霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第九章 欠恋坊(かくれんばう)〔一八一八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻 篇:第2篇 杢迂拙婦 よみ:もくうせっぷ
章:第9章 第72巻 よみ:かくれんぼう 通し章番号:1818
口述日:1926(大正15)年06月30日(旧05月21日) 口述場所:天之橋立なかや別館 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1929(昭和4)年4月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
アリスは二人の子供が帰ってきたのに狂喜し、逆に病は重くなってしまう。ダリヤはそれを憂いて、スガ山の山王神社に夜、ひそかに参詣して父親の平癒を祈る。
そこへ玄真坊が神素盞嗚大神の化身と偽ってやってきて、たぶらかして連れ去ったのであった。そして二人はタニグク山の岩窟へやってくる(このお話は、第六十七巻の第十四章へと続きます)。
一方、長者の宅では、兄のイルクが妹の行方不明に心を痛め、ヨリコ姫に善後策を相談していた。すると、それまですやすやと眠っていた花香姫が目を覚まし、夢を報告する。
夢の中で、ダリヤはオーラ山の玄真坊にかどわかされたが、汚されることなく、二ヵ月後に立派な人に送られて戻ってくる、と知らされたのであった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm7209
愛善世界社版: 八幡書店版:第12輯 643頁 修補版: 校定版:110頁 普及版:42頁 初版: ページ備考:
001(わが)()行衛(ゆくゑ)如何(いか)にぞと
002()(こが)れたる父親(てておや)
003アリスの親爺(おやぢ)両人(りやうにん)
004三五教(あななひけう)梅公別(うめこうわけ)
005(かみ)(つかさ)(おく)られて
006二人(ふたり)ニコニコ(かへ)りしゆ
007狂喜(きやうき)のあまり逆上(ぎやくじやう)
008(いよいよ)(やまひ)(おも)りつつ
009(あたま)(いた)むと()(なが)
010財産(ざいさん)全部(ぜんぶ)()()して
011(おく)()(ふか)(かく)れけり
012ダリヤの(ひめ)(おどろ)いて
013(こひ)しき(ちち)(やまひ)をば
014(いや)さむ(ため)にスガ(やま)
015山王(さんわう)神社(じんじや)(よる)(ひそ)
016(しの)(しの)びに()(まう)
017真心(まごころ)()めて(いの)()
018(とき)しもあれや薄暗(うすやみ)
019ぼかしてヌツと(あら)はれし
020白髪異様(はくはついやう)物影(ものかげ)
021(ほこら)(まへ)悠々(いういう)
022(ちか)より(きた)(おごそ)かに
023(こゑ)(しづ)めて()ぐるやう
024(われ)(たふと)三五(あななひ)
025(みづ)(はしら)(きこ)えたる
026神素盞嗚(かむすさのを)(みこと)ぞや
027(なんぢ)(いへ)(むかし)より
028スガの(みなと)(かく)れなき
029百万長者(ひやくまんちやうじや)(きこ)えたる
030(よろづ)(たみ)怨府(ゑんぷ)ぞや
031その(つみ)(いま)(むく)()
032(なんぢ)(はは)逸早(いちはや)
033この()(なか)()(かく)
034()山里(やまざと)(すく)はれて
035(ほそ)(けむり)()(なが)
036尼僧生活(にそうせいくわつ)(いとな)みつ
037(なんぢ)(いへ)冥福(めいふく)
038(いの)()るこそ(あは)れなる
039しかのみならず()(ちち)
040アリスは(いま)重病(ぢうびやう)
041(かか)りて生命(せいめい)危篤(きとく)なり
042()難関(なんくわん)(つつが)なく
043()()けなむと(おも)ふなら
044(われ)(をしへ)(したが)ひて
045大谷山(おほたにやま)谷間(たにあひ)
046神代(かみよ)(むかし)(くだ)()
047(さか)えの(かみ)御前(おんまへ)
048一日(ひとひ)(はや)(まう)()
049(われ)(なんぢ)案内(あない)して
050人目(ひとめ)(しの)(よる)(みち)
051(たす)()かなむダリヤ(ひめ)
