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第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
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第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
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第7巻(午の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 大台ケ原
01 日出山上
〔301〕
02 三神司邂逅
〔302〕
03 白竜
〔303〕
04 石土毘古
〔304〕
05 日出ケ嶽
〔305〕
06 空威張
〔306〕
07 山火事
〔307〕
第2篇 白雪郷
08 羽衣の松
〔308〕
09 弱腰男
〔309〕
10 附合信神
〔310〕
11 助け船
〔311〕
12 熟々尽
〔312〕
第3篇 太平洋
13 美代の浜
〔313〕
14 怒濤澎湃
〔314〕
15 船幽霊
〔315〕
16 釣魚の悲
〔316〕
17 亀の背
〔317〕
第4篇 鬼門より竜宮へ
18 海原の宮
〔318〕
19 無心の船
〔319〕
20 副守飛出
〔320〕
21 飲めぬ酒
〔321〕
22 竜宮の宝
〔322〕
23 色良い男
〔323〕
第5篇 亜弗利加
24 筑紫上陸
〔324〕
25 建日別
〔325〕
26 アオウエイ
〔326〕
27 蓄音器
〔327〕
28 不思議の窟
〔328〕
第6篇 肥の国へ
29 山上の眺
〔329〕
30 天狗の親玉
〔330〕
31 虎転別
〔331〕
32 水晶玉
〔332〕
第7篇 日出神
33 回顧
〔333〕
34 時の氏神
〔334〕
35 木像に説教
〔335〕
36 豊日別
〔336〕
37 老利留油
〔337〕
38 雲天焼
〔338〕
39 駱駝隊
〔339〕
第8篇 一身四面
40 三人奇遇
〔340〕
41 枯木の花
〔341〕
42 分水嶺
〔342〕
43 神の国
〔343〕
44 福辺面
〔344〕
45 酒魂
〔345〕
46 白日別
〔346〕
47 鯉の一跳
〔347〕
第9篇 小波丸
48 悲喜交々
〔348〕
49 乗り直せ
〔349〕
50 三五〇
〔350〕
附録 第三回高熊山参拝紀行歌
余白歌
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第一一章
助
(
たす
)
け
船
(
ぶね
)
〔三一一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
篇:
第2篇 白雪郷
よみ(新仮名遣い):
はくせつきょう
章:
第11章 助け船
よみ(新仮名遣い):
たすけぶね
通し章番号:
311
口述日:
1922(大正11)年01月30日(旧01月03日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年5月31日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
大中教の宣伝使・健寅彦は、あまたの従者と共に木に縛り付けた酋長夫婦を取り囲み、右手に剣、左手に徳利を握りながら、一口酒を飲んでは改宗を迫っている。
酋長夫婦は目を閉じ口を結んで、心中に野立彦命、野立姫命の救いを祈願している。このとき、木霊を響かせながら三五教の宣伝歌が聞こえてきた。
大中教の宣伝使たちは、この歌を聞くと顔をしかめ頭を抱えてその場に縮んでしまった。日の出神はその場に現れると、ゆうゆうと酋長夫婦をはじめ村人たちの縛を解いた。
村人たちは日の出神とともに宣伝歌を大合唱した。大中教の使徒たちはたまりかね、みな山頂めがけてこそこそと身を隠してしまった。
日の出神は酋長夫婦の固い信仰を激賞し、面那芸司、面那美司と名を与えた。酋長は、三五教の女宣伝使・祝姫が大中教の者らにかどわかされていることを伝え、救出を要請した。日の出神は酋長夫婦を従えて、救出に向かった。
後に村人たちが、日の出神の出現について、あれこれと話し合っている。そこへ、逃げていた八、六、鹿(第9、10章の甲乙丙)がこわごわ姿を見せると、村人たちは口々にその臆病を非難した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm0711
愛善世界社版:
63頁
八幡書店版:
第2輯 58頁
修補版:
校定版:
68頁
普及版:
27頁
初版:
ページ備考:
001
岩神
(
いはがみ
)
の
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
に
健寅彦
(
たけとらひこ
)
と
云
(
い
)
ふ
大中教
(
だいちうけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
002
数多
(
あまた
)
の
従者
(
じゆうしや
)
と
共
(
とも
)
に
酋長
(
しうちやう
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
