霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 (みたま)淫念(いんねん)〔一一九四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第45巻 舎身活躍 申の巻 篇:第1篇 小北の特使 よみ:こぎたのとくし
章:第4章 霊の淫念 よみ:みたまのいんねん 通し章番号:1194
口述日:1922(大正11)年12月11日(旧10月23日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年9月12日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
蠑螈別は数多の神が自分の体に出入りするので、神様にお神酒を祀るのだと言って、朝から晩まで酒盛りをしていた。
お寅に酌をさせながら高姫を思ったり、奥の間に居る松姫をお酌に呼ばせようとしたりして、お寅と喧嘩になってしまう。
お寅は嫉妬のあまり、松彦を受け付けに待たせていることも忘れて蠑螈別を押さえつけ、徳利や盃はめちゃめちゃに砕けた。
魔我彦がやってきてお寅をたしなめるが、お寅は蠑螈別に思われてウラナイ教に入ってやったのに、その恩も忘れてほかの女に色目を使うと怒って、ますます蠑螈別を押さえつけ殴りつける。蠑螈別は助けてくれと叫ぶ。
文助がやってきて、教祖が呼び戻した末代日の王天の神の身魂という松彦が、受け付けでしびれを切らしていると注進する。お寅は蠑螈別を離し、捨て台詞を残して受付に帰って行く。
魔我彦はこんな醜態を松彦たちに見られてはたいへんと蠑螈別を奥へ引っ張って行って寝かせてしまった。お寅は松彦一行を導き、この場の荒れた様子を猫のせいにして魔我彦に片付けさせた。
お寅は、奥にいる松姫は上義姫の身魂であり、松彦と夫婦となって活動する因縁なのだという。松彦は迷惑な話だと居住まいを正している。万公は偽の神がかりをやって、自分は耕し大神だと自称する。
奥からは蠑螈別が、お寅をからかったために大変な目にあった、高姫がなつかしいとうわごとを言っているのが聞こえてきた。お寅は病気の信者に悪霊がかかって、教祖の声色でひとをだますのだとごまかしている。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:54頁 八幡書店版:第8輯 272頁 修補版: 校定版:58頁 普及版:23頁 初版: ページ備考:
001(あさ)から(ばん)まで酒盛(さかもり)
002蠑螈別(いもりわけ)神司(かむづかさ)
003数多(あまた)(かみ)出入(しゆつにふ)
004(くし)(まつ)ると()(なが)
005(ほほ)べた(まで)(あか)くして
006(くさ)(いき)をば(ふき)まくり
007侍者(じしや)(はな)をばゆがませつ
008腋臭(わきが)のかほり紛々(ぷんぷん)
009あたりの空気(くうき)改悪(かいあく)
010天津祝詞(あまつのりと)言霊(ことたま)
011呂律(ろれつ)もまはらぬ(した)()
012ころばせ(なが)(あさ)(うち)
013ウラナイ(けう)神言(かみごと)
014(あせ)をタラタラ(しぼ)りつつ
015(とな)へて(また)もや神様(かみさま)
016うましき(さけ)(たてまつ)
017づぶ(ろく)サンになつた(うへ)
018真昼(まひる)()れば神前(しんぜん)
019足許(あしもと)(あや)しく(すす)みより
020(てん)にまします(わが)(ちち)
021御国(みくに)(きた)らせ(たま)へかし
022(てん)になります(その)(ごと)
023()にも天国(てんごく)()てさせよ
024アーメン、ソーメン、トコロテン
025ウドンに蕎麦(そば)焼芋(やきいも)
026(さかな)をドツサリ(まへ)()
027曲津(まがつ)(かみ)御光来(ごくわうらい)
028いと叮嚀(ていねい)歓迎(くわんげい)
029絶対的(ぜつたいてき)博愛(はくあい)
030趣旨(しゆし)貫徹(くわんてつ)させ(なが)
031(ゆふ)べになれば正宗(まさむね)
032(さけ)にはあらぬ(にく)(みや)
033蠑螈別(いもりわけ)数珠(じゆず)をもみ
034南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)南無阿弥陀(なむあみだ)
035般若心経(はんにやしんぎやう)波羅蜜経(はらみつきやう)
036節面白(ふしおもしろ)(とな)()
037三教(さんけう)合同(がふどう)御本尊(ごほんぞん)
038床次(とこなみ)さまの(あと)をつぎ
