霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 美人草(びじんさう)〔一二三九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第1篇 浮木の盲亀 よみ:うききのもうき
章:第6章 美人草 よみ:びじんそう 通し章番号:1239
口述日:1923(大正12)年01月08日(旧11月22日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
雪が降りしきる中、怪しの森ではコー、ワク、エムが火を焚いて車座になり、雑談にふけっている。三人は、ランチ将軍は浮木の森にしっかりとした陣営を立てていて一年くらいはイソ館に向かって進軍する気遣いはないと話している。
三人は蠑螈別の連れていたお民の話から、男女論に発展する。ワクは女性を擁護し、エムは男性の立場からそれぞれ議論を戦わせる。かく三人が笑い興じているところへ、白い顔をした妙齢の美人が現れた。
女は三人に、ランチ将軍・片彦将軍の陣営の場所に案内してほしいと願い出た。三人が何者か尋ねると、女は自分は三五教の宣伝使・清照姫であり、もう一人は妹分の初稚姫であると答えた。
三人は、有名な三五教の女宣伝使たちだと知って早くもおじけづいた。清照姫と初稚姫は三人の煮え切らない態度に、通り過ぎて自力で陣営に行こうとする。三人は、それでは自分たちの面目が立たないと清照姫と初稚姫に懇願して、二人を陣営まで案内することになった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:89頁 八幡書店版:第8輯 503頁 修補版: 校定版:93頁 普及版:41頁 初版: ページ備考:
001 翩翻(へんぽん)として()(しき)(やはら)かき(ゆき)(かぶ)つてコー、002ワク、003エムの三人(さんにん)(あや)しの森影(もりかげ)にチヨロチヨロと()()き、004車座(くるまざ)になつて無聊(むれう)(なぐさ)むべく雑談(ざつだん)(ふけ)つて()る。
005コー『浮木(うきき)(もり)将軍(しやうぐん)半永久的(はんえいきうてき)陣営(ぢんえい)()てて()以上(いじやう)は、006(ここ)一年(いちねん)やそこらは、007どうせイソ(やかた)(むか)つて進軍(しんぐん)する気遣(きづか)ひもあるまい。008陣中(ぢんちう)(をんな)がなくちや(さび)しくて仕方(しかた)がないと()つて、009浮木(うきき)(さと)女狩(をんなが)りを将軍(しやうぐん)命令(めいれい)でやつて()たところ、010何奴(どいつ)此奴(こいつ)もお()けのやうな代物(しろもの)ばかりで、011二目(ふため)()られぬドテカボチヤばかりだ。012そこで将軍様(しやうぐんさま)がエキスの大目付(おほめつけ)内命(ないめい)(くだ)し、013立派(りつぱ)(をんな)()つかつたら、014献上(けんじやう)せい。015さうしたら重要(ぢゆうえう)地位(ちゐ)使(つか)つてやらうと、016仰有(おつしや)つたさうぢやが、017(なん)とかして(ひと)美人(びじん)とつ(つかま)へたいものだなア』
018ワク『だつてかう物騒(ぶつそう)()(なか)019(をんな)なんかは土竜(もぐら)のやうに(みな)深山(しんざん)土窟(どくつ)(かく)れて仕舞(しま)ひ、020容易(ようい)()()気遣(きづか)ひはないわ。021それでも此処(ここ)にかうして()つて()れば、022やつて()ないものでもないなア』
