(まんぞく)(いた)します』
052来勿止神(くなどめのかみ)『アヽそれは感心(かんしん)御心(おこころ)がけだ。053それなら(これ)から(とき)(うつ)さず、054(やま)(かみ)(たき)()いて修行(しうぎやう)をなされ、055(かみ)(みち)断飲(だんいん)断食(だんじき)()けれども、056貴女(あなた)自分(じぶん)(つみ)(およ)び、057御師匠様(おししやうさま)(つみ)058(その)()部下(ぶか)一般(いつぱん)(つみ)(あがな)ひのために、059七日七夜(なぬかななや)断飲(だんいん)断食(だんじき)をなし、060その(うへ)荒行(あらぎやう)をせなくては本当(ほんたう)(つみ)()えませぬぞ』
061松姫(まつひめ)何分(なにぶん)よろしく御願(おねが)(いた)します』
062来勿止神(くなどめのかみ)(かつ)063(たけ)両人(りやうにん)064一寸(ちよつと)此処(ここ)()ておいで』
065 言下(げんか)二人(ふたり)(この)()(あら)はれ、
066勝公(かつこう)何用(なによう)でございます』
067来勿止神(くなどめのかみ)(べつ)(ほか)(こと)ではないが、068この松姫(まつひめ)(さま)(やま)(かみ)(たき)で、069七日七夜(なぬかななや)荒行(あらぎやう)をなさるのだから、070(まへ)十分(じふぶん)世話(せわ)(かは)(がは)るして()げて()れ。071荒行(あらぎやう)(あひだ)(けつ)して()(かた)同情(どうじやう)したり、072(あはれ)みをかけてはいけませぬぞ。073(あた)(かぎ)りの虐待(ぎやくたい)をするのだ。074さうでなければ神様(かみさま)(たい)(かさ)(がさ)御無礼(ごぶれい)御気障(おきざは)り、075到底(たうてい)何時(いつ)までかかつても(つみ)消滅(せうめつ)するものではないから、076松姫(まつひめ)(さま)(たす)けたいと(おも)ふなら、077十分(じふぶん)(きび)しき(ぎやう)をさしてあげて()れなくてはなりませぬ』
078勝公(かつこう)『ハイ(かしこ)まりました。079何分(なにぶん)門番(もんばん)(つと)めねばなりませぬから、080(たけ)さんと(わたし)とが(かは)(がは)世話(せわ)をします』
081来勿止神(くなどめのかみ)『アヽそうだ。082(わか)いものをよく監督(かんとく)して、083落度(おちど)()(やう)十分(じふぶん)荒行(あらぎやう)をさせ、084立派(りつぱ)人間(にんげん)(みが)いて()げて()れ』
085 二人(ふたり)一礼(いちれい)し、
086『サア松姫(まつひめ)(さま)087早速(さつそく)ながら(これ)から滝壺(たきつぼ)(まゐ)りませう。088(いづ)(おほ)きな(やいと)()ゑられると随分(ずゐぶん)(あつ)うて(つら)いものだが、089そのために大病(たいびやう)全快(ぜんくわい)した(とき)愉快(ゆくわい)といふものは、090(くち)()ふやうなことでないと同様(どうやう)に、091(まへ)さまも(これ)から(わたし)(おほ)きな(やいと)()ゑます。092(しか)(なが)(けつ)して(にく)んでするのぢやないから、093(わる)(おも)うて(くだ)さらぬ(やう)(たの)みますぜ』
094松姫(まつひめ)(つみ)(おも)(わたし)095どんな(つら)(ぎやう)でも(あま)んじて(いた)します。096何卒(どうぞ)よろしう御願(おねが)(まを)します』
097勝公(かつこう)『よしよし、098サア()()るんだぞ、099松姫(まつひめ)(あま)つちよ。100愚図々々(ぐづぐづ)してゐやがると(あたま)かち()らうか』
101(にはか)言葉(ことば)(おこな)ひに大変動(だいへんどう)(あら)はした。
102松姫(まつひめ)『ハイ』
103(こた)へて()いて()く。
104 (かつ)(さき)()ち、105(たけ)松姫(まつひめ)(うしろ)より棒千切(ぼうちぎれ)(もつ)()()ち、106(しり)()き、
107竹公(たけこう)『ヤイ松姫(まつひめ)108(なに)愚図々々(ぐづぐづ)してゐやがるのだ。109(はや)(ある)かぬか、110あた面倒(めんだう)(くさ)い。111()(くれ)てからやつて()やがつて、112俺達(おれたち)(らく)()ようと(おも)つて()るのに、113(たき)まで(おく)つてやつて貴様(きさま)大切(たいせつ)虐待(ぎやくたい)せねばならぬ。114(いま)まで慢神(まんしん)をして大神様(おほかみさま)敵対(てきと)うた()みせしめだ』
