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第六章 高圧(かうあつ)〔一四三六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第56巻 真善美愛 未の巻 篇:第2篇 宿縁妄執 よみ:しゅくえんもうしゅう
章:第6章 高圧 よみ:こうあつ 通し章番号:1436
口述日:1923(大正12)年03月14日(旧01月27日) 口述場所:竜宮館 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年5月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:71頁 八幡書店版:第10輯 171頁 修補版: 校定版:75頁 普及版:31頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第四篇 神霊世界 > 第九章 地獄の精霊
001 高姫(たかひめ)(みちび)かれて四人(よにん)男女(なんによ)は、002細谷川(ほそたにがは)一本橋(いつぽんばし)(わた)り、003二間造(ふたまづく)りの(ちひ)さき(いへ)(みちび)かれた。004高姫(たかひめ)精霊(せいれい)(すで)地獄(ぢごく)(せき)()き、005(ただ)ちに地獄(ぢごく)(くだ)るべき自然(しぜん)資格(しかく)(そな)はつてゐる。006(しか)(なが)仁慈無限(じんじむげん)大神(おほかみ)如何(いか)にもして(その)精霊(せいれい)(すく)ひやらむと三年(さんねん)(あひだ)007ブルガリオの修行(しうぎやう)(めい)(たま)ふたのである。008(すべ)精霊(せいれい)内分(ないぶん)(たちま)外分(ぐわいぶん)(あら)はれるものである。009外分(ぐわいぶん)とは(がい)して()へば身体(しんたい)010動作(どうさ)011面貌(めんばう)012言語(げんご)(とう)()すのである。013内分(ないぶん)とは善愛(ぜんあい)想念(さうねん)情動(じやうどう)である。
014 地獄界(ぢごくかい)(せき)(いう)する精霊(せいれい)(もつと)尊大(そんだい)自我(じが)(こころ)(つよ)く、015()(たい)して軽侮(けいぶ)(ねん)()(これ)外部(ぐわいぶ)不知不識(しらずしらず)(あひだ)(あら)はすものである。016自分(じぶん)尊敬(そんけい)せざるものに(たい)しては(たちま)威喝(ゐかつ)(あら)はし、017(また)憎悪(ぞうを)相好(さうがう)復讐的(ふくしうてき)相好(さうがう)(あら)はすものである。
018 (ゆゑ)一言(いちごん)たりとも(その)()()はざる(こと)()(もの)は、019(たちま)慢心(まんしん)だとか(あく)だとか虚偽(きよぎ)だとか、020いろいろの名称(めいしよう)()して、021(これ)(たた)きつけむとするのが地獄界(ぢごくかい)(せき)()くものの情態(じやうたい)である。
022 現界(げんかい)()ける人間(にんげん)(また)023顕幽一致(けんいういつち)道理(だうり)()つて同様(どうやう)である。024現界(げんかい)025霊界(れいかい)()はず地獄(ぢごく)にあるものは、026(すべ)世間愛(せけんあい)自己(じこ)よりする、027(もろもろ)(あく)(もろもろ)虚偽(きよぎ)(ひた)つてゐるが(ゆゑ)に、028(その)(こころ)自己(じこ)(こころ)相似(あひに)たるものとでなければ、029(こころ)相応(さうおう)せないものと一緒(いつしよ)()(こと)(じつ)(くる)しく、030呼吸(こきふ)自由(じいう)出来(でき)ない(くらゐ)である。031(しか)(なが)(あく)(すなは)地獄(ぢごく)()ける(もの)悪心(あくしん)(もつ)(あく)(おこな)ひ、032(また)(あく)(もつ)(すべ)ての真理(しんり)表明(へうめい)したり、033説明(せつめい)せむとするものである。034(ゆゑ)(その)説明(せつめい)には矛盾(むじゆん)撞着(どうちやく)支離(しり)滅裂(めつれつ)箇所(かしよ)ばかりで、035(ただ)しき人間(にんげん)精霊(せいれい)()から()れば、036(じつ)不都合(ふつがふ)(きは)まるものである。