霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第八章 津田(つだ)(うみ)〔六八二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第21巻 如意宝珠 申の巻 篇:第2篇 是生滅法 よみ:ぜしょうめっぽう
章:第8章 津田の湖 よみ:つだのうみ 通し章番号:682
口述日:1922(大正11)年05月19日(旧04月23日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年4月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
竜国別は道を北にとって迂回し、大谷山方面からアルプス教を攻めることとなった。国依別は鼓の滝から六甲山へ至る道をとった。そして玉治別は元盗人の三人と共に、津田の湖を舟で越えるルートをとった。
しかし玉治別が舟をこいで湖の半ばにさしかかると、三人はにわかに態度を変え、玉治別の懐のアルプス教の計画書を奪おうとし始めた。三人は櫂で玉治別に打ちかかり、玉治別は湖に落ちてしまった。
三人は落ちた玉治別を櫂で殴りつけようとする。九死に一生のところで、一艘の舟が矢のように現れて、玉治別を救った。これは杢助とお初が助けに来たのであった。
盗人たち三人は杢助の出現に驚いて慌てて逃げるが、湖の中にある大岩石に衝突して舟は砕け、湖水に落ちてしまった。
玉治別は櫂をこいで行き、三人を大岩石の上に助け上げると、宣伝歌を歌って聞かせた。杢助も、三人に仲間の失敗を告げて、改心を迫る。
しかしお初は今度は三人を懲らしめた方がよいと主張し、舟は三人を湖中の大岩石の上に残したまま行ってしまった。するとにわかに湖水のかさが増して、三人は首のあたりまで水に浸かってしまった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:154頁 八幡書店版:第4輯 320頁 修補版: 校定版:159頁 普及版:70頁 初版: ページ備考:
001 津田(つだ)湖辺(こへん)(あら)はれたる三人(さんにん)宣伝使(せんでんし)(はじ)め、002(ゑん)003駿(すん)004()005(さん)006(かふ)007(うん)六人(ろくにん)高春山(たかはるやま)(はるか)(なが)めて、008(いま)三方(さんぱう)より進撃(しんげき)せんとする計画(けいくわく)(さだ)むる(をり)しも、009六人(ろくにん)泥棒(どろばう)内輪喧嘩(うちわげんくわ)(はじ)()し、010武州(ぶしう)011駿州(すんしう)012遠州(ゑんしう)向脛(むかふづね)()たれて(その)()(たふ)れたるを()すまし、013(さん)014(かふ)015(くも)三人(さんにん)(この)()見捨(みす)てて、016(もと)()(みち)()()つた。
017 (ここ)竜国別(たつくにわけ)(みち)(きた)()り、018迂回(うくわい)して大谷山(おほたにやま)より()(のぼ)(こと)とした。019(また)国依別(くによりわけ)(つづみ)(たき)()六甲山(ろくかふざん)(のぼ)り、020魔神(まがみ)言向(ことむ)けつつ高春山(たかはるやま)(むか)計画(けいくわく)(さだ)めた。021玉治別(たまはるわけ)湖辺(こへん)(つな)ぎある(ふね)()(たく)し、022津田(つだ)(うみ)(わた)つて驀地(まつしぐら)高春山(たかはるやま)押寄(おしよ)すべく、023(あし)(いた)めた三人(さんにん)(ふね)()せて(みづか)()(あやつ)(なが)ら、024寒風(かんぷう)(すさ)(つき)()西方(せいはう)山麓(さんろく)目蒐(めが)けて()()だす。025湖水(こすゐ)(ほとん)中央(ちうあう)まで(すす)みし(とき)026三人(さんにん)(にはか)立上(たちあが)り、
027遠州(ゑんしう)『オイ貴様(きさま)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)028(まこと)(みち)()(とほ)神聖(しんせい)役目(やくめ)であり(なが)ら、029秘密(ひみつ)書類(しよるゐ)()()れたを(さいはひ)に、030(てき)(そな)へを(さと)り、031三方(さんぱう)より()()せむとするは(じつ)見下(みさ)()てたるやり(かた)だ。032何故(なぜ)(まこと)(ひと)つで(すす)まぬのかい』
