霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 波濤(はたう)(ゆめ)〔七三三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第24巻 如意宝珠 亥の巻 篇:第1篇 流転の涙 よみ:るてんのなみだ
章:第3章 第24巻 よみ:はとうのゆめ 通し章番号:733
口述日:1922(大正11)年06月14日(旧05月19日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年5月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
小糸姫は二人の島人に舟を漕がせて、友彦から逃げ出した。しかし舟が大海原に来ると、二人の島人は小糸姫に襲いかかろうとする。
小糸姫は逃げ回るが、捕まってしまいあわやというところへ、四人の女が乗った一艘の船が疾走して来た。船から一人の女が乗り込んで来て、島人に当て身を食わして小糸姫を助けた。
小糸姫を助けてくれた女は、よくよく見れば、顕恩郷の侍女・今子姫であった。今子姫は小糸姫に両親のところへ帰るように諭すが、小糸姫はどうしても竜宮の一つ島に渡るのだ、と言う。
今子姫は、小糸姫が出奔した後に顕恩郷は三五教に奪い返され、鬼雲彦や鬼熊別もどこかへ逃げてしまったことを告げた。そして自分は今は素盞嗚尊の娘に仕えており、バラモン教と闘って破れ、この船で流されたところだと経緯を物語った。
小糸姫はそれを聞いて、今子姫をバラモン教の裏切り者として身構えるが、四対一で今は敵わないことを悟り、降参の覚悟を決めた。
今子姫は二人の島人に活を入れて起こした。小糸姫は二人に対して、自分はこれから三五教の宣伝使になると宣言し、駄賃を上げてセイロン島に返した。小糸姫は今子姫らの船に乗り込んだ。
五人は船を漕いでオーストラリヤの一つ島に上陸した。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm2403
愛善世界社版:45頁 八幡書店版:第4輯 627頁 修補版: 校定版:46頁 普及版:21頁 初版: ページ備考:
001 野卑(やひ)下劣(げれつ)なる友彦(ともひこ)態度(たいど)にぞつ(コン)愛想(あいさう)をつかし、002ぞぞがみ()蛇蝎(だかつ)(ごと)()(おそ)れたるセイロン(たう)女王(ぢよわう)小糸姫(こいとひめ)は、003友彦(ともひこ)大酒(おほざけ)()(つぶ)前後(ぜんご)不覚(ふかく)になつた(すき)(うかが)三行半(みくだりはん)(あと)(のこ)し、004黄金(こがね)腹巻(はらまき)にどつさりと(おも)(ほど)締込(しめこ)錫蘭(シロ)(みなと)より、005(くろ)(ぼう)チヤンキー、006モンキーの二人(ふたり)(ふね)(あやつ)らせ、007(つき)()(わた)海原(うなばら)(ちから)(かぎ)りに(すべ)()く。
008 天上(てんじやう)には浄玻璃(じやうはり)(かがみ)(おごそ)かに(かか)り、009大地(だいち)水陸(すゐりく)森羅万象(しんらばんしやう)(うつ)して()る。010小糸姫(こいとひめ)(いま)()(この)(ふね)も、011矢張(やは)(つき)(おも)にかかつた天然画中(てんねんぐわちう)のものであらう。012小糸姫(こいとひめ)(やうや)虎口(ここう)(のが)れホツと一息(ひといき)つきながら独言(ひとりごと)………。
013『アヽ(わたし)(ほど)(つみ)(ふか)(もの)()()らうか。014(やま)より(たか)(ちち)(おん)015(うみ)より(ふか)(はは)(おん)016(おん)(あま)え、017(おや)(こころ)()()らずの(たとへ)()れず、018(ひと)()らうに、019万人(ばんにん)()(もつ)蛇蝎(だかつ)(ごと)()(きら)友彦(ともひこ)のやうな下劣(げれつ)(をとこ)に、020()うして(わたし)(まよ)つたであらうか。021(われ)(わが)()(あや)しくなつて()た。