023コー『蠑螈別(いもりわけ)()つかけて()たお(たみ)とかいふ(をんな)中々(なかなか)のナイスだつたネー。024(おれ)(をとこ)(うま)れた甲斐(かひ)には是非(ぜひ)一度(いちど)はアンナ(をんな)()うて()たいものだ。025(をんな)(くせ)(ちから)もあり胆力(たんりよく)()わつてゐるなり、026(まる)きり天女(てんによ)降臨(かうりん)のやうだつたネー。027(おれ)はアノお(たみ)態度(たいど)には全然(すつかり)(まゐ)つて(しま)つた。028ハヽヽヽヽ』
029ワク『(むかし)から(をとこ)として(をんな)(こころ)身体(からだ)(うつく)しさを()(たた)へるに(つい)ては、030どんな偉大(ゐだい)美術家(びじゆつか)だつて詩人(しじん)だつて()十分(じふぶん)成功(せいこう)したものは()い。031粘土(ねんど)(ひね)つて人間(にんげん)(こしら)へたといふ神様(かみさま)(さる)(いぬ)などには()(ほど)(かん)じないだらうが、032(すくな)くも吾々(われわれ)()(うつ)(をんな)魅力(みりよく)(たい)したものだ。033しなやかに(なが)(かみ)()034それを色々(いろいろ)(かたち)整理(せいり)して面白(おもしろ)(うつく)しく(かざ)()てた(あたま)035皮下(ひか)脂肪分(しばうぶん)のために(ほね)ばらず筋張(すぢば)らない肉体(にくたい)036トルソだけでもいやモツト小部分(せうぶぶん)だけでも、037吾々(われわれ)礼拝(らいはい)すべき価値(かち)充分(じうぶん)にあるやうだ。038アノ(ひげ)()えぬ滑々(すべすべ)した(ほほ)だけでも結構(けつこう)だ。039むつちりと()つた乳房(ちぶさ)だけでもよい。040(にぎ)れば銀杏(ぎんなん)になり(ひら)けば梅干(うめぼし)になる(ゆび)のつけ()関節(くわんせつ)に、041可愛(かあい)らしい(ゑくぼ)のやうなクボミの這入(はい)手頸(てくび)だけでも結構(けつこう)だ。042(あし)だつて(やはら)かくて気持(きもち)がよい。043そこへ()つて()て、044(をんな)()(よそほ)ふことに時間(じかん)精魂(せいこん)とを(つく)して(かへり)みない(うつく)しい(やさ)しい本能(ほんのう)をもつてゐるから、045(たま)益々(ますます)その(ひかり)()すばかりだ。046声帯(せいたい)高調(かうてう)()られてゐることも(をとこ)(みみ)には(うれ)しい(きよ)(ひび)きを伝達(でんたつ)する。047一体(いつたい)受動的(じゆどうてき)性情(せいじやう)から挙措(きよそ)物静(ものしづ)かに、048しとやかに、049言葉(ことば)にも(かど)()(ひか)()なのも(をんな)美点(びてん)だ。050(をんな)といふものは何処(どこ)(ひと)(てん)()(どころ)がないやうだ。051天地開闢(てんちかいびやく)以来(いらい)052如何(いか)なる天才(てんさい)(あら)はれても、053(つひ)()()れず(たた)(つく)されなかつた(をんな)(こころ)身体(からだ)との優美(いうび)を、054何程(なにほど)(おれ)たちが躍起(やくき)となつて()べた(ところ)(せん)なき次第(しだい)だ。055只々(ただただ)(つつし)(うやま)ひ、056永遠無窮(ゑいゑんむきう)平和(へいわ)守神(まもりがみ)(あが)(まつ)るより(ほか)はない。057アヽ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)だ。058アハヽヽヽ』
059エム『おいワク、060(まへ)女権拡張会(ぢよけんくわくちやうくわい)顧問(こもん)にでも(えら)まれて()るのか。061大変(たいへん)女権(ぢよけん)擁護(ようご)弁論(べんろん)をまくし()てやがるぢやないか。062(おれ)()(ところ)では(をんな)といふ(やつ)不思議(ふしぎ)(ほど)見掛(みかけ)(だふ)しで不器用(ぶきよう)始末(しまつ)(わる)いものはないやうだ。063一寸(ちよつと)()めりや、064のし(あが)る、065(しか)れば()きよる、066(ころ)せば()けて()るといふ厄介(やくかい)至極(しごく)代物(しろもの)ぢやないか。067(なに)をさせても到底(たうてい)(をとこ)には(かな)はない。068チツト男子(だんし)擁護(ようご)をしても(あま)(ばち)(あた)るまいぞ』