039天晴(あつぱ)教主(けうしゆ)()りすまし
040(さけ)機嫌(きげん)でドラ(ごゑ)
041張上(はりあ)(うな)るお(とら)さま
042小皺(こじわ)のよつた()()して
043燗徳利(かんどつくり)をひん(にぎ)
044朝顔型(あさがおがた)(さかづき)
045(まへ)につき()()(ほそ)うし
046(さけ)功徳(くどく)大広木(おほひろき)
047正宗(まさむね)さまよコレちよいと
048()ごしあれと差出(さしだ)せば
049(さけ)のタンクの正宗(まさむね)
050御機嫌斜(ごきげんななめ)ならずして
051(とら)よお(まへ)(えら)(やつ)
052(とし)はとつても姥桜(うばざくら)
053まだどこやらに(はな)()
054プンプン(のこ)つて()るやうだ
055(まへ)(やさ)しい(その)目許(めもと)
056オツトヽヽヽヽヽこぼれます
057あまり(いきほひ)(つよ)(ゆゑ)
058(じやう)(あま)つて(ほとばし)
059一張羅(いつちやうら)のお小袖(こそで)
060サツパリわやになりました
061さは()(なが)(これ)(また)
062正宗(まさむね)さまの御酒(おんさけ)
063よごされたりと見直(みなほ)せば
064(かへつ)(わたし)有難(ありがた)
065可愛(かあい)いお(かた)()(この)
066(みたま)(こも)つた(つゆ)ぢやもの
067如何(どう)して不足(ふそく)(おも)ひませう
068一献(いつこん)あがれと徳利(とくり)
069(また)もや(まへ)突出(つきだ)せば
070正宗(まさむね)さまは(えつ)()
071あゝ()(なか)(さけ)()
072(やつ)(ほど)可愛(かあい)いものはない
073(さけ)(おれ)生命(せいめい)
074(さけ)さへあらば如何(いか)(やう)
075ナイスも(かかあ)()るものか
076(とら)のさした(さかづき)
077高姫(たかひめ)さまの口元(くちもと)
078どことはなしによく()とる
079(この)(さかづき)(くちびる)
080あててキツスをする(とき)
081(なん)ともいへぬ(あぢ)がする
082あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)
083これ高姫(たかひめ)高姫(たかひめ)
084(おほ)けな(くち)()(なが)
085ここに()ますと一言(ひとこと)
086なぜ言問(ことと)ひをしてくれぬ
087(くち)ばつかりがあつたとて
088肝腎要(かんじんかなめ)(にく)(みや)
089()にかからな()がゆかぬ
090ホンに(おも)へば(なさけ)ない
091(ゆめ)浮世(うきよ)といふことは
092こんなことをば()ふのだろ
093(ゆめ)蠑螈別(いもりわけ)さまと
094播陽(ばんやう)さまが()ひよつた
095コレコレ丑寅(うしとら)()アさまよ
096(まへ)ぢや()つから()がゆかぬ
097大奥(おほおく)()上義姫(じやうぎひめ)
098(にく)(みや)をば()出来(でき)
099(さけ)相手(あひて)をさしてくれ
100(なん)とはなしに(さび)しうて
101そこらが(つめ)たくなつて()
102そも人間(にんげん)といふ(やつ)
103異性(いせい)がなくては面白(おもしろ)
104可笑(をか)しう(この)()(わた)れない
105サアサア(はや)上義姫(じやうぎひめ)
106()んでお()でとタダこねる
107丑寅婆(うしとらば)さまはキツとなり
108口角泡(こうかくあわ)をとばしつつ
109団栗眼(どんぐりまなこ)をむきいだし
110蠑螈別(いもりわけ)旦那(だんな)さま
111(わたし)(まへ)でそんな(こと)
112どこを(おさ)へたら()へますか
113()ぎし逢瀬(あふせ)睦言(むつごと)
114最早(もはや)(わす)れなさつたか
115ホンに薄情(はくじやう)なお(まへ)さま
116(わたし)(いま)年老(としよ)つて
117皺苦茶婆(しわくちやば)アになつたれど
118浮木(うきき)(むら)侠客(けふかく)
119丑寅(うしとら)さまと仇名(あだな)をば
120()つたる女侠客(をんなけふかく)
121バカになさるも(ほど)がある
122何程(なにほど)(かみ)沢山(たくさん)
123出入(でい)りなさるか()らね(ども)
124さうクレクレと(ねこ)()
125(かは)(やす)恋衣(こひごろも)
126(やぶ)つて(もら)つちやたまらない
127(わたし)了見(れうけん)ある(ほど)
128(おぼ)えてゐろよと()(なが)
129松彦(まつひこ)さまを受付(うけつけ)
130()たしたことを打忘(うちわす)
