霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 厚顔(こうがん)無恥(むち)〔二〇四二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第81巻 天祥地瑞 申の巻 篇:第3篇 木田山城 よみ:きたやまじょう
章:第15章 厚顔無恥 よみ:こうがんむち 通し章番号:2042
口述日:1934(昭和9)年08月14日(旧07月5日) 口述場所:水明閣 筆録者:林弥生 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
乳母のアララギは、結婚式の荘厳さににわかに嫉みに襲われ、自分の娘・センリウが姫とそっくりなのを幸い、姫をだまして入れ替えさせ、また罠に陥れて遠島に流してしまったのである。
エームス太子は替え玉に気づかず、センリウをチンリウ姫と思い込み、寵愛していた。
アララギは、自分の娘センリウ(=実は替え玉のチンリウ姫)の家宝破壊の罪に対し、身内だからといって手心を加えることなく裁きを下した、とサール国の人々から思われていた。
そして、その公平無私な処置が木田山城内の賞賛を集めた。この件でエームス太子からも厚く信頼されることになり、城内の一切の事務を取り仕切るようになったので、その権力と声望はとみに増していった。
婚礼の後、祝賀の宴が開かれることになった。そこでもアララギは、自分の娘の罪に対して公平な裁きを下したことで、皆から賞賛された。
朝月、夕月は、アララギを気遣ってセンリウ(=実はチンリウ姫)の恩赦を申し出るが、アララギは、身内だからといって刑を軽くしてはならない、と頑なに否定した。
また王妃(=実はアララギの娘センリウ)もまた、サール国の掟を勝手に変えてはならぬ、と断固反対をした。アララギは城内の人々から一層、公平無私の人という評判を取り付けることになった。
しかし朝月は、センリウの刑の重さを不憫に思い、またどうも今の太子妃が本当のチンリウ姫ではないような気がする、と懸念を表明した。
疑われた王妃(=センリウ)は怒り、太子に朝月の処罰を要求した。エームス太子は朝月に対して激しく怒り、たちまちこれも遠島の刑に処してしまった。
朝月が縛られて島流しに送られる姿を見て、エームス太子、太子妃(=センリウ)、アララギは愉快げに微笑みながら、大罪人が正しく処罰されたことを喜ぶ歌を歌っていた。
アララギが木田山城の権力を握ってからは、邪な輩を重用し、正義の士はことごとく罪を着せて刑に処した。サール国には悪人がはびこり、国内各所には暴動が起こり、民の恨みの声は山野に満ち溢れることになってしまった。
センリウと入れ替えられて島流しにされたチンリウ姫の行く先は、「かくれ島」に送られることになった。この島は夕方になると全島が波間に水没してしまうという魔の島であった。
アララギは自分の計略が発覚することを恐れて、姫を亡き者にしようと、あえてこの島に姫を送らせたのであった。
また、島流しにされた朝月は「荒島」という岩石の孤島に打ち捨てられ、嘆きのうちに魚介を食料として月日を送ることとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm8115
愛善世界社版: 八幡書店版:第14輯 509頁 修補版: 校定版:326頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 大奥(おほおく)()けるエームス(わう)とチンリウ(ひめ)結婚式(けつこんしき)(あま)荘厳(さうごん)なるに、002乳母(うば)のアララギは(にはか)にねたましく野心(やしん)むらむらと(おこ)り、003如何(いか)にもしてチンリウ(ひめ)のセンリウに酷似(こくじ)せるを(さいは)ひ、004悪計(わるだくみ)(ひね)()し、005うまうま(ひめ)(わな)(おとしい)れ、006これを遠島(ゑんたう)(けい)(しよ)せしめしは、007(にく)みても(あま)りある奸佞邪智(かんねいじやち)曲者(くせもの)なりける。