木
(
き
)
に
縛
(
しば
)
りつけ、
003
右手
(
みぎて
)
に
剣
(
つるぎ
)
を
持
(
も
)
ち
左手
(
ひだりて
)
に
徳利
(
どつくり
)
を
握
(
にぎ
)
りながら、
004
一口
(
ひとくち
)
呑
(
の
)
ンでは、
005
『
呑
(
の
)
めよ
騒
(
さわ
)
げよ
一寸先
(
いつすんさき
)
や
暗
(
やみ
)
よ、
006
暗
(
やみ
)
の
後
(
あと
)
には
月
(
つき
)
が
出
(
で
)
る。
007
おい
酋長
(
しうちやう
)
、
008
貴様
(
きさま
)
は
如何
(
どう
)
しても
三五教
(
あななひけう
)
を
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
らぬか。
009
左様
(
さやう
)
な
邪教
(
じやけう
)
を
貴様
(
きさま
)
が
率先
(
そつせん
)
して
信仰
(
しんかう
)
をいたすものだから、
010
白雪郷
(
はくせつきやう
)
の
奴
(
やつ
)
等
(
ら
)
は
残
(
のこ
)
らず
呆
(
はう
)
けるのだ。
011
さあ、
012
俺
(
おれ
)
の
歌
(
うた
)
を
唄
(
うた
)
つてこの
酒
(
さけ
)
を
喰
(
く
)
らへ。
013
結構
(
けつこう
)
な
醍醐味
(
だいごみ
)
ぢやぞ。
014
之
(
これ
)
を
呑
(
の
)
めば
生命
(
いのち
)
が
延
(
の
)
びる、
015
気分
(
きぶん
)
が
晴
(
は
)
れ
晴
(
ば
)
れする、
016
大中教
(
だいちうけう
)
がこンな
結構
(
けつこう
)
な
酒
(
さけ
)
を
呑
(
の
)
まして、
017
その
上
(
うへ
)
に
面白
(
おもしろ
)
い
歌
(
うた
)
を
唄
(
うた
)
うて
遊
(
あそ
)
べと
云
(
い
)
ふのに、
018
貴様
(
きさま
)
は
何
(
なに
)
が
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らぬか。
019
夫
(
それ
)
が
嫌
(
きら
)
ひなら
此
(
この
)
剣
(
けん
)
の
尖
(
さき
)
で
突
(
つ
)
いて
突
(
つ
)
いて
突
(
つ
)
き
捲
(
まく
)
り、
020
なぶり
殺
(
ごろ
)
しにしてやらうか。
021
おい、
022
よく
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ろ、
023
結構
(
けつこう
)
な
酒
(
さけ
)
を
喰
(
く
)
らつて
鼻歌
(
はなうた
)
唄
(
うた
)
つて、
024
この
世
(
よ
)
を
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
のやうにして
勇
(
いさ
)
みて
暮
(
くら
)
すがよいか。
025
肩
(
かた
)
の
凝
(
こ
)
るやうな
苦
(
くる
)
しい
歌
(
うた
)
を
唄
(
うた
)
つて、
026
甘
(
うま
)
い
酒
(
さけ
)
も
好
(
よ
)
う
呑
(
の
)
まず、
027
甘
(
うま
)
い
物
(
もの
)
も
碌
(
ろく
)
に
食
(
く
)
はず、
028
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
けるなどと
仕様
(
しやう
)
も
無
(
な
)
い。
029
ちと
考
(
かんが
)
へてみよ。
030
こンな
事
(
こと
)
は
子供
(
こども
)
でも
善悪
(
よしあし
)
が
解
(
わか
)
りさうなものだ。
031
斯
(
こ
)
うして
縛
(
しば
)
りつけた
上
(
うへ
)
は、
032
活
(
いか
)
さうと
殺
(
ころ
)
さうとこの
健寅彦
(
たけとらひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
の
手
(
て
)
の
裡
(
うち
)
にあるのだ。
033
返答
(
へんたふ
)
聞
(
き
)
かう』
034
と
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
に
酒
(
さけ
)
を
満
(
み
)
たした
徳利
(
とくり
)
を
持
(
も
)
ち、
035
酋長
(
しうちやう
)
の
唇
(
くちびる
)
の
辺
(
へん
)
に
押付
(
おしつ
)
け、
036
一方
(
いつぱう
)
には
鋭
(
するど
)
き
剣
(
つるぎ
)
を
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
にひらつかせ
乍
(
なが
)
ら、
037
返答
(
へんたふ
)
如何
(
いか
)
にと
待
(
ま
)
ち
構
(
かま
)
へ
居
(
ゐ
)
る。
038
酋長
(
しうちやう
)
夫婦
(
ふうふ
)
は
目
(
め
)
を
閉
(
と
)
ぢ、
039
口
(
くち
)
を
結
(
むす
)
びて
聞
(
きこ
)
えぬふりを
為
(
な
)
し、
040
心中
(
しんちう
)
に