022執念深(しふねんぶか)(をとこ)(つね)として、023(さぞ)今頃(いまごろ)(ゑひ)()め、024四辺(あたり)をキヨロキヨロ見廻(みまは)し、025(わが)(のこ)せし手紙(てがみ)()てアツト(こし)()かし、026(れい)いかい()()()し、027(さぞ)(さぞ)028(はら)()てて()るだらう。029(おも)へば可憐(かはい)さうな(やう)でもあり、030小気味(こぎみ)がよいやうにもある。031(わたし)(こころ)(おに)(じや)(かみ)(ほとけ)か、032(われ)()(こころ)()()ねる。033それにしてもあの友彦(ともひこ)()(をとこ)034(かね)さへあれば(あさ)から(ばん)まで()(たふ)し、035(からだ)(くだ)(たましひ)(くさ)らせ、036(ほとん)人間(にんげん)としての資格(しかく)最早(もはや)ゼロになつて仕舞(しま)つた(ところ)だから、037今度(こんど)(おどろ)きで(ちつ)とは性念(しやうねん)(なほ)るであらう。038真人間(まにんげん)にさへなつて()れたならば、039(わたし)とても(べつ)(にく)みはせぬ。040あの(をとこ)一片(いつぺん)良心(りやうしん)(ひかり)があれば、041キツト(こころ)()(なほ)し、042立派(りつぱ)人間(にんげん)になるであらう。043さすれば(いま)見捨(みす)てて()()(わたし)非常(ひじやう)手段(しゆだん)も、044あの(をとこ)(ため)には(かへ)つて幸福(かうふく)(たね)045(くさ)つた(たましひ)(きよ)まり、046(さけ)(くだ)けた肉体(にくたい)(また)(もと)(ごと)(すこや)かになり、047神界(しんかい)(ため)048社会(しやくわい)のために、049活動(くわつどう)するだけの神力(しんりき)(そな)はるであらう………友彦(ともひこ)殿(どの)050(わたし)書置(かきおき)()(さぞ)憤慨(ふんがい)して()るであらう。051(しか)(なが)(これ)(わたし)御身(おんみ)(たい)する(めぐみ)(むち)だと(おも)つて、052有難(ありがた)感謝(かんしや)するがよいぞや。053(かなら)(かなら)(まよ)うてはならないよ。054()(なべ)()(ぶた)055それ相当(さうたう)(をんな)()つけ()して夫婦(ふうふ)(なか)よく(くら)しやんせ。056提灯(ちやうちん)釣鐘(つりがね)057()(あは)ぬは不縁(ふえん)(もと)()(こと)(むかし)からの金言(きんげん)友彦(ともひこ)守護神(しゆごじん)殿(どの)058肉体(にくたい)059いざさらば(これ)にて万劫末代(まんごまつだい)(わか)(いた)します』
060(あご)をしやくり、061(かたはら)(ひと)()(ごと)横柄(わうへい)なスタイルにて(しやべ)()てて()る。062無心(むしん)(つき)浄玻璃(じやうはり)(かがみ)(ごと)真澄(ますみ)(そら)(ゆる)やかに(かか)り、063小糸姫(こいとひめ)船中(せんちう)のモノログを(ゆか)しげに見詰(みつ)めて()いて()るものの(ごと)くに(おも)はれた。064チヤンキー、065モンキーの二人(ふたり)大海原(おほうなばら)真中(まんなか)(うか)()たのを(さいは)ひ、066()()見合(みあは)せ、067そろそろ(かた)(そび)やかせながら(からだ)(まで)四角(しかく)にして、068機械(きかい)人形(にんぎやう)(やう)小糸姫(こいとひめ)両脇(りやうわき)にチヨコナンと(すわ)り、
069(なん)今日(けふ)のお月様(つきさま)は、070まんまるい綺麗(きれい)なお(かほ)ぢやないか。071(まる)小糸姫(こいとひめ)女王(ぢよわう)のやうな、072玲瓏(れいろう)たる容色(ようしよく)073(そら)(あふ)げば如意宝珠(によいほつしゆ)(ごと)月光如来(げつくわうによらい)074船中(せんちう)(なが)むれば(ゆき)(あざむ)純白(じゆんぱく)光明女来(くわうみやうによらい)御出現(ごしゆつげん)075俺達(おれたち)(をとこ)(うま)れた(うへ)は、076(ひと)(この)(やう)美人(びじん)握手(あくしゆ)をしたいものだなア、077アハヽヽヽ』
078(つく)つたやうな(わら)(ごゑ)()す。