069『ヘン、070(をとこ)(むかし)から(ろく)(やつ)があるかい。071松竹梅(まつたけうめ)三人(さんにん)姉妹(きやうだい)だつて出雲姫(いづもひめ)だつて祝姫(はふりひめ)だつて、072天教山(てんけうざん)木花姫(このはなひめ)だつて偉大(ゐだい)仕事(しごと)()()げた(をんな)沢山(たくさん)にあるぢやないか。073寡聞(くわぶん)ながらも(おれ)はまだまだ沢山(たくさん)女丈夫(ぢよぢやうぶ)出現(しゆつげん)した(こと)()(およ)んで()るのだ。074常世姫(とこよひめ)だつてウラナイ(けう)(いま)(とほ)つたお(とら)()アさまだつて、075俺達(おれたち)より()れば(えら)いものぢやないか、076エーン。077(おれ)よりも(おれ)(かか)(はう)(はるか)器用(きよう)(はり)(はこ)ぶことを承認(しようにん)して()るのだ。078()だつて(をとこ)では()むことは出来(でき)ないからな。079()うしても(をんな)社交界(しやかうかい)(はな)だよ。080それどころか(をとこ)()すべきことの(やう)(おも)はれて()仕事(しごと)にかけても、081どしどしと()つて退()けるのだ。082(たと)へば議会(ぎくわい)代議士(だいぎし)訪問(はうもん)して何事(なにごと)かベラベラと仰有(おつしや)ると、083大抵(たいてい)事件(じけん)無事(ぶじ)通過(つうくわ)する(やう)になる(こと)(おも)へば、084(おれ)なんかよりも女房(にようばう)(はう)(はるか)政治的(せいぢてき)頭脳(づなう)発達(はつたつ)して()るものだと(しん)敬服(けいふく)して()るのだ。085そんな次第(しだい)だから(をんな)一口(ひとくち)不器用(ぶきよう)だと()つて(はうむ)つて(しま)(わけ)には()かないよ』
086実際(じつさい)(なん)でも一寸(ちよつと)器用(きよう)にやつてのける(てん)(をんな)(はう)(えら)いかも()れぬ。087(しか)不思議(ふしぎ)なことには開闢(かいびやく)以来(いらい)()一人(ひとり)として(をとこ)逆鉾立(さかほこだち)をしても(かな)はぬやうな図抜(づぬ)けた(をんな)()たことはないぢやないか。088音楽(おんがく)などでは随分(ずゐぶん)一流(いちりう)までは()くものもある、089(しか)しながら一流(いちりう)一流(いちりう)といふ(てん)までは(けつ)して(あたま)(とど)いた(れい)がない。090ジヤンダークだつて大黒主(おほくろぬし)(そば)()つて()つたら二流(にりう)三流(さんりう)だ。091紫式部(むらさきしきぶ)やサラベルナアルが(えら)いと()つたつて、092一流(いちりう)一流(いちりう)といふ(ほど)のものではない。093方面(はうめん)()へて(をんな)()すべき(こと)のやうに(おも)はれて()仕事(しごと)でも一流(いちりう)一流(いちりう)といふべき位置(ゐち)(のこ)らず男子(だんし)()められて()るのだ。094料理(れうり)針仕事(はりしごと)でも一流(いちりう)職人(しよくにん)矢張(やは)男子(だんし)だ。095(すこ)(かんが)へて()たら(をんな)不器用(ぶきよう)なものだと()はれても仕方(しかた)()からうよ。096(また)恋愛(れんあい)なんぞは(をんな)(さき)()つて、097(あたま)からのめり()むやうに(ふか)這入(はい)つて()つたらと(おも)ふのだが、098(おれ)()はしたら(これ)とて一流(いちりう)一流(いちりう)たる恋愛(れんあい)になると、099(をんな)何時(いつ)でも男子(だんし)()()かれて一足(ひとあし)づつ(あと)からついて()く。100(こひ)(ほのほ)さへプロミセウスに()つて()(もら)ふとは、101(をんな)(じつ)にエタアナルのアイドルだと()はなければならぬぢやないか』