008エームス(わう)(ひめ)替玉(かへだま)とは()らず、009贋物(にせもの)をつかまされ、010チンリウ(ひめ)(ふか)(おも)()み、011昼夜(ちうや)(こころ)(もち)ひて寵愛(ちようあい)してゐる。012アララギは、013しすましたりと王妃(わうひ)となりしわが()と、014(ひそ)かに(かほ)見合(みあ)はせ、015(した)()()微笑(ほほゑ)んでゐる。016いよいよ結婚式(けつこんしき)()み、017十日(とをか)()たる月明(げつめい)()018殿内(でんない)(おい)重臣(ぢうしん)(あつ)め、019祝賀会(しゆくがくわい)(ひら)かるる(こと)となりぬ。
020 エームス(わう)(はじ)数多(あまた)重臣(ぢうしん)は、021アララギの公平(こうへい)なる処置(しよち)感激(かんげき)し、022(おのおの)(くち)(きは)めて讃辞(さんじ)(てい)し、023エームス(わう)(また)024アララギの公平(こうへい)なる処置(しよち)感嘆(かんたん)(あま)り、025一切万事(いつさいばんじ)委託(ゐたく)して殿内(でんない)(すべ)ての事務(じむ)処理(しより)せしめたれば、026アララギの声望(せいばう)旭日昇天(きよくじつしようてん)(ごと)く、027(かれ)()(すこ)しにても(さか)らふ(もの)あらば、028(ことごと)手打(てう)ちにされ、029投獄(とうごく)され、030(あるひ)遠島(ゑんたう)(けい)(しよ)せらるるのおそれありければ、031(いづ)れも(おそ)れを()してアララギの(こと)(くち)にする(もの)なかりける。
032 祝賀(しゆくが)(えん)(ひら)かれた。033エームス(わう)()つて(うた)ふ。
034(おほやけ)(こころ)()ちて(わたくし)
035()てしアララギいそしかりける
036最愛(さいあい)吾子(わがこ)(つみ)(つつ)まずに
037(しま)(なが)せと()りし素直(すなほ)
038アララギの(むすめ)(こと)(おも)()
039われは(あは)れを(もよほ)しにけり』
040 アララギは()つて(うた)ふ。
041(わが)(きみ)御言葉(みことば)(かしこ)しさりながら
042(くに)(おきて)(みだ)(たま)ふな
043吾子(わがこ)とはいへど天地(てんち)罪人(つみびと)
044依怙(えこ)なき(きみ)(ゆる)(たま)ふな
045(わが)(むすめ)(くに)(たから)()(やぶ)
046如何(いか)()(つみ)(のが)るべしやは
047(わが)(きみ)はよし(ゆる)すとも国津神(くにつかみ)
048この(あやま)ちを(ゆる)すべきかは
049わが(むすめ)(ゆる)さるる(こと)あるならば
050われは(かは)りて(つみ)(ふく)せむ』
051 王妃(わうひ)(うた)ふ。
052二十年(はたとせ)をわれに(つか)へしアララギの
053公心(おほやけごころ)(かみ)()るらむ
054二十年(はたとせ)(なが)月日(つきひ)(はぐく)みし
055吾子(わがこ)(つみ)をさばく雄々(をを)しさ
056センリウの(つみ)(おも)ければ何時(いつ)までも
057かくれの(しま)()ぢこめ()かむ
058万死(ばんし)にも(あたひ)するなる大罪(だいざい)
059(ゆる)さむ(おきて)(わが)(くに)()
060われは(いま)(ひじり)(きみ)伊添(いそ)ひつつ
061サールの(やみ)()らさむと(おも)
062アララギよ(なれ)(きよ)けき(こころ)もて
063わが政治(まつりごと)(たす)けまつれよ
064()()にも(まさ)りて雄々(をを)しきアララギは
065サールの(くに)(ちから)なるかも』
066 アララギは(うた)ふ。
067『ありがたしチンリウ(ひめ)御宣言(みことのり)
068たしに(まも)りて(たが)はざるべし
069今日(けふ)よりは(もも)(つかさ)(うへ)()
070(きみ)政治(せいぢ)(おぎな)ひまつらむ
071(わが)(きみ)(つみ)(つく)りしセンリウに
072(かなら)(こころ)(くば)らせ(たま)ふな
