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第一二章 サワラの(みやこ)〔八一二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻 篇:第2篇 暗黒の叫 よみ:あんこくのさけび
章:第12章 サワラの都 よみ:さわらのみやこ 通し章番号:812
口述日:1922(大正11)年08月08日(旧06月16日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年8月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
三人はサワラの都にたどり着いた。広い平原の中央に築かれた新都会である。サワラの都は広大な堀で四方をめぐらしている。三十万年前の都としては、かなり大きな街であった。
三人は夕方に門から街区に入り、城門の前で門番に声をかけた。門番は誰もすでに居眠りをしており、起こそうとする日楯に文句を言って寝てしまう。
そこへ表門が開かれ、中から立派な行列が現れた。行列の大将は三人に声をかけ、台湾島の真道彦の子息一行ではないか、と問うた。日楯は丁寧に挨拶を返した。男は自分は照彦王の側近でセルと名乗った。数日前に照子姫に竜世姫が神懸かり、三人の来島を告げたという。一行は、セルに続いて城内に入って行った。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:138頁 八幡書店版:第5輯 404頁 修補版: 校定版:142頁 普及版:66頁 初版: ページ備考:
001玉藻(たまも)(やま)聖場(せいぢやう)
002(とほ)神代(かみよ)(むかし)より
003三五教(あななひけう)(ひら)(きた)
004真道(まみち)(ひこ)末流(まつりう)
005()(きこ)えたる真道彦(まみちひこ)
006泰安城(たいあんじやう)急変(きふへん)
007(すく)はむ(ため)三五(あななひ)
008(かみ)(つかさ)信徒(まめひと)
009(あつ)めて神軍(しんぐん)組織(そしき)なし
010泰安城(たいあんじやう)(あら)はれて
011()()(てき)打払(うちはら)
012(つひ)には奇禍(きくわ)(かうむ)りて
013カールス(わう)(うたが)はれ
014(くら)牢獄(ひとや)()()まれ
015(にげ)るる(よし)()(ばか)
016ヤーチン(ひめ)諸共(もろとも)
017()くもいまはし寃罪(ゑんざい)
018かかりて(やみ)呻吟(しんぎん)
019(くる)しき月日(つきひ)(おく)ります
020(その)惨状(さんじやう)(すく)はむと
021(ちち)(おも)ふの真心(まごころ)
022日楯(ひたて)月鉾(つきほこ)両人(りやうにん)
023聖地(せいち)(あと)にユリコ(ひめ)
024(よる)(まぎ)れて蓑笠(みのかさ)
025(かる)姿(すがた)()(よそ)
026アーリス(ざん)(いただ)きに
027(いき)もせきせき辿(たど)()
028(つき)(ひかり)()(なが)
029片方(かたへ)(いは)(こし)をかけ
030(いき)(やす)むる折柄(をりから)
031泰嶺山(たいれいざん)聖地(せいち)より
032(かみ)(つかさ)月鉾(つきほこ)
033(あと)(たづ)ねて()(きた)
034テーリン(ひめ)執拗(しつえう)
035(こひ)(もつ)れの(いと)をとき
036言葉(ことば)(つく)して聖場(せいぢやう)
037(かへ)らしめむと(おも)へども
038(こひ)(くも)りしテーリンは
039とけば()(ほど)もつれ()
040(とき)しもあれや()かげより
041(あら)はれ()でし人影(ひとかげ)
042一同(いちどう)(おどろ)見廻(みまは)せば
043(おも)()けなきマリヤス(ひめ)
044(うづ)(みこと)出現(しゆつげん)
045(やうや)急場(きふば)(のが)()
046日楯(ひたて)月鉾(つきほこ)、ユリコ(ひめ)
047三人(みたり)(つかさ)はやうやうに