037()かる悪霊(あくれい)地獄界(ぢごくかい)(みづか)(すす)んで()ちゆく(とき)は、038其処(そこ)()数多(あまた)悪霊(あくれい)は、039彼等(かれら)(うへ)(あつ)まり(きた)り、040峻酷獰猛(しゆんこくだうまう)なる責罰(せきばつ)(くは)へむとするものである。041(その)有様(ありさま)現界(げんかい)()ける法律(はふりつ)組織(そしき)(ほぼ)類似(るゐじ)して()る。042(すべ)(あく)(ばつ)するものは悪人(あくにん)でなければならぬ。043虚偽(きよぎ)044譎詐(きつさ)045獰猛(だうまう)046峻酷(しゆんこく)(とう)悪徳(あくとく)()きものは到底(たうてい)悪人(あくにん)(ばつ)することは出来得(できえ)ないのである。047(しか)(なが)現界(げんかい)幽界(いうかい)(こと)なる(てん)現界(げんかい)にては大悪(だいあく)発見(はつけん)されなかつたり、048(また)善人(ぜんにん)(あく)誤解(ごかい)されて責罰(せきばつ)()くる(こと)沢山(たくさん)にあるに(はん)し、049地獄界(ぢごくかい)(おい)ては、050(あく)(その)(もの)(みづか)(すす)んで()()くのであるから、051(あだか)(はかり)にかけた(ごと)く、052(すこ)しの不平衡(ふへいかう)()いものである。
053 (しか)して獰猛(だうまう)峻酷(しゆんこく)内分(ないぶん)(また)外分(ぐわいぶん)(すなは)相好(さうがう)(うへ)(あら)はるるものである。054(ゆゑ)地獄(ぢごく)()ちて()邪鬼(じやき)(および)邪霊(じやれい)(いづ)れも(その)内分相応(ないぶんさうおう)面貌(めんばう)(たも)生気(せいき)()死屍(しし)(さう)(げん)じ、055(いぼ)(ほくろ)056(だい)なる腫物(しゆもつ)(とう)一見(いつけん)して(じつ)不快(ふくわい)(かん)じを(あた)ふる(もの)である。057(しか)(これ)天国(てんごく)(いた)るべき天人(てんにん)()より(その)内分(ないぶん)(とほ)して()たる形相(ぎやうさう)であつて、058地獄(ぢごく)邪霊(じやれい)相互(さうご)(あひだ)にては(けつ)して(あま)(みぐる)しく()えない(もの)である。059何故(なぜ)なれば彼等(かれら)(みな)虚偽(きよぎ)(もつ)(しん)(しん)じ、060(あく)(もつ)(ぜん)(かん)じて()るからである。061(とき)あつて天上(てんじやう)より大神(おほかみ)光明(くわうみやう)062地獄界(ぢごくかい)(てら)(とき)は、063彼等(かれら)(たちま)珍姿怪態(ちんしくわいたい)曝露(ばくろ)し、064(あだか)妖怪(えうくわい)(ごと)相好(さうがう)(あら)はし、065(みづか)(その)姿(すがた)(おそ)ろしきに(おどろ)くものである。066(しか)(なが)天界(てんかい)より光明(くわうみやう)(くだ)(きた)(とき)は、067朦朧(もうろう)たる地獄(ぢごく)層一層(そういつそう)暗黒(あんこく)()()すものである。068愛善(あいぜん)(とく)信真(しんしん)光明(くわうみやう)(あく)虚偽(きよぎ)とに(みた)されたる地獄(ぢごく)では益々(ますます)暗黒(あんこく)となるものである。069(ゆゑ)如何(いか)なる(かみ)稜威(みいづ)善徳(ぜんとく)も、070信真(しんしん)光明(くわうみやう)も、071地獄(ぢごく)(せき)()きたる人間(にんげん)より()たる(とき)は、072自分(じぶん)(ぢゆう)する世界(せかい)よりは暗黒(あんこく)()え、073真理(しんり)虚偽(きよぎ)(かん)じ、074愛善(あいぜん)(とく)憎悪(ぞうを)(かん)ずるに(いた)るものである。075(ゆゑ)大部分(だいぶぶん)地獄界(ぢごくかい)堕落(だらく)せる現代人(げんだいじん)が、076大本(おほもと)光明(くわうみやう)()(かへつ)(これ)暗黒(あんこく)となし、077至善(しぜん)至美(しび)(をしへ)(もつ)至醜(ししう)至悪(しあく)教理(けうり)となし、078(あるひ)邪教(じやけう)(そし)るに(いた)るは、079(その)(ひと)内分相応(ないぶんさうおう)()()つて(むし)当然(たうぜん)()()きものである。