073()()けし吾子(わがこ)なりとて(ゆる)しなば
074サールの(くに)(おきて)(みだ)れむ
075(きみ)(おも)御国(みくに)(おも)誠心(まごころ)
076(なげ)きの(なみだ)われはしぼらじ』
077 朝月(あさづき)(うた)ふ。
078『けなげなるアララギの(きみ)ましまして
079(きみ)御心(みこころ)()らし(たま)へり
080チンリウ(ひめ)(かた)(こころ)(なご)めつつ
081今日(けふ)(よろこ)(まね)きし(きみ)はも
082チンリウ(ひめ)崇高(けだか)御姿(みすがた)朝夕(あさゆふ)
083(をが)みまつりて(くに)()をおもふ
084若王(わかぎみ)はいと(すこや)かにおはしまして
085御機嫌(ごきげん)よきが(うれ)しかりけり
086さりながらかくれの(しま)にやらはれし
087センリウ(ひめ)(かな)しかりけり
088大君(おほぎみ)(きよ)(こころ)()(なほ)
089(ゆる)させ(たま)へセンリウ(ひめ)を』
090 アララギは、091むつくと()つて(うた)ふ。
092『わが(きみ)(かなら)(ゆる)(たま)ふまじ
093(くに)(おきて)(おごそ)かなりせば
094朝月(あさづき)(つかさ)言葉(ことば)()くにつけ
095われは御国(みくに)(ため)(かな)しむ』
096 夕月(ゆふづき)(うた)ふ。
097(あやま)ちて(くに)(たから)をこはしたる
098センリウ(ひめ)(かな)しき(ひと)かも
099(くに)(おきて)(おごそ)かなりとはいひなながら
100無心(むしん)(あやま)(ゆる)すべきかは
101()らず()らず(あやま)ちし(つみ)をきためなば
102かへりて(くに)(をさ)まらざるべし
103夕月(ゆふづき)生命(いのち)をかけて(わが)(きみ)
104センリウ(ひめ)(ゆる)しを(ねが)ふ』
105 王妃(わうひ)(うた)ふ。
106朝月(あさづき)夕月(ゆふづき)二人(ふたり)(こと)()
107(うべ)よと(おも)へど永久(とは)(ゆる)さじ
108(おそ)(おほ)くも(くに)(たから)(こは)したる
109(つみ)(まさ)れる(つみ)はなからむ
110いや(ふる)きサールの(くに)(たましひ)
111()(くだ)きたる(つみ)(おも)けれ
112祖々(おやおや)()より(つた)はる水晶(すゐしやう)
113花瓶(くわびん)()りし(にく)罪人(つみびと)
114()()るるさへも(かしこ)御宝(おんたから)
115()(くだ)きたるセンリウ(にく)しも
116(わが)生命(いのち)あらむ(かぎ)りは(ゆる)すまじ
117(くに)(たから)(くだ)きたる(つみ)
118 アララギは(うた)ふ。
119姫君(ひめぎみ)()にも(あか)るき御宣言(みことのり)
120サールの(くに)(やみ)()らさむ
121(よる)(つる)焼野(やけの)(きぎす)わが御子(みこ)
122(おも)はぬものは()にあらじかし
123さりながら如何(いか)吾子(わがこ)といひつれど
124この(つみ)ばかりは(ゆる)(すべ)なし』
125 滝津瀬(たきつせ)(うた)ふ。
126『アララギの(きみ)雄々(をを)しき(こころざし)
127()くにつけても(なみだ)こぼるる
128かくの(ごと)公平(こうへい)無私(むし)のアララギの
129たたす御国(みくに)(やす)けかるべし
130たをやめの(をんな)ながらも(おに)まさり
131雄々(をを)しき(きみ)(くに)(ひか)りよ
132若王(わかぎみ)(あさ)(ゆふ)なの政治(まつりごと)
133(たす)けて(きみ)永久(とは)にましませ
134常闇(とこやみ)のサールの(くに)今日(けふ)よりは
135天津(あまつ)()(ごと)(かがや)(わた)らむ
136姫君(ひめぎみ)はイドムの(わう)愛娘(まなむすめ)
137さかしく雄々(をを)しく()(のぞ)みますも
138やがて(いま)イドム、サールの両国(りやうごく)
139至治太平(しちたいへい)御代(みよ)(さか)えむ
