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第三章 伊猛彦(いたけりひこ)〔一六一〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻 篇:第1篇 妙法山月 よみ(新仮名遣い):すだるまさんげつ
章:第3章 伊猛彦 よみ(新仮名遣い):いたけりひこ 通し章番号:1610
口述日:1923(大正12)年05月18日(旧04月3日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
玉国別は伊太彦の申し出に対し、もろ手を組んで思案に暮れている。玉国別は、伊太彦が玉への執着にとらわれて焦っているのではないかと心配していた。
玉国別は、宝玉は神様から与えられるものだから、自分から求めて得ようとするのはよろしくない、それよりも自分の内なる玉を磨いたほうがよい、と諭した。
伊太彦は内在の玉が大切なのはわかっているが、霊肉一致の原理によって外形的な玉も必要なのだ、と反論する。そして自分は神界からの内流を得て言っているのだ、と玉国別に反論する。
そこまで言うなら仕方がないと玉国別も折れた。伊太彦は師匠の許しを得て、カークスとベースを従えて、スーラヤ山指して意気揚々と出発してしまった。
一同は伊太彦の朗らかな意気に笑いに包まれた。玉国別は、伊太彦が神界の経綸で神掛かりになっていたと明かし、後々その霊の素性がわかるだろうと告げた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2019-09-11 14:30:39 OBC :rm6303
愛善世界社版:33頁 八幡書店版:第11輯 274頁 修補版: 校定版:34頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
001 玉国別(たまくにわけ)(さん)(にん)(はなし)()いて双手(もろて)()(なに)思案(しあん)()れてゐる。002伊太彦(いたひこ)()をいらち、
003『もし先生(せんせい)004千騎(せんき)一騎(いつき)(この)場合(ばあひ)005(なに)()思案(しあん)して(ござ)るのですか。006貴方(あなた)玉国別(たまくにわけ)()(いただ)いた以上(いじやう)は、007(いま)()きでせうが夜光(やくわう)(たま)を、008(ひと)伊太彦(いたひこ)にお()らせになるのも、009名前(なまへ)から()つても普通(ふつう)(こと)だと(かんが)へます。010(わたし)(あきら)めて()りましたが、011(また)(にはか)(なん)だか勇気(ゆうき)勃々(ぼつぼつ)として(まゐ)りました。012(ことわざ)にも「()かざるは(これ)()くに()かず、013(これ)()くは(これ)()るに()かず、014(これ)()るは(これ)()るに()かず、015(これ)()るは(これ)(おこな)ふに()かず」と()(こと)(ござ)いますから、016(たま)所在(ありか)()いた以上(いじやう)は、017何処(どこ)(まで)実否(じつぴ)をつきとめ、018(はた)して(たま)()りとせば、019(これ)竜王(りうわう)()より(あづか)つて(かへ)らうと(おも)ひます。020そして竜王(りうわう)三五(あななひ)(みち)()()かせてやり()(ござ)いますが、021どうか(わたし)特命(とくめい)全権(ぜんけん)公使(こうし)任命(にんめい)して(くだ)さいますまいかな』
022玉国(たまくに)『「(きた)りて(まな)ぶを()く、023(いま)()きて(をし)ふるを()かず」と聖人(せいじん)()つて()る。024(また)(まへ)(やう)(あま)(つよ)ばると025失策(しつさく)をやらうまいものでもないから、026(ちつ)とジツクリしたら()からう。027ウバナンダ竜王(りうわう)(をしへ)をするのは()いが、028ここへ言霊(ことたま)(もつ)(まね)()せて(をし)へてやつたらどうだ。029こちらから()必要(ひつえう)はあるまい。030(ことわざ)にも「(へい)(つよ)ければ(すなは)(ほろ)び、031()(つよ)ければ(すなは)()れる」と()(こと)がある。032人間(にんげん)控目(ひかへめ)にすることが肝腎(かんじん)だからな』