079『オイ、080チヤン、081(くすぐ)つたいやうな遠廻(とほまは)しにかけて(なに)()ふのだ。082一里(いちり)二里(にり)ならまだしもだが、083大空(おほぞら)のお(つき)さま(まで)引張(ひつぱ)()しやがつて、084そんな(まは)(とほ)(こと)(いま)()には流行(りうかう)せないぞ。085何事(なにごと)簡単(かんたん)敏捷(びんせう)(たつと)()(なか)だ。086海底(うなそこ)にも(この)(とほ)立派(りつぱ)(つき)(なみ)のまにまに(ただよ)うて()る。087(つき)(うへ)(わた)(この)(ふね)は、088天人(てんにん)()つた(あま)鳥船(とりふね)同様(どうやう)だ。089これ()よ………(うみ)(そこ)には幾十万(いくじふまん)とも()れぬ(ほし)(かげ)090(つき)(つき)091(ほし)(ほし)とに(つつ)まれた(この)大空(おほぞら)仮令(たとへ)俺達(おれたち)(いろ)(くろ)いと()うても、092(くちびる)(あつ)いと()うても、093最早(もはや)(この)(とほ)天上(てんじやう)(かけ)(やう)になつたのだから、094顕恩郷(けんおんきやう)のお(ひめ)(さま)(なに)遠慮(ゑんりよ)する(こと)があるものかい。095(わづ)十六歳(じふろくさい)繊弱(かよわ)(をんな)096(この)(とほ)頑丈(ぐわんぢやう)(てつ)のやうな(かた)(うで)をした我々(われわれ)自由(じいう)にならぬ道理(だうり)があるか。097際限(さいげん)()(この)海原(うなばら)098何一(なにひと)(たの)しみなくして()うして(これ)(つと)まらう。099………これ小糸姫(こいとひめ)さま、100(まへ)家来(けらい)だと()うて()れて()つた友彦(ともひこ)鼻曲(はなまが)りや、101出歯亀(でばがめ)(くら)ぶれば幾層倍(いくそうばい)立派(りつぱ)だか()れやしまい。102(いろ)(くろ)うても浅漬(あさづけ)茄子(なすび)103()うだ(ひと)妥協(だけふ)をやらうではないか』
104『ホヽヽヽヽ、105これ二人(ふたり)(くろ)(ばう)さま、106冗談(じようだん)()ふにも(ほど)がある。107(をんな)だと(おも)うて無礼(ぶれい)(こと)をなさると了見(りやうけん)はせぬぞエ』
108『アハヽヽヽ、109見事(みごと)()ふだけの(こと)仰有(おつしや)りますワイ。110まさかの(とき)になれば言論(げんろん)よりも実力(じつりよく)()()(なか)だ。111もうかうなつちや(この)(はう)自由自在(じいうじざい)112何事(なにごと)因縁(いんねん)ぢやと(あきら)めて我々(われわれ)要求(えうきう)全部(ぜんぶ)()れるがお(まへ)さまの()(ため)だ。113可憐(かはい)さうに、114あれ(ほど)(こが)れて()つた友彦(ともひこ)(さけ)()まして酔潰(ゑひつぶ)し、115(その)()にすつかり路銀(ろぎん)(はら)()き、116()()すと()(だい)それた(とし)にも似合(にあ)はぬ豪胆者(がうたんもの)117(あと)(のこ)つた友彦(ともひこ)は………(わづ)肩揚(かたあげ)()れた(ばか)りの小娘(こむすめ)三十男(さんじふをとこ)馬鹿(ばか)にされ、118どうして世間(せけん)顔出(かほだ)しがなるものか、119「エヽ残念(ざんねん)口惜(くちをし)や、120仮令(たとへ)千尋(ちひろ)(うみ)(そこ)(まで)小糸(こいと)(あと)(たづ)ねて、121(うら)みを()はねば()んでも()ねぬ」………と(うら)んだ(をとこ)(たましひ)結晶(けつしやう)して副守護神(ふくしゆごじん)となり我々(われわれ)両人(りやうにん)にすつかり憑依(のりうつ)つたのだ、122因縁(いんねん)()ふものは(おそ)ろしいものだらう。123かう(まを)言葉(ことば)(けつ)して(くろ)(ばう)()ふのではない、124友彦(ともひこ)霊魂(みたま)(くち)()つて()うて()るのだ。125さア返答(へんたふ)如何(どう)だ』
126形相(ぎやうさう)(すさま)じく肩肱(かたひぢ)(いか)らせ汗臭(あせくさ)(からだ)両方(りやうはう)から詰寄(つめよ)せて()る。