140木田川(きたがは)(ひろ)(なが)れも今日(けふ)よりは
141()みきり(わた)らむ(ひめ)(ひか)りに
142大栄(おほさか)(やま)()()()(おろ)
143(かぜ)(あたた)かくなりにけらしな
144(とら)(くま)獅子(しし)(おほかみ)のやからまで
145(きみ)(めぐ)みに伊寄(いよ)(つど)ふも
146有難(ありがた)御代(みよ)となりけりアララギの
147(つかさ)のいますサールの国原(くにはら)
148時鳥(ほととぎす)(あめ)になきたる国原(くにはら)
149(いま)(くま)なく()れて(すが)しき
150大栄山(おほさかやま)樹海(じゆかい)(わた)山風(やまかぜ)
151これの(やかた)(すず)しく(わた)れり』
152 山風(やまかぜ)(うた)ふ。
153(むかし)より(ためし)()らぬこの(くに)
154(さかえ)()たるわれぞ(うれ)しき
155()(やま)(みどり)(ころも)着飾(きかざ)りて
156サールの(くに)寿(ことほ)(わた)らふ
157(みどり)樹海(じゆかい)(わた)山風(やまかぜ)
158(すず)しき(こころ)(きみ)()たせり』
159 朝月(あさづき)(ふたた)(うた)ふ。
160(なみ)(おく)かくれの(しま)(おく)りてし
161(ひめ)(こころ)(おも)へば(かな)
162(おそ)れながら(まこと)(ひめ)(あら)ずやと
163わが(たましひ)はささやきて()り』
164 チンリウ(ひめ)()(かど)()てながら、165言葉(ことば)せはしく(うた)ふ。
166朝月(あさづき)のゐやなき言葉(ことば)()くにつけ
167わが(たましひ)()ちふるふなり
168朝月(あさづき)のゐやなき言葉(ことば)をきためませよ
169(わが)(きみ)われを(めぐ)しと(おぽ)さば
170()たりとはいへどもわれとセンリウは
171貴賤尊卑(きせんそんぴ)(べつ)あるものを』
172 エームス(わう)(うた)ふ。
173『チンリウ(ひめ)言葉(ことば)(うべ)朝月(あさづき)
174ゐやなき言葉(ことば)われはとがめむ
175朝月(あさづき)のかげは真白(ましろ)(うす)れつつ
176やがて()えなむわが(こと)()
177朝月(あさづき)(おも)(つみ)をば()はせつつ
178(ひと)なき(しま)(とほ)(なが)せよ』
179 ここに王命(わうめい)もだし(がた)く、180朝月(あさづき)(わう)王妃(わうひ)(いか)りにふれ、181(たちま)宴会(えんくわい)席上(せきじやう)より全身(ぜんしん)荒縄(あらなは)(しば)られながら、182大罪人(だいざいにん)として遠島(ゑんたう)(けい)(しよ)せられしこそ是非(ぜひ)なけれ。
183 あはれ、184朝月(あさづき)はチンリウ(ひめ)(うたが)ひし(かど)により即座(そくざ)(おも)(けい)(しよ)せられ、185衆人環視(しうじんくわんし)(なか)引立(ひつた)てられ、186城外(じやうぐわい)におびき()され、187(つひ)には島流(しまなが)しの憂目(うきめ)()るに(いた)れり。
188 エームス(わう)189チンリウ、190アララギはその後姿(うしろすがた)()()やりながら、191愉快(ゆくわい)げに微笑(ほほゑ)みつつアララギは(うた)ふ。
192(あき)らけき(きみ)のさばきに朝月(あさづき)
193(かへ)言葉(ことば)もなかりけるかな
194姫君(ひめぎみ)(おとしい)れむと朝月(あさづき)
195言葉(ことば)かまへて(みだ)さむとせし
196天地(あめつち)(かみ)のきためは()のあたり
197朝月(あさづき)(いま)はかげだにもなし
198(わが)(くに)(おきて)(きび)しくなさざれば
199やがて(みだ)れむ(うへ)(した)とに
200(わが)(きみ)(ただ)しき判決(さばき)()るにつけ
201(すゑ)(たの)もしく(おも)はるるかな』
202 チンリウ(ひめ)は、
203心地(ここち)よき(こと)()るかなゐやなくも
204われをなみせし(つみ)(むく)()
205わが(まへ)(うたが)ひあれば何事(なにごと)
