霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四九章 (ねこ)()(たま)〔九九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第7篇 天地の大道 よみ(新仮名遣い):てんちのだいどう
章:第49章 猫の眼の玉 よみ(新仮名遣い):ねこのめのたま 通し章番号:99
口述日:1921(大正10)年11月09日(旧10月10日) 口述場所: 筆録者:桜井重雄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
常世姫の雄たけびによって世界中が戦乱の巷と化してしまった。これには夫の八王大神もなすすべが無く、困惑してしまった。そのとき、ふと東北の天に平和の女神が幾柱も現れて舞い遊ぶ光景が見えた。そこは地の高天原であった。
八王大神は高尾別と名を偽って地の高天原を訪ね、言霊別命に面会した。命はすぐに、邪神であることを見抜いて審神すると、八王大神であることを白状した。言霊別命は八王大神を許し諭し、八王大神は改悛の情を表した。
神国別命が教導にあたり、八王大神の従者たちも国治立命の神律を奉じることとなった。この旨を国治立命、国直姫命に進言すると、改心すれば元の善神であるから、この神を竜宮城の総轄とし、常世姫を改心させよ、とのことであった。
高尾別(=八王大神)は言霊別命の上位につき、神国別命らを伴って意気揚々と常世城に引き揚げた。常世姫を改心させようというのである。常世の国は常世姫の荒びによって、惨憺たる光景を現していた。
高尾別(=八王大神)はまず、自らが仕える盤古大神の館に赴いて、主君に国治立命の律法のほか、天下を治める神策がないことを奏上した。盤古大神はただただ微笑を浮かべて高尾別の進言を聞くのみであった。
高尾別(=八王大神)は盤古大神の態度を心もとなく思い、この戦乱の世に戴くべき主君は、国治立命であろうと思いをなし、その決心を大自在天の従神らに告げた。しかし大自在天の従神らは高尾別の変心をなじり、国治立命は邪神であろう、と決め付けた。
また常世姫はその場に現れてともに高尾別の不明をともになじった。高尾別は進退窮まり、せっかくの決心を翻してふたたび盤古大神を奉戴し、国治立命に反抗の態度を取るようになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0249
愛善世界社版:248頁 八幡書店版:第1輯 247頁 修補版: 校定版:252頁 普及版:118頁 初版: ページ備考:
001 常世姫(とこよひめ)雄猛(をたけ)びにより、002世界(せかい)各地(かくち)はほとんど戦乱(せんらん)(ちまた)(くわ)し、003(てん)妖雲(えううん)みなぎり、004()濁流(だくりう)あふれ、005猛獣(まうじう)悪蛇(あくじや)咆吼(はうこう)する(こゑ)006呑噬(どんぜい)(あらそ)ひはますます(はげ)しくなつてきた。
007 盤古(ばんこ)大神(だいじん)もその部下(ぶか)八王(やつわう)大神(だいじん)も、008さらに(さく)(ほどこ)すところがなかつた。009大自在天(だいじざいてん)はこの惨状(さんじやう)坐視(ざし)するに(しの)びず、010いかにもしてこれを平定(へいてい)せむと苦心(くしん)した。011八王(やつわう)大神(だいじん)(つま)常世姫(とこよひめ)暴動(ばうどう)(せい)する(あた)はず、012最初(さいしよ)(いち)小部分(せうぶぶん)小火災(せうくわさい)くらゐにみなしてゐたが、013()意外(ゐぐわい)猛烈(まうれつ)となり、014全世界(ぜんせかい)焼尽(せうじん)せんず(いきほ)ひとなつた。015八王(やつわう)大神(だいじん)(あん)相違(さうゐ)し、016その処置(しよち)(こま)りはてたのである。017ここにいよいよ前非(ぜんぴ)()い、018善道(ぜんだう)をもつて世界(せかい)鎮定(ちんてい)するよりほかに(さく)なきを自覚(じかく)した。