131蠑螈別(いもりわけ)胸倉(むなぐら)
132(ちから)(まか)せてグツと()
133コリヤコリヤ正宗大広木(まさむねおほひろき)
134蠑螈別(いもりわけ)よバカにすな
135(とら)(うで)には(ほね)がある
136モウ(この)(まま)ですまさぬぞ
137どうぢやどうぢやと胸板(むないた)
138(ちから)(まか)してもみつぶす
139蠑螈別(いもりわけ)(あわ)()
140(かほ)蒼青(まつさを)にサツと()
141アイタタタツタ()つてくれ
142どうやら(いき)()れさうだ
143もう(これ)からはスツパリと
144松姫(まつひめ)さまの上義姫(じやうぎひめ)
145(にく)(みや)をば(おも)()
146(まへ)大事(だいじ)にする(ほど)
147(はな)せよ(はな)胸倉(むなぐら)
148アイタタタツタ ウンウンウン
149(くる)しいわいの、コラヤお(とら)
150(ゆる)してくれよと()()はし
151剛情我慢(がうじやうがまん)正宗(まさむね)
152(いのち)(をし)さに詫入(わびい)れば
153(あき)れてこける燗徳利(かんどくり)
154(さかづき)までがメチヤメチヤに
155(くだ)けて(わら)面白(おもしろ)
156ガチヤン ガチヤンと拍子(ひやうし)()
157土瓶(どびん)(をど)徳利(とくり)()
158朝顔型(あさがほがた)(さかづき)
159落花微塵(らくくわみぢん)となりはてて
160姿(すがた)(ちひ)さく(かず)(おほ)
161変化(へんげ)したるぞ可笑(をか)しけれ
162(とら)(なほ)承知(しようち)せず
163コリヤコリヤ正宗大広木(まさむねおほひろき)
164口先(くちさき)ばかりでツベコベと
165ゴマかしよるか、そんな(こと)
166()くよな(ばば)ぢやない(ほど)
167以後(いご)のみせしめ今一(いまひと)
168あの()この()(さかひ)まで
169やつてやらねばおかないと
170(おに)(わらび)をふり()てて
171悋気(りんき)(いきほひ)(すさま)じく
172ポカンポカンと(うち)たたく
173()白黒(しろくろ)とさせ(なが)
174アイタタ タツタ コリヤ(ゆる)
175金輪奈落(こんりんならく)(てん)()
176なる()()ても正宗(まさむね)
177(けつ)してお(まへ)()てはせぬ
178(うたがひ)はらして(その)()をば
179(はや)(はな)してくれぬかい
180折角(せつかく)()んだ(さけ)(まで)
181(はや)遠国(ゑんごく)出奔(しゆつぽん)
182ゾツと()()(あき)(かぜ)
183(ふゆ)薄衣(うすぎぬ)ブルブルと
184身体(からだ)一面(いちめん)(ふる)()した
185あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
186御霊(みたま)(さちは)ひましませよ
187(なみだ)(とも)()(あは)
188(ねが)へばお(とら)はつけ(あが)
189今日(けふ)はどしても(ゆる)しやせぬ
190松姫(まつひめ)さまに(よだれ)くり
191怪体(けたい)細目(ほそめ)をむきやがつて
192(わたし)盲目(めくら)にしたぢやないか
193今日(けふ)はドツサリ()のあぶら
194(しぼ)つてやらねば(むし)がいえぬ
195たかが(をとこ)一人(ひとり)(くらゐ)
196(ころ)した(ところ)(なに)(をし)
197観念(くわんねん)せよと()(なが)
198(いか)りの面色(めんしよく)(すさま)じく
199何時(いつ)()つべしとも()えざりし
200(ところ)へスタスタやつて()
201魔我彦(まがひこ)さまの義理天上(ぎりてんじやう)
202()出神(でのかみ)肉宮(にくみや)
203()るより(たちま)仰天(ぎやうてん)
204アツとばかりに尻餅(しりもち)
205ついたる(さま)可笑(をか)しさよ
206魔我彦(まがひこ)(やうや)(くち)をあけ
207コリヤコリヤお(とら)()アさまよ
208正宗(まさむね)さまの肉宮(にくみや)
209なぜ(その)(やう)失礼(しつれい)
210無体(むたい)なことを(いた)すのか
211(やせ)てもこけてもウラナイの
212(かみ)(をしへ)教祖様(けうそさま)
213(かみ)出入(でいり)生宮(いきみや)
214打擲(ちやうちやく)するとは(なん)(こと)
215覿面(てきめん)(ばち)(あた)るぞや
216(はや)(その)()(はな)さんせ
217()へばお(とら)()をすえて
218コリヤコリヤ魔我彦(まがひこ)義理天上(ぎりてんじやう)