115()ひつつ棒千切(ぼうちぎ)れを(もつ)て、116松姫(まつひめ)後頭部(こうとうぶ)をカツンを(なぐ)つた。117松姫(まつひめ)(いた)さを(こら)(なが)ら、
118松姫(まつひめ)『どうも有難(ありがた)うございます。119これでちつと(わたし)(つみ)(かる)くなりませうか』
120竹公(たけこう)『ナニ(ひやく)二百(にひやく)(なぐ)つたつて、121(あたま)をかち()つたつて、122貴様(きさま)(つみ)容易(ようい)(きよ)まるものか』
123勝公(かつこう)『オイ竹公(たけこう)124あまりぢやぞ』
125竹公(たけこう)(なに)があまりぢや。126貴様(きさま)来勿止神(くなどめのかみ)(さま)御言葉(おことば)をなんと()いたか。127松姫(まつひめ)親切(しんせつ)があるのなら、128十分(じふぶん)虐待(ぎやくたい)をしてやれと仰有(おつしや)つたぢやないか』
129勝公(かつこう)『ウーそれはさうだが、130あまり(やく)たいもないことをするものぢやないぞ。131虐待(ぎやくたい)十分(じふぶん)にするが(えー)が、132其処(そこ)(また)133それ其処(そこ)ぢや、134人情(にんじやう)()()まずにな。135()いか』
136竹公(たけこう)貴様(きさま)(えら)さうに先頭(せんとう)()ちやがつて、137来勿止神(くなどめのかみ)(さま)御言葉(おことば)無視(むし)し、138(かつ)(また)松姫(まつひめ)修行(しうぎやう)(さまた)げ、139(おも)(つみ)(さら)(おも)うしようとするのか』
140松姫(まつひめ)『モシモシ御二方(おふたかた)141(わたし)のことに(つい)て、142どうぞ口論(いさかひ)はないやうにして(くだ)さいませ。143神様(かみさま)()みませぬから』
144竹公(たけこう)『エー松姫(まつひめ)(やつ)145(なに)をゴテゴテと干渉(かんせう)するのだ。146ふざけた(こと)(ぬか)すとモー(ひと)御見舞(おみまひ)だぞ。147イヤ()棍棒(こんぼう)(ちから)(いち)パイ(くび)()(ほど)148可愛(かはい)がつてやらうか』
149松姫(まつひめ)重々(ぢうぢう)御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)(ぞん)じます。150(しか)(なが)御苦労(ごくらう)をかけて()みませぬ。151どうぞ貴方(あなた)もお(つか)れでせうから、152今日(けふ)はこれ(くらゐ)でお(やす)(くだ)さいませ』
153竹公(たけこう)『なにうまい(こと)()ふな。154矢張(やつぱ)(あたま)(なぐ)られるのが(くるし)いと()えるな。155(おれ)(この)(あひだ)から(なん)とはなしに、156むかついてむかついて其処(そこら)(いは)でも()でも、157()つけ次第(しだい)(なぐ)()うて(なぐ)()うて、158(かいな)(うな)つて()つたのだ。159今日(けふ)(さいは)来勿止神(くなどめのかみ)(さま)御命令(ごめいれい)遵奉(じゆんぽう)して心地(ここち)よい(ほど)160貴様(きさま)(あたま)可愛(かはい)がつてやるのだ。161有難(ありがた)(おも)へ。162荒行(あらぎやう)()ふものは(つら)いものだらう。163ウラナイ(けう)(あさ)から(ばん)まで、164(かへる)かなんぞのやうにザブザブと(みづ)をかぶつとるのとはちつと(だん)(ちが)ふぞ。165何程(なにほど)(つら)くても生命(いのち)瀬戸際(せとぎは)になつても、166(わづ)七日七夜(なぬかななや)辛抱(しんばう)だ。167此処(ここ)修行(しうぎやう)をやり(そこ)ねたならば、168(いま)まで大神様(おほかみさま)御道(おみち)邪魔(じやま)した、169(みづか)らの(つみ)万劫末代(まんごふまつだい)根底(ねそこ)(くに)(おと)され、170無限(むげん)(くる)しみを()けねばならぬぞ。171()(くらゐ)なことはホンの(よひ)(くち)だ。172九牛(きうぎう)一毛(いちまう)にも()かざる(くるし)みだから、173(いさ)んで修行(しうぎやう)をするのだぞ』
