霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 美山彦(みやまひこの)(みこと)出現(しゆつげん)〔五三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第1篇 神界の混乱 よみ(新仮名遣い):しんかいのこんらん
章:第3章 美山彦命の出現 よみ(新仮名遣い):みやまひこのみことのしゅつげん 通し章番号:53
口述日:1921(大正10)年10月27日(旧09月27日) 口述場所: 筆録者:桜井重雄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
美山彦とは、大八洲彦命の部下の中でも、とくに信頼されていた智勇兼備の神将である。棒振彦はそれを知って美山彦の名を偽り、高虎姫は美山彦の妻神・国照姫の名を騙ったのである。
本物の美山彦は、ロッキー山に出陣していたが、そのときに竜宮城に、美山彦から、苦戦につきただちに救援軍を送られたし、という密書が届いた。
稚桜姫命は大八洲彦命にはかったところ、美山彦はすでに神命によって安泰山に陣営を築くために出陣していたことから、これは敵の偽計であると見破った。美山彦は移動するにあたって、ロッキー山に兵士の形を岩で作って城塞に立てておいたのであった。
一方、美山彦の危急を聞きつけた竜宮城の諸神将の中には、すでに救援に向かってしまった者もあった。救援軍がロッキー山に着くと、偽美山彦・偽国照姫が出迎え、魔軍に編成されてしまった。
偽美山彦・偽国照姫は、今度は竜宮城が高虎姫の手に落ちたと知らせが入ったので、至急竜宮城を奪い返すべし、と偽ってそのまま竜宮城を襲撃しようとした。
そのとき大八洲彦命は、真正の美山彦とともにロッキー山の麓に現れて、『真の美山彦はここにあり』と大音声に呼ばわった。これで邪神の姦計は破れ、魔軍は西方の海に逃げていった。
棒振彦に騙されていた諸神将は目が覚め、大八洲彦命、美山彦にその不覚を謝罪し、ともに安泰山に出陣した。
その後、魔軍はロッキー山を占領しようとしたが、美山彦が残した兵士の石像から常に火が発せられ、魔軍はめちゃめちゃに悩まされた。棒振彦はついにロッキー山を捨てて高虎姫の陣営に退却せざるをえなくなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ:みろく岩、不動岩 データ凡例: データ最終更新日:2023-10-17 15:12:00 OBC :rm0203
愛善世界社版:20頁 八幡書店版:第1輯 165頁 修補版: 校定版:22頁 普及版:10頁 初版: ページ備考:
001 ここに天使(てんし)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)002真澄姫(ますみひめ)のもつとも信頼(しんらい)せる神人(かみ)に、003美山彦(みやまひこの)(みこと)という智勇(ちゆう)兼備(けんび)神将(しんしやう)があつた。004この神人(かみ)(つね)帷幄(ゐあく)(さん)じて、005すべての画策(くわくさく)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)にすすめてゐた。006竜宮城(りゆうぐうじやう)神司(かみがみ)は、007大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)参謀(さんぼう)にして、008かつ信任(しんにん)ある美山彦(みやまひこの)(みこと)のあることは(ほの)かに()いてゐたが、009その風貌(ふうばう)(せつ)した神司(かみ)一柱(ひとはしら)もなかつた。010しかしいつとはなしに美山彦(みやまひこの)(みこと)智勇(ちゆう)兼備(けんび)声望(せいばう)は、011大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)驍名(げうめい)とともに(ひろ)世界(せかい)喧伝(けんでん)されてゐた。
012 奸悪(かんあく)なる棒振彦(ぼうふりひこ)はその消息(せうそく)()つて、013ここに美山彦(みやまひこの)(みこと)()(いつは)り、014また木常姫(こつねひめ)再来(さいらい)なる高虎姫(たかとらひめ)美山彦(みやまひこの)(みこと)妻神(つまがみ)国照姫(くにてるひめ)(いつは)名乗(なの)つた。015しかるに真正(しんせい)美山彦(みやまひこの)(みこと)は、016大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)017真澄姫(ますみひめ)内命(ないめい)によりロツキー(さん)()てこもり、018魔軍(まぐん)内情(ないじやう)偵察(ていさつ)してゐた。019このとき、020美山彦(みやまひこの)(みこと)使(つかひ)として、021岡野姫(をかのひめ)(あま)鳥船(とりふね)()りて竜宮城(りゆうぐうじやう)にきたり、
022『ロツキー(さん)棒振彦(ぼうふりひこ)023高虎姫(たかとらひめ)魔軍(まぐん)のために八方(はつぱう)より包囲(はうゐ)せられ、024美山彦(みやまひこの)(みこと)危機(きき)一髪(いつぱつ)のあひだに()てり、025(いち)()もはやく真澄姫(ますみひめ)援軍(ゑんぐん)(ひき)ゐて(きた)りたまへ』
026密告(みつこく)した。027真澄姫(ますみひめ)(おほ)いに(いぶ)かり、
028『われはかよわき(をみな)なり、029しかるに大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)()()き、030われに救援(きうゑん)のため出陣(しゆつぢん)()ひきたるとは、031(じつ)にその()をえず』