219(わけ)()らずにツベコベと
220仲裁(ちうさい)だてが()にくはぬ
221唐変木(たうへんぼく)のお(まへ)さまに
222(この)いきさつが(わか)らうか
223モウ()くなれば(なに)もかも
224一切(いつさい)曝露(ばくろ)して(しま)
225(じつ)(ところ)(この)(とら)
226正宗(まさむね)さまに(おも)はれて
227()(あたたか)敷蒲団(しきぶとん)
228(おん)()らずに(この)色魔(しきま)
229(ひと)もあらうに神様(かみさま)
230御用(ごよう)(あそ)ばす松姫(まつひめ)
231秋波(しうは)(おく)二世三世(にせさんせ)
232百生(ひやくしやう)(まで)夫婦(ふうふ)ぞと
233約束(やくそく)したる(この)わしを
234邪魔者扱(じやまものあつかひ)にさらす(ゆゑ)
235(とら)(かほ)()たないと
236(いま)折檻(せつかん)をするとこぢや
237子供(こども)()()(まく)でない
238グヅグヅしてると()ばしづく
239どこへかかるか()れないぞ
240(まへ)足元(あしもと)(あか)(うち)
241どこなと勝手(かつて)()げなされ
242サア(これ)からが荒料理(あられうり)
243(はら)わた(まで)もゑぐり()
244大洗濯(おほせんたく)をしてやらな
245中々(なかなか)改心(かいしん)(いた)すまい
246ここらが百尋胃袋(ひやくひろゐぶくろ)
247無性(むしやう)矢鱈(やたら)にひつつかみ
248(わし)のやうなる(つめ)たてて
249(ひつ)かきむしるぞ(おそ)ろしき
250蠑螈別(いもりわけ)(かほ)しかめ
251半死半生(はんしはんしやう)為体(ていたらく)
252アイタタ タツタ ウンウンウン
253(くる)しい(くる)しい魔我彦(まがひこ)
254どうぞ(たす)けてくれぬかい
255アイタタ タツタ アイタタタ
256(とら)といふ(やつ)アこれ(ほど)
257悋気(りんき)(つよ)(をんな)だと
258(おも)はなかつたあゝ(くる)しい
259(たす)けてくれえと(こゑ)(かぎ)
260()ばはり()たる(をり)もあれ
261()かいの()えぬ文助(ぶんすけ)
262コレコレ(まを)教祖(けうそ)さま
263あなたがお()びなさつたる
264末代日(まつだいひ)王天(わうてん)(かみ)
265生宮(いきみや)さまが受付(うけつけ)
266しびれ()らして()つて(ござ)
267(はや)くお出会(であひ)なされませ
268(なん)だか()らぬがガヤガヤと
269いと(さわ)がしい(おと)がする
270(いた)(いた)いと仰有(おつしや)るが
271頭痛(づつう)がするのか(ただ)(また)
272(かた)がこるのか()らね(ども)
273(あま)(ひと)()たしては
274御無礼(ごぶれい)になるかも()れませぬ
275()かいの()えぬ文助(ぶんすけ)
276(この)()様子(やうす)(つゆ)()らず
277平気(へいき)(こと)()うてゐる
278(とら)はハツと()がついて
279オウオウさうぢやオウさうぢや
280末代日(まつだいひ)王天(わうてん)(かみ)
281(この)門口(もんぐち)()つて(ござ)
282コリヤコリヤ正宗大広木(まさむねおほひろき)
283末代様(まつだいさま)のお()(ゆゑ)
284今日(けふ)(ゆる)しておく(ほど)
285モウこれからは馬鹿(ばか)なこと
286したり()うたり(いた)したら
287(まへ)(くび)はない(ほど)
288覚悟(かくご)はよいかと()(なが)
289パツと(はな)せば正宗(まさむね)
290ハツと一息(ひといき)鼻汁(はな)をかみ
291(なみだ)(ぬぐ)可笑(をか)しさよ
292(とら)尻目(しりめ)にかけ(なが)
293素知(そし)らぬ(かほ)をよそほひつ
294(えり)をば(なほ)しソロソロと
295受付(うけつけ)さして()でて()く。
296 お(とら)()アさまの受付(うけつけ)()(あと)で、297魔我彦(まがひこ)松彦(まつひこ)にこんな(ところ)()られては大変(たいへん)だと(おも)ひ、298蠑螈別(いもりわけ)()()いて(おく)一間(ひとま)()かせて(しま)つた。299蠑螈別(いもりわけ)夢現(ゆめうつつ)になつて、300(わけ)(わか)らぬ(こと)呶鳴(どな)つてゐる。301(その)()にお(とら)松彦(まつひこ)一行(いつかう)叮嚀(ていねい)(みちび)き、302(おく)()()れて()た。
