霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 ()へぬ(をんな)〔八二一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻 篇:第4篇 南米探険 よみ:なんべいたんけん
章:第21章 喰へぬ女 よみ:くえぬおんな 通し章番号:821
口述日:1922(大正11)年08月10日(旧06月18日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年8月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
船長のタルチールは、そろそろ本当のことを高姫に告げて、安心させてやった方がよいのでは、と言依別命に話しかけた。言依別命は、宝珠の神業は大神様の御経綸なので、高姫に明かすことはできない、と答えた。
そして言依別命はタルチールに明かして、如意宝珠の宝玉は自転倒島の冠島と沓島に隠してあるのだ、と答えた。そして、いかに自分たちが玉を所持していないと言っても、高姫は信用しないので、高姫にそれとなく示してくれないか、とタルチールに頼んだ。
タルチールは宣伝使の初陣として引き受けた。船長は高姫を船室に招き、丁重に迎えた。そしてバラモン教の信者を装って高姫の教示を聞くふりをして、高姫と問答を始めた。
タルチールは高姫から言依別命の名が出てくると、最近自分の船で三五教の言依別命一行に会ったと話し、立派な宝玉を高姫から守るために自転倒島に戻っていったと告げ、高姫に自転倒島に戻るように促した。
しかし高姫は船長を信用せず、言依別命が自分を騙すために仕組んだものと疑って、船室を出て行ってしまった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:261頁 八幡書店版:第5輯 446頁 修補版: 校定版:271頁 普及版:117頁 初版: ページ備考:
001 タルチールの船長室(せんちやうしつ)には、002言依別命(ことよりわけのみこと)003国依別(くによりわけ)三人(さんにん)鼎座(ていざ)して、004神界(しんかい)経綸談(けいりんだん)()いて、005熱心(ねつしん)意見(いけん)(たたか)はして()た。
006船長(せんちやう)只今(ただいま)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)高姫(たかひめ)(まを)(もの)007甲板上(かんばんじやう)にて、008()りとめもなき(こと)(まを)して()りましたが、009如何(いか)にも教主様(けうしゆさま)御言葉(おことば)(とほ)り、010執着心(しふちやくしん)(ふか)偏狭(へんけふ)人物(じんぶつ)ですなア。011(なん)とかして(かれ)(すく)うてやる(わけ)には(まゐ)りませぬか。012(なん)でもあなた(さま)非常(ひじやう)(うら)()(うたが)ひ、013麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)御両人(ごりやうにん)懐中(ふところ)にして、014高砂島(たかさごじま)()げたに(ちが)ひないから、015どこまでも()つかけて取返(とりかへ)さなならぬと、016それはそれは大変(たいへん)逆上(のぼせ)(かた)御座(ござ)いましたよ。017あなたも()加減(かげん)(じつ)()いて、018あの高姫(たかひめ)安心(あんしん)さしておやりになつたら如何(どう)でせう』
019言依別(ことよりわけ)麻邇宝珠(まにほつしゆ)替玉(かへだま)事件(じけん)(まつた)大神様(おほかみさま)御経綸(ごけいりん)()でさせられたものでありまして、020吾々(われわれ)としては(その)一切(いつさい)高姫(たかひめ)(たい)し、021明示(めいじ)することは出来(でき)ない(こと)になつて()ります。022(また)高姫(たかひめ)吾々(われわれ)(まを)すことは(けつ)して(しん)ずる(もの)ではありませぬ。023何程(なにほど)(まこと)(こと)()()かしましても、024(こころ)(そこ)からひがみ()つて()りますから、025到底(たうてい)本当(ほんたう)には(いた)しませぬ。026どうも(こま)つたものです』
