霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一〇章 棚卸志(たなおろし)〔一二〇〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第45巻 舎身活躍 申の巻 篇:第3篇 裏名異審判 よみ:うらないしんぱん
章:第10章 第45巻 よみ:たなおろし 通し章番号:1200
口述日:1922(大正11)年12月12日(旧10月24日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年9月12日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
魔我彦は松姫に振られ、小娘のお千代にも馬鹿にされてむしゃくしゃしていたが、松姫ばかりが女じゃないと負け惜しみに気を取り直し、広間の演壇に登って道の話を講釈しながら若い女信者を物色して悦に入っている。
続いてお寅が登壇し、蠑螈別との痴話喧嘩は棚に上げて澄ました顔で神の道を説いた。そこに、祭官のいでたちをしたお千代がやってくると臆せずに演壇に登り、神に祈願を籠めると講話をはじめ出した。
お千代は親子の縁や恩の大切さから話はじめるが、そのうちに昼間から酒におぼれる蠑螈別への苦言をあからさまに語り、教祖の行いがどうであれ主の神を敬愛するようにと伝え、檀を下りるとしずしずと松姫の館に帰って行った。
蠑螈別の醜態をお千代の口から聞いた信者たちはガヤガヤとどよめき渡り、教団の人物論に花を咲かせていた。
群衆の中から熊公と名乗る赤ら顔の四十男が立ち上がり、自分は今まで騙されていた、ウラナイ教はうその教えだなどと怒鳴り始めた。お寅はそれを聞きつけて熊公を懐柔しようとし、教団の実態を見せて誤解を解くと言って、信者たちのどよめきが収まらない広間を後にして奥へ連れてきた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4510
愛善世界社版:161頁 八幡書店版:第8輯 308頁 修補版: 校定版:169頁 普及版:63頁 初版: ページ備考:
001(こひ)(やぶ)れし魔我彦(まがひこ)
002(まが)つた(こし)をピヨコピヨコと
003前後左右(ぜんごさいう)()(なが)
004右手(めて)にて(ひたひ)打叩(うちたた)
005左手(ゆんで)()のひら(うへ)()
006乞食(こじき)(もの)(もら)うよな
007(その)腰付(こしつき)面白(おもしろ)
008腹立(はらだ)たしさと阿呆(あはう)らしさ
009千代(ちよ)小女郎(こめらう)(わら)はれて
010(おのれ)クソとは(おも)(ども)
011子供(こども)(あが)りの(をんな)をば
012相手(あひて)にするのも()()かぬ
013大人気(おとなげ)ないと(わら)はれちや
014魔我彦司(まがひこつかさ)(をとこ)ぶり
015(はく)がサツパリ(はげ)るだろ
016勘忍(かんにん)するのは無事長久(ぶじちやうきう)
017(いか)るは自滅(じめつ)(まね)くぞと
018蠑螈別(いもりわけ)さまが仰有(おつしや)つた
019(おれ)(をとこ)ぢや腹帯(はらおび)
020(しつか)()めてきばらうか
021イヤ()(しば)しまて(しば)
022(ぜん)(あく)との境目(さかひめ)
023(はら)(むし)()がムクムクと
024おこれおこれと教唆(けうさ)する
025(この)仲裁(ちうさい)中々(なかなか)
026(とら)()アさまの侠客(けふかく)
027一寸(ちよつと)容易(ようい)(をさ)まらぬ
028あゝ是非(ぜひ)もない是非(ぜひ)もない
029(ぜん)(あく)とのまん(なか)
030(すす)んで()かうかオヽさうぢや
031それなら(むし)がチと(ばか)
032得心(とくしん)(いた)すに(ちがひ)ない
033なぞと小声(こごゑ)(ささや)きつ
034(たたみ)けちらし棕櫚箒(しゆろばうき)
035(あし)(ひつ)かけエヽ邪魔(じやま)
036(おれ)進路(しんろ)(さまた)げる
037(こひ)ふき(はら)(この)(はうき)
038(たの)みもせぬに(よこ)たはり
039(はうき)(はうき)(はばか)りさま