033伊太(いた)先生(せんせい)034貴方(あなた)卑怯(ひけふ)(こと)(おほ)せられますな。035(あやふ)きは(うたが)ひに(まか)すより(あやふ)きはなし、036(あやふ)きものは(その)(あん)(たも)ち、037(ほろ)ぶるものは(その)(そん)(たも)つ」と()ひますぜ』
038 玉国別(たまくにわけ)儼然(げんぜん)として(かたち)(あらた)め、039(おもむろ)(くち)(ひら)いて、
040伊太彦(いたひこ)さま、041貴方(あなた)夜光(やくわう)(たま) 夜光(やくわう)(たま)(しき)りに熱望(ねつばう)して()られますが、042形態(けいたい)ある(たま)(あるひ)毀損(きそん)043(あるひ)紛失(ふんしつ)する(おそ)れが(ともな)ふものですよ。044()れよりも045貴方(あなた)()自身(じしん)所持(しよぢ)して()らるる内在(ないざい)宝玉(はうぎよく)046(けが)さないやうに()さいませ』
047伊太(いた)内在(ないざい)(たま)とは(なん)ですか。048拙者(わたし)はそんなものは()ちませぬがナア。049貴師(あなた)夜光(やくわう)(たま)をお()ちになつたものだから、050ソンナ平気(へいき)なことを()つて()られるでせうが、051(いやし)くも三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)たるもの052(たま)(ひと)(ぐらゐ)有形(いうけい)(てき)所持(しよぢ)せなくては、053(はば)()かないぢや()りませぬか。054(げん)に、055イク、056サールの両君(りやうくん)さへも結構(けつこう)水晶魂(すいしやうだま)神界(しんかい)より(あた)へられて()られるでせう。057拙者(せつしや)如何(どう)しても、058今回(こんくわい)はお(ゆる)しを(いただ)いて大蛇(をろち)(いはや)()()み、059一箇(いつこ)だけ()()れて()たいものです。060言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)国依別(くによりわけ)(さま)061(りう)(きう)との宝玉(ほうぎよく)威光(ゐくわう)によつて、062アンナ立派(りつぱ)()神業(しんげふ)(あそ)ばしたぢや()りませぬか。063(げん)にこの霊山(れいざん)宝玉(ほうぎよく)ありと()いた以上(いじやう)は、064実否(じつぴ)()(かく)も、065一度(いちど)探険(たんけん)()かけたいものですなア』
066玉国(たまくに)伊太彦(いたひこ)さま、067()(せつ)御尤(ごもつと)もだが(わし)(はなし)(ひと)()いて(もら)ひたい。068()第一(だいいち)(ぼく)(たま)所持(しよぢ)して()るのは069貴方(あなた)()(とほ)して徳叉伽(タクシャカ)竜王(りうわう)から(あづ)かり、070(これ)大神(おほかみ)(さま)奉納(ほうなふ)せなくては()らぬ宝玉(ほうぎよく)だ。071この御用(ごよう)(ぼく)から(けつ)して希望(きばう)したのでは()い、072惟神(かむながら)摂理(せつり)によつて自然(しぜん)(ぼく)があづからなくてはならない(やう)になつたのだ。073(てん)(めい)ずる(ところ)だから、074(これ)(こば)むことは出来(でき)ない。075(えう)するに竜王(りうわう)帰順(きじゆん)至誠(しせい)表白(へうはく)する(ひと)つの証拠品(しようこひん)だ。076(これ)(ぼく)(あづ)かつて大神(おほかみ)(さま)(たてまつ)つて()げねば、077竜王(りうわう)さまの解脱(げだつ)出来(でき)ないからだよ。078(まへ)(やう)自分(じぶん)(はう)から(もと)めて宝玉(ほうぎよく)()ようとするのは、079(あま)面白(おもしろ)くないと(おも)ふがなア。080伊太彦(いたひこ)さま、081(ぼく)何時(いつ)ぞやら比喩話(たとへばなし)()いたことを(いま)(おも)()したから()いて(くだ)さい。082エヽと()(ところ)一人(ひとり)(をとこ)があつて、083友人(いうじん)(ところ)訪問(はうもん)した。084そして大変(たいへん)振舞酒(ふるまひざけ)泥酔(どろゑひ)して085グタグタに前後(ぜんご)()らず()(つぶ)れて(しま)つた。