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第六章 誤解(ごかい)〔一一一〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第41巻 舎身活躍 辰の巻 篇:第1篇 天空地平 よみ:てんくうちへい
章:第6章 第41巻 よみ:ごかい 通し章番号:1110
口述日:1922(大正11)年11月10日(旧09月22日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
左守クーリンスの家老・テームスの奥座敷には、レーブとカルが招かれて会議が開かれた。テームスは秘密の会議とのことで、妻のべリス姫を退座させた。
テームスは神夢に三五教の黄金姫と清照姫が国を通るから、助けを乞うようにとお告げを受けたことを明かし、カルとレーブに行方を尋ねた。レーブは、黄金姫と清照姫は狼の守護を得ているから、困ったときにきっと現れるとクーリンスに答えた。
そこへ左守クーリンスの娘・セーリス姫が、右守方の計略を探知したことをテームスに伝えに夜分人目を忍んでやってきた。
応対したべリス姫は、セーリス姫をクーリンスの愛人だと勘違いしてとんちんかんな対応をするが、セーリス姫が奥に入って素性を明かしたので誤解が解けた。
テームスは、セーリス姫が右守の家老ユーフテスから聞き出した計略を聞いた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4106
愛善世界社版:79頁 八幡書店版:第7輯 559頁 修補版: 校定版:82頁 普及版:39頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第一巻 皇道編 > 第七篇 高天原 > 第十二章 仁愛の真相
001 セーラン(わう)左守(さもり)(かみ)(つか)へたるクーリンスの家老職(からうしよく)テームスの奥座敷(おくざしき)にはレーブ、002カルの両人(りやうにん)(つま)のベリス(ひめ)四人(よにん)車座(くるまざ)となつて私々話(ひそびそばなし)(はじ)めて()る。003テームスはベリス(ひめ)(とほ)ざけ、004いよいよ熟談(じゆくだん)()りかかつた。005注意深(ちういぶか)きテームスは(もつと)信用(しんよう)するわが女房(にようばう)でさへも秘密(ひみつ)()()れむ(こと)(おそ)れて(わざ)とに(とほ)ざけたのである。006ベリス(ひめ)(をつと)言葉(ことば)是非(ぜひ)もなく()つてわが居間(ゐま)()く。007(あと)三人(さんにん)(くび)(あつ)密々話(ひそびそばなし)(ふけ)()した。
008(じつ)(ところ)はセーラン王様(わうさま)のお(やかた)には悪人(あくにん)はびこり、009右守(うもり)(かみ)のカールチンは大棟梁(だいとうりやう)大黒主(おほくろぬし)(うま)()()り、010吾々(われわれ)主人(しゆじん)左守(さもり)(かみ)なるクーリンス(さま)(はじ)め、011王様(わうさま)(まで)排斥(はいせき)せむと(たく)んで()るのだ。012さうなつちや大変(たいへん)だから、013(なん)とかしてこの難関(なんくわん)()()け、014悪人(あくにん)()らしめてやらむと(かんが)へて()(ところ)が、015(べつ)(これ)()()方法(はうはふ)考案(かうあん)()()ない。