027船長(せんちやう)『あなたで()かなければ、028国依別(くによりわけ)(さま)(とほ)してお(しめ)しになつたら如何(どう)ですか』
029言依別(ことよりわけ)到底(たうてい)(もの)になりませぬ。030国依別(くによりわけ)随分(ずゐぶん)高姫(たかひめ)(たい)し、031幾回(いくくわい)となくからかひ、032()(たま)所在(ありか)()らせて失敗(しつぱい)をさせた(こと)がありますから、033なほなほ()道理(だうり)御座(ござ)いませぬ』
034船長(せんちやう)(その)(たま)一体(いつたい)如何(どう)なつてゐるのですか』
035言依(ことより)何人(なにびと)にも口外(こうぐわい)することは出来(でき)ないのですが、036あなたに(かぎ)つて他言(たごん)をして(くだ)さらねば申上(まをしあ)げませう。037如意宝珠(によいほつしゆ)天火水地(てんくわすいち)宝玉(ほうぎよく)は、038自転倒島(おのころじま)中心地(ちうしんち)039冠島(かむりじま)040沓島(くつじま)大切(たいせつ)(かく)してあります。041それを高姫(たかひめ)が、042吾々(われわれ)持逃(もちにげ)したものと(おも)ひ、043(わたし)(あと)()うて此処(ここ)までやつて()たのでせう。044御存(ごぞん)じの(とほ)吾々(われわれ)両人(りやうにん)(たま)などは一個(いつこ)所持(しよぢ)してはゐませぬでせう』
045船長(せんちやう)(あふ)せの(とほ)(なに)御持(おも)ちになつて()られませぬ。046一層(いつそう)(こと)047高姫(たかひめ)直接(ちよくせつ)御会(おあ)ひになつて、048これ(この)(とほ)り、049吾々(われわれ)(たま)なんか()つてゐない、050御示(おしめ)しになつたら如何(どう)でせう』
051国依別(くによりわけ)『それは駄目(だめ)ですよ。052ここに()つてゐなくても、053どつかに(かく)したのだらうと、054どこどこ(まで)(うたが)つて、055尚更(なほさら)()きびしき脅迫(けふはく)(いた)しますから、056自然(しぜん)()のつく(まで)()てておく(はう)利益(りえき)だと(おも)ひます』
057言依(ことより)吾々(われわれ)両人(りやうにん)何程(なにほど)(まこと)(まを)しても、058高姫(たかひめ)(かぎ)つて信用(しんよう)してくれませぬから、059あなた、060(まこと)御苦労(ごくらう)をかけますが、061高姫(たかひめ)をソツと何処(どこ)かへ御招(おまね)きなつて、062高砂島(たかさごじま)には(けつ)して(たま)なんか(かく)してない、063自転倒島(おのころじま)(さが)せよ……と()つて(もら)つた(はう)が、064(かへつ)信用(しんよう)するかも()れませぬ。065(くだ)らぬことに無駄骨(むだぼね)()らすも、066可哀相(かあいさう)でたまりませぬから……(じつ)(ところ)(その)(たま)高姫(たかひめ)(さが)させ今迄(いままで)失敗(しつぱい)回復(くわいふく)し、067天晴(あつぱ)聖地(せいち)神司(かむづかさ)として(はづ)かしくない(やう)にしてやりたいとの、068神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)思召(おぼしめし)()言依別(ことよりわけ)持逃(もちにげ)したことに(いた)し、069(わたし)犠牲(ぎせい)となつて聖地(せいち)(はな)れ、070これより高砂島(たかさごじま)071常世国(とこよくに)宣伝(せんでん)し、072(つひ)にフサの(くに)ウブスナ山脈(さんみやく)斎苑(いそ)(やかた)(まゐ)り、073コーカス(ざん)(いた)計画(けいくわく)御座(ござ)います。074どうぞあなたより、075高姫(たかひめ)(たい)して、076無駄骨(むだぼね)()らない(やう)()(さと)して(くだ)さいませぬか』