052(いらへ)如何(いかに)』と(おごそ)かに
053()ればダリヤは(くび)(かた)
054(あや)しみ(なが)言葉(ことば)なく
055思案(しあん)にくれて()たりしが
056パツと(かがや)()(ひかり)
057ハツと(おどろ)(なが)むれば
058(また)もや火影(ほかげ)はパツと()
059()不思議(ふしぎ)なる出来事(できごと)
060ダリヤの(こころ)(うご)きつつ
061(こころ)(さだ)めて(こた)へらく
062神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)
063山王(さんわう)神社(じんじや)御化身(ごけしん)
064(わたし)にや(すこ)しも(わか)らねど
065人間離(にんげんばな)れのしたお(かた)
066仮令(たとへ)鬼神(きしん)であらうとも
067()かる妙術(めうじゆつ)ある(うへ)
068如何(いか)なる(ねがひ)もスクスクに
069(かな)はせ(たま)(こと)ならむ
070御身(おんみ)(あと)(したが)ひて
071何処(どこ)々々(どこ)(まで)(まゐ)りませう
072(みちび)(たま)へ』と()(あは)
073神素盞嗚(かむすさのを)大神(おほかみ)
074()けたる妖僧(えうそう)はオーラ(さん)
075岩窟(いはや)(なか)立籠(たてこも)
076善男(ぜんなん)善女(ぜんによ)(あざむ)きて
077謀反(むほん)(たく)みし玄真坊(げんしんばう)
078偽天帝(にせてんてい)化身(けしん)なる
079(にせ)救主(きうしゆ)()れの(はて)
080山子坊主(やまこばうず)()られたり
081玄真坊(げんしんばう)(むね)(うち)
082雀躍(こをど)りし(なが)言霊(ことたま)
083いと荘重(さうちよう)()らすらく
084善哉(ぜんざい)々々(ぜんざい)ダリヤ(ひめ)
085(なんぢ)(はは)三年前(みとせまへ)
086この()(すで)()りし(ごと)
087(おも)()れども()にあらず
088(わが)眷族(けんぞく)(つか)はして
089墓場(はかば)(つち)()(いだ)
090甦生(よみがへ)らせて山奥(やまおく)
091(いほり)(むす)(かく)しあり
092()第一(だいいち)()(はは)
093面会(めんくわい)させた(その)(うへ)
094(なんぢ)(ちち)重病(ぢうびやう)
095(すく)はむ(ため)(わが)仕組(しぐみ)
096(したが)(きた)れと()(なが)
097(やみ)山道(やまみち)スタスタと
098ダリヤの(ひめ)()()いて
099人跡(じんせき)(まれ)なる大野原(おほのはら)
100(あや)しき(こゑ)(しぼ)りつつ
101般若心経(はんにやしんぎやう)波羅蜜経(はらみつきやう)
102普門品(ふもんぼん)(まで)(とな)へつつ
103タラハン城下(じやうか)をさして()く。
104 ダリヤ(ひめ)稀代(きたい)売僧(まいす)105オーラ(さん)悪党(あくたう)玄真坊(げんしんばう)とは(ゆめ)にも()らず、106(わが)(いへ)にヨリコ(ひめ)107花香(はなか)逗留(とうりう)()(こと)(わす)れて(しま)ひ、108()んだと(おも)うた母上(ははうへ)は、109(ある)山奥(やまおく)()きて()ますと()きしより虚実(きよじつ)調(しら)ぶる余裕(よゆう)もなく、110(この)妖僧(えうそう)神素盞嗚(かむすさのを)(かみ)化身(けしん)(ふか)(しん)じて、111夜陰(やいん)にまぎれタラハン城下(じやうか)()して()()たのである。112玄真坊(げんしんばう)(くち)から出任(でまか)せの(こと)()つて(うはさ)(たか)薬屋(くすりや)(むすめ)(この)美人(びじん)を、1121うまく、113ちよろまかして自分(じぶん)(なび)かせ女房(にようばう)()()かば、114百万長者(ひやくまんちやうじや)財産(ざいさん)二人(ふたり)(あに)はあつても、115そこは(なん)とか、116(かん)とか文句(もんく)をつけ、117自分(じぶん)一人(ひとり)のものにせむと(いろ)(よく)との二道(ふたみち)かけ、118此処(ここ)(まで)つり()して()るは()たものの、119さて何処(いづこ)()れて()かうか……と(こころ)(うち)(なや)んでゐた。