174松姫(まつひめ)『ハイ』
175(こた)へた(まま)176頭部(とうぶ)より(なが)るる血潮(ちしほ)()()()むを、177(そで)にそつと(ぬぐ)ひつつ、178しよぼしよぼと(たき)(はう)(むか)つて()いて()く。
179勝公(かつこう)『サア、180これが名題(なだい)山神(やまがみ)(たき)だ。181ちつと(さむ)うても真裸体(まつぱだか)になつて、182(あたま)から(みづ)をかぶるのだ。183此処(ここ)(さる)沢山(たくさん)()(ところ)だから、184(かほ)()()かれぬやうに用心(ようじん)なさい。185(ひる)大丈夫(だいぢやうぶ)だが、186夜分(やぶん)になると千疋猿(せんびきざる)がやつて()悪戯(いたづら)をするから』
187松姫(まつひめ)『ハイ、188有難(ありがた)うございます』
189竹公(たけこう)勝公(かつこう)190御苦労(ごくらう)だつた。191(まへ)(もん)(はう)(まも)つて()れ。192(おれ)はこれから(ひと)()行者(ぎやうじや)十分(じふぶん)可愛(かはい)がつてやらにやならぬからな。193それから(ろく)(はつ)とに棍棒(こんぼう)()つて、194至急(しきふ)やつて()るやうに()うて()れ』
195勝公(かつこう)『さう沢山(たくさん)棍棒(こんぼう)()つて()如何(どう)するのだい』
196竹公(たけこう)『きまつたことだ。197一本(いつぽん)(くらゐ)棍棒(こんぼう)では徹底的(てつていてき)可愛(かはい)がつてやる(わけ)にはいかぬ。198助太刀(すけだち)のためだ』
199勝公(かつこう)(しか)しなア、200竹公(たけこう)201わが()(つめ)つて(ひと)(いた)さを()れと()ふことがあるなア。202世界(せかい)(おに)()いといふことも、203(たれ)やらに()いたことがあるやうに(おも)ふ』
204と、205それとは()しに(あま)虐待(ぎやくたい)をせぬようにと、206(くち)には()はねど、207(その)()をほのめかしてゐる。
208竹公(たけこう)『なに(なぞ)のやうなことを()ひやがつて、209貴様(きさま)松姫(まつひめ)大切(たいせつ)にせいと()ふのぢやらう、210(いや)結局(けつきよく)(にく)めといふのだらう。211何事(なにごと)(たけ)胸中(きようちう)()るのだ、212心配(しんぱい)せずに(はや)(かへ)れ。213さうして来勿止神(くなどめのかみ)さまに(おれ)(ちから)(いち)パイ虐待(ぎやくたい)して可愛(かはい)がつて()実状(じつじやう)を、214より以上(いじやう)報告(はうこく)するのだぞ』
215勝公(かつこう)(たけ)(やつ)松姫(まつひめ)(あたま)七八分(しちはちぶ)()り、216(かいな)()り、217胴腹(どんばら)風穴(かぜあな)をあけよつたと()つて()かうか』
218竹公(たけこう)『そうだ、219其処(そこ)貴様(きさま)都合(つがふ)にして()れ。220マア可成(なるべ)神様(かみさま)(ちい)さいことはお(きら)ひだから、221()ふのなら十分(じふぶん)(おほ)きく()ふのだな。222オイ(かつ)223一寸(ちよつと)()つて()れ。224二人(ふたり)(やつ)棍棒(こんぼう)()つて()るように()つて()れと()うたが、225こんな(をんな)一人(ひとり)虐待(ぎやくたい)するのに応援(おうゑん)(たの)んだと(おも)はれては残念(ざんねん)だ。226(おれ)徹底的(てつていてき)にやつて()くから、227来勿止神(くなどめのかみ)詳細(しやうさい)報告(はうこく)するのだぞ』
228勝公(かつこう)『そんなら松姫(まつひめ)さま、229(しばら)くの辛抱(しんばう)だ。230どうぞ立派(りつぱ)身魂(みたま)になつて(くだ)さいや』
231松姫(まつひめ)『ハイ有難(ありがた)うございます』
232竹公(たけこう)『エー(また)(をんな)にベシヤベシヤと正月(しやうぐわつ)言葉(ことば)使(つか)ひやがつて、233(はや)(かへ)れ』