深
(
ふか
)
く
野立彦
(
のだちひこの
)
命
(
みこと
)
、
041
野立姫
(
のだちひめの
)
命
(
みこと
)
の
救
(
すく
)
ひを
祈願
(
きぐわん
)
し
居
(
ゐ
)
たり。
042
この
時
(
とき
)
向
(
むか
)
ふの
方
(
はう
)
より
木霊
(
こだま
)
を
響
(
ひび
)
かせ
乍
(
なが
)
ら、
043
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
044
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわけ
)
る』
045
との
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
つて
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
るものあり。
046
健寅彦
(
たけとらひこ
)
はこの
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
くと
共
(
とも
)
に、
047
手
(
て
)
に
持
(
も
)
てる
剣
(
つるぎ
)
と
徳利
(
とくり
)
を
思
(
おも
)
はずバツタリと
落
(
おと
)
し、
048
頭
(
あたま
)
を
拘
(
かか
)
へ
顔
(
かほ
)
を
顰
(
しか
)
めてその
場
(
ば
)
に
縮
(
ちぢ
)
みけり。
049
健寅彦
(
たけとらひこ
)
の
従者
(
じゆうしや
)
共
(
ども
)
は、
050
同
(
おな
)
じく
目
(
め
)
を
閉
(
と
)
ぢ
頭
(
あたま
)
を
拘
(
かか
)
へて
大地
(
だいち
)
に
蹲踞
(
しやが
)
み
震
(
ふる
)
ひ
居
(
ゐ
)
る。
051
この
場
(
ば
)
に
悠々
(
いういう
)
として
現
(
あら
)
はれたる
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
052
擬
(
まが
)
ふ
方
(
かた
)
無
(
な
)
き
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
なり。
053
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
大樹
(
だいじゆ
)
に
縛
(
しば
)
りつけられたる
酋長
(
しうちやう
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
始
(
はじ
)
め、
054
その
他
(
た
)
の
人々
(
ひとびと
)
の
縛
(
いましめ
)
を
解
(
と
)
きしに、
055
健寅彦
(
たけとらひこ
)
の
一派
(
いつぱ
)
は
息
(
いき
)
を
殺
(
ころ
)
して
縮
(
ちぢ
)
み
居
(
ゐ
)
るのみ。
056
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
声
(
こゑ
)
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ふ。
057
酋長
(
しうちやう
)
夫婦
(
ふうふ
)
もつづいて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
頻
(
しき
)
りに
歌
(
うた
)
ひはじむる。
058
この
場
(
ば
)
にありし
白雪郷
(
はくせつきやう
)
の
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
は、
059
またもや
一斉
(
いつせい
)
に
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
唱
(
とな
)
へ
出
(
だ
)
したるに、
060
健寅彦
(
たけとらひこ
)
は
堪
(
たま
)
り
兼
(
か
)
ね
鼠
(
ねずみ
)
の
如
(
ごと
)
くなつて
数多
(
あまた
)
の
従者
(
じゆうしや
)
と
共
(
とも
)
に、
061
山頂
(
さんちやう
)
目蒐
(
めが
)
けて
こそ
こそと
身
(
み
)
を
隠
(
かく
)
しける。
062
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
酋長
(
しうちやう
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
固
(
かた
)
き
信仰
(
しんかう
)
を
激賞
(
げきしやう
)
し、
063
これに
面那芸
(
つらなぎの
)
神
(
かみ
)
、
064
面那美
(
つらなみの
)
神
(
かみ
)
の
名
(
な
)
を
与
(
あた
)
へたまふ。
065
面那芸
(
つらなぎの
)
神
(
かみ
)
は、
066
妻
(
つま
)
の
面那美
(
つらなみの
)
神
(
かみ
)
に
白雪郷
(
はくせつきやう
)
を
守
(
まも
)
らしめ、
067
自
(
みづか
)
ら
宣伝使
(
せんでんし
)
となつて