127『ホヽヽヽヽ、128これこれ(くろ)(ばう)さま、129(なん)ぢやお(まへ)は、130卑怯(ひけふ)千万(せんばん)な、131友彦(ともひこ)霊魂(れいこん)だなぞと……なぜ(くろ)(ばう)のチヤンキー、132モンキーが女王(ぢよわう)さまに()れましたと、133キツパリ()はぬのだい』
134『ヤア(わり)とは(ひら)けた女王様(ぢよわうさま)だ。135それも(その)(はず)十五(じふご)やそこらで(おほ)きな(をとこ)翻弄(ほんろう)故郷(こきやう)()()すやうな阿婆摺(あばず)(をんな)だから、136(その)(くらゐ)度胸(どきよう)()りさうなものだ。137そんなら小糸姫(こいとひめ)さま、138(あらた)めて私等(わたしら)二人(ふたり)は、139(まへ)さまに(こころ)(そこ)から、140スヰートハートをして()るのだ。141(あま)(にく)うもありますまい』
142『ホヽヽヽヽ、143あゝさうですかいな。144それ(ほど)(わたし)御執着(ごしふちやく)ですかな。145矢張(やつぱり)天下無双(てんかむさう)のナイスでせう』
146『ナイスは()はぬでも(わか)つて()る。147()うだ、148吾々(われわれ)両人(りやうにん)思召(おぼしめし)()いて(くだ)さるのか』
149(わたし)(つんぼ)ぢやありませぬよ。150最前(さいぜん)から一言(ひとこと)(のこ)らず()いて()るぢやありませぬか』
151『ソンナ()きやうとは(ちが)ひますワイ。152(えう)するに、153吾々(われわれ)要求(えうきう)()れて(くだ)さるかと()ふのだ』
154『アタ阿呆(あはう)らしい、155(たれ)炭団玉(たどんだま)のやうな(くろ)(をとこ)秋波(しうは)(おく)りますか、156(からす)芝居(しばゐ)だと(おも)つて、157最前(さいぜん)から、158面白(おもしろ)可笑(をか)しう観覧(くわんらん)して()るのだよ』
159『コラ阿魔女(あまつちよ)……かう()えても(おれ)(をとこ)だぞ。160(をんな)(くせ)に、161裸一貫(はだかいつくわん)大男(おほをとこ)嘲弄(てうろう)するのか』
162何程(なにほど)胴殻(どうがら)(おほ)きうても、163(まへ)(きも)(あま)(ちひ)さいから、164サツク(まで)矢張(やつぱり)(ちひ)さく()えて仕方(しかた)がないワ』
165何処迄(どこまで)吾々(われわれ)馬鹿(ばか)にするのだな。166よしよし、167この(ふね)何処(どこ)へやらうと俺達(おれたち)勝手(かつて)だから、168往生(わうじやう)する(ところ)(まで)(くる)しめてやるからさう(おも)へ』
169(おな)(ふね)()つた以上(いじやう)は、170(わたし)(くる)しい(とき)矢張(やつぱり)(まへ)(くる)しいのだ。171(わたし)はかうしてお(きやく)さまだから()(つか)ねて()()るが、172前達(まへたち)労働(らうどう)せなくては一日(いちにち)()れない身分(みぶん)だ。173常世(とこよ)(くに)(はて)(まで)なりと勝手(かつて)()いで()つたがよからう。174(わたし)(この)広々(ひろびろ)とした(この)海面(かいめん)天国(てんごく)のやうに(おも)うて、175仮令(たとへ)三年(さんねん)でも十年(じふねん)でも(ただよ)うて()るのが()きなのだ』
176(なん)豪胆(がうたん)(をんな)だな。177流石(さすが)鬼熊別(おにくまわけ)()(なが)れを()けた(だけ)あつて、178どことはなしに(ちが)つた(ところ)があるワイ。179なア、180モンキー、181用心(ようじん)せぬと此奴(こいつ)化物(ばけもの)()れないぞ。182何程(なにほど)胆力(たんりよく)があると()うても十五(じふご)十六(じふろく)(これ)だけ(どう)()わる(はず)がない。183三五教(あななひけう)守護(しゆご)(いた)して()高倉(たかくら)(あさひ)化身(けしん)かも()れない。184………オイ一寸(ちよつと)(しり)をあげて()い。185尻尾(しつぽ)でも()げて()やがりやせぬか』
186小糸姫(こいとひめ)背部(はいぶ)一生懸命(いつしやうけんめい)見詰(みつ)めながら、
187矢張(やつぱり)此奴(こいつ)正真正銘(しやうしんしやうめい)小糸姫(こいとひめ)だ。188………オイ、189モンキー(いよいよ)(これ)から不言実行(ふげんじつかう)だ』