040(おれ)には(おれ)覚悟(かくご)ある
041松姫(まつひめ)(ばか)りが()(なか)
042(けつ)して(をんな)ぢやあらうまい
043(この)神殿(しんでん)(あつ)まつた
044老若男女(らうにやくなんによ)(その)(なか)
045(おれ)(まなこ)(かな)ひたる
046ナイスが()るかも(わか)らない
047首実検(くびじつけん)(ささや)きつ
048演壇(えんだん)めがけてスタスタと
049(いき)をはづませ駆上(かけのぼ)
050エヘンとすました咳払(せきばら)
051コツプの()をばグツと()
052片手(かたて)白扇(はくせん)ひン(にぎ)
053(たく)二三度(にさんど)(たた)きつつ
054一統(いつとう)信者(しんじや)(うち)ながめ
055(まなこ)(ひか)らす(をり)もあれ
056(うしろ)(かた)(ひか)えたる
057二八余(にはちあま)りの優姿(やさすがた)
058一寸(ちよつと)(うる)はしう()えてゐる
059(をんな)視線(しせん)集注(しふちう)
060(くび)をかたげて(うち)まもる
061(その)スタイルは(なつ)(へび)
062(かはづ)(ねら)(ごと)くなり
063異様(いやう)姿(すがた)一同(いちどう)
064合点(がてん)()かずと打仰(うちあふ)
065(おも)はず視線(しせん)魔我彦(まがひこ)
066一度(いちど)にドツと集注(しふちう)
067(おもて)をてらし(せま)(ども)
068以前(いぜん)のナイスは何故(なにゆゑ)
069(かほ)をかくしてうづくまり
070()つから視線(しせん)魔我彦(まがひこ)
071()けよとせないもどかしさ
072(また)もやエヘンと咳払(せきばらひ)
073コツプの()をばグツと()
074講談師(かうだんし)気取(きどり)(あふぎ)にて
075パチパチ(たく)()(なが)
076(みな)さま()うこそ御参詣(ごさんけい)
077ウラナイ(けう)神様(かみさま)
078血縁(けつえん)(ふか)方々(かたがた)
079(この)魔我彦(まがひこ)説教(せつけう)
080(つつし)みお()(あそ)ばせよ
081(おな)一堂(いちだう)(あつ)まつて
082(たふと)(かみ)御教(みをしへ)
083()かして(いただ)魔我彦(まがひこ)
084(また)()きなさる(みな)さまも
085仁慈(じんじ)(かみ)引合(ひきあは)
086(ふか)御縁(ごえん)があらばこそ
087(おな)時代(じだい)(うま)()
088(おな)地上(ちじやう)()(なが)
089血縁(けつえん)なくば一言(ひとこと)
090(たふと)(かみ)御教(みをしへ)
091()かれず一生(いつしやう)(おく)るもの
092何程(なにほど)あるか()れませぬ
093(これ)(おも)へば(みな)さまは
094(わたし)(とも)神様(かみさま)
095御霊(みたま)因縁(いんねん)性来(しやうらい)
096(あつ)まり()たのに(ちがひ)ない
097一樹(いちじゆ)(かげ)(あめ)やどり
098一河(いちが)(なが)れを()むさへも
099(ふか)いえにしと()きまする
100大慈(だいじ)大悲(だいひ)神様(かみさま)
101(あつ)まり(たま)聖場(せいぢやう)
102げに(あたたか)御恵(おんめぐ)
103ピヨピヨピヨと雛鳥(ひなどり)
104(おや)()がひにつつまれて
105一蓮托生(いちれんたくしやう)(いさ)()
106生育(せいいく)するよな有難(ありがた)
107(みな)さま御恩(ごおん)(わす)れずに
108(しん)(あい)との正道(まさみち)
109(つく)しなされ神様(かみさま)
110(かなら)吾等(われら)(みたま)をば
111(あい)して(すく)(たま)ふべし
112夫婦(めをと)(みち)(その)(とほ)
113因縁(いんねん)なくては()うしても
114(かみ)生宮(いきみや)(つく)()
115(たふと)神業(しんげふ)出来(でき)ませぬ
116(この)魔我彦(まがひこ)独身者(ひとりもの)
117()女房(にようばう)はなけれ(ども)
118いよいよ時節(じせつ)到来(たうらい)
119(いも)となるべき御信者(ごしんじや)
120ここにも一人(ひとり)(あら)はれた
121()きでも(いや)でも神様(かみさま)