102『サウ(をんな)軽蔑(けいべつ)するものでないよ。103女房(にようばう)()なれた男子(だんし)一流(いちりう)(はは)たることは出来(でき)やうが、104(けつ)して一流(いちりう)一流(いちりう)といはるべき(はは)たることは出来(でき)ない。105ここが如何(いか)男子(だんし)逆鉾立(さかほこだち)になつて気張(きば)つて()ても(かな)はない(てん)だ。106このことのみは(あらそ)ふべくもない事実(じじつ)だよ』
107元始(げんし)女性(ぢよせい)太陽(たいやう)だらうと雌猿(めすざる)だらうと(かま)はないが、108人間(にんげん)胎生動物(たいせいどうぶつ)であつて(をんな)子宮(しきう)といふ立派(りつぱ)製人器(せいじんき)()つて()ることは間違(まちが)ひない。109いやなら()()まないでも()れは御勝手(ごかつて)だが、110する仕事(しごと)不器用(ぶきよう)だし、111(こひ)をしても浅薄(せんぱく)だとなると、112(をんな)()きてゐる甲斐(かひ)何処(どこ)にも()いぢやないか。113所詮(しよせん)(をんな)(をとこ)隷属(れいぞく)すべきものだからなア』
114(おれ)は、115(をんな)(をとこ)隷属(れいぞく)したものだとは(かんが)へられないと同時(どうじ)に、116独立(どくりつ)したものだとも(おも)はない。117それは丁度(ちやうど)(をとこ)(をんな)隷属(れいぞく)したものでも独立(どくりつ)したものでもないのと(おな)じことだ。118(しか)(おれ)(けつ)して(をんな)自由(じいう)(をとこ)()(うち)(にぎ)らうとは()はない。119モツト(をんな)自由(じいう)であることを(いの)るものだ』
120(をんな)自由(じいう)――ヘン猪口才(ちよこざい)な、121(をんな)(くせ)自由(じいう)(さけ)ぶのは()しからぬぢやないか。122思想(しさう)123感情(かんじやう)124習俗(しふぞく)125生活(せいくわつ)などを自分(じぶん)のものにしようとする謀叛(むほん)だ、126(をとこ)のおせつかいから()(はな)さうとするのだ。127一切(いつさい)権利(けんり)(をんな)(はう)()つたくらうとする野望(やばう)なのだ。128(をんな)らしくなるのを(きら)つてゐるのだ』
129(をんな)自身(じしん)思想(しさう)130感情(かんじやう)131習俗(しふぞく)132生活(せいくわつ)133さう()ふものを確立(かくりつ)しようとする現代(げんだい)婦人(ふじん)気持(きもち)は、134(をんな)時代(じだい)()めたことを(あら)はして()るのだから、135現代(げんだい)婦人(ふじん)(はなは)(たの)もしいぢやないか』
136『けれども、137それを男子(だんし)から取戻(とりもど)さうとして、138(をんな)のチヤンピオンが男子(だんし)(なか)(あば)()んで()益々(ますます)男子(だんし)(なか)にズルズルと没入(ぼつにふ)して()(さま)()るも(いた)ましい。139男子(だんし)(をんな)から()()げたものを議場(ぎぢやう)慈善(じぜん)愛国(あいこく)(ねん)飛行機(ひかうき)(うへ)大学(だいがく)家長(かちやう)()乗合(のりあひ)自動車(じどうしや)(なか)隠匿(いんとく)して、140(わたくし)して()(やう)(おも)つてるのは、141少々(せうせう)見当違(けんたうちが)ひの詮索(せんさく)だと()はなければならない。