086その(とき)にその親友(しんいう)は、087()官用(くわんよう)のために(きふ)出掛(でか)けることと()つたので088()(つぶ)れて()友人(いうじん)色々(いろいろ)()(おこ)して()(ところ)が、089容易(ようい)()()めないので()むを()ず、090(ねむ)つてゐる友人(いうじん)衣服(いふく)(うら)091非常(ひじやう)高価(かうか)(たま)をソツと(つな)いで出掛(でかけ)た。092(その)()になつて(さけ)()(つぶ)れてゐた(をとこ)()()まし、093友人(いうじん)(つな)いで()いて()れた(たま)のことは一向(いつかう)()()かずに、094親友(しんいう)のゐないのに(おどろ)(いへ)(たち)()で、095懐中(くわいちう)無一物(むいちぶつ)のため仕方(しかた)がないので096放浪(はうらう)して他国(たこく)()かけて()つた。097(なん)()つても無銭(むせん)旅行(りよかう)をやつてゐるため098衣食(いしよく)住居(ぢうきよ)(つい)(つぶ)さに艱難(かんなん)辛苦(しんく)()めた。099(しか)しその(をとこ)(れい)親友(しんいう)自分(じぶん)衣服(いふく)(うら)に、100貴重(きちよう)なる宝玉(ほうぎよく)(つな)いで()いて()れたことは(ゆめ)にも()らず、101依然(いぜん)として衣食(いしよく)(きう)102所々(しよしよ)方々(はうばう)放浪(はうらう)苦辛(くしん)()めた。103(ところ)余程(よほど)()つてから(のち)のこと、104偶然(ぐうぜん)にも(むかし)親友(しんいう)出会(でつくは)した。105そこで(いま)まで艱難(かんなん)苦労(くらう)したことの一部(いちぶ)始終(しじう)(なみだ)(とも)物語(ものがた)ると、106友人(いうじん)吃驚(びつくり)して、107(きみ)はマア(なん)といふ馬鹿(ばか)真似(まね)をしたのだらう。108(なに)もそれ(ほど)(まで)(くるし)まなくてもよかつたのだ。109(むかし)(きみ)(ぼく)(さけ)()んだ(さい)110(きみ)大変(たいへん)()つてゐたので()らなかつたけれ(ども)111(きみ)将来(しやうらい)不自由(ふじゆう)なく安楽(あんらく)(くら)させようと(おも)つて、112態々(わざわざ)高価(かうか)宝珠(ほつしゆ)を、113(きみ)衣服(いふく)(うら)(つな)(かく)しておいた(はず)だ。114まア、115一度(いちど)調(しら)べて見給(みたま)へ、116(いま)当時(たうじ)(たま)(きみ)衣服(いふく)(うら)にきつと()るに(ちが)ひない。117(きみ)がその(たま)にさへ(はや)()()いてゐたら、118(けつ)して(いま)(まで)(やう)苦労(くらう)なんか()なくても()かつた(はず)だ。119(はや)()(たま)()()して120(なん)なりと(きみ)必用(ひつよう)なものを()資料(しれう)にしたが()い」と親切(しんせつ)(さと)した。121(ところ)がその(をとこ)今更(いまさら)のやうに()がついて衣服(いふく)(うら)(しら)べると122親友(しんいう)()つた(とほ)高価(かうか)(たま)があつたので、123(をとこ)(とも)懇情(こんじやう)(なみだ)(とも)感謝(かんしや)し、124それから(のち)安楽(あんらく)(くら)したと()ふことだ。125(しか)伊太彦(いたひこ)さま、126これは譬話(たとへばなし)だから有形(いうけい)宝玉(ほうぎよく)ではない。127人間(にんげん)本来(ほんらい)具有(ぐいう)せる内在(ないざい)(かみ)でもあり128霊的(れいてき)宝玉(ほうぎよく)だ。129そして(たま)(つな)いで()れた親友(しんいう)()ふのは、130吾々(われわれ)(かみ)性能(せいのう)あることを()らして(くだ)さつた(みづ)御魂(みたま)(すく)(ぬし)131(かむ)素盞嗚(すさのをの)(みこと)(さま)だ。132(また)(さけ)()ふのは名利(めいり)女色(ぢよしよく)(とう)際限(さいげん)なき欲望(よくばう)のことだ。133そして(さけ)()ひつぶれた(をとこ)()ふのは、134(はた)して何人(なにびと)であらうか』
