霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 関所守(せきしよもり)〔一〇八三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第39巻 舎身活躍 寅の巻 篇:第5篇 馬蹄の反影 よみ:ばていのはんえい
章:第18章 第39巻 よみ:せきしょもり 通し章番号:1083
口述日:1922(大正11)年10月29日(旧09月10日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年5月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
テームス峠の山頂には、バラモン教の関所が設けられていた。実は、大黒主の命で蜈蚣姫、小糸姫を見つけて捕えようというのがこの関所の目的であった。
五人のバラモン教徒がここを守っていたが、人通りのない関所で暇を持て余し、酒を飲んで酔っ払っている。
一同は、山奥の関所守のような閑職に回されたことを嘆いたり、都であくせくするよりはずっといいと開き直ったり、酔って馬鹿な話にふけっている。
そこへ黄金姫たち一行がやってきた。黄金姫と清照姫は馬にまたがり、レーブたちが馬を引いている。関所守たちは一行を改めるために止めた。
レーブは、馬上にいるのは蜈蚣姫と小糸姫だと関所守たちに伝えた。しかし関所守たちさっさと関を通ってくれと促した。黄金姫たち一行はゆうゆうと関所を通過した。
関所守たちは、黄金姫と小糸姫が本物に違いないと思いながらも、威厳に当てられてしまった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm3918
愛善世界社版:257頁 八幡書店版:第7輯 373頁 修補版: 校定版:270頁 普及版:113頁 初版: ページ備考:
001 テームス(たうげ)山上(さんじやう)にはバラモン(けう)関所(せきしよ)(まう)けられ四五人(しごにん)(ひと)往来(ゆきき)(ひと)信仰(しんかう)調(しら)べをやつて()る。002()ふのは表面(へうめん)理由(りいう)(その)(じつ)大黒主(おほくろぬし)(めい)によつて蜈蚣姫(むかでひめ)003黄竜姫(わうりようひめ)所在(ありか)捜索(そうさく)し、004見付(みつ)次第(しだい)フン(じば)つて大黒主(おほくろぬし)(やかた)へソツと()(かへ)れよとの命令(めいれい)(くだ)して日夜(にちや)見張(みは)りをさして()たのである。005(この)関守(せきもり)春公(はるこう)006清公(きよこう)007道公(みちこう)008紅葉(もみぢ)009雪公(ゆきこう)()五人(ごにん)であつた。010五人(ごにん)(あさ)から(ばん)まで、011()によると一人(ひとり)道通(みちどほ)りがない(この)関所(せきしよ)(おほ)きな(くち)をあけ、012両手(りやうて)逆八(さかはち)()天井(てんじやう)へグツと()ばし『アヽヽ』と欠伸(あくび)共進会(きやうしんくわい)仕事(しごと)にして()た。013仕方(しかた)がなしにそこら(ぢう)果物(くだもの)むしつて()果物(くだもの)(さけ)(つく)(あさ)から(ばん)まで()んで()んで()(くら)ズブ(ろく)になつてゐる。014こんな関守(せきもり)仮令(たとへ)千人(せんにん)あつたとて()突張(つつぱ)りにもならぬのは、015もとよりである。016春公(はるこう)はソロソロ(よひ)がまはり()し、
017『オイ、018雪公(ゆきこう)019貴様(きさま)(つめた)(しろ)()だが、020矢張(やつぱ)(さけ)(くら)うと(からだ)(あつ)くなり(かほ)まで(あか)くなるのが、021(おれ)不思議(ふしぎ)(たま)らぬワイ。022それだから、023化物(ばけもの)(おほ)()(なか)()ふのだよ。024ゲーガラガラガラ』
