霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四八章 律法(りつぱう)審議(しんぎ)〔九八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第7篇 天地の大道 よみ(新仮名遣い):てんちのだいどう
章:第48章 律法の審議 よみ(新仮名遣い):りっぽうのしんぎ 通し章番号:98
口述日:1921(大正10)年11月09日(旧10月10日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
天稚彦、稚桜姫命が律法によって罰せられ、幽界に落とされてから、竜宮城と地の高天原では律法はよく守られていた。
言霊別命は、独り者となっていた花森彦に妻を選定しようと提案したが、諸神は、天稚彦と稚桜姫命の堕落のもとを作ったのは花森彦であるとして、賛同しなかった。
肉体上の罪はおろか、霊魂上の罪まで前世にさかのぼって律法で裁かれるべきである、と主張する諸神に対して、言霊別命は、自分は言霊姫を妻とするまでに何度か妻を変えたので、まずは自分が幽界に落ちる、と宣言した。
そして律法違反の罪が一切無い神々がいったい幾柱あるのか、と大声で呼ばわった。神々はただ、うなだれるのみであった。
天上より天津神・国直姫命が下り、国治立命が天上で律法の解釈について天津神と協議した結果、これまでの罪は問わないが、以降は霊魂上までさかのぼって罪が償却されるまで罰せられることとなった、と伝えた。
国直姫命は竜宮城にとどまって、稚桜姫命の職を襲った。また花森彦は国栄姫との婚姻を許された。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0248
愛善世界社版:242頁 八幡書店版:第1輯 245頁 修補版: 校定版:246頁 普及版:115頁 初版: ページ備考:
001 国治立(くにはるたちの)(みこと)が、002天道別(あまぢわけの)(みこと)とともに天地(てんち)律法(りつぱう)制定(せいてい)され、003その第一(だいいち)着手(ちやくしゆ)に、004稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)律法(りつぱう)犠牲(ぎせい)となり、005幽界(いうかい)(くだ)りたまうた。006それより竜宮城(りゆうぐうじやう)も、007()高天原(たかあまはら)も、008神司(かみがみ)謹慎(きんしん)により、009律法(りつぱう)厳粛(げんしゆく)(まも)られてゐた。
010 さて一夫(いつぷ)一婦(いつぷ)制定(せいてい)により、011花森彦(はなもりひこ)身上(みのうへ)について(ひと)つの問題(もんだい)がおこつた。012ここに言霊別(ことたまわけの)(みこと)は、013花森彦(はなもりひこ)孤独(こどく)(あわれ)み、014相当(さうたう)(つま)選定(せんてい)し、015夫婦(ふうふ)うちそろひ、016神業(しんげふ)参加(さんか)せしめむことを提議(ていぎ)した。017神国別(かみくにわけの)(みこと)以下(いか)諸神将(しよしんしよう)は、018鳩首(きうしゆ)謀議(ぼうぎ)結果(けつくわ)019言霊別(ことたまわけの)(みこと)提議(ていぎ)理由(りいう)なしとして、020(はうむ)らむとした。021その理由(りいう)は、
022天稚彦(あめのわかひこ)023稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)堕落(だらく)せしめたる原因(げんいん)は、024花森彦(はなもりひこ)である。025肝腎(かんじん)主神(しゆしん)幽界(いうかい)()ちたまひし(のち)に、026安閑(あんかん)として(つま)(めと)り、027雪隠(せつちん)にひそみて饅頭(まんじゆう)くらひしごとく素知(そし)らぬ顔色(かほいろ)なしをるは、028(じつ)無責任(むせきにん)にして()道義(だうぎ)(てき)罪悪(ざいあく)である。029(ひら)たくいへば花森彦(はなもりひこ)は、030二柱(ふたはしら)とともに(つみ)(じゆん)じ、031幽界(いうかい)にいたつてこれに奉仕(ほうし)すべきが、032神司(かみ)たるものの当然(たうぜん)行動(かうどう)であらねばならぬ』