077船長(せんちやう)『ハイ、078(わたし)もあなたより宣伝使(せんでんし)(しよく)(めい)ぜられたる(うへ)は、079高姫(たかひめ)さまに(たい)し、080宣伝(せんでん)初陣(うひぢん)(こころ)みませう。081もしも不成功(ふせいこう)(をは)つたならば、082宣伝使(せんでんし)辞職(じしよく)せねばなりませぬか』
083言依(ことより)『そんな心配(しんぱい)御無用(ごむよう)です。084()るも()らぬも惟神(かむながら)ですから、085成否(せいひ)度外(どぐわい)()いて、086(ひと)掛合(かけあ)つて()(くだ)さい』
087船長(せんちやう)『ハイ左様(さやう)ならば、088(ひと)初陣(うひぢん)をやつて()ませう』
089 (ここ)船長(せんちやう)は、090高姫(たかひめ)(わが)一室(ひとま)(まね)き、091(ひそ)かに高姫(たかひめ)(むか)つて注意(ちうい)(あた)ふる(こと)とした。
092 船長(せんちやう)繁忙(はんばう)なる事務(じむ)繰合(くりあは)せ、093真心(まごころ)より顔色(がんしよく)(やはら)げ、094言葉(ことば)もしとやかに高姫(たかひめ)(むか)つて(はな)しかけた。
095船長(せんちやう)高姫(たかひめ)さま、096先程(さきほど)は、097(まこと)(たふと)御身(おんみ)(うへ)とも()らず御無礼(ごぶれい)(いた)しました。098(いま)(あらた)めて御詫(おわび)をいたします』
099高姫(たかひめ)『お(まへ)高島丸(たかしままる)船長(せんちやう)100それ(くらゐ)なことが()がつかねばならぬ(はず)だ。101何故(なにゆゑ)今迄(いままで)(この)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(わか)らぬのだらうかと、102(じつ)不思議(ふしぎ)でたまらなかつた。103(しか)賢明(けんめい)なるお(まへ)104滅多(めつた)(わか)らぬ(はず)がないのだが、105つまりお(まへ)にバラモン(けう)悪神(あくがみ)憑依(ひようい)してゐて、106あのような(くだ)らぬ(こと)()はしたのですよ。107()出神(でのかみ)がチヤンと一目(ひとめ)(にら)んだら()(わか)つてゐます。108流石(さすが)曲津神(まがつかみ)も、109()出神(でのかみ)威勢(ゐせい)(おそ)れて、110(なみ)(わた)つて(にげ)(しま)ひよつたのです。111(いま)のお(まへ)(かほ)と、112最前(さいぜん)(かほ)とは(まる)閻魔(えんま)地蔵(ぢざう)(ほど)(ちが)つてゐます。113あなたも()れから(この)高姫(たかひめ)(をしへ)()いて、114三五教(あななひけう)信者(しんじや)におなりになさつたら、115益々(ますます)御神徳(ごしんとく)(あら)はれて立派(りつぱ)人格者(じんかくしや)におなり(あそ)ばし、116これから(さき)117高砂島(たかさごじま)国王(こくわう)にもなれまいものでも御座(ござ)いませぬ。118(おな)一生(いつしやう)(くら)すなら、119船頭(せんどう)になつて、120日蔭者(ひかげもの)(をは)るよりも、121チツとは気苦労(きぐらう)もあれど、122あの(ひろ)高砂島(たかさごじま)国王(こくわう)になつて、123()万世(ばんせい)(とどろ)かしなさるが、124何程(なにほど)結構(けつこう)ぢや(わか)りますまい』
125船長(せんちやう)『ハイ有難(ありがた)う、126(わたし)御察(おさつ)しの(とほ)りバラモン(けう)信者(しんじや)御座(ござ)います』