120 タラハン(がは)(きし)沿()ひたる常磐木(ときはぎ)の、121かなり(ひろ)森林(しんりん)がある。122(この)森林(しんりん)一方(いつぱう)川辺(かはべ)(こと)とて、123千畳敷(せんでふじき)(いは)(なら)んで()た。124二人(ふたり)(この)(いは)(うへ)()()め、125(かは)(なが)れを(なが)(なが)休息(きうそく)した。
126ダリヤ『モシ、127大神(おほかみ)化身様(けしんさま)128(はは)()りまする(やま)はどの方面(はうめん)御座(ござ)いますか、129一寸(ちよつと)()らせ(くだ)さいませ』
130玄真(げんしん)『ウンウンヨシヨシ、131エー……コーツト……、1311あの(みね)がエー高満山(たかみつやま)132それから、133その(むか)ふが、134エー岸山(きしやま)135川並山(かはなみやま)136エー、137その(むか)ふがタニグク(やま)138ウンあのタニグク(やま)一寸(ちよつと)(うしろ)に、139コバルト(いろ)(かす)んで()(みね)()えるだらう。140あれが大谷山(おほたにやま)()つて、141あの(ふもと)に、142(なん)でエー、143(おまへ)のお(かあ)さまが()られるのだ。144そして、145其処(そこ)(さか)えの神様(かみさま)(ほこら)がある。146その神様(かみさま)(ねがひ)(ごと)(なん)でも()いて(くだ)さるのだ。147(いま)其処(そこ)案内(あんない)しようが、148何分(なにぶん)(みち)(わる)いから、149(まへ)難渋(なんじふ)すると(おも)つて、150(やす)(やす)()(こと)にしたのだ』
151ダリ『(なん)とマア(たか)(やま)御座(ござ)いますこと、152まだ彼処(あこ)(まで)大分(だいぶん)道程(みちのり)御座(ござ)いませうね』
153(げん)『さうだ、154一寸(ちよつと)三十里(さんじふり)(ばか)りあるだらう、155(をんな)足弱(あしよわ)()れて()くのだから156()三日(みつか)はかかる(こと)(おも)はねばならぬ』
157ダリ『アヽ左様(さやう)御座(ござ)いますか、158仮令(たとへ)三日(みつか)十日(とをか)(ぐらゐ)かかつてもお(かあ)さまに()へたり、159(とう)さまの病気(びやうき)()えましたら一寸(ちよつと)(いと)ひませぬ。160どうかお(ねがひ)(まを)します』
161(げん)『これ、162ダリヤさま、163(まへ)(わし)本当(ほんたう)(かみ)化身(けしん)(おも)つてゐるか、164それとも売僧坊主(まいすばうず)だと(おも)つて()るか、165本当(ほんたう)(こと)()かして(もら)()いものだな』
166ダリ『ハイ、167大神様(おほかみさま)御化身(ごけしん)にしてはチツト(ばか)り……()(まを)すとすみませぬが、168(かる)いやうでもあり、169俗人(ぞくじん)にしては(すべ)ての(てん)(ひい)でて御座(ござ)るなり、170山子坊主(やまこばうず)では到底(たうてい)出来(でき)ない妙術(めうじゆつ)()つて御座(ござ)るなり、171とても(わらは)(ごと)凡眼(ぼんがん)では(りう)片鱗(へんりん)でも(つか)(こと)出来(でき)ませぬ。172仮令(たとへ)山子坊主(やまこばうず)にした(ところ)で、173暗夜(やみよ)(からだ)から(ひかり)()したり、174四辺(あたり)(かがや)かしたりなさる御神徳(ごしんとく)()つたお(かた)(ゆゑ)175言葉(ことば)(したが)つて()けばキツト(のぞ)みを(かな)へて(くだ)さるだらうと(しん)じまして、176御案内(ごあんない)(ねが)つたので御座(ござ)います』
177(げん)『ハハア、1771成程(なるほど)178其方(そなた)余程(よほど)才媛(さいゑん)だ。179拙者(せつしや)(かみ)化身(けしん)(しん)じて()いて()たのならば、180一向(いつかう)面白(おもしろ)くないが、181仮令(たとへ)山子坊主(やまこばうず)にもせよ、182不思議(ふしぎ)(じゆつ)()つて()(その)(てん)憧憬(どうけい)して、183()いて()たとあれや益々(ますます)(たの)もしい。184それぢや(ひと)(なに)()打明(ぶちあ)けて()ふが、185拙僧(せつそう)こそは天帝(てんてい)化身(けしん)186天来(てんらい)救世主(きうせいしゆ)187天下一(てんかいち)名僧知識(めいそうちしき)自称(じしよう)する智謀絶倫(ちぼうぜつりん)英僧(えいそう)だ、188(いや)マハトマの聖雄(せいゆう)だ、189どうぢやダリヤ姫殿(ひめどの)190(おどろ)いたであらうなア』