122()めなさつた(えん)ならば
123(けつ)して(そむ)きは出来(でき)ませぬ
124(みな)さまそこを合点(がてん)して
125(いま)魔我彦(まがひこ)(ひき)はなす
126白羽(しらは)征矢(そや)()つた(ひと)
127否応(いやおう)なしに神様(かみさま)
128(その)御心(みこころ)服従(ふくじゆう)
129(しん)(あい)とを完全(くわんぜん)
130(まも)りなされ惟神(かむながら)
131(かみ)命令(めいれい)(かしこ)みて
132一同(いちどう)(かた)()()ける
133(わたし)(つま)となる(ひと)
134どうやら(この)()(あら)はれて
135(はづ)かし(さう)(かほ)そむけ
136思案(しあん)にくれて()られます
137これこれモウシそこの(ひと)
138(かみ)(みち)をば(まも)るなら
139(なん)遠慮(ゑんりよ)がいるものか
140(けつ)して(はづか)しことはない
141ウラナイ(けう)副教主(ふくけうしゆ)
142魔我彦司(まがひこつかさ)(おく)さまと
143なつて数多(あまた)信者(しんじや)をば
144天国(てんごく)浄土(じやうど)(さそ)()
145(すく)(たす)くる正業(まさわざ)
146夫婦(ふうふ)(なら)びて(つか)ふるは
147天下(てんか)此上(こよ)なき光栄(くわうえい)
148(ひと)決心(けつしん)第一(だいいち)
149世間(せけん)(ひと)胡魔(ごま)かされ
150(かみ)(むす)んだ(えにし)をば
151むげにするよな(こと)あらば
152(その)御方(おんかた)一生(いつしやう)(あひだ)
153鰥寡(くわんくわ)孤独(こどく)境遇(きやうぐう)
154()かねばならぬ(かみ)(ばつ)
155ここの道理(だうり)()()けて
156魔我彦司(まがひこつかさ)()(こと)
157どなたに(かぎ)らず(よろこ)んで
158()けなさるが神様(かみさま)
159(たい)して孝行(かうかう)といふものだ
160あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
161(かみ)(ちか)ひて魔我彦(まがひこ)
162(まこと)(みち)(つた)へおく
163(わたし)(これ)から降壇(かうだん)
164(つぎ)のお先生(せんせい)はお(とら)さま
165(たふと)(はなし)をトツクリと
166()いてドツサリ神徳(しんとく)
167(いただ)きなされや(みな)(ひと)
168なぞと(くち)から出放題(ではうだい)
169(こひ)野望(やばう)(たつ)せむと
170(かみ)松魚節(かつぶし)引出(ひきだ)して
171()きまくるこそづうづうしけれ。
172
173蠑螈別(いもりわけ)(おく)()
174(いぬ)さへ()はぬ痴話喧嘩(ちわげんくわ)
175(こころ)ゆくまで意茶(いちや)ついて
176(かひな)(つめ)(はな)ねぢる
177ドスンと(たふ)れて()をまはす
178前代(ぜんだい)未聞(みもん)大珍事(だいちんじ)
179乱痴気(らんちき)(さわ)ぎをやり(なが)
180()らぬ(かほ)をよそほひつ
181衣服(いふく)着飾(きかざ)(えり)(ただ)
182神官扇(しんくわんあふぎ)右手(めて)()
183紫袴(むらさきばかま)をバサバサと
184(おと)させ(なが)広前(ひろまへ)
185(くさ)(かほ)して悠々(いういう)
186(すす)()るのはウラナイの
187第一番(だいいちばん)熱心者(ねつしんじや)
188内事(ないじ)(つかさ)(えら)まれし
189艮婆(うしとらば)サンの御登壇(ごとうだん)
190(とら)悠々(いういう)壇上(だんじやう)
191つつ()眼下(がんか)群集(ぐんしふ)
192(すみ)から(すみ)(まで)()まはして
193オホンと一声(ひとこゑ)咳払(せきばらひ)
194(すず)(びん)から(みづ)をつぎ
195左手(ゆんで)にコツプをひつつかみ
196グツと一口(ひとくち)()みほして
197今度(こんど)はエヘンと咳払(せきばらひ)
198(とら)(くち)をあけて()
199(みな)さま()うこそ御参詣(ごさんけい)
200さぞ神様(かみさま)もお(よろこ)
201(あそ)ばしまして御神徳(ごしんとく)