234勝公(かつこう)(かへ)れと()はなくても(たれ)()んな(おそ)ろしい(ところ)()(やつ)があるか』
235とトントンと(かへ)つてゆく。
236 (はだ)()(ごと)寒風(かんぷう)木々(きぎ)(こずゑ)(うな)りを()てて見舞(みま)うて()る。237(つき)皎々(かうかう)として(ひがし)(やま)(いただ)きから滝壺(たきつぼ)をのぞいた。
238竹公(たけこう)松姫(まつひめ)さま、239御気(おき)(どく)ですが、240どうぞ(しば)らく辛抱(しんばう)して(くだ)さい。241来勿止神(くなどめのかみ)中々(なかなか)厳格(げんかく)(かみ)寸分(すんぶん)仮借(かしやく)をしませぬから、242(わたし)(じつ)満腔(まんこう)(なみだ)(かく)して、243失礼(しつれい)なことを(いた)しました。244(しか)(なが)到底(たうてい)貴女(あなた)身体(からだ)では、245()荒行(あらぎやう)(つづ)きますまい。246()(まじなひ)()うて神様(かみさま)は、247大難(だいなん)小難(せうなん)(まつ)()へて(くだ)さるのだから、248(わたし)もこれからスツパリと素裸体(すつぱだか)になつて、249貴女(あなた)(ぎやう)(たす)けて()げよう。250さうすれば七日(なぬか)のものは三日半(みつかはん)()むといふ道理(だうり)だ。251(まへ)さま、252(あたま)()られて()()たと(おも)つてゐるだらうが、253ありや()ぢやありませぬから安心(あんしん)なさい。254(わたし)紅殻(べにがら)(しる)(ぼう)(さき)革袋(かはぶくろ)(くく)りつけて(なぐ)つたのですよ。255()()えたのは(ふくろ)紅殻(べにがら)だ。256(なぐ)られた(わり)には(いた)くはありますまいがな』
257松姫(まつひめ)『ハイ、258さうでございました。259(べつ)何処(どこ)(いた)んで()りませぬ。260()んなことで神様(かみさま)御意(ぎよい)()すやうな荒行(あらぎやう)出来(でき)ませうかな』
261竹公(たけこう)出来(でき)ますとも。262神様(かみさま)(かたち)だけをすれば(ゆる)して(くだ)さいます。263可愛(かはい)世界(せかい)氏子(うぢこ)(なに)(この)んで(つら)()をさせなさいませう。264貴女(あなた)生命(いのち)がけの荒行(あらぎやう)をして、265御詫(おわび)をしようと決心(けつしん)なさつた()(こころ)が、266(すで)貴方(あなた)(つみ)(ゆる)して()ります。267唯今(ただいま)貴女(あなた)最早(もはや)ちつとも(つみ)()いのですよ。268本当(ほんたう)(うま)赤児(あかご)(こころ)ですワ。269(しか)(なが)(あま)気分(きぶん)のよい(たき)ですから、270(きよ)めた(うへ)(きよ)めてお()でになつたら宜敷(よろし)からう。271(しか)来勿止神(くなどめのかみ)は、272あゝ()えても実際(じつさい)閻魔(えんま)さまの化身(けしん)ですから、273中々(なかなか)賞罰(しやうばつ)厳重(げんぢう)になさるのです。274(いま)(かへ)つた勝公(かつこう)だつて本当(ほんたう)(やさ)しい、275慈悲(じひ)(ぶか)人間(にんげん)です。276(しか)(なが)彼奴(あいつ)馬鹿正直(ばかしやうぢき)ですから(わたし)本当(ほんたう)貴女(あなた)虐待(ぎやくたい)したのだと(おも)つて心配(しんぱい)をして()るのです』
277松姫(まつひめ)『アヽさうでございますか。278なんとも御礼(おれい)(まを)しやうは御座(ござ)いませぬ。279何分(なにぶん)よろしう御指導(ごしだう)(ねが)ひます』
280 ()くして二三日(にさんにち)()つて、281四日目(よつかめ)(あさ)になつた。
282松姫(まつひめ)『なんと荘厳(さうごん)景色(けいしよく)ですな。283日輪様(にちりんさま)()(たき)(かがや)(あそ)ばして七色(しちしよく)(にじ)御描(おゑが)(あそ)ばし、284()()はれぬ微妙(びめう)(とり)(こゑ)285常磐木(ときはぎ)(いろ)286まるで天国(てんごく)(やう)ぢやありませぬか』