191ダリ『ホツホヽヽ、192まるつきり、193オーラ(さん)玄真坊(げんしんばう)()たいなお(かた)ですな』
194(げん)『オーサ、195さうぢや、196拙僧(せつそう)こそはオーラの(やま)年古(としふる)()大天狗(だいてんぐ)化身(けしん)197玄真坊(げんしんばう)御座(ござ)るぞや』
198ダリ『ホツホヽヽ、199(なん)とマア、200えらい馬力(ばりき)ですこと、201大変(たいへん)なメートルが(あが)つてゐますよ。202さうすると玄真(げんしん)さま、203(まへ)美人(びじん)()れば岩窟(いはや)引張(ひつぱ)()んで、204否応(いやおう)()しに獣欲(じうよく)()げる淫乱上人(いんらんしやうにん)でせう。205母上(ははうへ)()はしてやらうなんて、206うまく(わらは)(だま)かし、207何処(どつか)岩窟(いはや)()()算段(さんだん)でせうがなア。208もうこれから御免(ごめん)(かうむ)ります。209仮令(たとへ)(からす)にこつかせても売僧坊主(まいすばうず)さまにやこつかせませぬワ。210エー、211マー、2111マア212(ひと)馬鹿(ばか)にして(くだ)さつた。213今時(いまどき)(をんな)に、214そんな(いつは)りを()馬鹿(ばか)御座(ござ)いませぬよ。215口惜(くや)しいと思召(おぼしめ)すなら、216()なつと()んで()になさい、217左様(さやう)なら』
218捨台詞(すてぜりふ)(のこ)()()さむとした。219玄真坊(げんしんばう)は、220ヒユーヒユーと口笛(くちぶえ)三四回(さんしくわい)()くや(いな)や、221七八人(しちはちにん)覆面(ふくめん)した荒男(あらをとこ)222(もり)(しげ)みより(あら)はれ(きた)り、223()とり(あし)とり否応(いやおう)()はさず、224玄真坊(げんしんばう)(とも)野中(のなか)(みち)をトントンと、225タニグク(やま)方面(はうめん)目蒐(めが)けて(かつ)()く。
226 スガの(みなと)のアリスの(うち)では、227ダリヤ(ひめ)山王(さんわう)(もり)夜中(やちう)参拝(さんぱい)した()り、228夜明(よあ)けになつても(かへ)つて()ないので、229門番(もんばん)のアル、230エスに(めい)じスガの(やま)()()(くま)なく捜索(そうさく)せしめたが、231何程(いくら)(さが)しても、232(かげ)(かたち)()えぬのに(ちから)(おと)し、233その()()(くれ)(ごろ)234(あを)(かほ)して(かへ)つて()た。235(あに)のイルクはこんな(こと)重病(ぢうびやう)(ちち)()かしては益々(ますます)(やまひ)(おも)(ばか)りと236召使(めしつかひ)(ども)によく()()かせ、237病父(びやうふ)のアリスにはダリヤ(ひめ)(こと)(すこ)しも(はな)さない(こと)口止(くちど)めをして(しま)つた。238イルクはヨリコ(ひめ)239花香姫(はなかひめ)居間(ゐま)(たづ)ね、
240『モシ、241ヨリコ(ひめ)(さま)242最早(もう)(やす)みで御座(ござ)いますか、243夜分(やぶん)(おそ)御邪魔(おじやま)(いた)しますが』
244(うかが)へば(なか)より、245(やさ)しきヨリコ(ひめ)(こゑ)
246『ハイ、247()(やす)んで()りませぬ。248さう()(こゑ)はイルクさまで御座(ござ)いますか、249まづまづお這入(はい)(くだ)さいませ。250(いもうと)宣伝(せんでん)草臥(くたぶれ)(すで)(やす)んで()りますが、251(かま)ひなくお這入(はい)(くだ)さいませ』
252イルク『ハイ、253有難(ありがた)う、254(しか)らば御免(ごめん)(かうむ)ります。255エー突然(とつぜん)ながら、256一寸(ちよつと)智慧(ちゑ)()して(もら)ひに(まゐ)りました。257()ふのは(ほか)でも御座(ござ)いませぬ、258(いもうと)のダリヤ(ひめ)昨夜半頃(さくよなかごろ)259(ちち)重病(ぢうびやう)()にして、260スガ(やま)山王(さんわう)(ほこら)参拝(さんぱい)(いた)しました()り、261今朝(けさ)になつても(かへ)()ず、262(わたくし)非常(ひじやう)心配(しんぱい)(いた)しまして門番(もんばん)のアル、263エスを(つか)はし、264山中(さんちう)(くま)なく捜索(さうさく)をさせましたが、265()べど(さけ)べど(なん)音沙汰(おとさた)もなしの(つぶて)266()暮頃(くれごろ)(ちから)なげに(かへ)つて(まゐ)りました。267()しや悪者(わるもの)にでも(かどはか)されたのぢや御座(ござ)いますまいかなア』