016それからこれは到底(たうてい)吾々(われわれ)(かんが)へでは()かない、017神様(かみさま)にお(ねが)ひするより(みち)はないとクーリンス(さま)三七日(さんしちにち)(あひだ)梵天王様(ぼんてんわうさま)(ほこら)立籠(たてこも)御神勅(ごしんちよく)()はれた(ところ)018(あに)(はか)らむや「三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)黄金姫(わうごんひめ)019清照姫(きよてるひめ)がやがてイルナの(みやこ)をお(とほ)りになるから、020(うま)両人(りやうにん)(たの)()んで(この)解決(かいけつ)をつけて(もら)へよ」とのお(さと)し、021左守(さもり)(かみ)合点(がてん)()かずと幾度(いくど)もお(うかが)ひになつたところ、022依然(いぜん)として神様(かみさま)のお(つげ)(かは)らない。023そこで左守(さもり)司様(かみさま)はこのテームスを(ひそ)かに(まね)き、024二人様(ふたりさま)のお(いで)(みち)にお()()(まを)城内(じやうない)()(かへ)り、025この解決(かいけつ)()けて(もら)はうと七八人(しちはちにん)部下(ぶか)をつれ関所(せきしよ)(まで)()()で、026土中(どちう)(ほら)()をひそめ(うかが)()れば、027貴方等(あなたがた)二人(ふたり)道々(みちみち)(はなし)028(とき)こそ(きた)れと、029洞穴(ほらあな)()()し、030二人(ふたり)様子(やうす)()かむとした(ところ)031貴方等(あなたがた)は、032王様(わうさま)(まへ)(はな)すと()はれたが、033さうしては(かへつ)(てき)(さと)られてはならないから、034どうぞ吾々(われわれ)(その)所在(ありか)()らして(いただ)(こと)出来(でき)まいかなア』
035カル『ハイ、036(じつ)はイルナの(もり)(まで)(とも)をして()たのだが、037(にはか)(おほかみ)(むれ)がやつて()て、038二人様(ふたりさま)何処(どこ)かへ、039くはへて()つて(しま)つたのだから、040ほんとの(くは)しい(こと)は、041吾々(われわれ)(わか)りませぬわい』
042『そりや(こま)りましたなア。043そんな(こと)なら態々(わざわざ)こんな(ところ)(まで)()(もら)ふのぢやなかつたに』
044レーブ『いや御心配(ごしんぱい)なさいますな。045カルは新米(しんまい)(なに)()らぬのです。046(わたし)一伍一什(いちぶしじふ)()つて()ます。047(じつ)(ところ)はお二人(ふたり)(おほかみ)眷族(けんぞく)にお使(つか)ひになつて()ます。048危急(ききふ)存亡(そんばう)(とき)には、049いつも二人(ふたり)をお(たす)けする(こと)になつて()ますから、050御両人様(ごりやうにんさま)眷族(けんぞく)(ころ)されるやうな(こと)(けつ)してありませぬ。051神様(かみさま)貴方等(あなたがた)七八人(しちはちにん)部下(ぶか)()れて洞穴(ほらあな)()つて()られる(こと)前知(ぜんち)せられ、052(おほかみ)()して(ほか)方面(はうめん)へお(かく)しなさつたのです』
053『さうすると、054このテームスはお二人様(ふたりさま)(てき)()られたのでせうか。055さうなると仮令(たとへ)二人様(ふたりさま)所在(ありか)(わか)つても、056容易(ようい)吾々(われわれ)(ねが)ひはお()(くだ)さいますまい。057はて、058(こま)つた(こと)ぢやな』
059レーブ『イエイエ(けつ)して(けつ)して左様(さやう)道理(だうり)はありませぬ。060貴方(あなた)のお()()れになつた八人(はちにん)(うち)には半分(はんぶん)以上(いじやう)カールチンの部下(ぶか)(まじ)つて()ますから、061(わざ)とにお(はづ)しなさつたのですよ。062(この)レーブも(その)(こと)感付(かんづ)いたので、063あのやうな不得要領(ふとくえうりやう)(わけ)(わか)らぬ(こと)(わざ)とに(まを)()げたのです。064きつと一両日(いちりやうじつ)(うち)には数多(あまた)(おほかみ)()きつれ悪人(あくにん)調伏(てうふく)せむとお()しになるでせう。065あの(かた)神通力(じんつうりき)()つて()られますから、066レーブ、067カルの両人(りやうにん)何処(どこ)()ると()(こと)御存(ごぞん)じですから、068キツと()えます。069(この)大事(だいじ)(けらい)()りまいて勝手(かつて)()くと()ふやうな水臭(みづくさ)御主人(ごしゆじん)では(ござ)いませぬからなア』