303(とら)『あゝあ、304油断(ゆだん)のならぬ(わる)(ねこ)()徳利(とつくり)をこかす、305(さかづき)をふみわる、306なんのこつちやいな、307エーエ()のつかぬ、308魔我彦(まがひこ)(なに)しとるのぢやいな。309(その)()座敷(ざしき)片付(かたづ)けてくれるかと(おも)ひ、310ワザと(ひま)()れて()つたのに……(わたし)がしたのだないから()らぬ……といふ(やう)他人(たにん)行儀(ぎやうぎ)魔我彦(まがひこ)仕方(しかた)311エーエ仕方(しかた)のないものだ』
312小声(こごゑ)(つぶや)いてゐる。
313松彦(まつひこ)『お(とら)さま、314大変(たいへん)(おほ)きな(ねこ)がゐると()えますなア。315(さかづき)()みわるなんて、316随分(ずゐぶん)立派(りつぱ)(もの)でせう』
317 魔我彦(まがひこ)(つぎ)()からヌツと(かほ)()した。318(とら)()(かど)()て、
319(とら)『コレ、320天上(てんじやう)さま、321()のつかぬ(かた)ぢやなア。322これ(ほど)(ねこ)があばれてるのに、323なぜ片付(かたづ)けないのだい。324(きやく)さまがお()でになつたのに、325みつともないぢやないか』
326魔我(まが)『ハイ(じつ)(ところ)牡猫(をねこ)牝猫(めねこ)二疋(にひき)やつて()やがつて、327()()ひをやつたのですよ。328(をす)(はう)(さけ)()きな(ねこ)で、329ヘベレケになり、330一方(いつぱう)はドテライ牝猫(めんねこ)(しか)寅猫(とらねこ)でした。331滅多(めつた)矢鱈(やたら)咬合(かみあ)ふものだから、332火箸(ひばし)でなぐらうと(おも)うたトタンに、333(ねこ)はなぐれず(さかづき)をなぐつて、334(この)(とほ)りメチヤメチヤにして(しま)うたのですよ』
335(とら)『エーエ、336(なに)をさしても()()かぬ(かた)だな、337サア、338(はや)片付(かたづ)けなさい、339人様(ひとさま)にザマが(わる)いぢやないかい』
340 魔我彦(まがひこ)苦笑(にがわら)ひし(なが)ら、
341魔我(まが)『ザマの(わる)(こと)(たれ)がしたのだ。342ヘン馬鹿(ばか)らしい』
343(くち)(なか)(つぶや)(なが)ら、344不精無精(ふしやうぶしやう)座敷(ざしき)(かた)づける。345松彦(まつひこ)一党(いつたう)居間(ゐま)入口(いりぐち)手持無沙汰(てもちぶさた)(ふう)をして立待(たちま)ちをして()る。346魔我彦(まがひこ)はあわただしく一間(ひとま)掃除(さうぢ)をなし、347火鉢(ひばち)348鉄瓶(てつびん)349徳利(とくり)350(ぜん)などの置場所(おきばしよ)(なほ)し、351座蒲団(ざぶとん)七枚(しちまい)()(をは)り、
352魔我(まが)『サアえらうお()たせしました。353末代日(まつだいひ)王天(わうてん)大神(おほかみ)生宮様(いきみやさま)354どうぞ正座(しやうざ)にお(なほ)(くだ)さいませ』
355松彦(まつひこ)(てん)大神(おほかみ)随分(ずゐぶん)()ちぶれて()りました』
356()(なが)ら、357差図(さしづ)する(まま)正座(しやうざ)(すわ)つた。
358(とら)『これはこれはよくマアお()(くだ)さいました。359上義姫(じやうぎひめ)(さま)(にく)(みや)大変(たいへん)にお待受(まちうけ)(ござ)いますよ。360神様(かみさま)だつて夫婦(ふうふ)がなければ、361(まこと)御神業(ごしんげふ)出来(でき)ませぬからなア』
362松彦(まつひこ)吾々(われわれ)にはそんな粋事(すゐごと)はありませぬ。363()かけ(どほ)りの木石漢(ぼくせきかん)ですからなア』
364 お(とら)はツツと(そば)()り、365松彦(まつひこ)()(かふ)をソツと(おさ)へて細目(ほそめ)をし(なが)ら、
366(とら)『ヘヽヽ、367うまい(こと)仰有(おつしや)いますな。368流石(さすが)姫殺(ひめごろし)だ。369(こひ)上手(じやうづ)はやつれてかかるとか()ひましてな。370本当(ほんたう)(いた)れり(つく)せりだ。371蠑螈別(いもりわけ)オツトドツコイ……大分(だいぶん)(ちが)ひますわい。372(この)(ばば)アだつて貴方(あなた)(やう)(をとこ)らしい生神様(いきがみさま)だつたら、373モウ二十年(にじふねん)(わか)かつたら一苦労(ひとくらう)して()ますがなア。374ホツホヽヽヽ』
375 松彦(まつひこ)(しぶ)をかんだ(やう)面付(かほつき)で、
