第三五章 木像に説教〔三三五〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
篇:第7篇 日出神
よみ(新仮名遣い):ひのでのかみ
章:第35章 木像に説教
よみ(新仮名遣い):もくぞうにせっきょう
通し章番号:335
口述日:1922(大正11)年02月01日(旧01月05日)
口述場所:
筆録者:桜井重雄
校正日:
校正場所:
初版発行日:1922(大正11)年5月31日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:日の出神は、木像の眼をくりぬいてやろう、というと、虎転別は目玉を回転させはじめた。また日の出神は祝詞を唱えて宣伝歌を歌うと、木像の虎転別は、両眼から涙を滝のように流し始めた。
日の出神は虎転別に、本心に立ち返り悔改めるよう諭す歌を歌った。虎転別はますます涙をこぼした。日の出神は数歌を歌うと、たちまち虎転別は元の自由の体に戻った。
たちまち虎転別は日の出神に飛びかかろうとしたが、その刹那、再び身体は強直してまたしても木像のようになってしまった。
日の出神が数歌を歌うと、またもとの自由の体に戻った。ついに虎転別は降参し、改心を申し入れることになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:2020-05-09 19:37:47
OBC :rm0735
愛善世界社版:215頁
八幡書店版:第2輯 111頁
修補版:
校定版:221頁
普及版:91頁
初版:
ページ備考:
001 日の出神は一同に向ひ、
002日の出神『何れもこの場にあつまり給へ。003今某がこの木像の眼を刳り抜いてお目にかけむ』
004との一言を聞くより、005木像はますます烈しく眼玉を廻転し初めたり。006木像の前には、007八島別、008春姫、009夏姫、010秋姫を始め、011日の出神、012面那芸、013祝姫その他十数人の佳人がズラリと列びけり。
014 日の出神は木像に向ひ、
015日の出神『えゝ皆の方々、016これより此の木像に一つお嫌ひな祝詞を唱へて進ぜませう。017序に木像さまのお嫌ひな宣伝歌を歌ひませう。018皆さま、019私について合唱して下さい』
020と言ひながら、021天津祝詞を奏上し、022宣伝歌を各々口を揃へて歌ひ終れば、023五体の木像は両眼より涙を滝の如く流し居たり。
024 ここに日の出神は、025木像様のお経だと言ひつつ歌を歌ひ、026祝姫を始め春姫、027夏姫、028秋姫をして歌につれて踊らしめける。
029日出神『虎狼の吼え猛る 030熊襲の国の国境
031肥の国都に名も高き
033力が余つて瘤だらけ 034お酒が好きで酔ひ潰れ
035酔うた揚句は鉢を破り 036戸を蹴破つて荒れ狂ひ
037乱暴極まるお振舞
043上つた報いは忽ちに
045嫌ひな嫌ひな宣伝歌 046ま一つ嫌ひな太祝詞
047手向けて上げたら眼に涙
051荒い心を立替へて
053肥の国人を懇ろに 054治めてやれよ虎転別よ
056お前を憎いと思はない
058御子と生れた兄弟よ
059天にも地にも世の中に
061善と悪とを立別る
063只何事も人の世は 064直日に見直し聞き直す
065神の教の宣伝使 066少しは心を柔げよ
067片意地張るとこの通り
069二進も三進も動けまい 070神の教を聞き分けて
071誠の心に立ち帰れ
074と歌ひたまへば、075木像はますます涙を零し出しける。
076 日の出神は涼しき声を張りあげて、
077日の出神『一二三四五六七八九十百千万』
078と神文を唱へたるに、079虎転別の木像は俄にグニヤグニヤとなつて旧の自由の身体に復したり。080忽ち虎転別は日の出神に向つて飛び附いたまま、081又もや拳骨を振り上げてポカンと打ちかかる刹那、082再び身体は強直してまた木像の如くなりにける。
083日出神『あなたの家には、084妙な木像がありますな。085時々暴れますのか、086よう腕を振り上げる木像ですな』
087八島別『ハイハイ、088最前も最前とて、089よく振り上げましたよ。090実に面白い人形ですワ』
091 日の出神は又もや一二三四の神歌を歌ふ。092木像はまた旧の通り身体自由に復したり。
093虎転別『いや、094どうも恐れ入りました。095何卒許して下さい。096今日限り改心をいたします』
097と男泣きに泣き立てける。
098 一同は顔見合はせてニヤリと笑ふ。099虎転別の今後は如何なるならむか。