070 カルは、
071『さうかなア』
072とやや(くび)(かたむ)けて不安(ふあん)(いろ)(うか)べてゐる。
073 表門(おもてもん)には二人(ふたり)門番(もんばん)074大欠伸(おほあくび)をしながら(ねむ)()(こす)つて、075(くだ)らぬ(はなし)(ふけ)つて()る。
076『オイ、077ピー(しう)078もう何時(なんどき)だらうなア、079イイ加減(かげん)就寝(しうしん)振鈴(しんれい)(きこ)えさうなものぢやないか』
080『さうだなア、081もう二十三時(にじふさんじ)082百十五分(ひやくじふごふん)(くらゐ)なものだよ。083もう五分間(ごふんかん)()て……さうすれば就寝(しうしん)振鈴(しんれい)()るだらう。084監督(かんとく)(まは)つて()ると面倒(めんだう)だから、085もチツと()(こす)つて辛抱(しんばう)するのだなア』
086『モウいい加減(かげん)監督(かんとく)(まは)つて()()れぬと俺達(おれたち)(ねむ)たくなつて仕方(しかた)がないわ。087(しか)(うち)大将(たいしやう)(めう)(をとこ)二人(ふたり)()れて(かへ)つたぢやないか。088あれは大方(おほかた)右守(うもり)(かみ)諜者(まはしもの)()れやしないがなア。089(うち)大将(たいしやう)(ひと)()いから(また)(だま)されやしないかと(おも)うてそれが心配(しんぱい)(たま)らないわ』
090『こりやシヤール、091(なに)をおつシヤールのだ。092門番(もんばん)(くらゐ)がピーピー()つたとて(なん)になるかい。093何事(なにごと)御主人様(ごしゆじんさま)(むね)にあるのだから、094俺達(おれたち)神妙(しんめう)門番(もんばん)さへして()ればよいのだ。095こんな(こと)(しやべ)つて右守(うもり)(かみ)親類(しんるゐ)にでも()かれようものなら大変(たいへん)だぞ』
096 ()(はな)(ところ)(やかた)監督(かんとく)エムが足音(あしおと)(たか)(あら)はれ(きた)り、
097『コリヤ コリヤ、098ピー、099シヤールの両人(りやうにん)100(いま)(なに)()つて()つたか』
101ピー『ハイ(この)(ごろ)はよう日和(ひより)(つづ)くことだ。102月様(つきさま)下弦(かげん)になりなさつたけれど、103(ふゆ)(はじめ)(つき)(また)格別(かくべつ)なものだとピーから()りまで()めて()りました』
104貴様(きさま)105(いへ)(なか)から(つき)(をが)めるか、106馬鹿(ばか)(こと)(まを)せ、107エーム』
108(いま)(この)武者窓(むしやまど)から(のぞ)いて()(ところ)(ござ)います、109なあシヤール、110()(つき)だつたなア』
111馬鹿(ばか)(まを)せ、112まだ(つき)(のぼ)つてゐないぢやないか。113貴様(きさま)大方(おほかた)門番(もんばん)(をこた)り、114(ゆめ)でも()()たのだらう。115何故(なぜ)振鈴(しんれい)()(まで)()きて()ないのか。116貴様(きさま)はいつもサボる(くせ)があるから駄目(だめ)だ。117明日(みやうにち)(かぎ)御主人(ごしゆじん)申上(まをしあ)げて(ひま)(つか)はすぞ』
118『イエ昨日(きのふ)(つき)(はなし)をして()たので(ござ)います。119何卒(どうぞ)今晩(こんばん)はお見逃(みのが)(くだ)さいませ』