190『ヨシ合点(がつてん)だ』
191とモンキーは(まへ)より、192チヤンキーは(うしろ)より小糸姫(こいとひめ)武者振(むしやぶ)りつき、193手籠(てごめ)にせむと()(かか)るを小糸姫(こいとひめ)(みぎ)(ひだり)にぬるりぬるりと()(かは)し、194(しば)()()()たりしが、195強力(がうりき)なる二人(ふたり)(をとこ)()(おさ)へられ「キヤツ」と(さけ)(をり)しも、196四人(よにん)()つた一艘(いつそう)(ふね)197(この)()(なみ)()つて疾走(しつそう)(きた)り、198一人(ひとり)(をんな)二人(ふたり)(をとこ)当身(あてみ)()はしたれば、199二人(ふたり)(もろ)くも(ふね)(なか)にウンと()つたきり(だい)()になり()(たふ)れける。
200 小糸姫(こいとひめ)(おも)はぬ(たす)(ぶね)のために危難(きなん)(すく)はれ、201一人(ひとり)(をんな)(むか)ひ、
202(あやふ)(ところ)をお(すく)(くだ)さいまして有難(ありがた)御座(ござ)います』
203月夜(つきよ)()かし()て、
204貴女(あなた)今子姫(いまこひめ)(さま)205()うしてまア斯様(かやう)(ところ)御入来(おいで)(あそ)ばしました』
206()かれて今子姫(いまこひめ)(おどろ)き、
207『さう()貴女(あなた)顕恩郷(けんおんきやう)副棟梁(ふくとうりやう)(さま)のお娘子(むすめご)208小糸姫(こいとひめ)(さま)では御座(ござ)いませぬか。209去年(きよねん)(はる)210友彦(ともひこ)宣伝使(せんでんし)()()()つて何処(いづく)へかお()(あそ)ばし、211御両親(ごりやうしん)のお(なげ)きは一通(ひととほ)りでは御座(ござ)いませぬ。212(そば)()()もお()(どく)(たま)りませなんだ。213さア貴女(あなた)一日(いちにち)(はや)くお(かへ)(あそ)ばして、214御両親(ごりやうしん)御安心(ごあんしん)おさせ(あそ)ばすが(よろ)しからう』
215『イエイエ()うあつても(わたし)竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)(まゐ)らねばなりませぬ。216(すこ)様子(やうす)あつて友彦(ともひこ)(わか)れ、217(いま)渡海(とかい)途中(とちう)御座(ござ)います。218顕恩郷(けんおんきやう)本山(ほんざん)益々(ますます)隆盛(りうせい)御座(ござ)いますか』
219(わたし)三五教(あななひけう)大神(おほかみ)220素盞嗚尊(すさのをのみこと)(さま)御娘子(おむすめご)五十子姫(いそこひめ)(さま)侍女(じぢよ)となり、221三五教(あななひけう)信者(しんじや)御座(ござ)いましたが、222鬼雲彦(おにくもひこ)(さま)や、223貴女(あなた)御両親(ごりやうしん)改心(かいしん)して(いただ)かうと、224種々(いろいろ)(こころ)(くだ)きましたなれど()うしても駄目(だめ)225とうとう(あめ)太玉命(ふとだまのみこと)宣伝使(せんでんし)御入来(おいで)になり、226鬼雲彦(おにくもひこ)(はじ)め、227御両親(ごりやうしん)何処(どこ)へか()(かく)され、228顕恩郷(けんおんきやう)(いま)三五教(あななひけう)霊場(れいぢやう)となつて()ります。229そして(わたし)五十子姫(いそこひめ)(さま)230梅子姫(うめこひめ)(さま)宣伝(せんでん)途中(とちう)231片彦(かたひこ)232釘彦(くぎひこ)()部下(ぶか)(ため)(とら)へられ、233(この)(ふね)()せて(なが)されました途中(とちう)御座(ござ)います』
234()いて小糸姫(こいとひめ)(おほ)いに(おどろ)き、
235『さすれば貴女(あなた)三五教(あななひけう)寝返(ねがへ)りを()つた謀反人(むほんにん)236鬼雲彦(おにくもひこ)(さま)(はじ)め、237(わたし)両親(りやうしん)(かたき)同様(どうやう)238サア(この)(うへ)覚悟(かくご)をなされ』