025雪公(ゆきこう)(なに)化物(ばけもの)だい。026()(なか)(すべ)てこんなものだよ。027善悪一如(ぜんあくいちによ)028正邪(せいじや)不二(ふじ)029表裏(へうり)一体(いつたい)だ。030一羽(いちは)(とり)(にはとり)()ひ、031(あふひ)(はな)(あか)()く、032(ゆき)()()(すみ)()く」と()(うた)貴様(きさま)()つてるか。033貴様(きさま)()(はる)ぢやないか、034春公(はるこう)(くせ)(この)(あき)になつて()くのに(はな)(たか)うし鼻唄(はなうた)(うた)ひ、035はなはなしう(あさ)から(ばん)まで()かれきつて()るのが一体(いつたい)全体(ぜんたい)(わけ)(わか)らぬ。036貴様(きさま)こそネツトプライスの正札(しやうふだ)化物(ばけもの)だ。037(いな)馬鹿者(ばかもん)だよ。038あんまり他人(ひと)(こと)(そし)ると自分(じぶん)(こと)におちて()るのを()らぬか。039丁度(ちやうど)(そら)()いて(てん)(つば)()いた(やう)なものだよ。040アーア、041()うた()うた、042ヨタンボばかりの(なか)混入(こんにふ)してゐると(おれ)(まで)ヨタンボ(びやう)伝染(でんせん)して、043(いや)でもない(さけ)()まされて(のど)(むし)がグイグイ(よろこ)びよつて、044(はら)()つて仕方(しかた)がないワ。045本当(ほんたう)にこんな関守(せきもり)大黒主(おほくろぬし)大将(たいしやう)だつて()うておくのは大抵(たいてい)ぢやない。046(おれ)だつたら()んな(もの)(とほ)(むかし)免職(めんしよく)するけどな、047流石(さすが)大黒主(おほくろぬし)だけあつて大舞台(おほぶたい)だワイ』
048春公(はるこう)(なに)049大黒主(おほくろぬし)神様(かみさま)だつて、050こんな現状(げんじやう)見付(みつ)けたら一遍(いつぺん)免職(めんしよく)さすのは請合(うけあひ)だ。051何分(なにぶん)(とほ)(ところ)だから(わか)らないので俺達(おれたち)も、052かうして毎日(まいにち)睾丸(きんたま)(しわ)のばしを安閑(あんかん)とやつて()られるのだ。053都々逸(どどいつ))「他処(よそ)(つま)もちや遠山林(とほやまばやし)054(たれ)がかるやら(ぬす)むやら」とか(なん)とか()つて遠距離(ゑんきより)居所(ゐどころ)(かま)へて()りさへすれば、055少々(せうせう)脱線(だつせん)矛盾(むじゆん)無事(ぶじ)通過(つうくわ)するものだ。056それだから(おれ)はお膝元(ひざもと)のハルナの大都会(だいとくわい)()るよりも、057かう()山奥(やまおく)関守(せきもり)となつて田園(でんえん)生活(せいくわつ)オツト簡易(かんい)生活(せいくわつ)をやつて自然(しぜん)(たの)しむのだ。058人間(にんげん)自然(しぜん)風光(ふうくわう)(せつ)せなくちや(うそ)だよ。059紅塵万丈(こうぢんばんぢやう)雑閙(ざつたう)(きは)めた大都市(だいとし)煙突(えんとつ)(けむり)吸入(きふにふ)して虚空如来(こくうによらい)(やう)(くすぼ)つてブラブラしてゐるよりも何程(なにほど)愉快(ゆくわい)だか()れやしない。060三百年(さんびやくねん)寿命(じゆみやう)()()(ところ)()ると、061嘘八百年(うそはつぴやくねん)()びるやうだ。062うまいうまいうまいのは(この)(さけ)だ。