033といふのであつた。034城内(じやうない)諸神将(しよしんしよう)満場(まんぢやう)一致(いつち)035()()つて神国別(かみくにわけの)(みこと)意見(いけん)賛成(さんせい)した。
036 言霊別(ことたまわけの)(みこと)は、
037今回(こんくわい)事件(じけん)原動力(げんどうりよく)(けつ)して花森彦(はなもりひこ)にあらず。038奸佞(かんねい)邪智(じやち)にたけたる常世姫(とこよひめ)原動力(げんどうりよく)である。039ゆゑに花森彦(はなもりひこ)(つま)(きん)ずるに(さき)だち、040まづ常世姫(とこよひめ)改心(かいしん)せしめ、041幽界(いうかい)(おもむ)かしめよ』
042言葉(ことば)(つよ)めて主張(しゆちやう)した。043かくして(たが)ひに議論(ぎろん)()てなかつた。044つひには真澄姫(ますみひめ)裁断(さいだん)()ふこととなつた。045真澄姫(ますみひめ)は、
046花森彦(はなもりひこ)妻帯(さいたい)は、047(だん)じて(ゆる)すべからず』
048裁決(さいけつ)した。049八百万(やほよろづ)神人(かみがみ)はこの(せつ)賛成(さんせい)をした。
050 ここに言霊別(ことたまわけの)(みこと)(いろ)をなし、
051天地(てんち)律法(りつぱう)既往(きわう)(さかのぼ)りてこれを(ばつ)すべきや』
052質問(しつもん)した。053神司(かみがみ)は、
054肉体(にくたい)(じやう)既往(きわう)はおろか、055過去(くわこ)における霊魂(れいこん)(つみ)今回(こんくわい)律法(りつぱう)によりて(ばつ)すべきもの』
056主張(しゆちやう)したのである。057言霊別(ことたまわけの)(みこと)は、
058(しか)らばまづ第一(だいいち)(われ)(つみ)せよ。059(われ)言霊姫(ことたまひめ)(をつと)となるまでに、060数回(すうくわい)(つま)()へたり。061過去(くわこ)霊魂(れいこん)(つみ)確知(かくち)せずといへども、062肉体(にくたい)(じやう)における律法(りつぱう)違反(ゐはん)は、063確乎(かくこ)たる証拠(しようこ)あり』
064といひはなち、065かついふ。
066諸神司(しよしん)にして(はて)してこの律法(りつぱう)()れざるもの幾柱(いくはしら)かある』
067大声(たいせい)叱呼(しつこ)された。068いづれの神司(かみがみ)(いま)まで自分(じぶん)(つみ)(たな)にあげ、069素知(そし)らぬ(かほ)(かく)してゐたのを()()ぬかれ、070猿猴(ゑんこう)樹上(じゆじやう)よりたたき(おと)されしごとき(こころ)()ちとなり、071いづれもアフンとして沈黙(ちんもく)におちてしまつた。072いづれの神司(かみ)もここにいたつて()いた(くち)がすぼまらず、073(だれ)もかれも雪隠(せつちん)饅頭(まんぢゆう)()ふた系統(ひつぽう)神司(かみ)ばかりであつた。
074 神司(かみがみ)らは言霊別(ことたまわけの)(みこと)事理(じり)明白(めいはく)なる一言(いちごん)(きも)をぬかれ、075石亀(いしかめ)横槌(よこづち)()(うへ)(かふ)をのせられ、076(くび)()ばしてもがきつつ進退(しんたい)きはまりし体裁(ていさい)にて、077()(あし)もつけやうがなかつた。
078 言霊別(ことたまわけの)(みこと)は、
079諸神司(しよしん)意見(いけん)にして(はて)して正当(せいたう)ならば、080(われ)には(だい)なる決心(けつしん)あり。081(われ)まづ、082天則(てんそく)違反(ゐはん)罪神(ざいしん)として裁断(さいだん)をうけ、083幽界(いうかい)にくだらむ。084諸神司(しよしん)はいづれも清廉(せいれん)潔白(けつぱく)神司(かみ)にましませば、085(けつ)して幽界(いうかい)(くだ)されたまふごとき(あん)じは毛頭(まうとう)なかるべし。086さらばこれより国治立(くにはるたちの)(みこと)御前(みまへ)()()(つみ)自白(じはく)し、087その処置(しよち)甘受(かんじゆ)せむ』