048ヤツと蘇生(そせい)心地(ここち)して
049アーリス(ざん)(みね)()
050須安(シユアン)山脈(さんみやく)打渡(うちわた)
051()()についで漸々(やうやう)
052テルナの(さと)辿(たど)りつき
053谷間(たにま)にまたたく(ひと)()
054()あてに(すす)折柄(をりから)
055(のんど)(かわ)(はら)()
056根気(こんき)()きて三人(さんにん)
057とある木蔭(こかげ)(やす)らひつ
058(かす)かに()()人声(ひとごゑ)
059(みみ)をすまして()()れば
060(にはか)()()(たに)(かぜ)
061三人(みたり)(あたま)何物(なにもの)
062(さわ)ると()れば木茄子(きなすび)
063(かを)りゆかしき果物(くだもの)
064()びつく(ばか)(よろこ)びて
065(たちま)三人(みたり)木茄子(きなすび)
066一個(いつこ)(のこ)らずむし()
067(はら)をふくらせ(よこた)はり
068いつしか(ねむ)りにつきにける。
069(をり)(をり)とてバラモンの
070(かみ)祭典(まつり)真最中(まつさいちう)
071四五(しご)土人(どじん)木茄子(きなすび)
072(かみ)御前(みまへ)(そな)へむと
073(かむり)装束(しやうぞく)いかめしく
074(ぬさ)()(なが)(すす)()
075(もと)より三人(みたり)白河(しらかは)
076夜船(よぶね)(あやつ)真最中(まつさいちう)
077土人(どじん)(たちま)木茄子(きなすび)
078一個(いつこ)(のこ)らず何者(なにもの)にか
079(ぬす)まれたるに(きも)(つぶ)
080(あか)りに(てら)して(なが)むれば
081(らい)のやうなる鼾声(いびきごゑ)
082(おどろ)(ただち)(この)(よし)
083テルナの(さと)酋長(しうちやう)
084報告(はうこく)すればゼームスは
085(とき)(うつ)さず駆来(かけきた)
086三人(みたり)男女(だんぢよ)打向(うちむか)
087団栗眼(どんぐりまなこ)(いか)らせて
088『テルナの(さと)人々(ひとびと)
089生命(いのち)()へて(まも)()
090(かみ)(ささ)ぐる木茄子(きなすび)
091()りて(くら)ひし横道者(わうだうもの)
092(なんぢ)三人(みたり)生命(せいめい)
093(うば)ひて(かみ)(いけにへ)
094(たてまつ)らむ』と居丈高(ゐたけだか)
095(ののし)りちらせばユリコ(ひめ)
096酋長(しうちやう)(まへ)()をついて
097長途(ちやうと)(たび)(つか)()
098(のんど)(かわ)(はら)()
099かかる(たふと)果物(くだもの)
100()らずに()つて()ひました
101何卒(なにとぞ)(ふか)(この)(つみ)
102(ひろ)(こころ)見直(みなほ)して
103吾等(われら)(ゆる)(たま)へかし』
104(ねが)へば酋長(しうちやう)はユリコ(ひめ)
105(かほ)打眺(うちなが)(わら)(がほ)
106(なんぢ)()れの要求(えうきう)
107()れて女房(にようばう)となるならば
108(なんぢ)(つみ)(ゆる)すべし
109二人(ふたり)(をとこ)如何(どう)しても
110(いのち)()つて神前(しんぜん)
111(たふと)犠牲(ぎせい)(きよう)さねば
112(かみ)(いか)りを如何(いか)にせむ
113覚悟(かくご)せよや』と()めつける
114ユリコの(ひめ)はいろいろと
115(ことば)(つく)()(つく)
116口説(くど)()つれば酋長(しうちやう)
117(やうや)(こころ)(やは)らぎて
118(くる)しき荒行(あらぎやう)いろいろと
119二人(ふたり)(をとこ)()()けて
120(やうや)(この)()(けり)がつき
121大祭壇(だいさいだん)(かたはら)
122三人(みたり)男女(なんによ)(ともな)ひて
123ユリコの(ひめ)には(うる)はしき
124衣服(いふく)(あた)二人(ふたり)には
125猛火(まうくわ)(なか)をくぐれよ』と
126言葉(ことば)(きび)しく下知(げち)すれば