063酒屋(さかや)三里(さんり)豆腐屋(とうふや)一里(いちり)」と十八世紀(じふはちせいき)人間(にんげん)(ほざ)きよるが、064至治(しぢ)至楽(しらく)神代生活(しんだいせいくわつ)(みづか)()(たがや)して()ひ、065(みづか)()穿(うが)つて()み、066そこらあたり(えだ)もたわわに(みの)つてゐる果物(くだもの)()づからむしり、067()づから(さけ)(つく)つて賞翫(しやうぐわん)する(ほど)結構(けつこう)なものはない。068(じん)ぢやとか()ぢやとか、069(れい)ぢやとか、070そんな詐偽的(さぎてき)言辞(げんじ)(なら)べて暗黒(あんこく)世界(せかい)()むよりも(やま)(あを)(みづ)(きよ)く、071(そら)(たか)(この)山頂(さんちやう)四方(しはう)見晴(みは)らし、072王者(わうじや)()どりになつて簡易(かんい)生活(せいくわつ)(つづ)けて()(くらゐ)安楽(あんらく)なものはない。073(なん)せよ霊主体従(れいしゆたいじう)だとか、074慈悲(じひ)ぢやとか、075(なさけ)とか、076道徳(だうとく)とか、077(くだ)らぬ屁理屈(へりくつ)(さへづ)つて()るよりも、078善悪(ぜんあく)超越(てうゑつ)し、079道理(だうり)通過(つうくわ)して、080惟神的(かむながらてき)風光(ふうくわう)(たの)しみ、081安逸(あんいつ)一生(いつしやう)(おく)(ぐらゐ)082利口(りこう)なものはないワイ。083(なん)といつても一寸先(いつすんさき)(やみ)ぢや、084(この)瞬間(しゆんかん)吾々(われわれ)自由(じいう)意志(いし)遂行(すゐかう)する黄金時代(わうごんじだい)だ。085(唄)「()めよ(くら)へよ一寸先(いつすんさき)(やみ)よ、086(さけ)()むなら土瓶(どびん)()かせ」土瓶(どびん)()かした(さけ)()んで薬鑵頭(やくわんあたま)(たぎ)らすのもいいコントラストだ。087(おれ)やもうハルナの(みやこ)のハムにしてやらうと()つても、088()んな自由(じいう)生活(せいくわつ)(おぼ)えた以上(いじやう)煩雑(はんざつ)都会(とくわい)()つて追従(つゐしやう)タラダラ虚偽(きよぎ)ばかりの生活(せいくわつ)をするよりも(おれ)(この)関守(せきもり)ばかりは何時(いつ)になつても(おも)ひきる(こと)出来(でき)ないワ。
089(やま)()()沢山(たくさん)あれど
090(おも)ひきる()はないわいな」
091とけつかるワイ。092アハヽヽヽ』
093紅葉(もみぢ)『オイ春公(はるこう)094毎日(まいにち)日日(ひにち)職務(しよくむ)(わす)れて(さけ)ばかり(くら)()うて()ると冥加(みやうが)(あぶな)いぞ。095バラモン(けう)大黒主(おほくろぬし)神様(かみさま)だと()つても、096人間(にんげん)のサツクを(かぶ)つてゐるから誤魔化(ごまくわ)しはチトはきくが、097梵天王(ぼんてんわう)大自在天(だいじざいてん)バラモン大神(おほかみ)098大国彦命(おほくにひこのみこと)(さま)御目(おんめ)(くら)ます(こと)出来(でき)ぬぞよ。099いい加減(かげん)心得(こころえ)ぬと、100(なら)(せい)となり、101放埒不羈(はうらつふき)人間(にんげん)になつて()(なか)爪弾(つまはじ)きものにしられてしまふが、102それでも(かま)はぬか。103(こま)つた(やつ)だな』