202ドツサリ(わた)してくれませう
203蠑螈別(いもりわけ)教祖(けうそ)さま
204登壇(とうだん)(あそ)ばすとこなれど
205神界(しんかい)御用(ごよう)御多忙(ごたばう)
206数多(あまた)(かみ)御入来(ごにふらい)
207(さけ)接待(せつたい)(いそが)しく
208あつちや()いてこつちや()くひまもない
209さうだと(まを)して神様(かみさま)
210(さだ)めおかれた説教日(せつけうび)
211欠席(けつせき)するのも如何(いかが)なり
212(とら)よお(まへ)御苦労(ごくらう)だが
213(わたし)(かは)つて一席(いつせき)
214(たふと)(かみ)のお(はなし)
215一同(いちどう)(さま)にねもごろに
216()かしてくれよと御託宣(ごたくせん)
217(いな)むに(よし)なく(この)(ばば)
218無調法者(ぶてうはふもの)とは()(なが)
219(なに)()うても神柱(かむばしら)
220蠑螈別(いもりわけ)御命令(ごめいれい)
221()(まを)して(いま)ここに
222登壇(とうだん)したよな次第(しだい)です
223(そもそ)(かみ)御道(おんみち)
224信仰(しんかう)するのは人間(にんげん)
225(わづか)百年(ひやくねん)二百年(にひやくねん)
226三百年(さんびやくねん)生命(せいめい)
227安全(あんぜん)無事(ぶじ)(くら)さうと
228するよな(ちひ)さいことでない
229万劫末代(まんごふまつだい)()(とほ)
230(よる)なく(ふゆ)なき天界(てんかい)
231(かみ)のまします(れい)(くに)
232天人(てんにん)(ども)永久(とことは)
233不老(ふらう)不死(ふし)(たの)しんで
234(さか)えて(くら)天国(てんごく)
235(この)()()つた(その)(のち)
236(ただち)(すく)はれ(みちび)かれ
237五風十雨(ごふうじふう)(ついで)よく
238(かぜ)自然(しぜん)音楽(おんがく)
239無限(むげん)(かな)(やま)()
240草木(くさき)自然(しぜん)舞踏(ぶたふ)をば
241(たの)しみくらすパラダイス
242(その)天国(てんごく)(すく)はれて
243千代(ちよ)八千代(やちよ)永久(とこしへ)
244時間(じかん)空間(くうかん)超越(てうゑつ)
245(かぎ)りも()らぬ(たのし)みを
246()くるが(ため)信仰(しんかう)ぞや
247蠑螈別(いもりわけ)教祖(けうそ)
248高天原(たかあまはら)霊国(れいごく)
249(かみ)(つか)はせしエンゼルよ
250(この)エンゼルの(こと)()
251(この)()(つく)(たま)ひたる
252(まこと)(かみ)のぢきぢきの
253(その)言葉(ことば)(おな)じこと
254(かなら)(うたが)(あそ)ばすな
255智慧(ちゑ)なき(ひと)()(もつ)
256(たふと)(かみ)(こと)()
257審判(さばき)するこた出来(でき)ませぬ
258仮令(たとへ)蠑螈別(いもりわけ)さまが
259山逆(やまさか)さまに(のぼ)れよと
260無理(むり)なことをば()はれても
261(けつ)して(そむ)いちやなりませぬ
262(ただ)何事(なにごと)信仰(しんかう)
263最第一(さいだいいち)(たす)(ぶね)
264(この)()(どろ)(ただよ)へる
265(いや)しき吾々(われわれ)人間(にんげん)
266(なん)()つても神様(かみさま)
267(すく)ひの御手(みて)(たす)けられ
268一寸先(いつすんさき)()えわかぬ
269(ゆめ)のうき()安々(やすやす)
270(わた)()くのがウラナイの
271(かみ)信徒(しんと)(つと)めです
272どうぞ(みな)さま(この)(ばば)
273(いま)()ふことを(うたが)はず
274(かみ)(をしへ)(よろこ)んで
275(この)()()きて御子(みこ)()
276(また)天国(てんごく)(のぼ)りては
277常世(とこよ)(はる)(さか)えをば
278(たの)しむやうに信仰(しんかう)
279(つよ)くお(はげ)みなされませ
280不束者(ふつつかもの)(あら)はれて
281(わけ)(わか)つた(みな)さまに
282脱線(だつせん)だらけの説教(せつけう)
283申上(まをしあ)げたはすまないが