127日楯(ひたて)月鉾(つきほこ)両人(りやうにん)
128天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)
129(あま)数歌(かずうた)ひそびそと
130小声(こごゑ)になりて(とな)へつつ
131猛火(まうくわ)(なか)幾度(いくたび)
132いと易々(やすやす)(くぐ)りぬけ
133大祭壇(だいさいだん)(その)(まへ)
134火傷(やけど)もせずに(かへ)()
135()みゐる人々(ひとびと)両人(りやうにん)
136(その)神力(しんりき)(おどろ)きて
137(たがひ)(かほ)見合(みあは)せつ
138(した)()()たる折柄(をりから)
139何処(いづこ)ともなく大火光(だいくわくわう)
140(この)()(たちま)落下(らくか)して
141酋長(しうちやう)ゼームス果敢(あへ)なくも
142()中空(ちうくう)()びあがり
143行方(ゆくへ)()らずなりにける。
144()()数多(あまた)里人(さとびと)
145(この)爆発(ばくはつ)(おどろ)きて
146(くも)(かすみ)()げて()
147()(おく)れたる人々(ひとびと)
148(きも)をば(つぶ)(こし)()かし
149呻吟(うめ)(くるし)折柄(をりから)
150ユリコの(ひめ)酋長(しうちやう)
151(あた)へられたる(きぬ)()
152(ただち)火中(くわちう)(とう)ずれば
153日楯(ひたて)月鉾(つきほこ)両人(りやうにん)
154ユリコの(ひめ)右左(みぎひだり)
155立現(たちあら)はれて宣伝歌(せんでんか)
156(こゑ)(すず)しく()りつれば
157(しこ)曲霊(まがひ)何時(いつ)しかに
158()()せたるか(かぜ)(きよ)
159(なん)とはなしに心地(ここち)よく
160(かみ)(めぐみ)三人(さんにん)
161(よろこ)(をり)しもゼームスは
162衣紋(ゑもん)(ととの)供人(ともびと)
163数多(あまた)引連(ひきつ)(めづら)しき
164()()(うつは)()(なが)
165三人(みたり)(まへ)()をついて
166以前(いぜん)無礼(ぶれい)(こころ)より
167詫入(わびい)姿(すがた)殊勝(しゆしよう)さよ
168(ここ)三人(みたり)三五(あななひ)
169(かみ)(をしへ)細々(こまごま)
170ゼームス(はじ)里人(さとびと)
171(つた)へて(ただ)ちに三五(あななひ)
172(をしへ)(はしら)をつき(かた)
173酋長(しうちやう)(はじ)数十(すうじふ)
174里人(さとびと)(たち)(おく)られて
175()()()いで高砂(たかさご)
176(きた)(はし)なるキールンの
177(やうや)浜辺(はまべ)()きにけり
178あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
179御霊(みたま)(さち)はひましませよ。
180
181常世(とこよ)(なみ)竜世姫(たつよひめ)
182高砂島(たかさごじま)胞衣(えな)として
183(かみ)(つく)りし台湾島(たいわんたう)
184()()(ゆたか)(みづ)(きよ)
185禽獣虫魚(きんじうちうぎよ)()ひたちて
186天与(てんよ)楽土(らくど)(きこ)えたる
187台湾島(たいわんたう)中心地(ちうしんち)
188玉藻(たまも)(やま)聖場(せいぢやう)
189三人(みたり)(あと)立出(たちい)でて
190艱難(かんなん)辛苦(しんく)()(なが)
191テルナの(さと)酋長(しうちやう)
192(なが)道程(だうてい)(まも)られて
193キールの(みなと)安着(あんちやく)
194(ふね)(やと)ひて三人(さんにん)
195(なみ)のまにまに()()しぬ
196折柄(をりから)()()北風(きたかぜ)
197(やま)なす(なみ)容赦(ようしや)なく
198三人(みたり)(ふね)()(あた)
199ユリコの(ひめ)船頭(せんとう)
200()ちて(なみ)をば(しづ)めつつ
201(かみ)のまにまに琉球(りうきう)
202八重山島(やへやまたう)()して()