104春公(はるこう)放埒不羈(はうらつふき)極点(きよくてん)(たつ)した春公(はるこう)さまは、105実際(じつさい)(こと)()へば世間(せけん)から爪弾(つまはぢ)きされてハルナの(みやこ)()(ところ)がないので、106大黒主(おほくろぬし)(さま)()(あま)し、107適材適所(てきざいてきしよ)といつて、108あんなヤンチヤはテームス(たうげ)関守(せきもり)にするのが匹適(ひつてき)だと、109あつぱれの御眼力(ごがんりき)御任命(ごにんめい)なさつたのは、110貴様等(きさまら)小人輩(せうじんはい)了解(れうかい)すべき(かぎ)りではないワ、111紅葉(もみぢ)紅葉(もみぢ)らしうして()()うて沈黙(ちんもく)せぬかい。112(いま)何時(いつ)だと(おも)うてゐる、113(あき)(すゑ)紅葉(もみぢ)()(かぜ)(たた)かれ、114()()ちるシーズンだ。115こんな(とき)()()さずにジツとして(さけ)でも(くら)つて、116(あき)時雨(しぐれ)(やう)(なみだ)(あめ)でも()らしてシーズンで()(はう)余程(よほど)ましだよ』
117紅葉(もみぢ)貴様(きさま)にそんな忠告(ちうこく)()けなくとも、118(おれ)故郷(こきやう)女房(にようばう)(こと)(おも)()してシーズンで()るのだ。119都々逸(どどいつ))「(はな)(つき)とに間違(まちが)ふやうな女房(にようばう)もつ()()はもみぢ」と()つて貴様(きさま)のやうな唐変木(たうへんぼく)とはチツと(せん)(こと)にして()るのだ。120(いつ)ぺんも(をんな)(せつ)した(こと)のない酒喰(さけくら)ひの貴様(きさま)に、121浮世(うきよ)(あぢ)(わか)るものかい、122()いては(しづ)(しづ)んでは(うか)み、123浮沈(うきしづ)七度(ななたび)()(なか)だ。124前等(まへら)のやうな連中(れんちう)さまは(さけ)より(ほか)慰安(ゐあん)してくれるものが()いのだからな』
125春公(はるこう)(とき)大黒主(おほくろぬし)神様(かみさま)(たい)俺達(おれたち)もチツとは義務(ぎむ)()(こと)(つく)さねばならぬが、126こんな人通(ひとどほ)りの()関守(せきもり)をさされては(まる)島流(しまなが)しに()うたやうなものだから、127ツイ焼糞(やけくそ)になつて(さけ)をあふるやうになるのだが、128鬼熊別(おにくまわけ)女房(にようぼう)蜈蚣姫(むかでひめ)小糸姫(こいとひめ)両人(りやうにん)何時(いつ)になつたら此処(ここ)を、129(とほ)るだらうかな。130ナア雪公(ゆきこう)131貴様(きさま)(ひと)天眼通(てんがんつう)(かんが)へて()てくれないか』
132雪公(ゆきこう)(おれ)(ゆき)(やう)に、133(かみ)(やう)身魂(みたま)(きよ)執着心(しふちやくしん)のない、134白紙(はくし)主義(しゆぎ)(をとこ)だから、135(はら)(なか)(まで)水晶(すゐしやう)だ。136それが(ちが)ふと(おも)ふなら人込(ひとご)みの(なか)ででも、137ステーシヨンででも(かま)はぬ、138(ひと)貴様(きさま)短刀(あいくち)(おれ)()調(しら)べて()い………どこを()つても()()(あか)い、139(おれ)(こころ)もその(とほ)り………だよ』
140春公(はるこう)『コリヤ貴様(きさま)はいつとても身魂(みたま)自慢(じまん)ばかりしやがつて、141肝腎(かんじん)天眼通(てんがんつう)如何(どう)するつもりだい。142(はや)天眼通(てんがんつう)調(しら)べてくれないか。143貴様(きさま)のやうな腰抜(こしぬけ)でも、144ここへ()れて()たのは望遠鏡(ばうゑんきやう)代用(だいよう)にするつもりだから、145(はや)親子(おやこ)所在(ありか)透視(とうし)せぬかい。146貴様(きさま)(みやこ)()(とき)屹度(きつと)147テームス(たうげ)(ちか)(うち)蜈蚣姫(むかでひめ)小糸姫(こいとひめ)(とほ)るに(ちが)ひないと大黒主(おほくろぬし)(さま)申上(まをしあ)げよつたものだから、148こんな(ところ)関所(せきしよ)(こしら)へて毎日(まいにち)日日(ひにち)()たされて()るのぢやないか』