284(こころ)をひそめ(むね)()
285あてて(かんが)へなさるなら
286どこか()るべき(とこ)がある
287老婆(らうば)(はなし)(しりぞ)けず
288直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
289大神徳(だいしんとく)()(たま)
290十分(じふぶん)()けなされませ
291国治立(くにはるたち)大御神(おほみかみ)
292五六七成就(みろくじやうじゆ)大御神(おほみかみ)
293(あさひ)豊栄昇姫(とよさかのぼりひめ)
294(ひだり)脇立(わきだち)ユラリ(ひこ)
295(その)妻神(つまがみ)上義姫(じやうぎひめ)
296それに(つづ)いて義理天上(ぎりてんじやう)
297日出神(ひのでのかみ)()ふも(さら)
298リントウビテン大御神(おほみかみ)
299木曽義姫(きそよしひめ)大御神(おほみかみ)
300生羽(いきば)神社(じんしや)大御神(おほみかみ)
301岩照姫(いはてるひめ)大御神(おほみかみ)
302()丸姫(まるひめ)大御神(おほみかみ)
303大将軍(だいしやうぐん)常世姫(とこよひめ)
304ヘグレ神社(じんしや)大御神(おほみかみ)
305種物(たねもの)神社(じんしや)御夫婦(ごふうふ)
306御前(みまへ)(つつし)(うしとら)
307(たふと)(をしへ)(みな)さまに
308無事(ぶじ)(つた)へた御礼(おんれい)
309(かしこ)(かしこ)(まを)します
310御一同(ごいちどう)(さま)左様(さやう)ならと
311一寸(ちよつと)会釈(ゑしやく)(ほどこ)して
312神官扇(しんくわんあふぎ)(しや)にかまへ
313(くち)をへの()(むす)びつつ
314ツンとすまして衣摺(きぬずれ)
315(おと)サワサワと(かへ)りゆく。
316()かる(ところ)へスタスタと
317やつて()たのはお千代(ちよ)さま
318(つぼみ)(はな)優姿(やさすがた)
319白装束(しろしやうぞく)()(はかま)
320ふり()(がみ)()にたらし
321(ちひ)さき(あふぎ)右手(めて)()
322おめずおくせず演壇(えんだん)
323悠々(いういう)(のぼ)りテーブルの
324(した)から(かほ)突出(つきだ)して
325紅葉(もみぢ)のやうな()(あは)
326(かみ)祈願(きぐわん)をこめ(をは)
327一同(いちどう)信者(しんじや)打向(うちむか)
328コマしやくれたる口元(くちもと)
329(かみ)(をしへ)()(はじ)
330(その)有様(ありさま)(あい)らしさ
331老若男女(らうにやくなんによ)(きも)つぶし
332()()はりつつ乙女子(をとめご)
333(くち)(ひら)くを()ちゐたり
334満座(まんざ)信者(しんじや)一同(いちどう)(さま)
335(わたし)(かみ)神徳(しんとく)
336(ちから)一口(ひとくち)(はなし)
337覚束(おぼつか)(なが)皆様(みなさま)
338(こと)ときさして(もら)ひます
339(この)()(なか)一番(いちばん)
340(たふと)(もの)(かみ)(あい)
341それに(つづ)いて(おや)(あい)
342(あい)がなければ()(なか)
343殺風景(さつぷうけい)修羅場裡(しゆらぢやうり)
344地獄(ぢごく)畜生(ちくしやう)餓鬼道(がきだう)
345(たちま)出現(しゆつげん)(いた)します
346(わたし)不運(ふうん)(うま)れつき
347(ちち)(はは)との行方(ゆくへ)をも
348()らずに十二(じふに)今日(けふ)(まで)
349(ひと)(なさけ)(たす)けられ
350(この)()(おく)つて(まゐ)りました
351(やま)より(たか)(ちち)(おん)
352(うみ)より(ふか)(はは)(おん)
353(そだ)ての(おや)高恩(かうおん)
354これにもましていや(たか)
355ますます(ふか)きものですよ
356ウラナイ(けう)神様(かみさま)
357(まゐ)りなさるお(とら)さま
358いと親切(しんせつ)(わたくし)
359これの聖場(せいぢやう)(みちび)いて
360(たふと)(かみ)御教(みをしへ)
361(こころ)(きざ)んで(くだ)さつた
362(その)(めぐ)みは(わが)()をば