239懐剣(くわいけん)をスラリと()いて()(かか)らうとする。240五十子姫(いそこひめ)241梅子姫(うめこひめ)242宇豆姫(うづひめ)は、243()()(ふね)(うへ)より、244(さわ)がず(あせ)らず端然(たんぜん)として(この)光景(くわうけい)()看守(みまも)つて()る。245今子姫(いまこひめ)言葉(ことば)(しと)やかに、
246『マアマアお(しづ)まり(あそ)ばせ。247何程(なにほど)貴女(あなた)がお焦慮(いらち)なさつても、248(この)(とほ)此方(こちら)四人(よにん)(をんな)249貴女(あなた)一人(ひとり)250到底(たうてい)駄目(だめ)ですよ。251それより貴女(あなた)度胸(どきよう)活用(くわつよう)し、252竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)(わた)りお(みち)宣伝(せんでん)開始(かいし)なさつたら()うでせう。253(わたし)もお(ちから)になりまする』
254 小糸姫(こいとひめ)勝敗(しようはい)(すう)(すで)(けつ)せりと覚悟(かくご)()め、
255世界(せかい)(みな)神様(かみさま)のお(つく)(あそ)ばしたもの、256()はば世界(せかい)人間(にんげん)神様(かみさま)御子(みこ)御座(ござ)います。257(かみ)()から御覧(ごらん)になれば(わたし)貴女(あなた)(みな)姉妹(きやうだい)258今迄(いままで)(こと)はスツカリと(かは)(なが)しイヤ(うみ)(なが)し、259(あひ)提携(ていけい)して神様(かみさま)奉仕(ほうし)しようではありませぬか』
260『それは(まこと)結構(けつこう)御座(ござ)います。261……五十子姫(いそこひめ)(さま)262梅子姫(うめこひめ)(さま)263宇豆姫(うづひめ)(さま)264貴女方(あなたがた)御考(おかんが)へは如何(どう)でせう』
265 三人(さんにん)一度(いちど)(うなづ)く。
266『アレ()(とほ)りお三人(さんにん)(とも)267(わたし)御同感(ごどうかん)268さア(これ)から御一緒(ごいつしよ)(ひと)つの(ふね)(まゐ)りませう。269(しか)(なが)二人(ふたり)(をとこ)(くわつ)()れ、270(たす)けてやらねばなりますまい』
271今子姫(いまこひめ)は『ウン』と(ちから)()めて(くわつ)()れた。272(たちま)二人(ふたり)正気(しやうき)づき(なみだ)(なが)して謝罪(あやま)つて()る。
273『これはこれは二人(ふたり)(くろ)(ばう)さま、274長々(ながなが)御苦労(ごくらう)であつた。275(わたし)(これ)より三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)となつて、276世界(せかい)隅々(すみずみ)(まで)巡歴(じゆんれき)するから、277前達(まへたち)はこれで(かへ)つてお()れ』
278懐中(くわいちゆう)より小判(こばん)()()()げやれば、279二人(ふたり)()(いただ)き、
280(まこと)御無礼(ごぶれい)(いた)しました(うへ)に、281(これ)(ほど)沢山(たくさん)(かね)頂戴(ちやうだい)(いた)しまして()(がた)御座(ござ)います。282左様(さやう)なれば貴女(あなた)彼方(あちら)(ふね)にお()(くだ)さいませ。283(わたし)(ども)(この)(ふね)錫蘭(シロ)(みなと)引返(ひきかへ)します、284万一(まんいち)友彦(ともひこ)(さま)()うたら()(まを)して()きませうか』
285『アー()らないと()うて()くが無難(ぶなん)でよからう』
286 二人(ふたり)は『ハイ有難(ありがた)う』と感謝(かんしや)(なが)手早(てばや)()(あやつ)り、287東北(とうほく)さして()(かへ)る。288(ここ)五人(ごにん)(をんな)(かは)(がは)()(あやつ)りながら、289(なみ)のまにまに(なが)されて、290(つひ)にオーストラリヤの(ひと)(じま)無事(ぶじ)上陸(じやうりく)する(こと)となりける。
291大正一一・六・一四 旧五・一九 加藤明子録)
   
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