376松彦(まつひこ)『どうぞ揶揄(からかひ)はやめて(くだ)さい。377吾々(われわれ)大切(たいせつ)御用(ごよう)のある身体(からだ)378(その)寸暇(すんか)(うかが)つてあなたのお(すす)めに(まか)(まゐ)つたのですから、379(くだ)らぬ(はなし)をなさるのならば、380最早(もはや)(いとま)(いた)します』
381(はこ)さしたやうなスタイルでキチンとすわつてゐる。
382(とら)『これはしたり、383(まこと)失礼(しつれい)なことを申上(まをしあ)げました。384(しか)しねえ、385さう仰有(おつしや)つても、386ヤツパリ人間(にんげん)には裏表(うらおもて)がありますからなア』
387松彦(まつひこ)『ハヽヽヽ』
388魔我(まが)末代日(まつだいひ)王様(わうさま)生宮様(いきみやさま)389よくマア御入来(ごじゆらい)(くだ)さいました。390神政(しんせい)成就(じやうじゆ)太柱様(ふとばしらさま)391どうぞあなたも身魂(みたま)因縁(いんねん)だから、392他所(よそ)へは()かずに、393神政(しんせい)成就(じやうじゆ)(あかつき)(まで)394何卒(どうぞ)ここに御逗留(ごとうりう)(ねが)ひます』
395松彦(まつひこ)『それは(いささ)迷惑(めいわく)396半時(はんとき)ばかり御邪魔(おじやま)(いた)し、397今度(こんど)是非(ぜひ)(とも)(ひま)(いただ)きませう』
398魔我(まが)(なん)仰有(おつしや)つても、399身魂(みたま)因縁(いんねん)引寄(ひきよ)せられ(あそ)ばしたのだから、400そりや駄目(だめ)でせう。401マアゆつくりとして(くだ)さいませ』
402松彦(まつひこ)『ハイ有難(ありがた)う』
403万公(まんこう)『モシ義理天上(ぎりてんじやう)さま、404(この)ブラリ(ひこ)何時(いつ)(かへ)つたら(よろ)しいかな』
405魔我(まが)『どうぞ貴方(あなた)御随意(ごずゐい)になさつて(くだ)さいませ。406御都合(ごつがふ)(わる)ければ、407(いま)(すぐ)御帰(おかへ)りになりましても(かま)ひませぬ』
408万公(まんこう)山竹姫(やまたけひめ)(くち)から(うま)れた生宮(いきみや)ぢやないが、409マンマンマン ウマーと(あき)れざるを()ませぬわい。410ヘン』
411魔我(まが)『お(まへ)はウラナイ(けう)研究(けんきう)しましたか。412ようそんな(こま)かいことまで御存(ごぞん)じですな』
413万公(まんこう)『ハイ(この)(なか)でウラナイ(けう)(つう)()つたら、414マア(わたし)(くらゐ)(もの)でせう。415(わたし)はお(とら)さまの(うち)入婿(いりむこ)でしたからなア。416(なに)因縁(いんねん)があるので、417神様(かみさま)()らして(くだ)さいますわ。418山竹姫(やまたけひめ)さまは(うま)出来(でき)たので、419ビツクリして今度目(こんどめ)(また)420(てん)大神様(おほかみさま)にお(いの)(あそ)ばし、421(ゐのしし)()まれたでせう。422それから(また)(つぎ)(くち)から(たま)()()し、423(その)(たま)がヘグれて孔雀(くじやく)(うま)れたでせうがなア。424(その)(くらゐ)なことはチヤーンと(この)万公(まんこう)()つてゐるのですからなア』
425魔我(まが)成程(なるほど)コリヤ感心(かんしん)だ』
426万公(まんこう)(わたし)随意(ずゐい)にこれから御暇(おいとま)(いた)しませうか』
427(とら)『コレコレ(まん)さま、428(まへ)429何時(いつ)()にそんなおかげ(いただ)いたのだい。430それを()くからは、431()のうといつたとて()なしはせぬぞや。432それではヤツパリお(まへ)(みたま)はブラリ(ひこ)ではなかつた。433(たがや)大神(だいじん)(みたま)かも()れぬぞえ。434なア魔我彦(まがひこ)さま、435どうも(たがや)大神(おほかみ)(やう)ですなア』
436魔我(まが)『メツタにタガヤ……シませぬぢやらうかな。437(わたし)(うたが)やしませぬけれどなア。438(たがや)大神(おほかみ)にしてはチツと(かる)いやうな()がしますがなア』
439 万公(まんこう)両手(りやうて)()み、440()(ふさ)ぎ『ウン』と飛上(とびあが)り、
441万公(まんこう)『コリヤ、442魔我彦(まがひこ)443(その)(はう)(たがや)大神(だいじん)(みたま)(なん)心得(こころえ)()る、444そんなことで義理天上日出神(ぎりてんじやうひのでのかみ)生宮(いきみや)()へるかア。445三千世界(さんぜんせかい)(こと)なら、446(すみ)から(すみ)(まで)447(なに)もかも()つて()つて()りぬいた(この)(はう)だぞウ』