033駿州(すんしう)(じつ)(ところ)はその手帳(てちやう)吾々(われわれ)仲間(なかま)()つて大切(たいせつ)品物(しなもの)だ。034それを貴様(きさま)()られて(たま)るものか。035杢助(もくすけ)(たく)()いて、036この大切(たいせつ)書類(しよるゐ)貴様(きさま)()()れたのを(さと)つた(ゆゑ)037吾々(われわれ)六人(ろくにん)道々(みちみち)符牒(ふてう)(もつ)(しめ)()はせ、038(わざ)喧嘩(けんくわ)をして()せ、039(あし)(いた)いと(いつは)つてこの(ふね)乗込(のりこ)んだのだぞ』
040武州(ぶしう)『サア、041最早(もはや)ジタバタしても(かな)はぬぞ。042綺麗(きれい)薩張(さつぱり)俺達(おれたち)返納(へんなふ)(いた)せ。043愚図々々(ぐづぐづ)(ぬか)すと、044()湖中(こちう)()()んで(しま)ふぞ』
045玉治別(たまはるわけ)『アハヽヽヽ、046貴様(きさま)(たち)(なに)(ぬか)すのだ。047三五教(あななひけう)神力(しんりき)無双(むさう)宣伝使(せんでんし)(むか)つて、048刃向(はむか)うとは、049生命(いのち)()らずも(ほど)がある。050蟷螂(たうらう)(をの)(ふる)つて竜車(りうしや)(むか)ふも同然(どうぜん)051(すみや)かに改心(かいしん)(いた)せば(ゆる)してやるが、052何処(どこ)までも悪心(あくしん)()(とほ)すなら、053最早(もはや)是非(ぜひ)(およ)ばぬ、054言霊(ことたま)(もつ)(なんぢ)身体(からだ)(しば)()げ、055()湖水(こすゐ)()()んでやらうか』
056遠州(ゑんしう)貴様(きさま)言霊(ことたま)武器(ぶき)があれば、057此方(こちら)にも言霊(ことたま)武器(ぶき)がある。058おまけにこの鉄腕(てつわん)(うな)りを()てて()つて()るぞよ。059サア(はや)(この)(はう)(わた)さないか』
060(わた)せと()つても(おれ)一人(ひとり)(もの)では()い。061竜国別(たつくにわけ)や、062国依別(くによりわけ)協議(けふぎ)をした(うへ)063(わた)してもよければ(わた)してやらう』
064馬鹿(ばか)()ふな。065竜国別(たつくにわけ)や、066国依別(くによりわけ)吾々(われわれ)同類(どうるゐ)途中(とちう)待伏(まちふ)せて、067(たひ)らげて(しま)手筈(てはず)がチヤンと(ととの)うて()るのだ。068この(みづうみ)向方(むかふ)(わた)るが最後(さいご)069味方(みかた)のものが()ちうけて、070貴様(きさま)嬲殺(なぶりごろ)しにする手筈(てはず)(きま)つて()る。071(おどろ)いたか、072(なん)吾々(われわれ)計略(けいりやく)(えら)いものだらう』
073『たとへ小童(こわつぱ)どもの三人(さんにん)五人(ごにん)074百人(ひやくにん)()(きた)るとも、075(びく)とも(いた)すやうな玉治別(たまはるわけ)では()い、076あんまり見損(みそこな)ひを(いた)すな。077鷹依姫(たかよりひめ)表面(おもて)にアルプス(けう)標榜(へうぼう)しながら、078山賊(さんぞく)大親分(おほおやぶん)になつて()るのだな』
079駿州(すんしう)馬鹿(ばか)()ふない。080アルプス(けう)には泥棒(どろばう)一人(ひとり)()ない。081(ただ)俺達(おれたち)駄賃(だちん)(もら)つて(この)仕事(しごと)をするだけだ。082(じつ)俺達(おれたち)はアルプス(けう)ではない。083盗人(ぬすびと)団体(だんたい)だからトツクリ()()よ。084その手帳(てちやう)俺達(おれたち)()(しる)してない(はづ)だ。085聖地(せいち)(しの)()んだ(やつ)名前(なまへ)沢山(たくさん)あるといふことだが、086最早(もはや)貴様(きさま)にそれが(わか)つたところで、087アルプス(けう)痛痒(つうよう)(かん)じない。088(その)(かは)貴様等(きさまら)三人(さんにん)宣伝使(せんでんし)()(もの)(いた)せばよいのだ。089……オイ()うだい、090此奴(こいつ)真裸体(まつぱだか)にして秘密(ひみつ)書類(しよるゐ)をフン(だく)り、091高春山(たかはるやま)持参(ぢさん)せば結構(けつこう)御褒美(ごほうび)頂戴(ちやうだい)出来(でき)る。092サアぬかるな』
093三方(さんぱう)より(かい)(もつ)()つてかかる。