032として(ただ)ちにこの(よし)稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)奏上(そうじやう)したまうた。033この美山彦(みやまひこの)(みこと)(まつた)くの偽名(ぎめい)であつて、034実際(じつさい)棒振彦(ぼうふりひこ)計略(けいりやく)であつた。
035 稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)は、036この密書(みつしよ)(あや)しみ、037大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)報告(はうこく)された。038大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)はただちに(てき)奸策(かんさく)なることを看破(かんぱ)された。039このゆゑは、040(しん)美山彦(みやまひこの)(みこと)神示(しんじ)によつて、041東方(とうはう)(くらゐ)する安泰山(あんたいざん)第二(だいに)陣営(ぢんえい)をつくり、042(すで)出陣(しゆつぢん)してをつたからである。043そして(あと)には(いは)をもつてわが姿(すがた)をつくり、044また諸々(もろもろ)従臣(じゆうしん)(かたち)をも(いは)にて(つく)り、045これをロツキー(さん)城塞(じやうさい)()ておいたのである。
046 一方(いつぱう)047ロツキー(さん)駐屯(ちうとん)せる美山彦(みやまひこの)(みこと)危急(ききふ)(せま)れりと(つた)()きたる神司(かみがみ)は、048とるもの()りあへず、049ロツキー(さん)さしてめいめい神軍(しんぐん)引率(いんそつ)救援(きうゑん)にむかうた。050そのとき棒振彦(ぼうふりひこ)051高虎姫(たかとらひめ)は、052山腹(さんぷく)()()せ、053みづから美山彦(みやまひこの)(みこと)054国照姫(くにてるひめ)(しよう)し、055あまたの(ただ)しき神司(かみ)(たぶら)かしてわが勢力(せいりよく)(あつ)めむとした。056味方(みかた)神将(しんしやう)香川彦(かがはひこ)057広足彦(ひろたるひこ)058滝彦(たきひこ)059豊彦(とよひこ)060神山彦(かみやまひこ)はそれを(まこと)美山彦(みやまひこの)(みこと)(しん)じ、061率先(そつせん)して棒振彦(ぼうふりひこ)魔軍(まぐん)(くは)はつた。062美山彦(みやまひこ)棒振彦(ぼうふりひこ)偽名(ぎめい))は諸神司(しよしん)(むか)つて、
063竜宮城(りゆうぐうじやう)はすでに棒振彦(ぼうふりひこ)064高虎姫(たかとらひめ)()(おちい)れり。065これより(すす)んで竜宮城(りゆうぐうじやう)回復(くわいふく)し、066稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)以下(いか)諸神司(しよしん)(すく)(たてまつ)らむ』
067と、068いかにも言葉(ことば)たくみに諸神司(しよしん)(いつは)り、069反対(はんたい)にふたたび竜宮城(りゆうぐうじやう)(せま)らむとした。
070 この(とき)071大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)安泰山(あんたいざん)美山彦(みやまひこの)(みこと)とともにロツキー(さん)(ふもと)(あら)はれ、
072(まこと)美山彦(みやまひこの)(みこと)はここにあり』
073大音声(だいおんじやう)(よば)はりたまえば、074棒振彦(ぼうふりひこ)075高虎姫(たかとらひめ)謀計(ぼうけい)(やぶ)れたるに(おどろ)き、076散乱(さんらん)せむとする魔軍(まぐん)をかきあつめ、077西方(せいはう)(うみ)(むか)つて姿(すがた)(かく)した。078かくして悪神(あくがみ)計画(けいくわく)見事(みごと)失敗(しつぱい)()した。
079 一旦(いつたん)棒振彦(ぼうふりひこ)(しん)美山彦(みやまひこの)(みこと)(しん)じて参加(さんか)した諸神将(しよしんしよう)は、080ここに(まつた)(ゆめ)のさめたるごとく、081大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)にその不覚(ふかく)不識(ふしき)(しや)し、082美山彦(みやまひこの)(みこと)にしたがひて安泰山(あんたいざん)出軍(しゆつぐん)した。083このとき(はや)くも、084ロツキー(さん)棒振彦(ぼうふりひこ)占領(せんりやう)するところとなつてゐた。085しかるに美山彦(みやまひこの)(みこと)以下(いか)石像(せきざう)より(つね)()(はつ)して、086棒振彦(ぼうふりひこ)魔軍(まぐん)滅茶(めちや)々々(めちや)になやませしかば、087棒振彦(ぼうふりひこ)はつひにロツキー(さん)()てて、088鬼城山(きじようざん)高虎姫(たかとらひめ)陣営(ぢんえい)退却(たいきやく)するの()むをえざるに()ちいたつた。
 
089  こがらしや(いぬ)のほえつく(かべ)(みの)
 
090大正一〇・一〇・二七 旧九・二七 桜井重雄録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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