120『それなら今日(けふ)旦那様(だんなさま)報告(はうこく)をするのを()めてやらう。121よく()をつけよ。122()半時(はんとき)ばかり振鈴(しんれい)()るには()があるから、123それ(まで)はキツト(つと)めるのだぞ。124(ねむ)たければ()()せ。125唐辛子(たうがらし)()でも()つてやらう』
126『メヽ滅相(めつさう)な、127そんな(こと)をしられて(たま)りますか。128()()(あが)つて(しま)ひます』
129『オイ、130シヤール、131(その)(はう)唐辛子(たうがらし)のお見舞(みまひ)はどうぢや。132大分(だいぶ)(ねむ)たさうな(かほ)をして()るぢやないか』
133『イヤ(べつ)(ねむ)たいことはありませぬ。134(わたし)()はピーのやうな(やはら)かい()とは(ちが)ひます。135かたいかたい()(ござ)います。136(ただ)時々(ときどき)上瞼(うはまぶた)下瞼(したまぶた)とが集会(しふくわい)をしたり、137結婚(けつこん)をするだけのもので(ござ)います』
138『サア(その)集会(しふくわい)不可(いか)ぬのぢや、139()はぢきでもかけて団栗眼(どんぐりめ)をむいて()ろよ。140()いか、141アーン』
142『それでも、143この(あひだ)()つけ(やく)()つけ(やく)集会(しふくわい)をして()られましたぜ。144どうぞ大目(おほめ)()(くだ)さいな。145旦那様(だんなさま)何時(いつ)もサボつて()るなどと報告(はうこく)をせられては、146(わたし)のみか女房子(にようぼうこ)までがめい(わく)(いた)しますから』
147 エムは「ウン」と横柄(わうへい)返事(へんじ)をしながら棒千切(ぼうちぎれ)()ちふり()ちふり(やみ)姿(すがた)をかくした。148(しばら)くすると(ひがし)(そら)()けて下弦(かげん)(つき)149利鎌(とがま)のやうな(かげ)地上(ちじやう)()げて(のぼ)(はじ)めた。150門口(もんぐち)(をんな)(こゑ)
151『モシモシ門番(もんばん)さまえ、152(あま)(おそ)くて()みませぬが、153一寸(ちよつと)様子(やうす)あつてテームス殿(どの)にお()(かか)りに(まゐ)つたもの、154どうぞ(とほ)して(くだ)さい』
155『オイオイ シヤール、156今頃(いまごろ)(をんな)がやつて()たぞ。157此奴(こいつ)迂濶(うつかり)相手(あひて)になれないぞ。158(きつね)(たぬき)()けて()やがるのだ。159()(くれ)十八時(じふはちじ)()ぎたら(をんな)(ある)くものぢやない。160それに今頃(いまごろ)あんな(やさ)しい(こゑ)()しやがつて、161(この)門戸(もんこ)(たた)くものはキツト()()だ。162()らぬ(かほ)をして()るが一番(いちばん)よい』
163 門外(もんぐわい)から、
164『もしもし門番(もんばん)さま、165(はや)()けて(くだ)さい』
166とトントンと(ちひ)さく(たた)く。
167『オイオイ()たぞ()たぞ。168あの(もん)(たた)きやうを()い。169(きつね)()けやがつて尻尾(しつぽ)(もん)()(たた)いて()やがるのだよ、170のうシヤール』
171『それでもありやきつと人間(にんげん)だぞ。172どんな秘密(ひみつ)御用(ごよう)でどんな(かた)がお(いで)になつたのか()れやしないぞ。173()けて()たらどうだ。174もし(あや)しいものと()たら(この)(ぼう)(なぐ)()けて正体(しやうたい)(あら)はしさへすりやよいぢやないか。175もし(きつね)ででもあつて()い。176その(にく)剥焼(すきやき)にして(さけ)(さかな)にすりや大変(たいへん)美味(うま)いぞ』
177『それなら()けてやらうか。178シヤール、179貴様(きさま)棍棒(こんぼう)(はな)すな。180(おれ)(あや)しいと()たら(なぐ)りつけてやるのだから』