094 無抵抗主義(むていかうしゆぎ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)も、095()むを()正当(せいたう)防禦(ばうぎよ)(つも)りで、096両手(りやうて)()(あま)数歌(かずうた)(うた)つた。097されど神慮(しんりよ)(そむ)きし(てき)秘密(ひみつ)書類(しよるゐ)懐中(くわいちゆう)したる(けが)れのためか、098今日(けふ)(かぎ)つて(あま)数歌(かずうた)も、099鎮魂(ちんこん)も、100(なん)効果(かうくわ)(あら)はれなかつた。101三人(さんにん)三方(さんぱう)より滅多打(めつたう)ちに()ちかかる。
102 玉治別(たまはるわけ)()むを()ず、103(また)もや(かい)(にぎ)るより(はや)三人(さんにん)(なか)(まじ)つて飛鳥(ひてう)(ごと)(ふせ)(たたか)うた。104如何(いか)がはしけむ、105遠州(ゑんしう)はバサリと湖中(こちう)()ちた。106二人(ふたり)()()められて玉治別(たまはるわけ)(また)もやザンブとばかり湖中(こちう)真逆様(まつさかさま)落込(おちこ)んだ。107(ふね)()()(あが)らうとすれば、108二人(ふたり)(うへ)より(かい)(もつ)(あたま)(なぐ)りつけやうとする。109遠州(ゑんしう)(その)(あひだ)(ふね)駆上(かけあが)り、
110『サア(たま)(やつ)111神妙(しんめう)(わた)せばよし、112(わた)さねば貴様(きさま)生命(いのち)はモーないぞ』
113 玉治別(たまはるわけ)一生懸命(いつしやうけんめい)()()()つて逃出(にげだ)す。114三人(さんにん)(かい)(あやつ)(なが)玉治別(たまはるわけ)()ひかける。115玉治別(たまはるわけ)()きつ(しづ)みつ()(まは)る。116秘密(ひみつ)書類(しよるゐ)懐中(くわいちゆう)より脱出(だつしゆつ)して水面(すゐめん)()(あが)つた。117三人(さんにん)手早(てばや)(これ)(ひろ)()げて、118大切(たいせつ)()れた(まま)そつ(ふね)(なか)(かく)し、119(なほ)玉治別(たまはるわけ)()きつ(しづ)みつ()ぐるを()ひかけ、120(あたま)目蒐(めが)けて(なぐ)りつけようとする。121(なぐ)られては一大事(いちだいじ)と、122(くる)しき(いき)()らし(なが)水底(すゐてい)(くぐ)り、123一方(いつぱう)(あたま)()げて(いき)をつぎ()れば、124(また)もや三人(さんにん)(ふね)にて()ひかけて()る。
125 玉治別(たまはるわけ)進退(しんたい)(きは)まり、126九死一生(きうしいつしやう)のところへ()()(ごと)く、127一人(ひとり)子供(こども)()せて()ぎつけた一隻(いつさう)(ふね)128玉治別(たまはるわけ)盲亀(まうき)浮木(ふぼく)(よろこ)(いさ)んで(ふね)(とり)ついた。129舟人(ふなびと)玉治別(たまはるわけ)(たす)けて(ふね)()せた。130玉治別(たまはるわけ)(いき)()()えになつてゐる。131()(とき)三人(さんにん)盗人(ぬすびと)は、
132『エー邪魔(じやま)ひろぐな』
133()(ふね)目蒐(めが)けて()めかけ(きた)る。
134船人(ふなびと)貴様(きさま)遠州(ゑんしう)135駿州(すんしう)136武州(ぶしう)小盗人(こぬすと)だらう。137サア、138モウ(おれ)此処(ここ)()(うへ)は、139(きさま)最早(もはや)観念(かんねん)せねばなるまい。140(かた)(ぱし)から(たた)(つぶ)してやらう』
141 (この)(こゑ)三人(さんにん)(おどろ)いて一生懸命(いつしやうけんめい)(かい)(あやつ)り、142()()(ごと)くに西(にし)西(にし)へと()()した。143湖中(こちう)突出(とつしゆつ)せる大岩石(だいがんせき)(ふね)先端(さき)衝突(しようとつ)させ、144船体(せんたい)()()微塵(みぢん)になつて、145ゴブゴブゴブと沈没(ちんぼつ)した。146三人(さんにん)(おも)(おも)ひに()()()つて()げようとする。
147 船頭(せんどう)三人(さんにん)()いた(あたま)目当(めあて)(ふね)差向(さしむ)けた。148玉治別(たまはるわけ)(やうや)()がついた。149()れば杢助(もくすけ)親子(おやこ)(ふね)()つて、150三人(さんにん)泥棒(どろばう)(かげ)目当(めあて)(はし)つてゐる。
151『アー貴方(あなた)杢助(もくすけ)さま。152(あやふ)(ところ)をよう(たす)けに()(くだ)さいました』