203やうやう(ここ)三人(さんにん)
204エルの(みなと)安着(あんちやく)
205岸辺(きしべ)(ふね)をつなぎおき
206声名(せいめい)(とどろ)照彦(てるひこ)
207千代(ちよ)住家(すみか)(きこ)えたる
208サワラの(みやこ)()して()く。
209 サワラの(みやこ)に、210三人(さんにん)(やうや)辿(たど)りついた。211ここは際限(さいげん)もなき広原(くわうげん)中央(まんなか)(きづ)かれたる新都会(しんとくわい)にして、212白楊樹(はくやうじゆ)(もり)四辺(しへん)(つつ)み、213芭蕉(ばせう)(はやし)所々(ところどころ)点綴(てんてつ)してゐる。214国人(くにびと)大抵(たいてい)215芭蕉実(ばなな)216(いちご)217林檎(りんご)218木茄子(きなすび)219(かき)などを常食(じやうしよく)とし、220(あるひ)(やま)(いも)221淡水魚(たんすゐぎよ)などを副食物(ふくしよくもつ)として生活(せいくわつ)(つづ)けてゐる。
222 サワラの(みやこ)には、223広大(くわうだい)なる(ほり)(もつ)四方(しはう)(めぐ)らしてゐる。224(その)(はば)(ほとん)一丁(いつちやう)(ばか)りの(ひろ)さである。225東西南北(とうざいなんぼく)堅固(けんご)なる橋梁(けうりやう)(わた)し、226(やや)北方(ほくぱう)にサワラの高峰(かうはう)227雲表(うんぺう)(そび)え、228四神相応(しじんさうおう)聖地(せいち)(しよう)せられてゐる。229城内(じやうない)には数百(すうひやく)人家(じんか)立並(たちなら)び、230(いま)より三十万年前(さんじふまんねんぜん)都会(とくわい)としては、231(もつと)(だい)なるものと(しよう)されて()た。232サワラの(しろ)(ほとん)(その)中心(ちうしん)宏大(くわうだい)なる地域(ちゐき)(かま)へ、233石造(せきざう)(やかた)(たか)老樹(らうじゆ)(うへ)にぬき()()る。234城内(じやうない)には(はたけ)もあれば、235(かは)もあり、236(ぬま)もあり、237何一(なにひと)不自由(ふじゆう)なき(やう)(つく)られてゐた。
238 三人(さんにん)(ひがし)(もん)より(はし)(わた)つて、239門内(もんない)(すす)()つた。240黄紅白紫紺(くわうこうはくしこん)いろいろの(はな)()(えだ)に、241(くさ)(さき)に、242爛漫(らんまん)()(みだ)れてゐる。243(また)(みち)両側(りやうがは)には百日紅(さるすべり)日和花(ひよりばな)(たぐひ)密生(みつせい)し、244(しろ)(すな)日光(につくわう)(かがや)き、245台湾島(たいわんたう)日月潭(じつげつたん)()して、246幾層倍(いくそうばい)とも()れぬ気分(きぶん)のよき土地(とち)である。
247 三人(さんにん)(なん)となく(はづか)しき(やう)な、248おめる(やう)心持(こころもち)にて、249小声(こごゑ)宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)ら、250照彦(てるひこ)千代(ちよ)住家(すみか)(さだ)めたる城門(じやうもん)(まへ)(やうや)くにして()(はこ)んだ。251四五(しご)門番(もんばん)頬杖(ほほづゑ)をつき(なが)ら、252(いづ)れも睡魔(すゐま)(おそ)はれて、253コクリコクリと居睡(いねむ)つてゐる(その)長閑(のどか)さ、254天国(てんごく)門番(もんばん)()くやと(おも)(ばか)りの気楽(きらく)さを(あら)はし()る。255日楯(ひたて)門番(もんばん)(まへ)(すす)()り、
256日楯(ひたて)(たの)みます (たの)みます』
257(こゑ)をかけた。258門番(もんばん)(いち)259ねむた()をこすり(なが)ら、
