霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二五章 建日別(たけひわけ)〔三二五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻 篇:第5篇 亜弗利加 よみ(新仮名遣い):あふりか
章:第25章 建日別 よみ(新仮名遣い):たけひわけ 通し章番号:325
口述日:1922(大正11)年02月01日(旧01月05日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月31日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
三人の宣伝使は、阿弗利加の絶景に足を止めて景色を眺めていた。面那芸は谷底になにやら唸り声を聞いて、日の出神に注意を呼びかけた。
日の出神は奇妙な声を目当てに進んでいく。面那芸と祝姫は後からついていく。やや歩いていくと、大岩石が谷間に屹立し、巨大な岩窟があちこちにうがたれた場所があった。
そこには顔の黒い男たちが、一人の青白い眼の悪い男(小島別)を取り巻いて、しきりに脅しをかけている。黒い男たちは、ここは大自在天・常世神王の家来・荒熊別の領分であるとし、三五教の宣伝をした廉で、青白い男を罪に問うていた。
青白い男は負けずに宣伝歌を歌いだす。その声に周りを取り巻いていた黒い男たちはたまらず、大地にかぶりつく。そこへまた、森林の中から宣伝歌が聞こえてきた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-06 18:49:40 OBC :rm0725
愛善世界社版:154頁 八幡書店版:第2輯 89頁 修補版: 校定版:160頁 普及版:65頁 初版: ページ備考:
001大海原(おほうなばら)()(わた)
002科戸(しなど)(かぜ)()(まは)
003常世(とこよ)(なみ)重波(しきなみ)
004()()(まま)(おも)ひきや
005筑紫島(つくしじま)なる亜弗利加(アフリカ)
006(ひろ)陸地(りくち)()きにけり
007暗世(やみよ)()らす天津(あまつ)()
008(ひかり)()びて照妙(てるたへ)
009(ころも)()てて蓑笠(みのかさ)
010身装(みなり)(あし)もいと(かる)
011崎嶇(きく)たる(やま)(のぼ)()
012ここに一条(いちでう)急潭(きふたん)
013(あや)しき(いはほ)相打(あひう)ちて
014激怒(げきど)突喊(とつかん)()(あわ)
015万斛(ばんこく)咳咤(がいだ)(そそ)いで
016怪岩(くわいがん)(おもて)()てば
017(いはほ)はその()しき(みにく)
018(おもて)(そむ)けて(みづ)狂奔(きやうほん)する
019奇絶(きぜつ)壮絶(さうぜつ)勝景(しようけい)
020谷間(たにま)小径(こみち)差懸(さしかか)
021(はる)とはいへど蒸暑(むしあつ)
022()亜弗利加(アフリカ)(やま)(おく)この山は第34巻第1章の黒姫のセリフの中で「筑紫峠」と呼ばれている。
023暫時(しばし)木蔭(こかげ)(たたず)みて
024この光景(くわうけい)三柱(みはしら)
025()さへ芽出度(めでた)宣伝使(せんでんし)
026飛瀑(ひばく)(こゑ)相俟(あひま)つて
027壮快(さうくわい)(きは)まる宣伝歌(せんでんか)
028天地(てんち)(ちり)払拭(ふつしき)
029山野(さんや)(きよ)むる(ごと)くなり。
030 三柱(みはしら)宣伝使(せんでんし)は、031この谷川(たにがは)奇勝(きしよう)(なが)め、032()出神(でのかみ)は、
033日の出神『あゝ(じつ)天下(てんか)絶景(ぜつけい)だ。034吾々(われわれ)宣伝使(せんでんし)となつて、035天下(てんか)横行(わうかう)濶歩(くわつぽ)して()たが、036(いま)(かつ)()ざる壮快(さうくわい)景色(けしき)である。037(やま)といひ、038谷川(たにがは)といひ、039(じつ)吾々(われわれ)心境(しんきやう)(あら)ふやうな心持(こころもち)がするね』