153(はなし)(あと)でゆつくり()きませう。154愚図々々(ぐづぐづ)して()れば三人(さんにん)泥棒(どろばう)生命(いのち)()くなつて(しま)ふ。155サア貴方(あなた)(この)(かい)()いで(くだ)さい』
156 玉治別(たまはるわけ)(ただ)ちに(かい)()(はじ)めた。157(やうや)くにして三人(さんにん)泥棒(どろばう)(すく)()げた。158さうして以前(いぜん)湖中(こちう)(いは)(うへ)三人(さんにん)(おく)り、159(ふね)此方(こなた)引返(ひきかへ)し、160十数間(じふすうけん)(ばか)距離(きより)(たも)つて、161三人(さんにん)(むか)宣伝歌(せんでんか)()かさむと、162(こゑ)(すず)しく(うた)(はじ)めた。
163玉治別(たまはるわけ)朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
164(つき)()つとも()くるとも
165仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
166(まこと)(ちから)()(すく)
167(まこと)(ひと)つの()(なか)
168(まこと)(みち)()(はづ)
169天地(てんち)(つみ)(かさ)ねつつ
170(つひ)には()(くに)(そこ)(くに)
171地獄(ぢごく)(そこ)どん(ぞこ)
172焦熱地獄(せうねつぢごく)(おと)されて
173(くる)しみ(もだ)える幽界(いうかい)
174(おきて)()らずに智慧(ちゑ)(あさ)
175体主霊従(たいしゆれいじう)人々(ひとびと)
176(ちひ)さき(よく)()(くら)
177結構(けつこう)身魂(みたま)()(なが)
178(ひと)(たから)(うば)()
179()めよ(さわ)げの大騒(おほさわ)
180(あそ)んで(くら)悪企(わるだく)
181地獄(ぢごく)(かま)(みち)(つく)
182それも()らずに曲道(まがみち)
183(とほ)身魂(みたま)ぞいぢらしき
184仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
185(まこと)(みち)(かな)ひなば
186大慈(だいじ)大悲(だいひ)大神(おほかみ)
187(かなら)(たす)(たま)ふべし
188遠州(ゑんしう)武州(ぶしう)駿州(すんしう)
189(なんぢ)(もと)(かみ)御子(みこ)
190(きよ)身魂(みたま)受継(うけつ)ぎし
191(たふと)(かみ)生宮(いきみや)
192(ちひ)さき(よく)にからまれて
193(この)()からなる地獄道(ぢごくだう)
194餓鬼(がき)畜生(ちくしやう)修羅道(しゆらだう)
195責苦(せめく)(みづか)()(なが)
196()(さと)らずに()(よる)
197(みち)(そむ)いた(こと)ばかり
198われは(この)()(たひら)けく
199(をさ)(しづ)むる大神(おほかみ)
200(をしへ)()ぶる宣伝使(せんでんし)
201(けつ)して(にく)しと(おも)はない
202(なんぢ)(ひそ)曲神(まがかみ)
203一日(ひとひ)(はや)()()けて
204(まこと)(みち)(すく)はむと
205(ねが)ふばかりの(わが)(こころ)
206さはさり(なが)三五(あななひ)
207(みち)(をし)ふる神司(かむづかさ)
208()()(わす)れてアルプスの
209(かみ)(をしへ)()(こも)
210鷹依姫(たかよりひめ)計略(けいりやく)
211(こと)(こま)かに(しる)したる
212秘密(ひみつ)(かぎ)(ふところ)
213(をさ)めて(まが)(たふ)さむと
214(おも)うたことは玉治別(たまはるわけ)
215これ一生(いつしやう)(あやま)りぞ
216汝等(なれら)(これ)(たづさ)へて
217高春山(たかはるやま)持参(もちまゐ)
218鷹依姫(たかよりひめ)手渡(てわた)して
219手柄(てがら)(あら)はし御褒美(ごほうび)
220(かね)沢山(たくさん)(もろ)()
221さすれば(なんぢ)(ふところ)
222ふとつて親子(おやこ)安々(やすやす)
223(たの)しき月日(つきひ)(おく)るだらう
224さは()ふものの三人(さんにん)
225(この)()(かり)()(なか)
226万劫末代(まんごまつだい)()(とほ)
227霊魂(みたま)生命(いのち)(かぎ)りなし
228なることならば三五(あななひ)
229(かみ)(をしへ)()(まか)
230天晴(あつぱ)世界(せかい)(しほ)となり
231(はな)ともなりて(かん)ばしき