260門番(もんばん)(いち)『アヽ(この)真夜中(まよなか)(たれ)()らぬが、261(ひと)(おこ)しやがつて、262ねむたいワイ。263(この)(もん)(くれ)()つから()()(まで)()ける(こと)出来(でき)ぬ。264()()けたら、265(たれ)()らぬが()つて()い。266キツと()けて(とほ)してやる、267ムニヤ ムニヤ ムニヤ……』
268()(なが)(また)ゴロンと(よこ)になる。
269月鉾(つきほこ)『モシモシ門番様(もんばんさま)270まだ日中(につちう)御座(ござ)います。271(くれ)()(まで)には余程(よほど)()御座(ござ)いますから、272どうぞ()()まして、273(この)(もん)をお()(くだ)さいませ』
274門番(もんばん)()『お(まへ)()()けとるか()らぬが、275(おれ)()ではそこら(ぢう)真暗(まつくら)がりだ。276(くら)(とき)夜分(やぶん)にきまつて()る。277アタねむたい、278(やかま)しう()はずにトツトと出直(でなほ)して()い』
279月鉾(つきほこ)『アハヽヽヽ、280あなた()をおあけなさい。281さう目蓋(まぶた)(かた)密着(みつちやく)させてゐては、282(ひる)でもヤツパリ(くら)()えますぞ』
283門番(もんばん)()(やかま)しう()ふない。284(くら)(なに)もあつたものかい。285苦楽一如(くらくいちによ)だ。286()(なか)()(ほど)(らく)はなきものを、287(おき)てガヤガヤ(さわ)馬鹿(ばか)のたわけ。288おれはまだ夜中(よなか)(ゆめ)()()るのだ。289おれの()引明(ひきあ)けに()()い。290そしたら、291あけてやらぬ(こと)もないワイ』
292とダル(さう)(こゑ)でブツブツ()(なが)ら、293(また)(よこ)にゴロンとなる。294三人(さんにん)はもどかしがり、295(やや)思案(しあん)()れて(たたず)んで()(とき)しも、296表門(おもてもん)はサラリと左右(さいう)(ひら)かれ、297(なか)より立派(りつぱ)なる男女(だんぢよ)幾十人(いくじふにん)となく行列(ぎやうれつ)(つく)り、298三人(さんにん)(まへ)(うやうや)しく()をつき(なが)大将(たいしやう)らしき一人(ひとり)は、
299『エヽあなたは台湾島(たいわんたう)玉藻山(たまもやま)霊場(れいぢやう)にまします、300真道彦命(まみちひこのみこと)(さま)御子息様(ごしそくさま)では御座(ござ)いませぬか』
301 日楯(ひたて)丁寧(ていねい)(れい)(かへ)し、
302『ハイ御察(おさつ)しの(とほ)り、303吾等(われら)真道彦命(まみちひこのみこと)(せがれ)304日楯(ひたて)305月鉾(つきほこ)(まを)(もの)306これなる(をんな)(わたし)(つま)ユリコ(ひめ)(まを)します。307竜世姫(たつよひめ)(さま)御神勅(ごしんちよく)()り、308当国(たうこく)城主(じやうしゆ)照彦(てるひこ)(さま)309照子姫(てるこひめ)(さま)御願(おねがひ)(すぢ)ありて、310大海原(おほうなばら)(わた)り、311(やうや)くこれへ(まゐ)つた(もの)御座(ござ)います』
312一人(ひとり)(をとこ)(わたし)はセルと(まを)して、313照彦王(てるひこわう)御側(おそば)(ちか)(つか)ふる(もの)御座(ござ)います。314二三日(にさんにち)以前(いぜん)より、315照子姫(てるこひめ)(さま)高砂島(たかさごじま)竜世姫命(たつよひめのみこと)(さま)御神懸(おかむがか)(あそ)ばし、316あなた(がた)御三人様(ごさんにんさま)がここへ御越(おこ)しになるから、317出迎(でむか)ひに()よとのお(つげ)御座(ござ)いました。318それ(ゆゑ)今日(けふ)はお()しの()早朝(さうてう)よりいろいろと、319あなた(がた)歓迎(くわんげい)用意(ようい)(いた)し、320照彦(てるひこ)(さま)321照子姫(てるこひめ)(さま)322(おく)にお(まち)御座(ござ)います。323サア御案内(ごあんない)(いた)しますから、324(はや)くお這入(はい)(くだ)さいませ』
325 三人(さんにん)一度(いちど)(あたま)()げ、
326有難(ありがた)う』