448魔我(まが)『ハイ(おそ)()りました』
449(とら)『これはこれは万公(まんこう)450イヤイヤ(たがや)大神(だいじん)生宮様(いきみやさま)451(まこと)にすまぬことを(いた)しました。452コレコレお(きく)453教祖様(けうそさま)がいつも()うて(ござ)つただらう、454(まへ)(みたま)地上姫(ちじやうひめ)だ、455地上姫(ちじやうひめ)(をつと)(たがや)大神(だいじん)生宮(いきみや)仰有(おつしや)つたぢやないか。456サア(はや)うこちらへ()御挨拶(ごあいさつ)申上(まをしあ)げないか』
457(おほ)きな(こゑ)()ばはつた。458(きく)(おどろ)いて(この)()(はし)(きた)り、
459(きく)『お()アさま、460(たがや)大神(だいじん)生宮(いきみや)さまて、461どなた? (この)(かた)ですか』
462松彦(まつひこ)(ゆび)さす。463万公(まんこう)(つつ)みきれぬ(うれ)しさと可笑(をか)しさを無理(むり)(わら)ふまいと気張(きば)つてゐる。464()るべくコクメンな素知(そし)らぬ(てい)(よそほ)うとしたが、465どうしても(こら)()れなくなり、
466万公(まんこう)『パーハツハヽヽヽ』
467吹出(ふきだ)した。
468(とら)『マアマア(たがや)大神様(だいじんさま)御機嫌(ごきげん)のよいこと、469ソラさうだろ、470(なが)らく()(そこ)(おち)ぶれて(ござ)つたのだもの、471ここで(にく)(みや)(にく)(みや)御対面(ごたいめん)を、472天晴(あつぱれ)(あら)はれてなさつたのだから(さぞ)御満足(ごまんぞく)(ござ)いませう。473コレお(きく)474(たがや)大神(だいじん)(にく)(みや)はあの万公(まんこう)さまだよ』
475(きく)『エーエ()かンたらしい、476あたしイヤだわ。477あんな(くろ)(ふんどし)しとつた(をとこ)478それお()アさま、479にえ(ちや)()ンでこけた(とき)480あれ(おも)()すと、481(なん)(たがや)大神(だいじん)さまだつて、482愛想(あいさう)がつきますワ』
483五三(いそ)『ウツフヽヽヽ』
484 アク、485タク、486テク一度(いちど)に『ワアハツハヽヽヽ』
487アク『(なん)とマア都合(つがふ)のよい(をしへ)だなア。488(おれ)今日(けふ)からスツパリとウラナイ(けう)()れて(もら)はうか()らぬてなア。489サア(なん)()つたらよからうかな。490アクビ(なほ)(ひこ)でもつまらぬし……ウンさうだ、491(おな)じアのつく天若彦(あまわかひこ)になつてやらう。492ウンウンウン』
493 ドスン……
494(この)(はう)(あく)にみせて(ぜん)(はたら)天若彦(あまわかひこ)であるぞよ』
495(とら)『オホヽヽヽ』
496魔我(まが)『アハヽヽヽ』
497(とら)『おきやんせいなア。498そんな受売(うけうり)をしたつて(たれ)()ふものか。499よいかげんに冗談(じやうだん)もなさるがよい。500悪垂彦命(あくたれひこのみこと)()が』
501アク『あゝあ、502たうとう尻尾(しつぽ)()られて(しま)つた』
503(とら)心得(こころえ)なされや、504(わたし)(まへ)だからよいが、505よそへ()つて、506そんな山子(やまこ)をなさると、507ドテライ(はぢ)をかきますぞや』
508五三(いそ)『ウツフヽヽヽ、509たうとう(あく)(たく)みの(あら)はれ(ぐち)だ。510(くち)(わざはひ)(かど)とは()()つたものだな、511無茶苦茶(むちやくちや)(くち)をアクとアカンことになるのだ、512のうテク、513タク、514俺達(おれたち)(つら)よごしだ』
515アク『万公(まんこう)だつて、516さうぢやないか、517万公(まんこう)()ふことが通用(つうよう)して、518(おれ)のいふことが通用(つうよう)せぬといふ理屈(りくつ)がどこにあるかい』
519五三(いそ)『アリヤ(まん)()いのだ。520アハヽヽヽ』
521松彦(まつひこ)肝腎(かんじん)大広木正宗(おほひろきまさむね)さまは何処(どこ)にゐられますか。522(わたし)正宗(まさむね)(さま)()うてくれと仰有(おつしや)つたので(まゐ)つたのですが、523御本人(ごほんにん)()られぬとすれば仕方(しかた)がありませぬ。524(かへ)りませうかな』
525(とら)『ヤ、526()られます。527(しか)(いま)御神懸(おかむがかり)最中(さいちう)ですから、528どうぞ(しばら)御待(おま)(くだ)さいませ。529(おく)()にお(うかが)ひの最中(さいちう)(ござ)います』