232()のりを(のこ)(のち)()
233あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
234御霊(みたま)(さち)はひましまして
235悪魔(あくま)(ため)(たましひ)
236(くも)らされたる三人(さんにん)
237直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
238()(あやま)ちを()(なほ)
239(かみ)大道(おほぢ)にすくすくと
240(あゆ)ませ(たま)大御神(おほみかみ)
241(うづ)御前(みまへ)玉治別(たまはるわけ)
242(かしこ)(かしこ)()(まつ)る』
243(うた)(をは)つた。
244 三人(さんにん)(この)(うた)(かん)じてか、245(ただし)(はな)(じま)()てられた(かな)しさに(この)()(のが)れむとしてか、246一度(いちど)玉治別(たまはるわけ)(むか)つて両手(りやうて)(あは)せ、247(なみだ)(なが)して改心(かいしん)()(へう)する。248杢助(もくすけ)(ふね)(いは)(まへ)(ちか)づけ(なが)ら、
249杢助(もくすけ)『オイ三人(さんにん)(をとこ)250(きさま)片割(かたわ)三州(さんしう)251甲州(かふしう)252雲州(うんしう)三人(さんにん)(おれ)(やかた)()()んで金銀(きんぎん)小玉(こだま)全部(ぜんぶ)(もら)つて(かへ)りよつた。253(きさま)玉治別(たまはるわけ)懐中(くわいちゆう)せるアルプス(けう)書類(しよるゐ)(ねら)つてゐるさうだ。254(しか)しそれを鷹依姫(たかよりひめ)(とど)けてやつたところで、255(あま)(たい)した礼物(れいもつ)もくれはしよまい。256生命(いのち)(まと)にそんな(よく)()(ちひ)さいことを(いた)すな。257改心(かいしん)するなら(いま)だ。258(なん)()つても()(はな)(じま)()てられては(きさま)(うか)()はあるまい。259サア改心(かいしん)(ちか)ふか()うだ、260改心(かいしん)(いた)せば(この)(ふね)()せて(たす)けてやるが』
261 三人(さんにん)(くち)(そろ)へて、
262改心(かいしん)します。263()うぞ(ゆる)して(くだ)さいませ』
264杢助(もくすけ)玉治別(たまはるわけ)さま、265貴方(あなた)のお(かんが)へは()うでせうか』
266玉治別(たまはるわけ)改心(かいしん)さへしてくれたならば四海(しかい)兄弟(きやうだい)だ、267何処(どこ)までも(たす)けたいものですな』
268『そんなら(たす)けてやらうか』
269 お(はつ)(くび)左右(さいう)()り、
270『お(とう)さん、271()んな(ひと)(たす)けたつて(すぐ)(また)(わる)いことを(いた)しますよ。272(しばら)くこの(はな)(じま)(あづ)けて()いたがよろしいでせう』
273遠州(ゑんしう)『モシモシ(ちひ)さいお(かた)274(まへ)さまは(とし)にも似合(にあ)はぬ、275きつい(ひと)だな。276そんな(こと)()はずに()うぞ(たす)けて(くだ)さいな。277屹度(きつと)改心(かいしん)しますから』
278『イエイエ貴方(あなた)()()改心(かいしん)出来(でき)ませぬよ。279サア、280(とう)さま、281(はや)()(あやつ)つて(くだ)さい。282小父(をぢ)さま、283(かい)()いで(くだ)さい。284(わたし)手伝(てつだ)ひませう』
285『アヽさうだ。286子供(こども)正直(しやうぢき)だ。287此奴等(こいつら)可愛(かあい)いと(おも)へば、288(しば)らく(いは)(うへ)(あづ)けて()いた(はう)将来(しやうらい)のためだらう。289サア、290杢助(もくすけ)さま、291彼方(あちら)(すす)みませう』
292湖中(こちう)岩島(いはしま)(あと)に、293高春山(たかはるやま)東麓(とうろく)()して()()(ごと)(すす)()く。
294 不思議(ふしぎ)湖水(こすゐ)(みづ)()()水量(みづかさ)(まさ)り、295さしもに(たか)湖中(こちう)(いは)次第(しだい)々々(しだい)水中(すゐちう)(ぼつ)し、296(はや)くも足許(あしもと)まで(なみ)押寄(おしよ)せて()た。297刻々(こくこく)(まさ)水量(みづかさ)三人(さんにん)は、298最早(もはや)(くび)(あた)りまで(つか)つて(しま)つた。
299大正一一・五・一九 旧四・二三 外山豊二録)