287竹公(たけこう)『さうですとも、288貴女(あなた)(こころ)(きよ)まつたので宇宙(うちう)一切(いつさい)荘厳(さうごん)雄大(ゆうだい)()え、289環境(くわんきやう)すべて楽園(らくゑん)(くわ)したのですよ』
290松姫(まつひめ)高城山(たかしろやま)随分(ずゐぶん)景色(けしき)()んだ(ところ)ですが、291到底(たうてい)(くら)べものにはなりませぬワ』
292竹公(たけこう)『それは貴女(あなた)のお(こころ)(くも)つてゐたからですよ。293今度(こんど)見直(みなほ)して御覧(ごらん)294()景色(けしき)よりも層一層(そういつそう)立派(りつぱ)です』
295 ()(はな)(とき)しも勝公(かつこう)莞爾々々(にこにこ)として()(きた)り、
296勝公(かつこう)『アヽ松姫(まつひめ)さん、297(たけ)さん、298御苦労(ごくらう)だつた。299来勿止神(くなどめのかみ)(さま)から今日(けふ)(ぎやう)中途(なかば)だけれど、300モウ修行(しうぎやう)()んだから直様(すぐさま)御山(おやま)参詣(まゐ)つて(よろ)しいとの御命令(ごめいれい)(くだ)りました。301(よろこ)びなさいませ』
302松姫(まつひめ)『それは(なに)より()(がた)うございます』
303滝壺(たきつぼ)(むか)ひ、304感謝(かんしや)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)(をは)つて三人(さんにん)()()()つて、305来勿止神(くなどめのかみ)(いほり)(むか)つて(かへ)りゆく。
306竹公(たけこう)神様(かみさま)307おかげで無事(ぶじ)松姫(まつひめ)(さま)御修行(ごしうぎやう)(をは)りました』
308松姫(まつひめ)来勿止神(くなどめのかみ)(さま)309いろいろと(あつ)(ひろ)思召(おぼしめし)()りまして、310(きたな)身魂(みたま)(あら)つて(いただ)きました』
311来勿止神(くなどめのかみ)『アヽそうだつたか、312結構(けつこう)々々(けつこう)313モウそれで何処(どこ)()しても立派(りつぱ)なものだ。314(まへ)さんの修行(しうぎやう)のおかげで玉照彦(たまてるひこ)(さま)のお(むか)へも出来(でき)ませう。315師匠様(ししやうさま)(つみ)全然(すつかり)(ゆる)されませう、316よう(つら)(ぎやう)をなさいました。317アヽ竹公(たけこう)318(まへ)大変(たいへん)心配(こころくば)り、319気遣(きづか)ひであつたな。320(わし)(こころ)()つて()るのはお(まへ)ばつかりだ』
321(うれ)(なみだ)(そで)にそつと(ぬぐ)ふ。322(しばら)くは沈黙(ちんもく)(まく)()りた。323(この)(とき)門前(もんぜん)(あはただ)しく駆来(かけきた)四人(よにん)(をとこ)
324(をとこ)『モシモシ()(もん)()けて(くだ)さいませ』
325 (かつ)立上(たちあが)大石門(だいせきもん)をギーと左右(さいう)()けた。326四人(よにん)姿(すがた)()(かつ)(おどろ)き、
327勝公(かつこう)『ヤアお(まへ)()(あひだ)やつて()不届者(ふとどきもの)328バラモン(けう)谷丸(たにまる)329鬼丸(おにまる)両人(りやうにん)330(また)二人(ふたり)味方(みかた)()やして来居(きを)つたのだな。331玉照彦(たまてるひこ)(さま)だと(おも)つて(おほ)きな岩石(がんせき)大事(だいじ)さうに(かか)へて(かへ)り、332途中(とちう)()がついて(また)もや二度目(にどめ)のお(むか)ひに来居(きを)つたのだらう。333モウモウ余人(よにん)()らず貴様(きさま)(かぎ)つて、334(この)(もん)通過(つうくわ)さすことは出来(でき)ないと来勿止神(くなどめのかみ)(さま)厳命(げんめい)だ』
335 谷丸(たにまる)336鬼丸(おにまる)大地(だいち)にペタツと(すわ)り、337(なみだ)(なが)(なが)ら、
338(たに)339(おに)『モーシ門番様(もんばんさま)340今日(けふ)谷丸(たにまる)341鬼丸(おにまる)先日(せんじつ)両人(りやうにん)とは(ちが)ひます。342どうぞ御安心(ごあんしん)(くだ)さいませ』