019 八王(やつわう)大神(だいじん)常世城(とこよじやう)にあつて東北(とうほく)(てん)(あふ)()(をり)しも、020一道(いちだう)光明(くわうみやう)(てん)(ちゆう)するを()た。021熟視(じゆくし)すればその光明(くわうみやう)(なか)より、022平和(へいわ)女神(めがみ)姿(すがた)幾柱(いくはしら)となく(あら)はれ、023(こと)(ふえ)などの音楽(おんがく)(そう)し、024()(まる)(あふぎ)()にもてる女神(めがみ)()(あそ)光景(くわうけい)(なが)めて、025おほいに(あや)しみつつ盤古(ばんこ)大神(だいじん)奏上(そうじやう)しおき、026ただちに風雲(ふううん)(じやう)光明(くわうみやう)をたづねて(すす)んだ。027この光明(くわうみやう)()高天原(たかあまはら)より(あら)はれてゐた。
028 八王(やつわう)大神(だいじん)はあまたの従臣(じゆうしん)とともに()高天原(たかあまはら)(くだ)りついた。029そして(みづか)高尾別(たかをわけ)名乗(なの)竜宮城(りゆうぐうじやう)門戸(もんこ)をたたき、030主神(しゆしん)(えつ)()ふたのである。031若豊彦(わかとよひこ)来意(らいい)をたづね、032(よろこ)んでこれを言霊別(ことたまわけの)(みこと)(つう)じた。033言霊別(ことたまわけの)(みこと)はただちに面会(めんくわい)(ゆる)した。034高尾別(たかをわけ)慇懃(いんぎん)(れい)をのべ、035かつ世界(せかい)平和(へいわ)(きた)さむための神策(しんさく)開示(かいじ)せられむことを()ふのであつた。036言霊別(ことたまわけの)(みこと)一見(いつけん)して、037こは(ただ)しき(かみ)(あら)ざるべしと(ただ)ちに審神(さには)(しつ)へともなつた。038たちまち正体(しやうたい)(あら)はれ大蛇(だいじや)姿(すがた)となり、
039『われは(じつ)八王(やつわう)大神(だいじん)なり』
040自白(じはく)するのやむなきに()(いた)つた。041されど言霊別(ことたまわけの)(みこと)は、042「いかなる悪神(あくしん)にもせよ()(あらた)めなば善神(ぜんしん)なり。043また天地(てんち)律法(りつぱう)(てら)(てき)(あい)するは大神(おほかみ)御心(みこころ)なり」として、044これを(ゆる)し、045(あつ)(みちび)(さと)し、
046(いち)()(はや)天地(てんち)律法(りつぱう)(まも)り、047正道(せいだう)()ちかへりなば天下(てんか)治平(ちへい)ならむ』
048懇々(こんこん)として説示(せつじ)されたのである。049八王(やつわう)大神(だいじん)高尾別(たかをわけ)本心(ほんしん)より改悛(かいしゆん)(じやう)(あら)はし、050(よろこ)んで(をし)へをこふこととなつた。051この神司(かみ)教導(けうだう)には、052神国別(かみくにわけの)(みこと)これにあたることとなつた。053高尾別(たかをわけ)(したが)(きた)れる神司(かみがみ)も、054(とも)正道(せいだう)帰順(きじゆん)し、055いよいよ国治立(くにはるたちの)(みこと)神律(しんりつ)(ほう)じ、056神業(しんげふ)奉仕(ほうし)せむことを(ちか)つた。057神国別(かみくにわけの)(みこと)はおほいに(よろこ)び、058言霊別(ことたまわけの)(みこと)(つう)じてこれを国治立(くにはるたちの)(みこと)進言(しんげん)したのである。059大神(おほかみ)はまづ、
060国直姫(くになほひめの)(みこと)裁断(さいだん)をえよ』
061厳命(げんめい)された。062高尾別(たかをわけ)(おそ)るおそる国直姫(くになほひめの)(みこと)御前(みまへ)()で、063所信(しよしん)逐一(ちくいち)奏上(そうじやう)した。
064 国直姫(くになほひめの)(みこと)は、
065『いかに悪神(わるがみ)なりとて改心(かいしん)せば(もと)善神(ぜんしん)なり。066高尾別(たかをわけ)をして竜宮城(りゆうぐうじやう)総轄(そうかつ)せしめ、067この神司(かみ)(ちから)によりて、068常世姫(とこよひめ)心底(しんてい)より改心(かいしん)せしむるに()かず』