天下
(
てんか
)
に
道
(
みち
)
を
弘
(
ひろ
)
めたりける。
068
この
時
(
とき
)
谷
(
たに
)
の
奥
(
おく
)
に
当
(
あた
)
つて
騒々
(
さうざう
)
しき
物音
(
ものおと
)
聞
(
きこ
)
えたり。
069
酋長
(
しうちやう
)
面那芸
(
つらなぎの
)
神
(
かみ
)
は、
070
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
に
向
(
むか
)
ひ、
071
三五教
(
あななひけう
)
の
女
(
をんな
)
宣伝使
(
せんでんし
)
祝姫
(
はふりひめ
)
は
彼
(
かれ
)
らの
一味
(
いちみ
)
に
捕
(
とら
)
はれ、
072
山奥
(
やまおく
)
に
誘
(
さそ
)
ひ
行
(
ゆ
)
かれし
事
(
こと
)
を
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
物語
(
ものがた
)
れば、
073
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
聞
(
き
)
くより
早
(
はや
)
く、
074
二人
(
ふたり
)
を
後
(
うしろ
)
に
随
(
したが
)
へ、
075
山奥
(
やまおく
)
指
(
さ
)
して
足早
(
あしばや
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
076
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
りし
白雪郷
(
はくせつきやう
)
の
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
は、
077
口々
(
くちぐち
)
に
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
救援
(
きうゑん
)
を
喜
(
よろこ
)
び
合
(
あ
)
ひける。
078
甲
(
かふ
)
『やつぱり
信心
(
しんじん
)
はせなならぬものだのー。
079
俺
(
おれ
)
はもう
迚
(
とて
)
も
此奴
(
こいつ
)
は
叶
(
かな
)
はぬと
思
(
おも
)
つたので、
080
一杯
(
いつぱい
)
呑
(
の
)
まされてやらうかと
思
(
おも
)
つた。
081
さあ、
082
さうすると
喉
(
のど
)
の
虫
(
むし
)
奴
(
め
)
が
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
さま、
083
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
さまと
唸
(
うな
)
りよつてな。
084
如何
(
どう
)
にも
斯
(
か
)
うにも
堪
(
たま
)
つたものぢやない。
085
けれども
肝腎
(
かんじん
)
の
酋長
(
しうちやう
)
が、
086
彼
(
あ
)
の
甘
(
うま
)
さうな
酒
(
さけ
)
も
呑
(
の
)
まずに、
087
殺
(
ころ
)
されても
信神
(
しんじん
)
は
止
(
や
)
めぬと
仰有
(
おつしや
)
るのだもの、
088
俺
(
おれ
)
一人
(
ひとり
)
が
裏切
(
うらぎ
)
る
訳
(
わけ
)
にはゆかず、
089
どうして
好
(
よ
)
からうと
思
(
おも
)
つてゐたが、
090
さあ
今
(
いま
)
九分
(
くぶ
)
九厘
(
くりん
)
と
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
で
女
(
をんな
)
宣伝使
(
せんでんし
)
の
仰有
(
おつしや
)
つたやうに
結構
(
けつこう
)
な
神
(
かみ
)
さまが
出
(
で
)
て
救
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さつたのは、
091
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
いのう』
092
乙
(
おつ
)
『あゝ、
093
俺
(
おれ
)
も
結構
(
けつこう
)
だつたが、
094
しかし
八
(
はち
)
に
鹿
(
しか
)
に
六
(
ろく
)
はどこへ
行
(
い
)
きよつたのだらうか。
095
白雪郷
(
はくせつきやう
)
の
掟
(
をきて
)
として
生
(
いき
)
るも
死
(
し
)
ぬるも
酋長
(
しうちやう
)
様
(
さま
)
と
一緒
(
いつしよ
)
にせなくてはならぬのに、
096
彼奴
(
あいつ
)
め
中途
(
ちうと
)
で
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
しよつて
仕様
(
しやう
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
097
孰
(
いづ
)
れ
見
(
み
)
せしめに
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