149雪公(ゆきこう)『あの(とき)天眼通(てんがんつう)持合(もちあは)せが大分(だいぶ)にあつたが、150ここへ()てから貴様等(きさまら)悪身魂(あくみたま)感染(かんせん)して、151サツパリ天眼通(てんがんつう)()かぬやうになつて(しま)つたのよ。152(おれ)(かんが)へでは(この)(ひろ)()(なか)153(たうげ)沢山(たくさん)あるし、154二人(ふたり)母娘(おやこ)(この)(たうげ)一代(いちだい)(うち)(とほ)るとも(とほ)らぬとも、155見当(けんたう)がつかぬ(やう)になつたワイ』
156春公(はるこう)貴様(きさま)はさうすると大黒主(おほくろぬし)(さま)(たばか)つたのだなア。157本当(ほんたう)(ふと)(やつ)だ。158(はや)本当(ほんたう)(こと)()かぬか』
159雪公(ゆきこう)『ヨシ、160こかぬ(こと)はない、161(ふと)(やつ)だな』
162真黒(まつくろ)(けつ)をまくり()春公(はるこう)(まへ)左巻(ひだりまき)(ひね)()した。
163春公(はるこう)『エー糞奴(くそやつこ)め、164(くそ)()にもあはぬ代物(しろもの)だな』
165雪公(ゆきこう)『ひどい(やつ)だ。166こけと(ぬか)したぢやないか。167これでも(おれ)一生懸命(いつしやうけんめい)だぞ』
168春公(はるこう)『エー仕方(しかた)のない、169穀潰(ごくつぶ)しの製糞器(せいふんき)だな』
170とぼやいてゐる。171そこへ黄金姫(わうごんひめ)172清照姫(きよてるひめ)駻馬(かんば)(またが)り、173二人(ふたり)(をとこ)(うま)(くち)をとり、174『ハイハイハイ』と(いさ)ましく(のぼ)つて()た。
175 春公(はるこう)雪公(ゆきこう)()(いか)らし、
176春公(はるこう)『オイ、177一寸(ちよつと)()つた。178(その)(うま)をここへ()めエ』
179レーブ『ヨシ、180()めなら()めもしよう。181(しか)(なが)吠面(ほえづら)かわかぬやうにせえよ。182(この)(かた)貴様等(きさまら)朝晩(あさばん)(たづ)ねて()鬼熊別(おにくまわけ)奥様(おくさま)蜈蚣姫(むかでひめ)(さま)一人娘(ひとりむすめ)小糸姫(こいとひめ)(さま)だ。183よく(をが)んでおけ、184()(つぶ)れるぞよ。185光芒陸離(くわうばうりくり)たる懐剣(くわいけん)()んで(ござ)八岐(やまた)大蛇(をろち)のやうな御方(おかた)だから生命(いのち)(をし)くなければ調(しら)べたがよからう』
186春公(はるこう)『これやレーブ、187そんな(うそ)(ぬか)しても承知(しようち)せないぞ。188(ひと)(めくら)にするにも(ほど)がある。189そいつア化物(ばけもの)ぢやないか。190()(たま)(いつ)つも()つもあり(くち)(また)(よつ)つも(いつ)つもある化物(ばけもの)(うま)()せよつて、191蜈蚣姫(むかでひめ)小糸姫(こいとひめ)もあつたものかい。192(はや)(とほ)れ、193貴様(きさま)()()ると(この)関小屋(せきごや)までが(しき)りに廻転(くわいてん)(はじ)()した。194(この)坂道(さかみち)(まで)(うへ)になり、195(した)になり地異(ちい)天変(てんぺん)大騒(おほさわ)ぎだ。196(はや)うここを通過(つうくわ)せぬかい。197気味(きび)(わる)いワイ。198(おれ)(さが)して()るのは、199そんな化物(ばけもの)(ばば)アや(むすめ)ぢやない。200正真正銘(しやうしんしやうめい)蜈蚣姫(むかでひめ)201小糸姫(こいとひめ)だ』
202レーブ『化物(ばけもの)だからここに(おろ)してやらうと()ふのだ。203随分(ずゐぶん)神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)芸当(げいたう)をやりよるぞ。204まあ(ひと)首筋(くびすぢ)でも(つか)んで(この)谷底(たにそこ)へでも「プリン プリン ドスン、205キヤーツ」とやつて(もら)へよ。206イヒヽヽヽ』
