第二八章 高白山の戦闘〔七八〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻
篇:第5篇 神の慈愛
よみ(新仮名遣い):かみのじあい
章:第28章 高白山の戦闘
よみ(新仮名遣い):こうはくざんのせんとう
通し章番号:78
口述日:1921(大正10)年11月02日(旧10月03日)
口述場所:
筆録者:外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:言霊別命と元照彦は、猿世彦の木乃伊に神言を奏上して息を吹きかけると、猿世彦はたちまち蘇生した。言霊別命は、常世姫に対する降伏勧告の信書を持たせ、猿世彦を解放した。
一方、スペリオル湖畔を港彦に守らせると、言霊別命と元照彦は、高白山へと軍を進めた。高白山には正しい神司・荒熊彦・荒熊姫が割拠していたが、常世姫の部下・駒山彦のために包囲され、捕虜となっていた。
言霊別命と元照彦は背後から駒山彦軍を攻撃して、荒熊彦・荒熊姫を救い出した。二神人は言霊別命に恩を感謝し、自ら従臣となって高白山の城塞を献上した。
言霊別命は元照彦をローマ、モスコーに遣わして情勢を探らせ、自らは荒熊彦・荒熊姫とともにしばらく高白山に根拠を置くことになった。高白山は常世の国の北極に位置する、世界経綸の神策上、もっとも枢要な地点である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm0228
愛善世界社版:141頁
八幡書店版:第1輯 209頁
修補版:
校定版:143頁
普及版:67頁
初版:
ページ備考:
001 ここに言霊別命は元照彦と共に、002猿世彦の木乃伊にむかひ、003前後より神言を奏上し息を吹きかけられた。004たちまち猿世彦は体温次第にまし、005辛うじて蘇生した。
006 猿世彦はわが前に、007言霊別命以下の神将の姿を見て大いに驚き、008ひたすらに生命を救ひ罪を赦されむことを嘆願した。009言霊別命は仁義を重んじ生命を救ひしうへ、010一片の信書を認め、011これを常世姫に伝達せむことを命じた。
012 猿世彦は唯々として命を拝し、013かつ救命の大恩を感謝し、014尾をふり嬉々として帰国した。
015 その信書の文面は、
016『言霊別命、017元照彦は、018勇猛無比の神将をあまた引率れ、019スペリオル湖を中心として陣営を造り、020大挙して常世城を占領せむとす。021汝常世姫すみやかに善心に立帰り、022前非を悔い心底より悔い改めよ。023しからざれば、024われはここに天軍を興して汝を鏖滅せむ』
025との意味であつた。026猿世彦は虎口を免れ、027頭をさげ、028腰をまげ尾をふりつつ南方さして遁げかへつた。029スペリオル湖畔の陣営は、030港彦をしてこれを守らしめ、031命は元照彦とともに長駆して高白山に進んだのである。032ここは荒熊彦、033荒熊姫の二神司があつた。
034 この二神司は高白山の守将である。
035 高白山は常世姫一派の魔軍に攻め悩まされ、036二神司はすでに捕虜となり、037岩窟を掘つて取じこめられてゐた。
038 このとき言霊別命は、039山上より白雲の立上るを見て正しき神司ありと知り、040近づき見るに、041常世姫の部下駒山彦が包囲してをつた。042言霊別命は南方より、043元照彦は西方より迂回して北方の背後に出で、044前後より高白山を攻撃した。045駒山彦は不意の強力なる援軍に背後を衝かれ不覚をとり、046はうはうの体にてわづかに身をもつて免がれ、047全軍はほとんど四方に潰走した。
048 言霊別命、049元照彦は、050南北両面より高白山にのぼり、051白雲の立てる岩窟の戸を打砕き、052二神司を救ひ出した。
053 ここに荒熊彦、054荒熊姫は再生の恩を謝し、055みづから乞ふて従臣となり、056高白山の城塞を言霊別命に奉献つた。
057 言霊別命は元照彦をローマ、058モスコーに遣はして、059味方の情勢を偵察せしめ、060みづからは荒熊彦を部将としてここに根拠を定められた。
061 高白山は常世の国の北極にして、062世界経綸の神策上もつとも枢要なる地点である。
063(大正一〇・一一・二 旧一〇・三 外山豊二録)