268ヨ『ヤ、269(はじ)めて(うけたまは)(じつ)(おどろ)きました、270さぞさぞ御心配(ごしんぱい)御座(ござ)いませう。271(わらは)()霊眼(れいがん)(ひら)けて()りませぬので、272()うの、273()うのと()ふお指図(さしづ)出来(でき)ませぬが、274コレヤ、275キツト(わる)(やつ)(たぶらか)され、276何処(どつか)山奥(やまおく)()れて()かれたのでせう。277(しか)(なが)ら、2771(かなら)御心配(ごしんぱい)なさいますな、278神様(かみさま)のお守護(まもり)ある以上(いじやう)滅多(めつた)(こと)はありませぬからなア』
279イ『左様(さやう)御座(ござ)いませうかね、280折角(せつかく)梅公別(うめこうわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)(たす)けられたと(おも)へば、281(また)悪者(わるもの)(さらは)れるとは、282よくよく(うん)(わる)(いもうと)御座(ござ)います』
283男泣(をとこな)きに()く。284(いま)(まで)スヤスヤ(ねむ)つて()花香(はなか)はフツと()()まし、
285『アヽ(ねえ)さまですか、286いやイルク(さま)287ようお()でなさいませ。288貴方(あなた)のお()ましとも()らずウツカリと()(しま)ひまして、289エライ失礼(しつれい)(いた)しました。290ダリヤ(ひめ)さまの行衛(ゆくゑ)(つい)て、291御相談(ごさうだん)して()られますやうですが、292(かなら)御心配(ごしんぱい)なさいますな。293ダリヤ(さま)屹度(きつと)二ケ月(にかげつ)(のち)にはお(かへ)りになります。294(わたし)(いま)(ゆめ)()ましたが、295あのオーラ(さん)立籠(たてこも)つて()つた玄真坊(げんしんばう)(かどはか)され、296何処(どこ)かの山奥(やまおく)()()かれ、297玄真坊(げんしんばう)自分(じぶん)女房(にようばう)にしようとして、298いろいろと(ほね)()つて()りますが、299ダリヤ(ひめ)(さま)(けつ)して(かれ)(けが)され(たま)ふやうな(こと)なく、300立派(りつぱ)(ひと)(おく)られてお(かへ)りになつた(ゆめ)()ました』
301イル『ヤア、302そのお(ゆめ)はキツト正夢(まさゆめ)御座(ござ)いませう、303六十日(ろくじふにち)()へば(なが)いやうですが、3031()ぐに()ちます。304どうか其時(それ)(まで)(ちち)()きて()つてくれれば(よろ)しいがな』
305ヨリ『一切(いつさい)神様(かみさま)(まか)したお父上(ちちうへ)306仮令(たとへ)御病気(ごびやうき)でもお(いのち)別条(べつでう)御座(ござ)いませぬ。307(みや)普請(ふしん)立派(りつぱ)出来上(できあ)がつた(うへ)に、308ダリヤ(ひめ)さまはお(かへ)り、309父上(ちちうへ)御本復(ごほんぷく)()(こと)になるでせう。310(みや)出来上(できあが)りとダリヤさまのお(かへ)りとお父上(ちちうへ)御全快(ごぜんくわい)と「目出度(めでた)目出度(めでた)()(かさ)なつて(つる)御門(ごもん)()をかける」と()瑞祥(ずゐしやう)がやがて(まゐ)りませう。311何事(なにごと)神様(かみさま)にお(まか)せして時節(じせつ)をお()(くだ)さいませ』
312 イルクは、
313『ハイ、314有難(ありがた)う、315夜分(やぶん)にお邪魔(じやま)(いた)しました、316何分(なにぶん)(よろ)しうお(ねがひ)(まを)します』
317(わが)居室(ゐま)さして(かへ)()く。
318大正一五・六・三〇 旧五・二一 於天之橋立なかや旅館 北村隆光録)
   
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