207春公(はるこう)『コラ、208レーブ、209可笑(おか)しさうに(なん)だ。210(めう)(わら)(ごゑ)()しよつて、211(おれ)(たの)みぢやからトツトと此処(ここ)通過(つうくわ)してくれ、212(おれ)(しばら)()(ふさ)いでゐるから……』
213レーブ『さう(ぬか)しや仕方(しかた)がない、214(おれ)(おな)信者(しんじや)厚誼(よしみ)貴様(きさま)要求(えうきう)無下(むげ)拒絶(きよぜつ)する(わけ)にも()かないから、215特別(とくべつ)(もつ)貴様(きさま)嘆願(たんぐわん)許容(きよよう)してやる。216モシモシ蜈蚣姫(むかでひめ)(さま)217小糸姫(こいとひめ)(さま)218関守(せきもり)があのやうにいつて嘆願(たんぐわん)しますから、219貴女(あなた)手荒(てあら)いことをせずに(ゆる)してやつて(くだ)さい。220小糸姫(こいとひめ)(さま)武勇(ぶゆう)発揮(はつき)されやうものなら此奴等(こいつら)五人(ごにん)(かさ)(だい)()んで(しま)ふのみならず、221四肢(しこ)五体(ごたい)メチヤメチヤになりますから。222(ひと)(たす)けるのは宣伝使(せんでんし)御役(おやく)223今日(けふ)ばかりは見逃(みのが)し、224聞逃(ききのが)しを彼等(かれら)五人(ごにん)(かは)つて、225レーブがお(ねが)(いた)します』
226黄金姫(わうごんひめ)(ゆる)(がた)関守(せきもり)なれどもお(まへ)(ねが)ひによつて(いぢ)める(こと)だけは()めてやらう。227(その)(かは)りにレーブ、228(まへ)一杯(いつぱい)関守(せきもり)(さけ)頂戴(ちやうだい)して元気(げんき)をつけて()つたらよからうぞ』
229レーブ『(なん)()()いたお(きやく)さまだこと。230オイ春公(はるこう)231賄賂(わいろ)だ。232見逃(みのが)(ちん)(その)徳利(とつくり)一本(いつぽん)()せ、233グヅグヅ(ぬか)すと(この)(うま)一寸(ちよつと)(うご)かないぞ』
234春公(はるこう)徳利(とくり)一本(いつぽん)(よろ)しいか。235二人(ふたり)馬方(うまかた)ならば(ふた)()りませう』
236レーブ『(なん)とまあ、237()()いたもの同志(どうし)寄合(よりあひ)だ。238(きやく)さまもお(きやく)さまなら関守(せきもり)関守(せきもり)だな。239そんなら()(どく)なれど二本(にほん)頂戴(ちやうだい)して()かう。240道々(みちみち)トツクリ()んでお(とも)をしようかい』
241春公(はるこう)()()二本(にほん)徳利(とつくり)受取(うけと)り『ハーイハイハイハイ』『ブーブーブー』
242レーブ『エーこん畜生(ちくしやう)243()ばかり()れよつて、244(くさ)いワイ。245オイ(みな)関守(せきもり)246これでヤツト安心(あんしん)しただらう。247何事(なにごと)羽織(はおり)(ひも)だ、248(みな)(むね)にある。249以心伝心(いしんでんしん)教外別伝(けうげべつでん)250()はぬは()ふにいやまさる。251(おれ)雅量(がりやう)(わか)つただらうな』
252春公(はるこう)『オイ、253レーブ、254春公(はるこう)さまの雅量(がりやう)()つてくれるだらうな』
255レーブ『恐怖心(きようふしん)()られ仕様(しやう)ことなしの雅量(がりやう)だ。256チツとお粗末(そまつ)ぢやけど、257こんな(ところ)荒仕事(あらしごと)するのも面倒(めんだう)だから、258粗製(そせい)濫造品(らんざうひん)雅量(がりやう)(さけ)二升(にしよう)熨斗(のし)をつけて()つてやらう。259ハイハイハイ』