142そんな(ところ)から、143本当(ほんたう)(をんな)自由(じいう)取戻(とりもど)されるか()うか、144マアマア女権拡張会(ぢよけんくわくちやうくわい)のために充分(じうぶん)活動(くわつどう)して()るがよからうよ。145()しも男子(だんし)(をんな)から何物(なにもの)かを()つて()てゐたとすれば、146それは(をんな)(なに)をしても不器用(ぶきよう)で、147とても()()られないから男子(だんし)(かは)つてやつて()(まで)(こと)だ。148(しか)(おれ)職業(しよくげう)(はなし)をして()るのぢやない。149思想(しさう)でも感情(かんじやう)でも習俗(しふぞく)でも生活(せいくわつ)でも……さう()ふものを立派(りつぱ)(をんな)自身(じしん)()処理(しより)して()れたならば、150男子(だんし)はそれだけ(たす)かるのだ。151それだけの手間(てま)労力(らうりよく)をモツト男向(をとこむ)きの方面(はうめん)有利(いうり)使(つか)ふことが出来(でき)るのだ。152(けつ)して男子(だんし)(をんな)(たい)して(かへ)(をし)みはせないよ。153この(ごろ)(あたら)しい(をんな)だとか目醒(めざ)めたとか()(をんな)のして()ることには矛盾(むじゆん)ばかりだ。154自分(じぶん)(うち)には勝手(かつて)()れない手間(てま)(やとひ)(はたら)かせて()いて、155義理(ぎり)もヘチマも()(となり)(いへ)大掃除(おほさうぢ)に、156(やく)にも()たぬ痩腕(やせうで)手伝(てつだひ)()つて()るやうな(かたち)がある。157家内(うち)手廻(てまは)らず隣家(りんか)邪魔(じやま)になるばかりの有難迷惑(ありがためいわく)()()かない(ところ)(じつ)にお()(どく)だ。158(ひと)(わる)連中(れんちう)(すこ)しばかり煽動(おだて)られると、159(なん)不自由(ふじゆう)もない貴婦人(きふじん)()(もつ)四辻(よつつじ)()ち、160造花(ざうくわ)押売(おしうり)までやるのだ。161()うなると馬鹿(ばか)(とほ)()していつそ洒落(しやれ)たものだ。162(をんな)(をんな)であることに()()らなかつたり、163(はづか)しがつたりしても、164それは焼直(やきなほ)さない(かぎ)り、165神様(かみさま)だつて人間(にんげん)だつて(たれ)だつて、166()うしてやる(わけ)には()かないわ』
167『おい、168エム、169さう()つたものぢやないよ。170(をんな)だつて出来(でき)ないものはない。171総理(そうり)大臣(だいじん)ぐらゐは(つと)まるよ』
172(をんな)総理(そうり)大臣(だいじん)ぐらゐに()れない(こと)()いのは当然(たうぜん)だ。173(げん)(かう)はないが加藤明子(かとうめいし)だつて()つて()るぢやないか。174(この)(ごろ)総理(そうり)大臣(だいじん)ならデクの(ばう)でも立派(りつぱ)(つと)まるからなア。175(しか)(おな)じデクの(ばう)でも男子(だんし)(はう)(すこ)しばかりは()くやる。176だからさう()ふことは歯痒(はがゆ)からうが(しばら)男子(だんし)(まか)しておいて、177男子(だんし)には逆鉾立(さかほこだ)ちをしても、178(をんな)真似(まね)出来(でき)ない方面(はうめん)のことに()()れた(はう)()いわ。179それは(ほか)でもない(をんな)(はは)たることだ。180それだけでは生甲斐(いきがひ)()いやうに(かん)ずる(ほど)181精力(せいりよく)過剰(くわじよう)があつたら、182一流(いちりう)(はは)たることに(つと)めるべきだ。