327()(なが)らセルの(あと)(したが)ひ、328(おく)(ふか)(すす)()る。329門番(もんばん)(やうや)()(さま)し、
330(かふ)『オイ、331ベース、332チヤール、333()きぬか()きぬか、334大変(たいへん)(こと)出来(でき)()たぞ。335側役(そばやく)のセル(さま)沢山(たくさん)御近侍(ごきんじ)方々(かたがた)(とも)三人(さんにん)のお(きやく)さまをお(むか)(あそ)ばして、336(おく)へお這入(はい)りになつた。337貴様(きさま)(たち)はなまくらを(かま)へて、338寝真似(ねまね)をし、339(かす)()うた(やう)(こと)をぬかしてをつたが、340たつた(いま)ドテライお目玉(めだま)だぞ。341サア(はや)(なん)とか、342言訳(いひわけ)(こしら)へて、343セル(さま)へお(ことわ)りに()かねば、344足袋屋(たびや)看板(かんばん)だ。345サツパリ(あし)あがりになつて(しま)ふぞよ』
346エル『バカを()ふな、347俺達(おれたち)寝真似(ねまね)をして()つたのを()つてゐた以上(いじやう)は、348貴様(きさま)もチヨボチヨボだ。349(おれ)(あし)があがる(くらゐ)なら、350貴様(きさま)(かしら)だから、351キツト(くび)()ぶぞよ。352貴様(きさま)俺達(おれたち)組頭(くみがしら)だからお(わび)()つて()るがよからう。353(おれ)や、354こんな門番(もんばん)なんか、355何時(なんどき)(あし)があがつても(かま)やしないのだ。356常世城(とこよじやう)門番(もんばん)()い、357失敗(しつぱい)して王様(わうさま)のお側附(そばつき)になつたぢやないか。358何時(いつ)(まで)門番(もんばん)厳重(げんぢゆう)(つと)めて()つたら、359彼奴(あいつ)門番(もんばん)適当(てきたう)(やつ)だと、360セルの大将(たいしやう)見込(みこ)まれたが最後(さいご)361金槌(かなづち)川流(かはなが)れ、362一生(いつしやう)(あたま)(あが)(こと)はないぞよ。363それより日中(につちう)にグウグウと()てる(はう)が、364何時(いつ)栄達(ゑいたつ)(みち)(ひら)けるか()れないぞ。365大体(だいたい)こんな智者(ちしや)学者(がくしや)門番(もんばん)にさしておくのが見当(けんたう)(ちが)ひだ。366マア()()れ、367明日(あす)になつたら、368貴様(きさま)(たち)門番(もんばん)不適当(ふてきたう)だから、369奥勤(おくづと)めに使(つか)つてやらうとの御命令(ごめいれい)(くだ)るに(ちがひ)ない。370(あま)取越(とりこし)苦労(くらう)をするものでない。371マア刹那心(せつなしん)(たのし)むのだなア。372()てば海路(かいろ)(かぜ)()くとやら、373何事(なにごと)(うん)(てん)にありだ。374そんな(こと)心配(しんぱい)するよりも、375(さけ)でも()み、376一生懸命(いつしやうけんめい)(さわ)ぎ、377ステテコでも(をど)つて、378今度(こんど)のお客様(きやくさま)のお(なぐさ)みに(きよう)したら、379照彦王様(てるひこわうさま)面白(おもしろ)(やつ)だと()つて、380……(くる)しうない、381門番(もんばん)(ちか)(まゐ)れ……とか(なん)とか仰有(おつしや)つて、382()づから(さかづき)(くだ)され、383結構(けつこう)御褒美(ごほうび)(あづか)るやらも()れたものだない。384サアサア、385(さけ)(さけ)だ、386(さけ)なくて(なん)のおのれが門番(もんばん)かなだ。387アハヽヽヽヽ』
388他愛(たあい)もなき無駄事(むだごと)(さへづ)(なが)ら、389バナナで(つく)つた強烈(きつ)(さけ)を、390五人(ごにん)門番(もんばん)胡坐座(あぐらざ)になつてガブリガブリと()(はじ)め、391ヘベレケになつて、392(めう)()つきをし(なが)ら、393(をど)りつ()ひつ、394奥殿(おくでん)()して(ころ)()んだ。
395大正一一・八・八 旧六・一六 松村真澄録)