霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三四章 (とき)氏神(うぢがみ)〔三三四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻 篇:第7篇 日出神 よみ(新仮名遣い):ひのでのかみ
章:第34章 時の氏神 よみ(新仮名遣い):ときのうじがみ 通し章番号:334
口述日:1922(大正11)年02月01日(旧01月05日) 口述場所: 筆録者:高木鉄男 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月31日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
日の出神は二人の宣伝使を伴って、数万の群集を押し分けて進んでいく。人々は、日の出神の姿がみすぼらしいのに引き換え、その声に威厳がある様を見て噂をしあっている。
日の出神が八島別の館の門前で名乗ると、門番はすぐさま門を開け、日の出神に助けを乞うた。中では酔っ払った虎転別が大暴れしてたいへんなことになっている、という。
八尋殿の中央に、虎転別は真っ裸となって胡坐をかき、仁王のように拳を振り上げていた。そこへ日の出神が鎮魂の姿勢を取ってウンと一声叫ぶと、虎転別は木像のように身体硬直してしまった。
八島別は奥から乱れた髪を直しながら出てきて、日の出神に挨拶した。日の出神は硬直した虎転別を見て、立派な木像だ、とからかっている。
八島別は、同じく硬直している虎転別の部下たちとともに、木像を壊すなり砕くなり、何なりとしてください、とまたからかう。
涙を流し始めた虎転別に、日の出神は諸刃の剣を抜いて目の前に突きつけた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-06 19:16:30 OBC :rm0734
愛善世界社版:210頁 八幡書店版:第2輯 109頁 修補版: 校定版:215頁 普及版:89頁 初版: ページ備考:
001 ()出神(でのかみ)二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)(ともな)ひ、002数万(すうまん)群集(ぐんしふ)押分(おしわ)けて、003(また)もや宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら人波(ひとなみ)()けて(すす)()く。004群集(ぐんしふ)(さん)(にん)姿(すがた)()口々(くちぐち)(ささや)()ふ。
005(かふ)『オイ、006八島別(やしまわけ)とか()ふ、007(てん)から()つた(やう)(えら)(ちから)(つよ)(かみ)さまが、008この()(くに)(くだ)つて()たと(おも)へば、009(また)もや(めう)姿(すがた)をした(かみ)さまが()つて()たぞ、010一寸(ちよつと)()(ところ)見窄(みすぼ)らしいが、011アノ(こゑ)()くと(おい)()()ンとなく(おそ)ろしくつて身体(からだ)(ちぢ)(あが)るやうだ。012一人(ひとり)でさへも()(くに)人間(にんげん)持余(もてあま)して(おそ)()つてゐるのに、013(さん)(にん)()つて()るとはコラまたどうしたものだい』
014(おつ)心配(しんぱい)するな、015天道(てんどう)(ひと)(ころ)さずと()(こと)があるよ』
016(へい)(おつ)017貴様(きさま)天道(てんだう)天道(てんだう)一体(いつたい)ソラ()ンだい、018テンと(わか)らぬではないか。019(ひと)(あと)をつけて()つたら如何(どう)だらうか』
020(かふ)『それもさうだな。021素知(そし)らぬ(かほ)にて何処(どこ)()きよるか、022()いて()つてやらうよ』
023 ここに(さん)(にん)宣伝使(せんでんし)(あと)に、024()えつ(かく)れつ()いて()く。025()出神(でのかみ)(やかた)門前(もんぜん)立止(たちど)まり、
026日の出神(われ)こそは黄金山(わうごんざん)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)()出神(でのかみ)一行(いつかう)なり。027この(もん)(すみや)かに()けられよ』
028(よば)はれば、029門番(もんばん)は『ハイ』と(こた)へて(ただ)ちに(もん)左右(さいう)(ひら)きぬ。
030日の出神()苦労(くらう)でござる。031八島別(やしまわけ)在館(ざいくわん)か』
032門番(もんばん)『ハイ、033()らつしやいます。034貴下(あなた)(おと)名高(なだか)き、035()出神(でのかみ)(さま)でありましたか、036()(ところ)()(くだ)さいました。037(おく)大変(たいへん)でございます』
038日の出神大変(たいへん)とは()ンだ』
039門番大変(たいへん)大変(たいへん)040さつぱり天地(てんち)がヒツクリ(かへ)るやうな、041(やかた)(うち)大騒動(おほさうどう)がオツ(ぱじ)まりました。042虎転別(とらてんわけ)()ふこの(くに)(えら)大将(たいしやう)が、043何時(いつ)八島別(やしまわけ)さまに(むか)つて、044()()味噌(みそ)につけ小言(こごと)(まを)すなり、045反対(はんたい)(いた)すなり、046それはそれは大変(たいへん)(わる)(やつ)御座(ござ)いますが、047たつた(いま)無理(むり)にこの(もん)(ひら)かして、048(おく)四五(しご)(にん)家来(けらい)(つれ)(すす)ンでゆきました。