080 高姫(たかひめ)中有界(ちううかい)(はな)たれ精霊(せいれい)修養(しうやう)()むべき期間(きかん)(あた)へられたるにも(かかは)らず、081容易(ようい)地獄(ぢごく)境涯(きやうがい)(だつ)する(こと)()ず、082虚偽(きよぎ)(もつ)真理(しんり)()し、083(あく)(もつ)(ぜん)(しん)じ、084一心不乱(いつしんふらん)(ぜん)(みち)拡充(くわくじゆう)せむと車輪(しやりん)活動(くわつどう)(つづ)けて()るのである。085(るゐ)(もつ)(あつ)まるとか()つて、086自分(じぶん)内分(ないぶん)相似(あひに)たるものでなければ、087到底(たうてい)相和(あひわ)する(こと)霊界(れいかい)(おい)ては出来(でき)ない。088現界(げんかい)ならばいろいろと巧言令色(かうげんれいしよく)089(あるひ)虚偽(きよぎ)なぞに()つて内分(ないぶん)幾分(いくぶん)かを(つつ)()るが(ゆゑ)高姫(たかひめ)(をしへ)()くものも多少(たせう)はあつたけれども、090最早(もはや)霊界(れいかい)(きた)つては自分(じぶん)相似(さうじ)たるものでなければ、091(とも)(とも)生涯(しやうがい)(おく)(こと)出来(でき)なくなつてゐた。092(しか)(なが)高姫(たかひめ)依然(いぜん)として現界(げんかい)()るものとのみ(かんが)へ、093八衢(やちまた)守衛(しゆゑい)言葉(ことば)半信半疑(はんしんはんぎ)(てい)取扱(とりあつか)ふてゐた。094霊界(れいかい)()てから(ほとん)一ケ年(いつかねん)095月日(つきひ)()るに(したが)つて守衛(しゆゑい)言葉(ことば)(すこ)しも()()めなくなり、096益々(ますます)悪化(あくくわ)(なが)らも自分(じぶん)(をしへ)至善(しぜん)である、097自分(じぶん)動作(どうさ)(かみ)(かな)ひしものである、098(しか)して自分(じぶん)義理天上(ぎりてんじやう)日出神(ひのでのかみ)生宮(いきみや)で、099天地(てんち)総轄(そうかつ)したる底津岩根(そこついはね)大弥勒(おほみろく)(かみ)神柱(かみばしら)(かた)(しん)じてゐるのだから(たま)らない。100さて高姫(たかひめ)四人(よにん)男女(なんによ)(わが)居間(ゐま)(みちび)き、101自分(じぶん)正座(しやうざ)傲然(がうぜん)としてかまへ、102諄々(じゆんじゆん)として支離(しり)滅裂(めつれつ)なる(をしへ)()(はじ)めた。
103高姫(たかひめ)(みな)さま、104よくまア日出神(ひのでのかみ)(をしへ)(したが)つて此処(ここ)()いて(ござ)つた。105(まへ)余程(よつぽど)因縁(いんねん)(ふか)いお(かた)だぞえ。106こんな結構(けつこう)(をしへ)(かね)草鞋(わらぢ)()(ところ)(まで)世界中(せかいぢう)(さが)(まは)つても(ほか)にはありませぬぞや。107そして(よろこ)びなされ、108(この)高姫(たかひめ)高天原(たかあまはら)第一霊国(だいいちれいごく)のエンゼルの身魂(みたま)で、109根本(こつぽん)根本(こつぽん)大神(おほかみ)生宮(いきみや)だから、110(てん)(かま)へば()(かま)ひ、111何処(どこ)彼処(かしこ)(ひと)つに(にぎ)つた太柱(ふとばしら)112(あふぎ)(たと)へたら(かなめ)だぞえ。113時計(とけい)(たとへ)たら竜頭(りうづ)(やう)(もの)だ。114(あふぎ)(かなめ)()ければバラバラと(つぶ)れて(しま)ふ。115時計(とけい)竜頭(りうづ)()ければ(ねぢ)をかける(こと)出来(でき)ますまい。116(それ)だから(この)高姫(たかひめ)根本(こつぽん)根本(こつぽん)世界(せかい)(また)()如意宝珠(によいほつしゆ)(たま)ぢやから、117よく()きなされや。118前達(まへたち)泥坊(どろばう)をしたり、119バラモンの軍人(ぐんじん)になつたり所在(あらゆる)(あく)をやつて()たのだから、120直様(すぐさま)地獄(ぢごく)(おと)すべき代物(しろもの)だけれども、121()高姫(たかひめ)生宮(いきみや)(まを)(こと)をよく()いて(おこな)ひを(いた)したなれば結構(けつこう)結構(けつこう)第一天国(だいいちてんごく)へでも(たす)けて()げますぞや』