127とワザと空呆(そらとぼ)けて、128言依別命(ことよりわけのみこと)より宣伝使(せんでんし)職名(しよくめい)(あた)へられたことを絶対(ぜつたい)(つつ)みかくしてゐる。
129高姫(たかひめ)『バラモン(けう)なんて駄目(だめ)ですよ。130あんな邪教(じやけう)(くび)突込(つつこ)んで(なん)になりますか。131あなたも立派(りつぱ)十人並(じふにんなみ)(すぐ)れた(をとこ)(うま)(なが)ら、132その(やう)(をしへ)にお這入(はい)りなさるとは、133チト権衡(けんかう)がとれませぬ。134(はや)三五教(あななひけう)にお這入(はい)りなさい。135キツと御出世(ごしゆつせ)出来(でき)ますぞえ』
136船長(せんちやう)(わたし)国王(こくわう)なんかにならうとは(ゆめ)にも(おも)ひませぬ。137船長(せんちやう)船長(せんちやう)として最善(さいぜん)努力(どりよく)(つく)し、138(わが)使命(しめい)完全(くわんぜん)遂行(すゐかう)すれば、139これに(まさ)つた(よろこ)びはありませぬ、140(また)三五教(あななひけう)とか、141バラモン(けう)とか()ふやうな雅号(ががう)(とら)はれてゐては、142本当(ほんたう)真理(しんり)(わか)りますまい。143(あめ)(あられ)(ゆき)(こほり)とへだつ(とも)144おつれば(おな)谷川(たにがは)(みづ)……とやら、145大海(だいかい)細流(さいりう)(えら)ばずとか()つて、146真理(しんり)光明(くわうみやう)左様(さやう)区別(くべつ)雅号(ががう)関係(くわんけい)なく皎々(かうかう)(かがや)いて()ります。147(ぜん)とか、148(あく)とか、149三五(あななひ)とか、150バラモンとかに(とら)はれて宗派心(しうはしん)極端(きよくたん)発揮(はつき)してゐる(あひだ)は、151(かへつ)(その)(をしへ)(せば)め、152(その)(ひかり)(かく)し、153(みづか)獅子身中(しししんちう)(むし)となるものです。154三五教(あななひけう)諸教(しよけう)大統一(だいとういつ)大光明(だいくわうみやう)だとか()いて()りました。155(しか)るに貴女(あなた)世界(せかい)(かがや)きわたす三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(なか)でも、156一粒(ひとつぶ)よりの系統(ひつぽう)御身魂(おんみたま)(しか)()出神(でのかみ)さまの生宮(いきみや)であり(なが)ら、157偏狭(へんけふ)宗派心(しうはしん)()られて他教(たけう)研究(けんきう)もせず、158(ただ)一口(ひとくち)排斥(はいせき)()らうとなさるのはチツと無謀(むぼう)ではありませぬか。159(しし)()猟師(れふし)(やま)()ず……井中(せいちう)(かはず)大海(たいかい)()らず……富士(ふじ)()富士(ふじ)(たづ)ねつ富士詣(ふじまう)で……とか()(ことわざ)(とほ)り、160(あま)区別(くべつ)された(ひと)つの(もの)熱中(ねつちゆう)すると、161(まこと)本体(ほんたい)(つか)むことは出来(でき)ますまい。162如何(いか)がなもので(ござ)いませうか。163(しか)(わたし)(いま)だバラモン(けう)(をしへ)全部(ぜんぶ)(きは)めたと()ふのでは(ござ)いませぬ。164未成品的(みせいひんてき)信者(しんじや)身分(みぶん)(もつ)て、165錚々(さうさう)たる宣伝使(せんでんし)貴女(あなた)斯様(かやう)なことを申上(まをしあ)ぐるは、166(あたか)釈迦(しやか)(むか)つて経文(きやうもん)()き、167幼稚園(えうちゑん)(かよ)凸坊(でこぼう)大学(だいがく)教頭(けうとう)(むか)つて教鞭(けうべん)()(やう)矛盾(むじゆん)かは(ぞん)じませぬ。168どうぞ不都合(ふつがふ)(てん)(よろ)しく御諭(おさと)(くだ)さいまして御訂正(ごていせい)御願(おねが)(いた)します』