183それでも()()()りなかつたら一流(いちりう)(ちう)一流(いちりう)184理想(りさう)(はは)たることに(つと)めたら()いだらう。185たつた一人(ひとり)子供(こども)でも退屈(たいくつ)するほど(ひま)な、186そして(ほね)()れない仕事(しごと)ではなく、187またそれほど(はたら)甲斐(がひ)のない仕事(しごと)でもない天人(てんにん)養育(やういく)機関(きくわん)だからなア。188大道(だいだう)往来(わうらい)人々(ひとびと)(たい)してビラを()くほど(やす)仕事(しごと)ではないのだから』
189『オイ間違(まちが)つちや()けない、190(おれ)()つた一流(いちりう)一流(いちりう)たる母親(ははおや)()ふのは、191世間(せけん)所謂(いはゆる)良妻賢母(りやうさいけんぼ)といふたぐひでは()い。192そんなことなら男子(だんし)でも相応(さうおう)にやれるわ』
193『では()うすると()ふのだ』
194『サアそこが男子(だんし)には逆鉾立(さかほこだち)になつても追付(おつつ)かないところだ。195(よろ)しく御婦人(ごふじん)にお(まか)せするのだなア』
196(おれ)()(かた)大分(だいぶ)(どく)があつたから、197(おれ)女嫌(をんなぎら)ひだと(おも)つちや(こま)るよ。198(おれ)(きら)ひなのは、199(をんな)だか男子(だんし)だか判然(はんぜん)しないやうな中性(ちうせい)(をんな)だ。200普通(ふつう)(をんな)らしい(をんな)大好(だいす)きなのだ。201ハヽヽヽヽ』
202『アハヽヽヽ、203到頭(たうとう)本音(ほんね)()きよつたなア』
204コー『(なん)()つても(をんな)(こころ)肉体(にくたい)(うつく)しさは(たた)へても(たた)()れないものだ。205(やさ)しい(おも)ひやりの(ふか)控目(ひかへめ)(こころ)206むき()しでも綺麗(きれい)(こころ)207沢山(たくさん)悪心(あくしん)()ちながら(これ)(えう)するに(ちひ)さい可愛(かあい)らしい(こころ)208嘘吐(うそつ)きでそして(すぐ)後悔(こうくわい)する(こころ)209どこから(かんが)へても()い。210(おれ)一切(いつさい)(をんな)大好(だいす)きだ』
211エム『(をんな)といふ(やつ)性来(しやうらい)愚者(ぐしや)だから、212()うでもなるものだよ。213(をんな)(よろこ)ばせようと(おも)つたら百万言(ひやくまんげん)(つひや)して(その)(こころ)()めてやるよりも、214たつた一言(ひとこと)215(かみ)なり、216(はな)つきなり、217眼元(めもと)なり、218(つめ)光沢(つや)なりを()めてやつた(はう)効果(かうくわ)(おほ)いものだ。219アハヽヽヽ』
220コー『(たれ)(なん)()つても(おれ)(をんな)(こころ)とその肉体(にくたい)()(たた)礼拝(らいはい)して平和(へいわ)女神(めがみ)(あが)めるのだ。221それが男子(だんし)たるものの道義心(だうぎしん)だ。222なんと()つても(をんな)はエターナル・アイドルだ』
223ワク『アハヽヽヽ』
224エム『エヘヽヽヽ』
225 かく(わら)(きよう)ずる(ところ)へ、226(ゆき)のやうな(しろ)(かほ)をした妙齢(めうれい)美人(びじん)二人(ふたり)227(すず)しい(こゑ)()()(うた)(うた)ひながら此方(こなた)(もり)をさして(すす)(きた)る。228三人(さんにん)目敏(めざと)くも(これ)(なが)めて目引(めひ)袖引(そでひ)きしながらコーは小声(こごゑ)で、
