神界における神々の着物について
国治立命のような高貴の神は、たいてい絹物、上衣は紫の無地。下衣が純白。中の衣服は紅の無地である。
国大立命は青色の無地の上衣、中衣は赤、下衣は白色。
稚桜姫命は上衣は水色、種々の美しい模様があり、上中下とも松や梅の模様がついた十二単衣の服装である。
大八洲彦命、大足彦は、上衣は黒色の無地、中衣は赤、下衣は白色の無地。
その他の神将は位によって、青、赤、緋、水色、白、黄、紺などいずれも無地の服で、絹、麻、木綿等に分かれている。
冠は八王八頭以上の神々。それ以下は烏帽子をかぶっている。直衣、狩衣。婦神はたいてい明衣。青、赤、黄、白、紫などで、袴も五色に分かれている。
神将は闕腋の胞を来て冠をつけ、黒色の衣服である。神卒は一の字の笠を頭に載せ、裾を短くからげ、手首・足首には紫の紐で結んでいる。
これは国治立命がご隠退する以前の神々の服装であるが、時代が下るにつれて、現界の人々の礼装のような服を着る神々も現れ、神使の最下である金神天狗界では、今日流行の服装で活動するようになっている。
邪神もおのおの階級に応じて正神に化けているが、光沢で判断できる。ただし、邪神も階級が上になると、霊衣・光沢が厚く、判別に苦しむときがある。
人間の精霊は、生者は円い霊衣をかぶっているが、亡者は山形にとがって三角形であり、腰から上のみである。徳が高いものは霊衣が厚く、光沢が強く、人を統御する能力を持っている。
しかし大病人などは霊衣が薄くなり、山形になりかけているものもある。
神徳ある人が鎮魂を拝受し、大神に謝罪して天津祝詞の言霊を円満晴朗に奏上したならば、霊衣は厚さを増して死亡を免れるのである。神の大恩を忘れたときは、たちまち霊衣を剥ぎ取られて幽界に送られる。
大国治立尊というときは、大宇宙一切をご守護されるときの御神名であり、単に国治立尊と申し上げるときは、大地球上の神霊界を守護されるときの御神名である。
また、神様が人間の姿となってご活動になったのは、国大立命、稚桜姫命が最初である。稚桜姫命は、日月の精を吸引した国祖の息吹から生まれた。また、国大立命は月の精より生まれた。
人間も、神々の水火から生まれた神系と、天足彦・胞場姫の人間の祖から生まれた人間の二種類の区別がある。天足彦・胞場姫も、元は大神の直系から生まれたのであるが、神命に背いたという体主霊従の罪によって、差が生まれたのである。
現代はいずれの人種も体主霊従の身魂に堕落しており、神界から見た場合には判別ができないほどになっている。
盤古大神は日の大神の直系であり、太陽界から降誕した。日の大神・伊邪那岐命のご油断によって、手のまたを潜り出て、現今でいうと支那の北方に降った。温厚な正神である。
また、大自在天大国彦は、天王星から降臨した。豪勇な神人である。
いずれもみな、善神界の正しい神であった。しかし地上界に永く住むうちに、天足彦・胞場姫の天命違反によって生じた体主霊従の邪気から生まれた邪霊に憑依され、悪神の行動を取ることになってしまった。
これが、地上世界が混濁し、俗悪世界となってしまった背景である。
八王大神常世彦は、盤古大神の水火から出生した神であり、常世の国に霊魂をとどめている。常世姫は稚桜姫命の娘であるが、八王大神の妃となった。八王大神の霊に感合し、八王大神以上の悪辣な手段で世界を我意のままに統括しようと、体主霊従的な経綸を画策している。
八王大神には、天足彦・胞場姫の霊から生まれた八頭八尾の大蛇が憑依している。常世姫には金毛九尾白面の悪狐が憑依し、大自在天には六面八臂の邪気が憑依してしまった。
艮の金神国治立命の神系、盤古大神の系統、大自在天の系統が、地上霊界において、三つ巴となって大活劇を演じることとなった。
霊界物語第二巻の口述が終わったのは大正十一年旧十月十日午前十時であり、また本日は松雲閣で御三体の大神様を始めて新しい神床に鎮祭することになっていた。
続く第三巻では、盤古大神(塩長彦)、大自在天(大国彦)、艮能金神(国治立命)三神系の紛糾と、国祖のご隠退までの状況を口述する予定である。
(註)本巻において、国治立命、豊国姫命、国大立命、稚桜姫命、木花姫命となるのは、神界の命によって仮称したものです。