260(うま)をいましめ(なが)坂道(さかみち)(くだ)()く。
261 春公(はるこう)はヤツと(むね)()()ろし、
262『アーア、263ドテライ(やつ)が、264やつて()よつて、265ビツクリ(むし)飛出(とびだ)し、266肝玉(きもたま)洋行(やうかう)する(ところ)だつた。267睾玉(きんたま)(やつ)268(おれ)にこたへもなしに何処(どこ)かへ消滅(せうめつ)して(しま)ひよつたな』
269雪公(ゆきこう)(おれ)睾丸(きんたま)所在(ありか)(わか)らなくなつて(しま)つた。270一方(いつぱう)睾丸(きんたま)(ばば)なり、271一方(いつぱう)(むすめ)だ。272何処(どこ)()()がしたか残念(ざんねん)(こと)をしたワイ。273折角(せつかく)テームス(たうげ)でピツタリ出会(であ)(なが)ら、274日頃(ひごろ)元気(げんき)何処(どこ)へやら睾丸(きんたま)(やつ)三十六計(さんじふろくけい)(おく)()()して、275何処(どこ)かへ姿(すがた)をかくすものだから、276(この)雪公(ゆきこう)さまも()()しやうが()く、277(ほとん)ゆき(つま)りだ。278オイ紅葉(もみぢ)279貴様(きさま)睾丸(きんたま)大丈夫(だいぢやうぶ)かな』
280紅葉(もみぢ)大丈夫(だいぢやうぶ)だ。281よつぽど(おれ)とは利口(りこう)なと()えるワイ。282(おれ)金助(きんすけ)矢張(やつぱ)君子(くんし)だなア。283(あやふ)きに(ちか)よらずと()つて逸早(いちはや)飛行船(ひかうせん)()つて天国(てんごく)避難(ひなん)しよつたらしいワイ。284アハヽヽヽ』
285雪公(ゆきこう)『あれこそ、286本当(ほんたう)蜈蚣姫(むかでひめ)287小糸姫(こいとひめ)(ちが)ひないのう。288(しか)(なが)らどこともなしに威厳(ゐげん)(そな)はり(おもて)()ける(こと)出来(でき)ないやうな神力(しんりき)(かがや)いて()るので、289一目(ひとめ)()るなりギヨツとしたよ。290到底(たうてい)俺等(おれたち)()にあふ代物(しろもの)ぢやないワ。291(しか)(なが)(おれ)天眼通(てんがんつう)はヤツパリ的中(てきちう)しただらう』
292春公(はるこう)『コラコラ、293これ()(なに)()うてはならないぞ。294肝腎(かんじん)目的物(もくてきぶつ)()()取逃(とりにが)したのだから、295こんな(こと)見付(みつ)かつたら(たちま)()()(めん)()だ。296只今(ただいま)(かぎ)沈黙(ちんもく)厳命(げんめい)する』
297雪公(ゆきこう)『アハヽヽヽ、298日頃(ひごろ)業託(ごふたく)()ず、299何奴(どいつ)此奴(こいつ)(ねこ)出会(であ)うた(ねずみ)(やう)なスタイルで(その)(ざま)つたら()られたものぢやないわ。300大黒主(おほくろぬし)(さま)もこんな厄介(やくかい)代物(しろもの)(かか)へて()ちや本当(ほんたう)にお()(どく)だ。301前途(ぜんと)(おも)ひやられるワイ。302ウフヽヽヽ』
303 今迄(いままで)(そら)(つつ)んで()淡雲(たんうん)はカラリと()れて小春(こはる)太陽(たいやう)手厳(てきび)しく(さけ)()うた五人(ごにん)(あたま)金槌(かなづち)(たた)(やう)にガンガンと()らさせ(たま)うた。304五人(ごにん)(あたま)(かか)へ、305ウンウンと(うめ)(なが)(その)()(しやが)んで(しま)つた。
306大正一一・一〇・二九 旧九・一〇 北村隆光録)
   
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