135伊太(いた)先生(せんせい)136ソンナ(こと)三十万(さんじふまん)(ねん)未来(みらい)(おい)137月照彦(つきてるひこ)(さま)釈迦(しやか)(あら)はれて、1371()()きになつた138法華経(ほけきやう)七大(しちだい)比喩(ひゆ)(なか)(しる)してある文句(もんく)ですよ。139内在(ないざい)(たま)(すで)(すで)(みと)めて()ります。140(しか)世界(せかい)顕幽(けんいう)一本(いつぽん)とか霊肉(れいにく)一致(いつち)とか()つて、141内外(ないぐわい)(たま)必用(ひつよう)ぢやありませぬか』
142玉国(たまくに)『アヽ(こま)りましたなア。143到底(たうてい)拙者(せつしや)言霊(ことたま)では伊太彦(いたひこ)砲台(はうだい)陥落(かんらく)不可能(ふかのう)かも()れぬ。144治道(ちだう)(さま)145貴方(あなた)(ひと)援兵(ゑんぺい)(くり)()して(くだ)さいな。146()うやら玉国別(たまくにわけ)軍勢(ぐんぜい)旗色(はたいろ)(わる)くなつた(やう)です』
147治道(ちだう)伊太彦(いたひこ)さま、148()冷静(れいせい)にお(かんが)へなさいませ。149現在(げんざい)吾々(われわれ)(たがひ)神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)神鏡(しんきやう)()らして反省(はんせい)して()ると、150(いま)玉国別(たまくにわけ)(さま)()言葉(ことば)()(つぶ)れの(をとこ)とは、151()しや自分(じぶん)(ども)(こと)仰有(おつしや)つたのでは()りますまいか。152人間(にんげん)兎角(とかく)(わす)れてはならない(こと)(わす)れたり、153(わす)れて()(こと)(わす)れないものです。154(いま)(わたし)(たち)肉団(にくだん)(むね)(うち)高価(かうか)(たま)()(なが)155(わす)()んで(しま)つて()るのです。156(また)その(たま)(もち)ゆることもせずに(いたづら)(かたち)ある(たから)心酔(しんすゐ)して、1561肝腎(かんじん)霊魂(たま)(うしな)つて()るのでは()りますまいかなア』
157伊太(いた)『……』
158玉国(たまくに)()哀公(あいこう)魯(中国)の第27代君主。紀元前5世紀頃の人物。は、159(ひと)()(わす)るるものあり、160移宅(わたまし)(すなは)(その)(つま)(わす)れたり」といつた(ところ)が、161孔子(こうし)(また)162(これ)(たい)して「また()(わす)るること(これ)より(はなは)だしきあり。163桀紂(けつちう)(すなは)(その)()(わす)れたり」と皮肉(ひにく)()つたと()ふが、164(けつ)(ちう)とは支那(しな)未来(みらい)暴君(ばうくん)で、165酒地(しゆち)肉林(にくりん)淫楽(いんらく)(ふけ)つて、166(つひ)にその()国家(こくか)とを(うしな)つた虐主(ぎやくしゆ)である。167(なに)一番(いちばん)(おほ)きな(わす)れものだと()つても、168自分(じぶん)(わす)れる(ほど)169(おほ)きい(わす)れものは()からう。170人間(にんげん)弱点(じやくてん)兎角(とかく)この(わす)れる(はず)のもので()自分(じぶん)(わす)れてゐる場合(ばあひ)(おほ)いものだ。171(けつ)(ちう)(ごと)暴君(ばうくん)たらずとも、172金銭(きんせん)名誉(めいよ)酒色(しゆしよく)暴君(ばうくん)となつて173何時(いつ)本来(ほんらい)(われ)(わす)れてゐるのだ。174伊太彦(いたひこ)さまの霊肉(れいにく)一致説(いつちせつ)(また)一理(いちり)ある(やう)だが175肝腎(かんじん)御魂(みたま)置所(おきどころ)(わす)れては()ないだらうかなア』
176伊太(いた)()心配(しんぱい)(くだ)さいますな、177拙者(せつしや)神界(しんかい)から直接(ちよくせつ)内流(ないりう)があつて命令(めいれい)()けてゐるのです。178(なに)()都合(つがふ)になるか(わか)りませぬからなア』
179玉国(たまくに)神界(しんかい)からの内流(ないりう)とある以上(いじやう)は、180(われ)(なに)をか()はむやだ。181そんなら伊太彦(いたひこ)さま、182玉国別(たまくにわけ)はこれ()(なに)(まを)しませぬ。183自由(じいう)神示(しんじ)御用(ごよう)をなさい。184人間(にんげん)分際(ぶんざい)として(かみ)()経綸(けいりん)到底(たうてい)測知(そくち)する(こと)出来(でき)ませぬからなア』