343勝公(かつこう)(ちが)うと()つたつてお(まへ)容貌(ようばう)()ひ、344姿(すがた)()ひ、345何処(どこ)(ひと)(かは)つたとこがないぢやないか』
346(たに)347(おに)『ハイ(かたち)(うへ)はちつとも(かは)つて()りませぬが、348(わたくし)(こころ)天地(てんち)相違(さうゐ)(かは)りました』
349勝公(かつこう)『いよいよ(もつ)()しからぬ(やつ)だ。350(かは)何時(いつ)でも(かは)るぞよ。351霊魂(みたま)中々(なかなか)(かは)らぬぞよと神様(かみさま)(をし)へてござる。352それに(なん)ぞや、353(こころ)(かは)りましたとは益々(ますます)合点(がつてん)のゆかぬ(やつ)だ』
354(たに)355(おに)『そのお(うたが)ひは御尤(ごもつと)もでございますが、356(いま)までの取違(とりちが)ひ、357慢神(まんしん)雲霧(くもきり)()れまして、358すつぱりと青天(せいてん)白日(はくじつ)(やう)(たましひ)(うま)(かは)りました。359何程(なにほど)人間(にんげん)利巧(りかう)智慧(ちゑ)をだして焦慮(あせ)つて()(ところ)駄目(だめ)だ。360神様(かみさま)のお(ゆる)しない(こと)九分九厘(くぶくりん)(てのひら)(かへ)ると()ふことをつくづくと(さと)らして(いただ)きました。361アーア(こころ)(ほど)(おそ)ろしいものは御座(ござ)いませぬ。362今迄(いままで)(わたくし)三五教(あななひけう)や、363ウラル(けう)364ウラナイ(けう)(かたき)ぢやと(おも)つて、365一生懸命(いつしやうけんめい)()(てき)征服(せいふく)したいと憂身(うきみ)(やつ)し、366大活動(だいくわつどう)(つづ)けて()ました。367(しか)るに(あに)(はか)らむや、368その大悪魔(だいあくま)(てき)私等(わたくしら)(こころ)(なか)にみんな(ひそ)んで()りました。369()うおかげを(いただ)いた以上(いじやう)は、370天ケ下(あめがした)(てき)()ければ、371他人(たにん)()い、372(おに)大蛇(をろち)(なに)もありませぬ。373吾々(われわれ)松姫(まつひめ)()ふウラナイ(けう)宣伝使(せんでんし)(たい)し、374非常(ひじやう)暴虐(ばうぎやく)(くは)へ、375大方(おほかた)半死(はんし)になるとこ(まで)打擲(ちやうちやく)(いた)しましたことを、376今更(いまさら)(なが)()いまして、377()つても()ても居堪(ゐた)まらず、378四人(よにん)のものが、379どうぞして松姫(まつひめ)(さま)所在(ありか)(たづ)御詫(おわび)をせなくてはならないと(おも)うて、380そこら(さが)(うち)381(みち)()うた杣人(そまびと)()いて()れば、382三四日(さんよつか)以前(いぜん)()(がた)霊山(れいざん)(はう)(むか)つて、383一人(ひとり)(をんな)(あが)つたと()ふことを()き、384(これ)(まさ)しく松姫(まつひめ)(さま)間違(まちが)ひあるまいと、385()()(ばか)(よろこ)んで四人(よにん)打揃(うちそろ)御目(おんめ)にかかつて御詫(おわび)をしようと()()たのです。386どうぞ此処(ここ)(とほ)して(くだ)さいませ。387(また)先達(せんだつて)貴方等(あなたがた)御無礼(ごぶれい)(いた)しました(その)(つみ)御詫(おわび)せなくてはなりませぬ。388何事(なにごと)過去(くわこ)のことは(みづ)(なが)して、389吾々(われわれ)(あやま)ちをお(ゆる)(くだ)さいますやうに』
390勝公(かつこう)『さてもさても(めう)なことが出来(でき)たものだ(わい)391(かは)(やす)いは秋冬(しうとう)(そら)()いてゐるが、392こりや(また)大変(たいへん)地異(ちい)天変(てんぺん)(おこ)つたものだ。393一寸(ちよつと)(みな)さま()つて(くだ)さい。394松姫(まつひめ)(さま)もまだ此処(ここ)にゐられますから、395(うかが)つた(うへ)()はせませう』
396門内(もんない)(かげ)(かく)しける。
397大正一一・五・九 旧四・一三 外山豊二録)
   
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