奴
(
やつ
)
らは、
098
酋長
(
しうちやう
)
からどえらい
罰
(
ばつ
)
を
被
(
かうむ
)
るかも
知
(
し
)
れないぜ』
099
丙
(
へい
)
『いや、
100
そンな
心配
(
しんぱい
)
は
要
(
い
)
らぬよ。
101
三五教
(
あななひけう
)
は
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
教
(
をしへ
)
だから
何事
(
なにごと
)
も「
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ、
102
聞直
(
ききなほ
)
せ、
103
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
詔
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ」といふ
信条
(
しんでう
)
がある。
104
彼
(
あ
)
れ
丈
(
だけ
)
の
信仰
(
しんかう
)
の
強
(
つよ
)
い
酋長
(
しうちやう
)
さまは、
105
そンなことの
判
(
わか
)
らぬ
御
(
お
)
方
(
かた
)
ぢやない。
106
況
(
ま
)
して
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
弟子
(
でし
)
となつて
面那芸
(
つらなぎ
)
とか、
107
浦凪
(
うらなぎ
)
とか
云
(
い
)
ふ
名
(
な
)
まで
頂
(
いただ
)
かつしやつたぢやないか。
108
エーン』
109
甲
(
かふ
)
『
浦凪
(
うらなぎ
)
なンて、
110
そンな
恐
(
おそ
)
ろしい
名
(
な
)
は
御免
(
ごめん
)
だ。
111
ウラル
彦
(
ひこ
)
の
名
(
な
)
を
思
(
おも
)
ひだすよ。
112
うら
の
所
(
とこ
)
の
難儀
(
なんぎ
)
になるやうな、
113
そンな
名
(
な
)
は
替
(
か
)
へて
欲
(
ほ
)
しいものだなア』
114
丁
(
てい
)
『
浦凪
(
うらなぎ
)
ぢやない。
115
好
(
よ
)
う
聞
(
き
)
いて
置
(
お
)
かぬかい
二度
(
にど
)
も
三度
(
さんど
)
も
仰有
(
おつしや
)
つたじやらう。
116
この
方
(
はう
)
の
酋長
(
しうちやう
)
さまは
面那芸
(
つらなぎ
)
の
神
(
かみ
)
さま、
117
奥様
(
おくさま
)
は
面那美
(
つらなみ
)
の
神
(
かみ
)
さまとなられたのだよ』
118
甲
(
かふ
)
『そらまあー、
119
何
(
なん
)
といふ
辛
(
つら
)
い
難儀
(
なんぎ
)
な
名
(
な
)
を
貰
(
もら
)
はつしやつたものだナア。
120
奥
(
おく
)
さまも
奥
(
おく
)
さまぢや、
121
辛
(
つら
)
い
涙
(
なみだ
)
の
出
(
で
)
るやうな
名
(
な
)
を
貰
(
もら
)
つて、
122
勇
(
いさ
)
むで
行
(
い
)
かつしやつた。
123
なンぼ
宣伝使
(
せんでんし
)
さまだつて、
124
そンな
名
(
な
)
は、
125
俺
(
おい
)
らは
御免
(
ごめん
)
だよ』
126
乙
(
おつ
)
『おい、
127
心配
(
しんぱい
)
するない。
128
貴様
(
きさま
)
らには
滅多
(
めつた
)
にそンな
名
(
な
)
は
下
(
くだ
)
さらぬワ。
129
面那芸
(
つらなぎ
)
といふ
事
(
こと
)
はなあ、
130
貴様
(
きさま
)
らが
皆
(
みな
)
難儀
(
なんぎ
)
な
面
(
つら
)
をさらしよつて、
131
もうウラル
彦
(
ひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
方
(
はう
)
につかうかと
云
(
い
)
つて、
132
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
して
吠面
(
ほえづら
)
かわいてゐたのを、
133
それをば
神
(
かみ
)
さまに
祈
(
いの
)
つて
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さつた
御
(
おん
)
名
(
な
)
だ。
134
それで
面那芸
(
つらなぎ
)
、
135
面那美
(
つらなみ
)
と
申上
(
まをしあ
)
げるのだよ』
136
斯
(
か
)
かる
所
(
ところ
)
へ
つま
らぬ
顔
(
かほ
)
をして
恐々
(
こはごは
)
ながら、
137
八
(
はち
)
と
六
(
ろく
)
と
鹿
(
しか
)
とは
現
(
あら
)
はれ
来
(
き
)
たりければ、
138
一同
(
いちどう
)
は、
139
『やい、
140
腰
(
こし
)
ぬけ
野郎
(
やらう
)
』
141
と
口々
(
くちぐち
)
に
呶鳴
(
どな
)
りける。
142
(
大正一一・一・三〇
旧一・三
外山豊二
録)
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