181片手(かたて)(ぼう)(にぎ)片手(かたて)(もん)(ひら)いた。182(をんな)()()ねたやうに(ほそ)(ひら)いた(ところ)から()けるが(ごと)()()んだ。183(をんな)(しろ)(かほ)184(うつく)しき(きぬ)(いろ)は、185(をり)から(のぼ)(つき)(かがや)いて(あだか)天女(てんによ)(ごと)()えて()た。186二人(ふたり)此奴(こいつ)テツキリ化物(ばけもの)と、187双方(さうはう)より棍棒(こんぼう)をもつて()つてかかるを、188(をんな)しれもの()(はづ)し、189小股(こまた)(すく)つて大地(だいち)にドツと二人(ふたり)()げつけ、190平然(へいぜん)として(あと)()()き、
191『ホヽヽヽヽ危険(あぶな)(こと)
192()ひながら、193スタスタと(おく)目蒐(めが)けて(すす)()く。194二人(ふたり)(をんな)強力(がうりき)()げつけられ(きも)(つぶ)して(こゑ)(ふる)はせ、
195『オイ、196シヤールよ』
197『オイ、198ピー………よ』
199薩張(さつぱり)だなア、200シヤール』
201『ウン薩張(さつぱり)だ。202これだから門番(もんばん)()()はぬと()ふのだ。203キツト明日(あす)免職(めんしよく)だよ。204門番(もんばん)もかうなつては面色(めんしよく)()しだから免職(めんしよく)されても仕方(しかた)がないわ。205アヽ大変(たいへん)大腿骨(だいたいこつ)()つたと()えて、206チヨツくらチヨツとには(うご)けないわ。207ピー、208貴様(きさま)はどうだい』
209(おれ)だつて矢張(やつぱり)大地(だいち)()()けられたのだもの、210大抵(たいてい)(きま)つたものだよ』
211 ()(はな)(をり)しも四辺(あたり)(ひび)振鈴(しんれい)(こゑ)
212『ヤアヤア有難(ありがた)い、213これから(しばら)(おれ)天下(てんか)だ』
214二人(ふたり)四這(よつばひ)になつて門番部屋(もんばんべや)這込(はひこ)み、215足腰(あしこし)(いた)さを(こら)へながら(しん)につくのであつた。
216 ベリス(ひめ)(をつと)相談(さうだん)場所(ばしよ)から退去(たいきよ)(めい)ぜられ、217(こころ)(うち)で「水臭(みづくさ)(をつと)だ、218秘密(ひみつ)()れると()つたつて一生(いつしやう)()()女房(にようばう)()はれぬ秘密(ひみつ)がどこにあるものか。219キツト自分(じぶん)(かく)して綺麗(きれい)(をんな)をどこかに(かこ)つて()るのだらう。220それでなくては女房(にようばう)(そば)()られぬ(はず)がない。221レーブ、222カルの両人(りやうにん)はきつとナイスを()りもち、223(しまひ)(はて)には(この)ベリスを()()大黒主(おほくろぬし)(さま)()(まひ)をさするのかも()れない。224エヽ気分(きぶん)(わる)い。225(をとこ)()ふものは油断(ゆだん)のならぬものだ。226()うなつて()ると()(なか)(いや)になつて()た」と(つぶや)きながら(ねむ)りもならず玄関口(げんくわんぐち)にヒヨロリ ヒヨロリとやつて()た。227玄関口(げんくわんぐち)には妙齢(めうれい)美人(びじん)(つき)()らされて(ほそ)(すず)しき(ごゑ)にて、
228『もしもし、229テームス(さま)至急(しきふ)用事(ようじ)(ござ)いますから、230一寸(ちよつと)()()いで(くだ)さいませ』
231()つて()る。232ベリス(ひめ)むつとして、
233『どこの魔性(ましやう)(をんな)()りませぬが、234夜夜中(よるよなか)(だい)それた(をとこ)()()んでかい()しに()るものが何処(どこ)にあるかえ。235テームスにはベリスと()立派(りつぱ)家内(かない)(ござ)りますぞや。236前達(まへたち)(をつと)()()んで(もら)必要(ひつえう)はありませぬ、237とつと(かへ)つて(くだ)さい』