229『おい、230ワク、231エム、232(おれ)言霊(ことたま)(えら)いものだらう。233(をんな)()めて()たら(たちま)艶麗(えんれい)美人(びじん)出現(しゆつげん)ましましたぢやないか。234(うはさ)をすれば(かげ)とやら、235(じつ)尤物(いうぶつ)だぞ。236どうかしてあいつを(うま)(とりこ)にし、237将軍様(しやうぐんさま)(まへ)につき(いだ)し、238吾々(われわれ)三人(さんにん)功名(こうみやう)手柄(てがら)をしようぢやないか』
239エム『面白(おもしろ)いなア、240(しつか)りしようぞなア。241ワク、242貴様(きさま)婦人(ふじん)反対(はんたい)論者(ろんしや)でも、243あの美人(びじん)には一言(いちごん)もあるまい。244エーン』
245成程(なるほど)霊光(れいくわう)()たれて(あたま)がワクワクしさうだ。246素的(すてき)のものだな』
247 かく(はな)(ところ)(はや)くも二人(ふたり)美人(びじん)(ちか)よつて()た。
248甲女(かふぢよ)『もしもし、249一寸(ちよつと)(たづ)(いた)しますが、250ランチ将軍様(しやうぐんさま)片彦(かたひこ)将軍様(しやうぐんさま)御陣営(ごぢんえい)は、251何方(どちら)(まゐ)りますかな』
252コー『ヤア、253貴女(あなた)(がた)将軍様(しやうぐんさま)所在(ありか)(たづ)ねて(なん)となさる御所存(ごしよぞん)ですか』
254()ひさへすればよいのです。255(わたし)()つた(うへ)で、256(あめ)になるか、257(かぜ)になるか、258()雷鳴(らいめい)か、259地震(ぢしん)か、260(いま)(ところ)では見当(けんたう)がつきませぬ。261()(かく)案内(あんない)をして(くだ)さいな』
262用向(ようむき)()かずに、263うつかり案内(あんない)をしようものなら大変(たいへん)だなア。264ワク、265エム、266どうしようかなア』
267ワク『(ざま)()い、268一生懸命(いつしやうけんめい)(をんな)()めて()たが、269さらばとなればその狼狽(うろたへ)(かた)(なん)だ。270それだから、271(おれ)(をんな)駄目(だめ)()つたのだ。272こんなものを()れて()かうものなら、273バラモン(ぐん)爆裂弾(ばくれつだん)になるか()れやしないぞ』
274乙女(おつぢよ)『ホヽヽヽヽ、275(みな)さま御心配(ごしんぱい)なさいますな。276(なん)()つても(たか)(をんな)です、277立派(りつぱ)(をとこ)さまばかりの(なか)(をんな)二人(ふたり)(くらゐ)()きましても(なに)出来(でき)ませう。278(をとこ)(たい)する(をんな)279(なん)()つても異性(いせい)(くは)はらねば、280どうしても本当(ほんたう)(をとこ)威勢(ゐせい)()ませぬぞ』
281コー『さうだなア、282承知(しようち)(いた)しました。283(なん)とまア、284三日月眉(みかづきまゆ)で、285()のパツチリとしたお(いろ)(しろ)(かみ)(つや)()ひ、286まるで天人(てんにん)のやうですワイ』
287『ホヽヽヽヽ、288こんなお多福(たふく)をそのやうに(なぶ)るものぢやありませぬ。289どうぞ妾等(わたしら)両人(りやうにん)将軍様(しやうぐんさま)陣営(ぢんえい)案内(あんない)して(くだ)さいませいな』
290『ハイハイ案内(あんない)(いた)しませうとも。291(しか)しながら貴女(あなた)のネームを()かぬ(こと)にや案内(あんない)仕方(しかた)がありませぬ。292何卒(どうぞ)名乗(なの)りを(ねが)ひます』
293甲女(かふぢよ)(わたし)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)清照姫(きよてるひめ)294一人(ひとり)妹分(いもうとぶん)初稚姫(はつわかひめ)(ござ)ります』