169(きは)めて円滑(ゑんくわつ)言依別(ことよりわけ)仕込(じこ)みの雄弁(ゆうべん)(ふる)ひ、170(した)から(ひく)()て、171高姫(たかひめ)(こころ)(あらた)めしめむと(つと)めて()る。
172高姫(たかひめ)(なん)とお(まへ)さまはお(くち)達者(たつしや)(かた)ですなア。173丁度(ちやうど)三五教(あななひけう)にもあなたの(やう)なことを(まを)す、174ドハイカラが(ござ)いますワイ。175(その)ドハイカラが(しか)教主(けうしゆ)となつてゐるのですから、176幽玄微妙(いうげんびめう)なる神界(しんかい)御仕組(おしぐみ)を、177智慧(ちゑ)(がく)理屈(りくつ)(さぐ)らうと(いた)すから、178何時(いつ)細引(ほそびき)(ふんどし)であちらへ(はづ)れ、179こちらへ(はづ)れ、180(ひと)つも成就(じやうじゆ)(いた)しはせぬぞよと、181変性男子(へんじやうなんし)のお(ふで)()てをる(とほ)り、182失敗(しつぱい)だらけになつて(をは)らねばなりませぬぞや。183(まへ)もそんな小理屈(こりくつ)()はないやうになつたら、184それこそ(まこと)信者(しんじや)ですよ。185ツベコベと善悪(ぜんあく)批評(ひへう)をしたり、186()出神(でのかみ)生宮(いきみや)意見(いけん)をするやうな慢神心(まんしんごころ)では、187(まこと)正真(しやうまつ)(わか)りませぬぞえ。188智慧(ちゑ)(がく)理屈(りくつ)(うそ)とで(かた)めた()(なか)身魂(みたま)が、189変性女子(へんじやうによし)言依別(ことよりわけ)映写(えいしや)して()(やう)に、190(まへ)人間(にんげん)としては、191(じつ)立派(りつぱ)なお(かた)だが、192(かみ)(はう)から()れば、193(まる)(あか)(ばう)のやうな(こと)仰有(おつしや)る。194人間(にんげん)理解力(りかいりよく)で、195如何(どう)して神界(しんかい)真相(しんさう)(わか)りますか。196(わたし)(やう)(うま)赤子(あかご)うぶ(こころ)になつて、197(かみ)さまの仰有(おつしや)(とほ)りに(いた)さねば、198三五教(あななひけう)一厘(いちりん)御仕組(おしぐみ)到底(たうてい)(わか)りはしませぬぞや』
199船長(せんちやう)成程(なるほど)200言依別(ことよりわけ)さまに……ウン……オツとドツコイ言依別(ことよりわけ)さまと()(かた)は、201(わたし)(やう)理屈(りくつ)()ひで御座(ござ)いますか。202さぞお(みち)(ため)にお(こま)りでせうなア』
203高姫(たかひめ)『さうです(とも)204言依別(ことよりわけ)有名(いうめい)(あたら)しがりで、205ドハイカラで、206仕舞(しまひ)(はて)には(だい)それた麻邇(まに)(たま)(まで)チヨロまかし、207今頃(いまごろ)高砂島(たかさごじま)(なに)(ひと)謀叛(むほん)(たく)んでゐるに(ちが)ひありませぬ。208それだから言依別(ことよりわけ)思惑(おもわく)がチツとでも()たうものなら、209それこそ世界(せかい)暗雲(やみくも)になつて(しま)ひ、210(ふたた)(あま)岩戸(いはと)をしめねばなりませぬから、211()出神(でのかみ)活動(くわつどう)して、212言依別(ことよりわけ)のなす(こと)213(いち)から(じふ)(まで)214(ひやく)から(せん)まで、215茶々(ちやちや)()れて邪魔(じやま)をしてやらねば世界(せかい)人民(じんみん)(たす)かりませぬ。216ホンにホンに神界(しんかい)御用(ごよう)(くらゐ)()()めたものは御座(ござ)いませぬワイ』
217船長(せんちやう)『あなたは()出神(でのかみ)生宮(いきみや)だと仰有(おつしや)いましたが、218世界(せかい)のことは()(なが)らにして、219曽富登(そほと)(かみ)のやうに、220(あめ)(した)のことは(ことごと)くお()りで御座(ござ)いませうなア』