040祝姫(はふりひめ)左様(さやう)でござります。041(なが)(あひだ)(なみ)(うへ)生活(せいくわつ)(つづ)けて、042少々(せうせう)勿体(もつたい)ないこと(なが)()気味(ぎみ)になつてゐましたが、043世界(せかい)はよくしたものですな。044かう()ふやうな天下(てんか)奇勝(きしよう)()ることの出来(でき)るのも、045(まつた)(かみ)(さま)()引合(ひきあ)はせ。046(たび)()いもの、047(つら)いものと(まを)せども、048宣伝使(せんでんし)でなくては到底(たうてい)かう()絶景(ぜつけい)()ることは出来(でき)ない。049吾々(われわれ)(かみ)(さま)感謝(かんしや)(ささ)げねばなりますまい』
050面那芸(つらなぎ)『あゝ(とき)(なん)だか谷底(たにそこ)(なが)れの(おと)か、051猛獣(まうじう)(うめ)(ごゑ)か、052(ひと)(さけ)(ごゑ)か、053はつきり(わか)りませぬが(めう)(ひびき)がするではありませぬか』
054 ()出神(でのかみ)は、055()()つて(みみ)(すま)しながら、
056日の出神『はー、057如何(いか)にも(なん)だか合点(がつてん)のゆかぬ唸鳴(うな)(ごゑ)ですな。058(なん)()もあれ、059(わたくし)はその(こゑ)目標(めあて)調(しら)べて()ませう。060貴使(あなた)此処(ここ)(しばら)()つてゐて(くだ)さい』
061 二柱(ふたはしら)(くち)(そろ)へて、
062祝姫、面那芸『いや、063吾々(われわれ)()(とも)いたしませう』
064日出(ひのでの)(かみ)(しか)らば(わたくし)一歩先(ひとあしさき)(まゐ)ります。065貴下(あなた)()(かく)れに()いて()(くだ)さい。066万一(もしも)(こと)があれば合図(あひづ)(いた)しますから、067こちらが合図(あひづ)をするまで、068()()てはなりませぬぞ』
069()ひながら、070()出神(でのかみ)(たに)(ふか)(こゑ)(たづ)ねて(すす)()く。
071 ()くこと二三町(にさんちやう)(ばか)り、072此処(ここ)には見上(みあ)ぐるばかりの大岩石(だいがんせき)谷間(たにま)屹立(きつりつ)し、073五六(ごろく)(しやく)もある(だい)なる巌窟(がんくつ)が、074彼方(あちら)にも此方(こちら)にも、075天然(てんねん)穿(うが)たれあり。076(かみ)()(あか)い、077(かほ)(すみ)ほど(くろ)いやや赤銅色(あかがねいろ)()びた数多(あまた)(をとこ)が、078(はば)分厚(ぶあつ)(くちびる)(とり)(くちばし)のやうに突出(つきだ)した(やつ)数十(すうじふ)(にん)安座(あぐら)をかいて、079一人(ひとり)(いろ)蒼白(あをじろ)(すこ)しく()(わる)(をとこ)(なか)()いて(なに)(しきり)揶揄(からか)つてゐる。080()出神(でのかみ)は、081木蔭(こかげ)()(しの)ばせこの様子(やうす)()()つた。
082『やい、083貴様(きさま)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)とか、084(なん)とか()かしよつて、085この(しま)案内(あんない)()(かた)()るやうな(うた)(うた)つて(まゐ)り、086(おい)らの一族(いちぞく)滅茶(めちや)々々(めちや)にしよるのか。087此処(ここ)(なん)心得(こころえ)てをる。088勿体(もつたい)なくも常世(とこよ)(くに)常世(とこよ)神王(しんわう)(さま)()領分(りやうぶん)だぞ。089それに貴様(きさま)(おほ)きな(つら)(さげ)よつて、090この()(かは)るの、091(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)けるのと、092(おほ)きな喇叭(ラツパ)()きよつて(なん)のことだい。093もうこれ()宣伝使(せんでんし)()めて、094(おい)らの奴隷(どれい)になればよし。095ならなならぬで(これ)から成敗(せいばい)をしてやる。096返答(へんたふ)せい』
097 一人(ひとり)(をとこ)は、098(すこ)しも(くつ)せず四辺(あたり)(ひび)(こゑ)張上(はりあ)げて、
099男(小島別)(かみ)(おもて)(あら)はれて (ぜん)(あく)とを立別(たてわけ)る』
100乙、丙『こら、101しぶとい(やつ)だ。102()()かすのか。103おい、104(みな)(やつ)105石塊(いしころ)()つて()い。106此奴(こいつ)(くち)(ふさ)いでやらうぢやないか』