530松彦(まつひこ)(わたし)(なん)となく()がせきますから、531そんなら(わたし)(はう)から(うかが)ひませう』
532とツツと()ち、533()かうとする、534(とら)()ひつぶれた蠑螈別(いもりわけ)()られては大変(たいへん)と、535両手(りやうて)(ひろ)げ、
536(とら)『マアマアマア、537()つて(くだ)さい。538(いま)貴方(あなた)()かれては、539一寸(ちよつと)都合(つがふ)(わる)いことが(ござ)います』
540五三(いそ)松彦(まつひこ)さま、541(さけ)()うて(ござ)るのですよ。542受付(うけつけ)(きこ)えとつたでせう、543(この)(とら)さまと(さけ)()ひ、544イチヤ(つき)喧嘩(けんくわ)をして、545胸倉(むなぐら)をとられたり、546(あたま)をコツかれたり、547(たす)けてくれ……と(さけ)んでゐられたでせう。548(さかづき)()つたのも(ねこ)ぢやありませぬよ、549(みな)二人(ふたり)意茶付(いちやつき)喧嘩(げんくわ)産物(さんぶつ)です、550シツカリせぬとゴマかされて(しま)ひますで』
551松彦(まつひこ)『アハヽヽヽ、552(ひと)さまの(うち)のことは()ふものぢやない。553沈黙(ちんもく)しなさい』
554()(なが)(ふたた)(もと)()()いた。555(となり)()には蠑螈別(いもりわけ)(さけ)()ひつぶれ、556うつつになつて囈語(たわごと)()()した。557(その)(こゑ)(つぎ)()筒抜(つつぬ)けに(きこ)えて()る。
558蠑螈(いもり)『あゝあ、559エライことになつたものだ。560つひ(さけ)(いきほひ)南瓜(かぼちや)みたやうなお寅婆(とらばば)アをなぶつたのが()(つき)で、561こんな()()はされたのだ。562あゝあ(これ)(おも)へば高姫(たかひめ)親切(しんせつ)だ。563あゝあ高姫(たかひめ)如何(どう)して()るだらうなア。564高姫(たかひめ)々々(たかひめ)565()ひたいわいのう。566ウニヤ ウニヤ ウニヤ ウーン』
567 お(とら)顔色(かほいろ)(にはか)(かは)つて()た。
568魔我(まが)『エヘヽヽヽお(とら)さま、569()のもめる(こと)でせうなア』
570(とら)『アリヤ信者(しんじや)病人(びやうにん)があんなこと()つてるのだよ。571ここへ時々(ときどき)()のふれた(もの)(まゐ)つて()るから……厄介(やくかい)(こと)だ』
572魔我(まが)『それでも教祖(けうそ)さまの(こゑ)にソツクリぢやありませぬか』
573(とら)『サアそこが気違(きちがひ)だ。574悪神(あくがみ)(うつ)つて教祖様(けうそさま)声色(こわいろ)使(つか)つてるのだ。575そんなことが(わか)らいで、576仮令(たとへ)看板(かんばん)(だけ)でも、577副教祖(ふくけうそ)(つと)まりますか。578すまないが(この)(とら)教祖様(けうそさま)の……ウンではない……エヽ二世(にせ)○○(まるまる)だよ。579(とら)さまを(さし)おいてヅケヅケと()ふものでない。580スツ()んでゐなされや』
581魔我(まが)義理天上日出神(ぎりてんじやうひのでのかみ)もお(とら)さまにかかつては駄目(だめ)ですわい』
582 万公(まんこう)(なが)らく()()んでゐたが、583(あし)はしびれ、584()はだるくなつて(こら)()れなくなり、585ワザとにドスンと飛上(とびあが)り、586空呆(そらとぼ)けた(かほ)をし(なが)ら、
587万公(まんこう)『あゝ、588あゝ大変(たいへん)(ゆめ)()()つた。589綺麗(きれい)別嬪(べつぴん)さまと祝言(しうげん)(さかづき)をしたと(おも)へば……(なん)(ゆめ)だつたかいな。590オヽそれそれ(その)(きく)とソツクリの(をんな)だつた。591(なん)とマア(めう)なことがあるものだなア』
592(とら)『ナアニ、593(きく)(おな)美人(びじん)結婚(けつこん)をしたことが霊眼(れいがん)にうつつたのかな。594オヽさうだろさうだろ、595それで益々(ますます)確実(かくじつ)になつて()た。596神様(かみさま)仰有(おつしや)つたことは(ちが)はぬワイ……神様(かみさま)597有難(ありがた)(ござ)います、598惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
599蠑螈別(いもりわけ)腹立(はらだち)(わす)れてお(きく)(ため)(いの)つてゐる。
600大正一一・一二・一一 旧一〇・二三 松村真澄録)