221高姫(たかひめ)三千世界(さんぜんせかい)のことなら、222(なん)なつと()いて(くだ)され。223(むかし)()(はじ)まりの根本(こつぽん)の、224大先祖(おほせんぞ)因縁(いんねん)性来(しやうらい)から、225(さき)()のまだ(さき)()(こと)から、226(かがみ)にかけた(やう)にハツキリと()らしてあげませう』
227船長(せんちやう)『さうすると、228貴女(あなた)天眼通力(てんがんつうりき)言依別命(ことよりわけのみこと)229国依別(くによりわけ)のお二方(ふたかた)(いま)何処(どこ)御座(ござ)ると()(こと)御存(ごぞん)じでせうなア』
230高姫(たかひめ)『ヘン、231阿呆(あほ)らしい(こと)仰有(おつしや)るな。232モツトらしい(こと)御尋(おたづ)ねなされ。233言依別(ことよりわけ)(いま)テルの(みやこ)に、234国依別(くによりわけ)二人(ふたり)235(なに)(だい)それた謀叛(むほん)(たく)んで、236()つの(たま)(かざ)り、237山子(やまこ)(はじ)めて()りますよ』
238船長(せんちやう)『あゝ左様(さやう)御座(ござ)いますか。239(じつ)()出神(でのかみ)(さま)()ふお(かた)(えら)いお(かた)御座(ござ)いますなア。240ソンならこれからテルの(みやこ)(わたし)()れて()つて(くだ)さいませ。241そして、242言依別命(ことよりわけのみこと)(さま)御会(おあ)(まを)して、243あなたの(をしへ)(もつ)御意見(ごいけん)(いた)して()ませう。244キツト、245テルの(みやこ)御座(ござ)るに間違(まちがひ)はありませぬなア』
246高姫(たかひめ)(かみ)言葉(ことば)二言(にごん)ありませぬ。247今日(こんにち)只今(ただいま)(ところ)は、248テルの(みやこ)()りますが、249(この)(ふね)(むか)うにつく時分(じぶん)には(また)250(むか)うも(ある)きますから、251テルの(みやこ)には()りますまい。252こちらが(ある)(だけ)253(むか)うも(ある)きますから、254(いま)どこに()ると()つた(ところ)で、255()ふことは出来(でき)ませぬよ』
256船長(せんちやう)『そんなら神様(かみさま)御神力(ごしんりき)で、257言依別(ことよりわけ)さまを、258テルの(みやこ)御立(おた)ちなさらぬ(やう)(まも)つて(いただ)くことは出来(でき)ますまいか』
259高姫(たかひめ)『その(くらゐ)なことは、260()御茶(おちや)でもありませぬが、261言依別(ことよりわけ)(わたし)(きら)ひなドハイカラで(ござ)いますから、262どうも(わたし)(みたま)(かん)じにくいので気分(きぶん)(わる)うてなりませぬから、263言依別(ことよりわけ)国依別(くによりわけ)(たい)しては例外(れいぐわい)(おも)うて(くだ)さいませ。264あゝモウ(この)(こと)()つて(くだ)さいますな、265(むね)(わる)うなつて()ました。266オツホヽヽヽ』
267船長(せんちやう)『あゝそれで(わか)りました。268言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)(くわん)する(こと)御気分(ごきぶん)(わる)くなつて、269身魂(みたま)がお(くも)(あそ)ばし、270何事(なにごと)御分(おわか)(にく)いと仰有(おつしや)るのでせう。