363()(たま)ひたる父母(ちちはは)
364百倍(ひやくばい)まして有難(ありがた)
365御恩(ごおん)(あふ)いで()りまする
366(ここ)(なら)んだ皆様(みなさま)
367(ちち)(はは)との御恩(ごおん)をば
368いと有難(ありがた)(おも)ふなら
369それにもましていや(たか)
370ますます(ふか)(かみ)(おん)
371(さと)りなさるに(ちがひ)ない
372さは()(なが)神様(かみさま)
373如何(いか)なる(あい)がゐます(とも)
374如何(いか)なる(ちから)がおはす(とも)
375(その)神徳(しんとく)吾々(われわれ)
376取次(とりつ)(あそ)ばす神司(かむつかさ)
377なけねば(えにし)(むす)ばれぬ
378(これ)(おも)へばウラナイの
379蠑螈別(いもりわけ)教祖(けうそ)さまは
380吾等(われら)(かみ)(みちび)いた
381御恩(ごおん)(ふか)神柱(かむばしら)
382如何(いか)なることをなさつても
383(おや)主人(しゆじん)無理(むり)をいふ
384ものだと(あきら)めをればよい
385とは()ふものの教祖様(おやさま)
386大事(だいじ)(おも)(ひと)あらば
387(おもて)(おか)して教祖(おや)さまを
388(ひと)改心(かいしん)なさるよに
389にがい言霊(ことたま)打出(うちいだ)
390御恩(ごおん)(かへ)して(くだ)さんせ
391それが(まこと)信者(しんじや)さまの
392(かみ)にささぐる(つと)めぞや
393(わたし)がこんなこといへば
394至仁(しじん)至愛(しあい)教祖(おや)さまを
395悪口(あくこう)(まを)すと思召(おぼしめ)せど
396(けつ)してさうではありませぬ
397天地(てんち)(かみ)沢山(たくさん)
398(にく)のお(みや)出入(ではい)りを
399なさると(うま)理屈(りくつ)つけ
400(あさ)から(ばん)までドブ(ざけ)
401()んで胃腸(ゐちやう)損害(そんがい)
402(かほ)(いろ)まであせはてて
403青白(あをじろ)うなつて()りまする
404(さけ)()めば顔色(がんしよく)
405(あか)くなるのが当前(あたりまへ)
406蠑螈別(いもりわけ)(かみ)さまは
407()めば()(ほど)(あを)くなる
408これは(まつた)くアル(ちう)
409証兆(しようてう)なりと()なすより
410(ほか)判断(はんだん)つきませぬ
411(さけ)ほど(わる)いものはない
412徳利(とくり)(をど)(ぜん)はとぶ
413ふすまはこける(さかづき)
414木端(こつぱ)みぢんにふみ(くだ)
415らんちき(さわ)ぎが(おこ)るのも
416(さけ)悋気(りんき)のいたづらだ
417蠑螈別(いもりわけ)()ふも(さら)
418魔我彦(まがひこ)さまやお(とら)さま
419(くち)(さき)ではエラ(さう)
420立派(りつぱ)なことを()うたとて
421言行一致(げんかういつち)でない(うへ)
422どうして権威(けんゐ)がありませう
423()らぬお(かた)のお(みみ)には
424殊勝(しゆしよう)らしくも(きこ)えませうが
425(その)内幕(ないまく)知悉(ちしつ)した
426(わたし)(みみ)層一層(そういつそう)
427滑稽(こつけい)至極(しごく)(きこ)えます
428あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
429(かみ)(おもて)(あら)はれて
430(ぜん)(おもて)標榜(へうぼう)
431ひそかに(あく)敢行(かんかう)
432(この)()(あざむ)曲人(まがびと)
433大鉄槌(だいてつつい)(くだ)されて
434いましめ(たま)天地(あめつち)
435(めぐみ)(かみ)御前(おんまへ)
436(つつし)(うやま)ひねぎまつる
437朝日(あさひ)()(とも)(くも)(とも)
438(つき)()(とも)()くる(とも)
439(ほし)(てん)より()つる(とも)
440(かみ)(をしへ)(みな)さまよ
441(けつ)して()てちやなりませぬ
442仮令(たとへ)教祖(けうそ)(おこな)ひが
443(かみ)(こころ)(そむ)(とも)
444曲津(まがつ)(うつは)であらう(とも)