122()()もなく大法螺(おほぼら)()()てる。123(しか)(なが)高姫(たかひめ)自身(じしん)(けつ)して自分(じぶん)言葉(ことば)大法螺(おほぼら)だとは(おも)つて()ない。124正真正銘(しやうしんしやうめい)一分一厘(いちぶいちりん)間違(まちが)ひのない(かみ)慈言(じげん)だと(かた)(しん)じて()るのだ。
125ヘル『モシ高姫(たかひめ)(さま)126貴女(あなた)()(ほど)(えら)御方(おかた)なら何故(なぜ)(てん)(あが)つて下界(げかい)御守護(ごしゆご)(あそ)ばさぬのですか。127(この)(やう)(やま)ほでら御殿(ごてん)()てて吾々(われわれ)(やう)人間(にんげん)一人(ひとり)二人(ふたり)(つか)まへて説教(せつけう)をなさるとは、128(かみ)としては(あま)迂濶(うくわつ)ぢやないですか。129世界中(せかいぢう)には幾億万(いくおくまん)とも()れぬ精霊(せいれい)があるにも(かかは)らず、130根本(こつぽん)大神様(おほかみさま)生宮(いきみや)さまが左様(さやう)(こと)をなさるとは、131(ちつ)合点(がつてん)(まゐ)りませぬワ。132(えう)するに高姫(たかひめ)さまの法螺(ほら)では(ござ)いますまいかなア』
133 高姫(たかひめ)(たちま)地獄的(ぢごくてき)精神(せいしん)になり、134軽侮(けいぶ)威喝(ゐかつ)憎悪(ぞうを)面相(めんさう)(あら)はし、135(かつ)プンプンとふくれ()言葉(ことば)(まで)地獄(ぢごく)(さう)(あら)はして()た。
136高姫(たかひめ)『コレお(まへ)(なん)といふ途方(とはう)もない(こと)()ふのだ。137ホンに(むし)けら同然(どうぜん)のつまらぬ代物(しろもの)だな。138勿体(もつたい)なくも(かみ)生宮(いきみや)軽蔑(けいべつ)するとは(もつ)ての(ほか)ぢや。139そんな不量見(ふれうけん)(こと)では(この)生宮(いきみや)(ゆる)しませぬぞや。140(ただ)ちに地獄(ぢごく)(おと)してやるから(その)(つも)りでゐなされよ』
141獰猛(だうまう)なる形相(ぎやうさう)憤怒(ふんぬ)(いろ)(あら)はし、142()をキリキリと()みしめて、143()(いか)らし()めつけて()る。
144 ヘルは高姫(たかひめ)面貌(めんばう)()てギヨツとしながら、145屹度(きつと)(むね)をすゑ、146(ひぢ)()りわざとに(からだ)(まへ)(はう)()()し、147(むね)動悸(どうき)をかくし、
148ヘル『アハハハハハ(ぬか)したりな高姫(たかひめ)149(その)鬼面(おにづら)(なん)(こと)150仁慈無限(じんじむげん)神様(かみさま)(ちつ)(ばか)()()らぬ(こと)()つたからとて、151そんな六ケ敷(むつかし)相好(さうがう)はなさりませぬぞや。152(かみ)(あい)(ぜん)(しん)とでは(ござ)らぬか。153(かり)にも(ひと)威喝(ゐかつ)154軽侮(けいぶ)155憎悪(ぞうを)するやうな(こと)で、156()うして(ただ)しい(かみ)()へますか。157御控(おひか)()され』
158呶鳴(どな)りつけた。
159 高姫(たかひめ)烈火(れつくわ)(ごと)(いきどほ)り、160相好(さうがう)益々(ますます)獰猛(だうまう)となり、161さも憎々(にくにく)しげに()めつけ(なが)ら、
162高姫(たかひめ)『コリヤ、163バラモンの小盗人(こぬすと)()164(なに)()ふのだ。165(まこと)生神(いきがみ)貴様(きさま)のやうな(めくら)(つんぼ)(わか)つて(たま)らうか。166(まへ)(こころ)(うち)(あく)()地獄(ぢごく)(きづ)()げてゐるから、167(この)日出神(ひのでのかみ)円満(ゑんまん)なる美貌(びばう)(こは)()えたり、168善言美詞(ぜんげんびし)悪言暴語(あくげんばうご)(ごと)(きこ)ゆるのだ。169身魂(みたま)階級(かいきふ)(ちが)ふと(あく)(ぜん)()え、170(ぜん)(あく)()えたりするものだ』