049さうして結構(けつこう)(さけ)(くら)()つた揚句(あげく)は、050そこら(ぢう)()れて()れて荒廻(あれまは)し、051()(たた)(やぶ)るやら敷物(しきもの)引裂(ひきさ)くやら、052(をんな)(れん)とつ(つか)まへてキヤアキヤア()はすやら、053(しま)ひには八島別(やしまわけ)さまをとつ(つか)まへて、054(おほ)きな(にぎ)(こぶし)拳骨(げんこつ)(くら)はすやら、055それはそれは(えら)乱暴(らんばう)056門番(もんばん)(わたくし)もあまりの(こと)(はら)()ち、057疳癪玉(かんしやくだま)舞上(まひあが)つて、058(むね)のあたりにぐつ(つま)つてしまひました。059それに八島別(やしまわけ)さまは、060虎転別(とらてんわけ)支度(したい)ままに()して、061拳骨(げんこつ)まで(くら)はされても(ちつと)抵抗(ていかう)なさらぬので、062段々(だんだん)()(あが)り、063()るに()られぬ乱暴(らんばう)狼藉(ろうぜき)064(わたくし)ザザヽヽヽヽ残念(ざんねん)(たま)りませぬ。065何卒(どうぞ)貴下(あなた)()出神(でのかみ)さまなら、066(いち)()(はや)虎転別(とらてんわけ)をふン(じば)つて、067(かたき)()つて(くだ)さい、068()(たの)みです』
069()(あは)して(をが)む。070()出神(でのかみ)(また)もや宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら、071悠然(いうぜん)として奥深(おくふか)(すす)()く。072一行(いつかう)姿(すがた)()るより、073(さん)(にん)(わか)美人(びじん)(そで)()(すが)り、
074美人(いづ)れの()(かた)かは()りませぬが、075よくまあ()(くだ)さいました。076(おく)大変(たいへん)でございます』
077各々(おのおの)涙声(なみだごゑ)にて(うつた)ふる。078(さん)(にん)(かる)打頷(うちうなづ)きながら、079(をんな)(あと)()うて、080奥深(おくふか)(すす)()る。
081 八尋殿(やひろどの)中央(ちうあう)に、082虎転別(とらてんわけ)真裸(まつぱだか)となり安座(あぐら)をかき、083仁王(にわう)(ごと)(こぶし)頭上(づじやう)(たか)振上(ふりあ)(まなこ)(いか)らし()る。084()出神(でのかみ)鎮魂(ちんこん)姿勢(しせい)()つて、085ウンと一声(ひとこゑ)(さけ)(たま)へば、086虎転別(とらてんわけ)如何(いか)にしけむ、087(うで)振上(ふりあ)げたまま木像(もくざう)(ごと)くに、088身体(しんたい)硬直(かうちよく)して、089ビクとも(うご)けず、090ただ両眼(りやうがん)のみギロギロと廻転(くわいてん)さすのみなり。091奥殿(おくでん)よりは八島別(やしまわけ)092(みだ)れたる(かみ)()()げながら、093静々(しづしづ)()(きた)り、094()出神(でのかみ)一行(いつかう)(むか)ひ、095慇懃(いんぎん)挨拶(あいさつ)()べたるに、096()出神(でのかみ)叮嚀(ていねい)答礼(たふれい)八島別(やしまわけ)(むか)つて、
097日の出神貴下(あなた)(うち)には見事(みごと)木像(もくざう)がありますな。098何処(どこ)からお(もと)めになりましたか。099なかなか立派(りつぱ)細工(さいく)ですネ、100ほとんど虎転別(とらてんわけ)生写(いきうつ)し、101よくも(きざ)むだものですなあ』
102 八島別(やしまわけ)はフト()()(かたはら)()れば(いま)まで()(くる)()たりし虎転別(とらてんわけ)は、103(うで)振上(ふりあ)げたまま(かた)まり()るを()て、104八島別(やしまわけ)微笑(ほほえ)みながら、
105八島別『イヤ、106これは左程(さほど)貴重(きちよう)なものではありませぬ、107ホンの仕入(しいれ)細工(ざいく)のヤクザ(もの)108貴下(あなた)御意(ぎよい)()しますなら、109()土産(みやげ)進上(しんじやう)いたします。110貴下(あなた)(たた)きなりと、111(くづ)しなりと、112(くだ)くなりと()勝手(かつて)()さいませ』
113日の出神『それなら頂戴(ちやうだい)(いた)しませう。114(もら)つた(うへ)(わたくし)(もの)115しかし木像(もくざう)奇妙(きめう)目玉(めだま)(うご)きますね。116()(ばか)りギロギロと(うご)いて()るのは()つともない。117こンな怪体(けつたい)()(ゑぐ)()して(うご)かぬ(ひん)のよい()()()へてもよろしいか』
118八島別『さあさあ、119貴下(あなた)()自由(じいう)に』
120 ()(にん)供人(ともびと)()れまた恐怖心(きようふしん)()られて、121(おな)じく平太張(へたば)つたまま、122カチカチになつてゐる。
123日出(ひのでの)(かみ)『いやここにも乾児(こぶん)がをりますねー。124これも一緒(いつしよ)頂戴(ちやうだい)いたしませうか』
125八島別(やしまわけ)『さあさあ、126()(やす)(こと)
127 虎転別(とらてんわけ)(こころ)(こころ)ならず、128如何(いかが)()()(こと)ならむと(むね)(をど)らせたるが、129(つひ)には、130(なみだ)をポロリポロリと(こぼ)()したりける。
131日出(ひのでの)(かみ)『やあ、132縁起(えんぎ)(わる)い、133(なみだ)(こぼ)しかけました。134()()つて仕舞(しま)ひませうか』
135()(なが)ら、136両刃(もろは)(つるぎ)をスラリと()いて、137虎転別(とらてんわけ)()(まへ)突付(つきつ)けたまひける。
138大正一一・二・一 旧一・五 高木鉄男録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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