107『おい、108宣伝使(せんでんし)109此処(ここ)(おそ)(おほ)くも常世国(とこよのくに)(あら)はれました伊弉冊(いざなみの)(みこと)(さま)が、110常世(とこよ)神王(しんわう)といふ(えら)(かみ)(さま)()使(つか)ひになつて、111その()家来(けらい)荒熊別(あらくまわけ)といふ(ちから)(つよ)()威勢(ゐせい)(たか)(かみ)(さま)が、112()(まも)(あそ)ばす結構(けつこう)(くに)だぞ。113此処(ここ)人間(にんげん)毎日(まいにち)々々(まいにち)114(かみ)(さま)()(かげ)で、115(ひと)つも(はたら)かず無花果(いちじゆく)()()つたり、116(たちばな)や、117(だいだい)その()結構(けつこう)なものを(いただ)いて、118(あり)()(さけ)(つく)つて「()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(やみ)よ、119(やみ)(あと)には(つき)()る」と日々(にちにち)(いさ)ンで(くら)天国(てんごく)だ。120それに(なん)ぞや、121七六(しちむつ)()()劫託(ごふたく)(なら)べよつて、122立替(たてかへ)るも立別(たてわけ)るもあつたものかい。123さあ、124これから(みな)()つて此奴(こいつ)荒料理(あられうり)して()つて(しま)つてやらうかい』
125『やい、126そんな無茶(むちや)をするない。127此奴(こいつ)剛情(がうじやう)我慢(がまん)(やつ)だが、128(しか)しあの(ほそ)()から(おそ)ろしい(ひかり)()して()るぞ。129(なん)でも(てん)から()つて()(かみ)さまの化物(ばけもの)かも()れやしない。130うつかり手出(てだし)をしたら、131(ばち)(あた)るぞよ』
132()(よわ)いことを()ふな。133吾々(われわれ)伊弉諾(いざなぎの)(かみ)(さま)立派(りつぱ)氏子(うぢこ)だ。134(てん)から()つたか、135()から()いたか()らぬが、136こンなものの一疋(いつぴき)(ぐらゐ)にびくびくするない』
137 一人(ひとり)(をとこ)138(こゑ)張上(はりあ)げて、
139小島別(かみ)がこの()(あら)はれて
140(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)ける
141天地(あめつち)四方(よも)国々(くにぐに)
142(しま)八十島(やそしま)八洲国(やしまぐに)
143(をしへ)(ひら)宣伝使(せんでんし)
144(かみ)(めぐ)みも大島(おほしま)
145小島(こじま)(わけ)神司(かんつかさ)
146(まなこ)(すこ)(わる)けれど
147(なんぢ)(まなこ)(うつ)らない
148(こころ)(まなこ)日月(じつげつ)
149(ひかり)(まが)小島別(こじまわけ)
150わけも()らずに(こと)さやぐ
151(しこ)曲津(まがつ)(あつ)まれる
152(とら)(おほかみ)(おに)大蛇(をろち)
153熊襲(くまそ)(くに)(やま)(おく)
154山路(やまぢ)()けて(すす)()
155われは(なんぢ)(たす)(がみ)
156()常暗(とこやみ)熊襲国(くまそぐに)
157(のこ)(くま)なく()らさむと
158(あや)高天(たかま)立出(たちい)でて
159(こころ)のたけの建日別(たけひわけ)
160(かみ)(みこと)(あら)はれて
161この国魂(くにたま)天津(あまつ)()
162(かみ)(みこと)のよさしなり
163(かみ)(みこと)のよさしなり
164(あら)ぶる(かみ)醜人(しこびと)
165(ぜん)(あく)とを立別(たてわけ)
166(まこと)(かみ)神勅(みことのり)
167(うた)(はじ)むるや、168一同(いちどう)(みみ)(ふさ)ぎ、169()()ぢ、
170一同『やあ、171こいつは(たま)らぬ』
172大地(だいち)にかぶりつく。173この(とき)またもや、174森林(しんりん)(なか)より宣伝歌(せんでんか)(きこ)えきたりぬ。
175大正一一・二・一 旧一・五 外山豊二録)
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