295コー『(なに)296清照姫(きよてるひめ)初稚姫(はつわかひめ)297そいつは大変(たいへん)だ。298ヤア(ひら)にお(ことわ)(まを)します』
299(なん)とまあ、300(よわ)(をとこ)だこと、301(をんな)二人(ふたり)(くらゐ)(おそ)ろしいのですか』
302『ヤア(べつ)(おそ)ろしくもありませぬが、303(まへ)さまは三五教(あななひけう)女豪傑(をんながうけつ)だ。304そんな(こと)()つてバラモン(けう)(つぶ)して仕舞(しま)(かんが)へだらう。305おい、306ワク、307エム、308()うしようかなあ』
309ワク『ウンさうだなあ』
310エム『()うしたものだらう、311(こま)つた問題(もんだい)(おこ)つたものだ』
312甲女(かふぢよ)『あゝ辛気(しんき)(くさ)い、313こんな(かた)相手(あひて)になつて()ては駄目(だめ)だ。314さあ初稚姫(はつわかひめ)さま、315此方(こちら)から(すす)んで将軍様(しやうぐんさま)訪問(はうもん)(いた)しませう』
316『さうですなあ、317こんな(こし)(よわ)番卒(ばんそつ)交渉(かけ)やつて()つたつて駄目(だめ)ですわ、318それなら(ねえ)さま、319(まゐ)りませう』
320(はや)くも二人(ふたり)()(ひき)321(とほ)()ぎようとする。322コーは(あわ)てて両手(りやうて)(ひろ)げ、323(だい)()になつて小道(こみち)()()りながら、
324『まあまあ()つて(くだ)さい。325さう強硬的(きやうかうてき)()られちや、326八尺(はつしやく)男子(だんし)顔色(がんしよく)()しぢや、327エヽ仕方(しかた)がない、328御案内(ごあんない)(いた)しませう。329おいワク、330エム両人(りやうにん)331(まへ)此所(ここ)(しつか)りと守衛(しゆゑい)(つと)めて()つて()れ。332(おれ)将軍様(しやうぐんさま)(まへ)まで御両人(ごりやうにん)御案内(ごあんない)して()るから』
333エム『手柄(てがら)独占(どくせん)しようとは、334ちと(むし)がよ()ぎるぞ。335一層(いつそう)(こと)三人(さんにん)()つて御案内(ごあんない)する(こと)にしようかい。336(あと)守衛(しゆゑい)はテル、337ハルの両人(りやうにん)にまかして()けばよいのだ。338おいテル、339ハルの両人(りやうにん)340(しつか)守衛(しゆゑい)(たの)むぞ』
341テル『(わたし)もお(とも)(いた)しませう』
342エム『(まか)りならぬ。343上官(じやうくわん)命令(めいれい)だ、344(こは)けりや()(かげ)になとすつ()んで()つて()れ。345ハルと両人(りやうにん)()()つて(ふる)うて()るが()からうぞ』
346ハル『アヽ仕方(しかた)がないなあ、347テル、348(つよ)いものの(つよ)い、349(よわ)いものの(よわ)時節(じせつ)だからなあ』
350エム『こりや両人(りやうにん)351二百五十両(にひやくごじふりやう)(まう)けたぢやないか、352(かね)冥加(みやうが)でも二人(ふたり)神妙(しんめう)守衛(しゆゑい)をして()るだけの価値(かち)はあるぞ』
353テル『ハーイ』
354ハル『仕方(しかた)がありませぬ』
355コー『サア、356二方(ふたかた)357御案内(ごあんない)(いた)しませう』
358 甲乙二女(かふおつにぢよ)は、359叮嚀(ていねい)会釈(ゑしやく)し、360ニコニコ(わら)ひながら三人(さんにん)足跡(あしあと)()んで、361ランチの陣営(ぢんえい)さして大胆(だいたん)不敵(ふてき)にも(すす)()く。
362大正一二・一・八 旧一一・一一・二二 加藤明子録)