069とし、070言霊別(ことたまわけの)(みこと)上位(じやうゐ)につかしめ、071神務(しんむ)奉仕(ほうし)させられたのである。
072 ここに高尾別(たかをわけ)意気(いき)揚々(やうやう)として神国別(かみくにわけの)(みこと)073神国彦(かみくにひこ)074照彦(てるひこ)とともに常世城(とこよじやう)帰還(きくわん)し、075まづ常世姫(とこよひめ)()(あらた)めしめむとし、076(あま)磐船(いはふね)()りて常世(とこよ)(くに)(かへ)つていつた。077(かへ)りみれば常世(とこよ)(くに)()もあてられぬ常夜(とこよ)(やみ)であつて、078(よろづ)(わざはひ)ことごとく(おこ)り、079山河(さんか)草木(さうもく)(いろ)(うしな)ひ、080(じつ)惨憺(さんたん)たる光景(くわうけい)であつた。
081 高尾別(たかをわけ)神国別(かみくにわけの)(みこと)以下(いか)神司(かみがみ)常世城(とこよじやう)休息(きうそく)せしめ、082(みづか)らは()つてただちに盤古(ばんこ)大神(だいじん)(やかた)参向(さんかう)し、083天下(てんか)治平(ちへい)神策(しんさく)国治立(くにはるたちの)(みこと)律法(りつぱう)によるの(ほか)なきを奏言(そうごん)した。084盤古(ばんこ)大神(だいじん)(なん)(いら)へもなく、085ただ微笑(びせう)をうかべて高尾別(たかをわけ)進言(しんげん)()くのみであつた。086高尾別(たかをわけ)盤古(ばんこ)大神(だいじん)(なん)答辞(たふじ)(あた)へざるをもどかしがり、087天下(てんか)擾乱(ぜうらん)場合(ばあひ)かかる主将(しゆしやう)(いただ)き、088(こと)をなさむとするは(われ)のあやまちなり。089むしろ国治立(くにはるたちの)(みこと)(ほう)じて(こと)をなさむと(こころ)(けつ)し、090大自在天(だいじざいてん)従神(じゆうしん)松山別(まつやまわけ)091小鹿彦(をしかひこ)決心(けつしん)をのべ、092盤古(ばんこ)大神(だいじん)平和(へいわ)()主将(しゆしやう)にして、093天下(てんか)混乱(こんらん)案配(あんばい)するの(うつは)(あら)ずと()きつけた。
094 松山別(まつやまわけ)095小鹿彦(をしかひこ)(おほ)いに(いか)り、
096(なんぢ)(いま)まで盤古(ばんこ)大神(だいじん)奉戴(ほうたい)して諸神司(しよしん)(ひき)ゐ、097天下(てんか)経綸(けいりん)にたいして赤心(せきしん)をこめゐたりしに、098国治立(くにはるたちの)(みこと)神示(しんじ)()き、099たちまち猫眼(べうがん)のごとく(こころ)(へん)ずるはその()をえず。100善悪(ぜんあく)正邪(せいじや)にかかはらず(なに)ゆゑ初志(しよし)貫徹(くわんてつ)せざるや。101(おも)ふに国治立(くにはるたちの)(みこと)邪神(じやしん)ならめ。102すみやかに(なんぢ)神国別(かみくにわけの)(みこと)以下(いか)神司(かみがみ)捕虜(とりこ)にし、103これを(しち)となして盤古(ばんこ)大神(だいじん)帰順(きじゆん)すべく(きび)しき交渉(かうせう)開始(かいし)せよ』
104大自在天(だいじざいてん)(かさ)に、105(とら)()をかる(きつね)厳命(げんめい)であつた。
106 (をり)しも常世姫(とこよひめ)その()(あら)はれ、107(くち)をきはめて高尾別(たかをわけ)不明(ふめい)をなじり、108かつ松山別(まつやまわけ)応援(おうゑん)(もと)めた。109松山別(まつやまわけ)常世姫(とこよひめ)(げん)(いち)()もなく採納(さいなふ)した。110ここに高尾別(たかをわけ)八王(やつわう)大神(だいじん)進退(しんたい)これきはまり、111折角(せつかく)決心(けつしん)(ひるがへ)し、112ふたたび盤古(ばんこ)大神(だいじん)奉戴(ほうたい)して、113国治立(くにはるたちの)(みこと)反抗(はんかう)態度(たいど)をとることとなつた。
114大正一〇・一一・九 旧一〇・一〇 桜井重雄録)
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