171自分(じぶん)(あく)虚偽(きよぎ)とにより地獄(ぢごく)()()(こと)()らず、172無性矢鱈(むしやうやたら)()(たい)して悪呼(あくよば)はりをしてゐる。173人間(にんげん)精霊(せいれい)此処(ここ)(まで)暗愚(あんぐ)になつては如何(いか)なる(かみ)(ちから)(これ)(すく)(こと)出来(でき)ないものである。
174 ヘルは高姫(たかひめ)(まへ)(くび)をヌツと()()し、175背水(はいすゐ)(ぢん)()つたつもりで、176(にぎ)(こぶし)(かた)め、
177ヘル『今一言(いまいちごん)178(なん)なと()つて()よ。179この鉄拳(てつけん)貴様(きさま)脳天(なうてん)(さは)るや(いな)木端微塵(こつぱみぢん)にして()れるぞよ』
180との(いきほひ)(しめ)してゐる。181流石(さすが)高姫(たかひめ)(その)権幕(けんまく)辟易(へきえき)したか、182ヘルに(むか)つては()()相手(あひて)にしなかつた。183ヘルは()()げた(こぶし)のやり(どころ)がなくなつて、184首尾(しゆび)(わる)げに(もと)(なほ)した。
185 高姫(たかひめ)はニヤリと(わら)(なが)らさも横柄(わうへい)面付(つらつき)して(うしろ)三人(さんにん)見下(みくだ)し、
186高姫(たかひめ)『コレ六公(ろくこう)にシャル、187ケリナ、188(なん)()つても身魂(みたま)因縁(いんねん)性来(しやうらい)(こと)より出来(でき)ぬのだから、189(わたし)()(こと)(みみ)(はい)らぬ(ひと)は、190如何(どう)しても地獄行(ぢごくゆ)きぢやぞえ。191皆々(みなみな)192どうだい、193(ひと)(この)生宮(いきみや)()(こと)()いて天国(てんごく)(のぼ)()はないか』
194ケリナ『ハイ有難(ありがた)(ござ)います。195到底(たうてい)(わたし)のやうな(つみ)(ふか)人間(にんげん)自分(じぶん)(つく)つた罪業(ざいごふ)()つて相応(さうおう)地獄(ぢごく)()かねばなりますまい。196何程(なにほど)貴女様(あなたさま)天国(てんごく)(すく)()げてやらうと仰有(おつしや)つて(くだ)さつても、197身魂不相応(みたまふさうおう)(ところ)()くのは(くる)しくて()えられませぬ。198(わたし)現在(げんざい)(まま)何時(いつ)(まで)(この)()(くら)したいと(ぞん)じます』
199高姫(たかひめ)『ハテ、200さて(わか)らぬ(かた)だなア。201(かみ)御蔭(おかげ)をやらうと(おも)ふてつき()して()るのに受取(うけと)らぬと()(こと)があるものか。202(ことわざ)にも……(てん)(あた)ふるものを()らざれば(かへ)つて(わざはひ)(その)()(およ)ぶ……といふ(こと)があるぢやないか。203何故(なぜ)(この)生宮(いきみや)がつき()した神徳(しんとく)辞退(じたい)するのだい』
204ケリナ『ハイ、205御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)(ござ)いますが、206神様(かみさま)から(いただ)いた神徳(しんとく)なれば自分(じぶん)がお(かへ)(まを)さぬ(かぎ)(けつ)して取上(とりあ)げらるる(こと)(ござ)いませぬ。207(しか)(なが)人間(にんげん)さまから(いただ)いた神徳(しんとく)は、208何時(なんどき)取返(とりかへ)されるか()れませぬから、209(はじ)めから(いただ)かない(はう)が、210双方(さうはう)利益(りえき)(ござ)いませう』