445(この)()(もと)神様(かみさま)
446(けつ)して(かは)りはありませぬ
447(この)()(かたち)(あら)はした
448(ひと)をたよりになさらずに
449肉眼(にくがん)にては()えざれど
450(たしか)にゐます()(かみ)
451(うやま)(あい)()(しん)
452たゆまず(くつ)せず信仰(しんかう)
453(はげ)ませ(たま)へと乙女子(をとめご)
454をさなき()をも(かへり)みず
455一同(いちどう)(つた)へまゐらせる
456あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
457御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ。
458とお千代(ちよ)両親(りやうしん)()つた(うれ)しさに勇気(ゆうき)百倍(ひやくばい)し、459()ざかしくも(おも)()つて、460大胆(だいたん)無遠慮(ぶゑんりよ)日頃(ひごろ)所感(しよかん)(のこ)らずさらけ()して(しま)ひ、461悠々(いういう)として(だん)(くだ)り、462一同(いちどう)(かる)目礼(もくれい)(ほどこ)(なが)ら、463松姫(まつひめ)(やかた)()して徐々(しづしづ)(かへ)()く。
464 お千代(ちよ)乙女(をとめ)(くち)から遺憾(ゐかん)なく曝露(ばくろ)された蠑螈別(いもりわけ)教祖(けうそ)醜体(しうたい)(はじ)めて(みみ)にした信者(しんじや)(すくな)くなかつた。465(いづ)れも(あん)相違(さうゐ)面持(おももち)で、466ガヤガヤとぞよめき(わた)り、467蠑螈別(いもりわけ)468(とら)()アさま、469魔我彦(まがひこ)470千代(ちよ)などの人物比較論(じんぶつひかくろん)(はな)()かした。471群集(ぐんしふ)(なか)より(あか)(がほ)四十男(しじふをとこ)ムツクと立上(たちあが)り、
472(みな)さま、473(わたくし)(よひ)どれの熊公(くまこう)といはれ、474ウラル(けう)信者(しんじや)(ござ)いました。475そした(ところ)476ウラル(けう)御存(ごぞん)じか()りませぬが、477()めや(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(やみ)よ……といふおつな(をしへ)でげす。478随分(ずゐぶん)(あさ)から(ばん)までデツカンシヨ デツカンシヨで(やま)()み、479先祖(せんぞ)ゆづりの田畑(てんぱた)()み、480(いへ)()み、481(くら)()み、482(なに)もかもスツカリコンと未練(みれん)(のこ)らぬ(やう)に、483()()のタンクに格納(かくなふ)して(しま)つたのです。484(あま)(さけ)()むので、485女房(にようばう)子供(こども)をつれて、486(おや)(さと)(かへ)り、487(よひ)どれの熊公(くまこう)独身(ひとりみ)(さび)しさ、488フトしたことから、489(ひと)(さそ)はれてウラナイ(けう)入信(にふしん)(いた)しました。490ウラナイ(けう)(まこと)(おこな)ひのよい(をしへ)で、491天下太平(てんかたいへい)上下一致(じやうかいつち)492(あらそ)ひもなく(うらみ)もなく、493(また)教祖様(けうそさま)はお(さけ)()きださうだが、494(すこ)しも辛抱(しんばう)しておあがり(あそ)ばさず、495自分(じぶん)(くち)()れても(みな)神様(かみさま)がおあがりになり、496自分(じぶん)一滴(いつてき)もおあがりにならぬものと()いてゐました。497そした(ところ)(あに)(はか)らむや、498(いま)のお千代(ちよ)さまのお(はなし)(うけたま)はれば、499(あさ)から(ばん)(まで)神様(かみさま)出汁(だし)にズブ(ろく)()うて(ござ)るといふ(こと)です。