206言挙(ことあ)げせよや(ただ)判決(さば)かむ』
207 エームス(わう)(うた)ふ。
208木田山城(きたやまじやう)内外(うちと)(みだ)(やぶ)らむと
209(たく)みし(まが)看破(みやぶ)られたり
210朝月(あさづき)表面(うはべ)(まこと)(よそほ)ひつ
211(つめ)をかくせし(とら)なりにけり
212曲神(まがかみ)はわが(やかた)より()()され
213荒浪(あらなみ)()にただよふなるらむ
214チンリウ(ひめ)()(うへ)につき(うたが)ひの
215言葉(ことば)(いだ)さば()ひやらふべし
216かくの(ごと)(ただ)しき(ひめ)贋物(にせもの)
217(うたが)ふやからの(こころ)(くも)れる』
218 滝津瀬(たきつせ)(うた)ふ。
219『われは(いま)(ただ)しき判決(さばき)()のあたり
220(なが)めて(こころ)(をのの)きしはや
221日月(じつげつ)(そら)()れども中空(なかぞら)
222黒雲(くろくも)(おこ)りて地上(ちじやう)にとどかず
223黒雲(くろくも)(はら)(たま)ひしわが(きみ)
224(きよ)判決(さばき)(たふと)かりけり
225御姿(おんすがた)崇高(けだか)くいます姫君(ひめぎみ)
226(うたが)(つかさ)(こころ)あやしも』
227 山風(やまかぜ)(うた)ふ。
228『かくの(ごと)(あか)るき(ひめ)(うたがひ)
229かくる(こころ)曲津(まがつ)なりけり
230わが(きみ)(ひめ)(みこと)服従(まつろ)ひて
231()(たましひ)千代(ちよ)(つか)へむ
232アララギの(きみ)(あか)るき(たましひ)
233われは(ちから)(つつし)(つか)へむ』
234 これより木田山城内(きたやまじやうない)はアララギが権威(けんゐ)(ふる)ひ、235奸佞邪智(かんねいじやち)(ともがら)重用(ぢゆうよう)し、236正義(せいぎ)()(ことごと)難癖(なんくせ)をつけ、237(あるひ)(ころ)し、238(あるひ)(なが)し、239(あるひ)牢獄(らうごく)(とう)じければ、240悪人(あくにん)益々(ますます)跋扈(ばつこ)して、241サールの国内(こくない)各所(かくしよ)暴動(ぼうどう)勃発(ぼつぱつ)し、242怨嗟(ゑんさ)(こゑ)山野(さんや)()ち、243国家(こくか)(あやふ)情勢(じやうせい)馴致(じゆんち)したるぞ是非(ぜひ)なけれ。
244 ここにチンリウ(ひめ)は、245乳母(うば)アララギの奸計(かんけい)にかかり、246吾子(わがこ)のセンリウと()ひられ、247()国宝(こくはう)破壊(はくわい)(つみ)()はされ、248かくれ(じま)(なが)されけるが、249この(しま)(ゆふ)さり(きた)れば荒浪(あらなみ)(ため)全島(ぜんたう)(ぼつ)し、250これにある人畜(じんちく)溺死(できし)するといふ()(しま)なりけり。251アララギは奸計(かんけい)発覚(はつかく)をおそれ、252(とく)にこの(しま)主人(しゆじん)のチンリウ(ひめ)(おく)らせたるにぞありける。253(また)朝月(あさづき)(わう)(いか)りにふれて、254かくれ(じま)より(やく)五十哩(ごじふまいる)ばかり(おき)にある荒島(あらしま)といふ岩石(がんせき)のみにて(かた)まりし一孤島(いちこたう)()てられ、255(なげ)きの月日(つきひ)(おく)りつつ魚介(ぎよかい)餌食(ゑじき)として、256(てん)(とき)()ちゐたりける。
257アララギの()しき謀計(たくみ)()せられて
258チンリウ(ひめ)(なが)されにけり
259朝月(あさづき)(また)アララギの計略(けいりやく)
260荒島(あらしま)さして(なが)されにけり
261悪神(あくがみ)一度(いちど)(はな)()(さか)ゆとも
262(とき)(いた)ればもろく(ほろ)びむ。
263昭和九・八・一四 旧七・五 於水明閣 林弥生謹録)
   
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