271(じつ)(ところ)(この)(すこ)(まへ)272(わたし)(ふね)(はか)らずも、273言依別(ことよりわけ)さま、274国依別(くによりわけ)さまが()つて(くだ)さいまして、275仰有(おつしや)るのには、276(じつ)(この)(とほ)立派(りつぱ)麻邇(まに)(たま)(よつ)(まで)聖地(せいち)から持出(もちだ)して()たが、277どうも高姫(たかひめ)()(やつ)278執念深(しふねんぶか)()(ねら)ふので、279高砂島(たかさごじま)()つても(また)(おつ)かけて()るだらうから、280ヤツパリ自転倒島(おのころじま)冠島(をしま)沓島(めしま)(かく)しておかうと、281(あわた)だしく(わたくし)(ふね)から()(ふね)乗替(のりか)自転倒島(おのころじま)引返(ひきかへ)されましたよ。282キツと其処(そこ)(かく)してあるに(ちがひ)ありませぬぜ。283(まへ)さまも(その)(たま)(さが)(つも)りならば、284高砂島(たかさごじま)御出(おい)でになつても駄目(だめ)ですよ。285それはそれは(うつく)しい、286(あを)(あか)(しろ)()(よつ)つの立派(りつぱ)な、287(のど)のかわく(やう)宝玉(ほうぎよく)でした』
288高姫(たかひめ)『エヽ(なん)仰有(おつしや)る。289言依別(ことよりわけ)にお()ひになりましたか。290そして本当(ほんたう)(たま)()つてゐましたか』
291船長(せんちやう)『それはそれは立派(りつぱ)(もの)でしたよ。292(げん)(この)(ふね)()つてゐられたのですもの、293モウ今頃(いまごろ)余程(よほど)(とほ)台湾島(たいわんたう)附近(ふきん)航海(かうかい)して()られるでせう』
294 高姫(たかひめ)(しばら)(くび)をかたげ、295思案(しあん)にくれてゐたが、296(にはか)(からだ)をビリビリと(ふる)はし、
297高姫(たかひめ)船長(せんちやう)さま、298あなた言依別(ことよりわけ)(いく)(もら)ひましたか。299コン(だけ)ですか』
300五本(ごほん)(ゆび)()して()せる。
301船長(せんちやう)言依別(ことよりわけ)さまに(べつ)口止(くちど)(れう)(もら)必要(ひつえう)もなし、302(ただ)実地(じつち)目撃(もくげき)した(だけ)(こと)を、303(まへ)さまに親切上(しんせつじやう)御知(おし)らせした(まで)(こと)だ。304(もら)うのなら高姫(たかひめ)さまから(もら)ふべきものだよ』
305 高姫(たかひめ)船長(せんちやう)(かほ)(あな)のあく(ほど)(なが)め、306いやらしき(ゑみ)()かべ(なが)ら、
307(なん)とマア悪神(あくがみ)仕組(しぐみ)は、308どこから何処(どこ)まで、309()行届(ゆきとど)いたものだなア。310言依別(ことよりわけ)自転倒島(おのころじま)(かへ)つたと()せかけ、311(ほか)(ふね)乗替(のりか)へ、312キツと高砂島(たかさごじま)(わた)つたに相違(さうゐ)ない、313どうも高姫(たかひめ)天眼通(てんがんつう)には彷彿(はうふつ)として()えてゐる。314……コレ船頭(せんどう)さま、315イヽ加減(かげん)になぶつておきなさい。316(ほか)(もの)ならいざ()らず、317()出神(でのかみ)生宮(いきみや)がさう易々(やすやす)とチヨロまかされるものですかいな。318そんなアザとい(こと)仰有(おつしや)ると、319(ひと)馬鹿(ばか)(いた)しますで、320ホヽヽヽヽ』
321(くび)(かた)(なか)(うづ)めて、322(あご)をしやくり(なが)ら、323両手(りやうて)垂直(すゐちよく)()げ、324十本(じつぽん)(ゆび)をパツと(ひら)いて(こし)前後(まへうしろ)(ゆす)(なが)(わら)うて()せた。
325船長(せんちやう)高姫(たかひめ)さま、326マアゆるりと貴女(あなた)御席(おせき)(かへ)つて休息(きうそく)して(くだ)さい。327(また)(のち)(ほど)ゆるゆると御話(おはなし)(うけたまは)りませう』
328 高姫(たかひめ)(した)巻出(まきだ)し、329()をキヨロツと()いて、
330『ハーイ』
331()つた()り、332チヨコチヨコ(ばし)りに船長室(せんちやうしつ)()でて()く。
333大正一一・八・一〇 旧六・一八 松村真澄録)