500子供(こども)正直(しやうぢき)だから、501滅多(めつた)間違(まちがひ)はありますまい、502エヽ馬鹿(ばか)らしい(いま)までだまされて()つたと(おも)へば(はら)()ちますわ、503(わたし)(べつ)人間(にんげん)信仰(しんかう)してるのでないから、504神様(かみさま)(しん)じて()れば()いといふ(やう)なものの、505(かみ)御取次(おとりつぎ)たる教祖(けうそ)(その)()幹部(かんぶ)役員(やくゐん)が、506(あさ)から(ばん)(まで)507(ひと)膏血(かうけつ)(しぼ)つて、508(さけ)にくらひ()つてゐるとは(まこと)()しからぬでは(ござ)らぬか、509これでもあなた(がた)(この)(をしへ)信仰(しんかう)(いた)しますか。510(くち)何程(なにほど)立派(りつぱ)なことを()つても、511(おこな)ひの出来(でき)先生(せんせい)手本(てほん)とすれば、512ヤツパリ品行(ひんかう)(わる)うなります。513(まへ)さま(たち)大切(たいせつ)息子(むすこ)(むすめ)をお()ちでせうが、514こんなこと(をし)へられうものなら、515(その)(がい)(およ)(ところ)516一家(いつか)(まを)すに(およ)ばず、517天下(てんか)害毒(がいどく)になりますよ』
518(おく)()(きこ)えよがしに大声(おほごゑ)呶鳴(どな)()ててゐる。519(とら)(この)(こゑ)(きき)つけ(あわ)ただしく(はし)(きた)り、
520(とら)『モシモシ(くま)さま、521腹立(はらだち)御尤(ごもつと)もだが、522(なに)()つても子供(こども)(まを)したこと、523取上(とりあ)げるといふことがありますかいな。524あんたハンも立派(りつぱ)(をとこ)でゐ(なが)ら、525あんな小娘(こむすめ)()ふことを()()けて(おこ)るなんて、526ヘヽヽヽヽ、527本当(ほんたう)にやさしい(かた)だなア、528こんな(やさ)しい(をとこ)だつたら、529(わたし)もチと(わか)ければ一苦労(ひとくらう)するのだけれどなア、530本当(ほんたう)(にく)らしい(ほど)可愛(かあい)いワ』
531平手(ひらて)でピシヤピシヤと頬辺(ほほべた)をなぐりつける。
532熊公(くまこう)『コリヤ、533ナヽ(なに)をさらす、534失礼(しつれい)だないか、535(おれ)頬辺(ほほべた)(たた)きやがつたな』
536(とら)『ホヽヽヽヽ、537(あま)意気(いき)(をとこ)だから、538可愛(かあい)(あま)つて(にく)さが百倍(ひやくばい)539()らぬ()()()たのよ、540サアそんなことを()はずに、541蠑螈別(いもりわけ)(さま)(ところ)()(くだ)さい。542そすりや神様(かみさま)がお(あが)(あそ)ばすのか、543教祖(けうそ)がおあがり(あそ)ばすか、544(わか)りませう。545(その)(うへ)皆様(みなさま)証明(しようめい)して()げて(くだ)さい。546(まへ)さまも(さけ)苦労(くらう)したお(かた)だから、547一寸(ちよつと)御覧(ごらん)になつたら、548(たちま)真偽(しんぎ)がお(わか)りでせう』
549熊公(くまこう)『ウン、550さう()へば(わか)つてる、551よし、552そンなら調(しら)べて()う。553ヤア(みな)信者(しんじや)さま、554どうぞゆつくりとおかげを(いただ)きなさいませ。555(いま)熊公(くまこう)申上(まをしあ)げたこと、556間違(まちが)つてゐるかゐないかといふことを、557(いま)(とら)さまに()いて教祖(けうそ)居間(ゐま)(すす)み、558検査(けんさ)をした(その)(うへ)で、559もしも(わたし)()つたことが間違(まちが)つてゐたら取消(とりけ)しますし、560間違(まちが)つて()らなかつたら、561信仰(しんかう)をおやめなさつたが(よろ)しからう、562(しか)(なが)信仰(しんかう)は、563貴方(あなた)(がた)自由(じいう)だから、564強要(きやうえう)(いた)しませぬ』
565(とら)『コレ(くま)さま、566野暮(やぼ)なことをいふものだない。567サアゆきませう』
568(あや)しき視線(しせん)熊公(くまこう)(そそ)ぎ、569手首(てくび)(いつ)(ちから)()れてきつと(にぎ)り、570(ひつ)たくるよにして、571サツサと(この)()()つて()く。572あとには数多(あまた)老若男女(らうにやくなんによ)573口々(くちぐち)にザワザワとぞよめき()つてゐる。
574大正一一・一二・一二 旧一〇・二四 松村真澄録)
575(昭和一〇・六・一一 王仁校正)