211高姫(たかひめ)『コレ、212ケリナ、213(なん)()(わか)らぬ(こと)をお(まへ)()ふのだい。214最前(さいぜん)からも()つた(とほ)り、215底津岩根(そこついはね)大弥勒(おほみろく)さまの生宮(いきみや)ぢやないか。216(この)生宮(いきみや)人間(にんげん)ぢやと(おも)ふて()るのが、217テンカラ間違(まちが)ひぢやぞえ。218それだからお(まへ)改心(かいしん)()らぬといふのだ。219(まへ)(わたし)(やかた)()たのも(むかし)(むかし)根本(こつぽん)(ふる)神代(かみよ)から、220身魂(みたま)因縁(いんねん)があつて引寄(ひきよ)せられたのだ。221(まへ)大先祖(おほせんぞ)大将軍様(だいしやうぐんさま)(くる)しめた十悪道(じふあくだう)身魂(みたま)ぢやから、222(その)(つみ)子孫(しそん)(つた)はり今度(こんど)()立替立直(たてかへたてなほ)しにつれて、223大掃除(おほさうぢ)(はじ)まるのだから、224(あく)系統(ひつぽう)身魂(みたま)()(ほろ)ぼし、225天地(てんち)(あひだ)()かぬやうにするのだから、226(この)生宮(いきみや)(まを)(うち)柔順(すなほ)()(はう)が、227(ぬし)(とく)ぢやぞえ』
228ケリナ『ハイ、229御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)(ござ)いますが、230(わたし)には大先祖(おほせんぞ)がどんな(こと)をして()つたか、231中先祖(ちうせんぞ)()うだつたか、232そんな(こと)はテンと(わか)りませぬ。233(わたし)(わたし)(しん)ずる神様(かみさま)(ござ)いますから、234折角(せつかく)(なが)御辞退(ごじたい)(いた)します』
235高姫(たかひめ)『ドークズの身魂(みたま)といふものは()げも(おろ)しもならぬものだなア。236人間(にんげん)分際(ぶんざい)として根本(こつぽん)因縁(いんねん)(わか)るものかいなア。237それだから(この)高姫(たかひめ)身魂調(みたましら)べをして各自(めんめ)因縁(いんねん)性来(しやうらい)(あら)はし、238因縁(いんねん)だけの御用(ごよう)(おほ)せつけるのだ。239先祖(せんぞ)からの因縁(いんねん)性来(しやうらい)(わか)らぬやうな(こと)で、240()うして底津岩根(そこついはね)大神様(おほかみさま)生宮(いきみや)御用(ごよう)(つと)まりますか。241(かみ)(まを)(うち)柔順(すなほ)()いて()きなさらぬと(あと)後悔(こうくわい)(いた)しても、242其処(そこ)になりたらモウ(かみ)()りませぬぞや。243マア(ゆつく)りと(むね)()()てて雪隠(せつちん)へでも(はい)つて(かんが)へて()なさい。244アーア一人(ひとり)氏子(うぢこ)(まこと)(みち)(みちび)かうと(おも)へば、245(なみ)大抵(たいてい)(こと)ぢやない。246乃木(のぎ)大将(たいしやう)旅順口(りよじゆんこう)十万(じふまん)兵士(へいし)(もつ)(おと)したよりも(むつかし)いものだ。247(はり)(あな)駱駝(らくだ)(とほ)すよりも(むつかし)い。248これでは(かみ)(ほね)()れるワイ。249(めくら)(つんぼ)何程(なにほど)結構(けつこう)(こと)()んで(くく)めるやうに()()かしてやつても、250(ぶた)真珠(しんじゆ)251(ねこ)小判(こばん)のやうなものだ。252(あは)れみ(たま)(たす)(たま)へ、253底津岩根(そこついはね)大弥勒様(おほみろくさま)
254()(あは)一生懸命(いつしやうけんめい)にケリナ(ひめ)改心(かいしん)(いの)つてゐる。255シャル、256六造(ろくざう)二人(ふたり)(この)問答(もんだふ)をポカンと(くち)()けた(まま)()(あが)つて立膝(たてひざ)(なが)()いてゐる。257(しばら)くは土佐犬(とさいぬ)()()ひのやうな光景(くわうけい)沈黙(ちんもく)(まく)()りた。258其処(そこ)銅羅声(どらごゑ)()()げて(かど)()をブチ()れる(ほど)(たた)くものがある。
259 高姫(たかひめ)はツと立上(たちあが)四人(よにん)尻目(しりめ)にかけ(なが)ら、260(かど)()(ひら)()(おもて)()して(すす)()く。
261大正一二・三・一四 旧一・二七 於竜宮館二階 外山豊二録)