088()ちあがらむとするを、089諸神司(しよしん)はあわててこれを()きとめ、
090短気(たんき)損気(そんき)091しばらく()たれよ』
092大手(おほて)をひろげて(みこと)(まへ)()ちふさがるのであつた。093言霊別(ことたまわけの)(みこと)はをかしさにたへず、094(おも)はず失笑(しつせう)せむとしたが、095にはかに律法(りつぱう)精神(せいしん)(おも)ひだし、096無理(むり)にこれをおさへた。
097 そのとき真鉄彦(まがねひこ)(はし)りいで、
098(ふた)をあくれば(いづ)れの神司(かみがみ)同様(どうやう)ならむ。099(おな)(あな)(きつね)100同僚(どうれう)情誼(じやうぎ)をもつて、101まづ(おも)ひとどまりたまへ』
102諫止(かんし)した。103言霊別(ことたまわけの)(みこと)は、
104天地(てんち)律法(りつぱう)依怙(えこ)なし。105(われ)過去(くわこ)(つみ)によつて裁断(さいだん)()けむ。106(とど)めたまうな』
107(そで)()りきつて()かむとす。108をりしも安世彦(やすよひこ)(くち)をひらいて、
109『まづこの()はこれにて(しづ)まりたまへ。110(かたき)(すゑ)()()つて()()らす。111まづ第一(だいいち)常世姫(とこよひめ)(ほろ)ぼし禍根(くわこん)()つに()かず』
112とこともなげにいつた。113言霊別(ことたまわけの)(みこと)は、
114(ほろ)ぼすとは(ころ)すといふことならむ。115(ころ)すといふ行為(かうゐ)天地(てんち)律法(りつぱう)違反(ゐはん)せずや』
116一本(いつぽん)(まゐ)つた。117安世彦(やすよひこ)(あたま)をかき、
118『これは失言(しつげん)いたしました』
119()きさがる。120この光景(くわうけい)()たるあまたの神司(かみがみ)は、121あたかも(とかげ)のあくびしたやうな顔色(おももち)にて、122(くち)(ひら)きアフンとしてゐたのである。
123 をりしも天上(てんじやう)より一道(いちだう)光明(くわうみやう)赫灼(かくしやく)として、124衆神司(しうしん)のまへに(つよ)放射(はうしや)するよと()るまに、125(うるは)しき威厳(ゐげん)そなはれる女神(めがみ)(くだ)りきたり、126中央(ちうあう)にしとやかに端座(たんざ)せられた。127この(かみ)国直姫(くになほひめの)(みこと)である。128国直姫(くになほひめの)(みこと)神司(かみがみ)にむかひ、129ただいま国治立(くにはるたちの)(みこと)天上(てんじやう)にのぼり、130律法(りつぱう)解釈(かいしやく)につき、131天津(あまつ)(かみ)とともに()詮議(せんぎ)ありし結果(けつくわ)
132律法(りつぱう)制定前(せいていぜん)(つみ)今回(こんくわい)かぎり()はざるべし。133今後(こんご)世界(せかい)における(すべ)ての罪悪(ざいあく)厳重(げんぢう)処罰(しよばつ)し、134霊魂(れいこん)(じやう)(つみ)償却(しやうきやく)するまでは永遠(ゑいゑん)(つみ)さるるべし』
135との()決定(けつてい)なりと、136言葉(ことば)おごそかに宣示(せんじ)せられた。137そして国直姫(くになほひめの)(みこと)は、138稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)天職(てんしよく)をおそひ、139竜宮城(りゆうぐうじやう)にとどまり()高天原(たかあまはら)(をさ)めたまふこととなつた。140かくて花森彦(はなもりひこ)国栄姫(くにさかひめ)一名(いちめい)花森姫(はなもりひめ)との結婚(けつこん)(ゆる)さるることとなつた。
141大正一〇・一一・九 旧一〇・一〇 加藤明子録)
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