185伊太(いた)『さすがは先生(せんせい)だ。186有難(ありがた)うエヘヽヽヽ。187サア、188(ゆる)しを()以上(いじやう)は、189(これ)から逸早(いちはや)くスダルマ(さん)(けん)()え、190カークス、191ベースの勇士(ゆうし)(したが)192旗鼓(きこ)堂々(だうだう)としてスーラヤの(うみ)永久(とこしへ)(ただよ)(たから)(やま)193スーラヤ(さん)岩窟(がんくつ)()()せ、194ウバナンダ竜王(りうわう)言向(ことむ)け、195夜光(やくわう)(たま)(みつ)がせ、196(さん)(にん)(くつわ)(なら)べて黄金山(わうごんざん)参上(まゐのぼ)り、197天晴(あつぱれ)功名(こうみやう)手柄(てがら)(いた)すで(ござ)らう。198者共(ものども)199(われ)(したが)へ』
200()(なが)肩肱(かたひぢ)(いか)らし、201カークス、202ベースの両人(りやうにん)引率(ひきつ)れ、203玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)(わか)れ、204(いづ)れエルサレムにて()面会(めんくわい)」と一言(ひとこと)(のこ)し、205意気(いき)揚々(やうやう)として、206カークスに間道(かんだう)(をし)へられ足早(あしばや)(すす)()く。
207 (あと)見送(みおく)つて玉国別(たまくにわけ)(うち)(わら)ひ、
208『アハヽヽヽヽ、209イヤ、210面白(おもしろ)(をとこ)だ。211(これ)伊太彦(いたひこ)使命(しめい)(はた)せるであらう。212(しか)(なが)らスーラヤ(さん)竜王(りうわう)非常(ひじやう)猛悪神(まうあくしん)()いて()る。213どうも伊太彦(いたひこ)一人(ひとり)にては(こころ)(もと)ない。214真純彦(ますみひこ)さま、215その()(みな)さま、216(これ)からそろそろ時機(じき)見図(みはか)らひ応援(おうゑん)(まゐ)りませうか』
217治道(ちだう)(つつし)んでお(とも)いたしませう。218伊太彦(いたひこ)さまは随分(ずいぶん)快活(くわいくわつ)(ひと)ですな。219拙者(せつしや)非常(ひじやう)伊太彦(いたひこ)崇拝熱(すうはいねつ)(たか)まつて(まゐ)りましたよ。220アハヽヽヽヽ』
221真純(ますみ)『「(ざい)(にん)(のう)使(つか)ふは(つと)めを()所以(ゆゑん)なり、222(もの)()所以(ゆゑん)なり」と()つて、223流石(さすが)玉国別(たまくにわけ)(さま)だ。224適材(てきざい)適所(てきしよ)にお使(つか)(あそ)ばす、225その()明察(めいさつ)には(かん)()りました』
226玉国(たまくに)伊太彦(いたひこ)さまは本当(ほんたう)(えら)いですよ。227最前(さいぜん)から()んな(こと)()つてゐましたが228神界(しんかい)()経綸(けいりん)によつて神懸(かむがかり)になつてゐたのです。229(ことわざ)にも「()()るは(かなら)(ゆう)なり。230()するは(かた)きに(あら)ず、231()(しよ)するは(かた)し」と()つて、232剣呑(けんのん)(ところ)(この)んで神界(しんかい)のために()かうとする、233その精神(せいしん)天晴(あつぱれ)なものですよ』
234三千(みち)伊太彦(いたひこ)さまは普通(ふつう)人間(にんげん)ぢやありますまいね』
235玉国(たまくに)普通(ふつう)人間(にんげん)ならば如何(どう)してタクシャカ竜王(りうわう)言向和(ことむけやは)(こと)出来(でき)ませう。236やがて(みたま)素性(すじやう)(わか)るでせう。237(わたし)(いま)(はじ)めて非凡(ひぼん)神格者(しんかくしや)なる(こと)を……(はづか)(なが)(さと)つたのです、238アハヽヽヽ』
239デビス『サア、240皆様(みなさま)241ボツボツ(まゐ)りませうか』
242(よろ)しからう』
243一同(いちどう)油蝉(あぶらせみ)()炎天(えんてん)山道(やまみち)(あへ)(あへ)(のぼ)()く。
244大正一二・五・一八 旧四・三 北村隆光録)

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