238貴女(あなた)が、239ベリス(ひめ)(さま)(ござ)いましたか。240御壮健(ごさうけん)でお目出度(めでた)(ござ)います。241テームス(さま)御在宅(ございたく)(ござ)いますか』
242『ハイ、243()るか()らぬか早速(さつそく)(こた)へは出来(でき)ませぬわい。244貴女(あなた)もテームスと(なが)らくの御関係(ごくわんけい)245(わたし)()ぬのを()つて()られましたらうが、246(にく)まれ()()覇張(はば)るとか……これこの(とほ)りピチピチと千年(せんねん)万年(まんねん)()きるやうな(この)(からだ)247あまり御壮健(ごさうけん)貴女(あなた)()()つて(あま)りお目出度(めでた)うは(ござ)いますまい』
248一寸(ちよつと)(きふ)(まを)しあげ()(こと)(ござ)いまして(まゐ)つたので(ござ)いますから、249(うたが)(あそ)ばさずに、250どうぞ(おく)へお()(つぎ)(ねが)ひます』
251『オホヽヽヽ、252(なん)とまあ(うち)旦那(だんな)をチヨロまかすだけの腕前(うでまへ)をもつて()られると()え、253(うま)(こと)仰有(おつしや)いますわい。254(この)ベリス(ひめ)はそんな馬鹿(ばか)ではありませぬ。255(よう)があるなら(ひる)()(くだ)さい。256今頃(いまごろ)()()るものにどうで(ろく)なものはない。257(だん)じて取次(とりつぎ)(いた)しませぬ。258いつ(まで)なと其処(そこ)()つて()らつしやい。259()(どく)(さま)260アバよ』
261(あご)(ふた)()つしやくつて(おく)(ふか)姿(すがた)をかくした。262(この)(をんな)左守(さもり)(かみ)クーリンスの(むすめ)セーリス(ひめ)である。263ユーフテスの(くち)より()いた一切(いつさい)秘密(ひみつ)今夜(こんや)(うち)にテームスに()らせ、264(その)準備(じゆんび)()りかからせむ(ため)人目(ひとめ)(しの)んでソツとやつて()たのである。265ベリス(ひめ)(つら)(ふく)らし畳触(たたみざは)荒々(あらあら)しくテームスの部屋(へや)()()み、266レーブ、267カルの両人(りやうにん)をカツと()()け、268(こゑ)(ふる)はせ地団駄(ぢだんだ)()みながら、
269『こりや、270レーブ、271カルの悪人(あくにん)(ども)272ようまア旦那様(だんなさま)(おだ)てあげ魔性(ましやう)(をんな)世話(せわ)(いた)したな。273(いへ)(みだ)大悪人(だいあくにん)274了簡(れうけん)(いた)さぬぞや。275これ旦那様(だんなさま)276(わたし)今迄(いままで)よくお(だま)しなさいました。277貴方(あなた)のお腕前(うでまへ)には(この)ベリスも感心(かんしん)(いた)しました。278(なに)(をとこ)御器量(ごきりやう)でなさる(こと)だもの、279(わたし)(つつ)(かく)しをせずに、280何故(なぜ)公然(こうぜん)(をんな)()()大黒主(おほくろぬし)(さま)のやうに(わたし)放逐(はうちく)なさらぬのか、281(あま)遣方(やりかた)姑息(こそく)ぢやありませぬか。282エヽ残念(ざんねん)口惜(くや)しやなア』
283(その)(へん)にあつた小道具(こだうぐ)狂気(きやうき)(ごと)()げつけ(くる)(まは)る。284レーブ、285カルの両人(りやうにん)合点(がてん)()かず、286唖然(あぜん)としてベリス(ひめ)乱暴(らんばう)()見守(みまも)つて()る。287テームスは(こゑ)(とが)らし、
288『こりやベリス(ひめ)289(その)(はう)狂気(きやうき)(いた)したか。290このテームスに(をんな)があるとは(もつ)ての(ほか)(こと)291(なに)証拠(しようこ)左様(さやう)なことを(まを)すか。292証拠(しようこ)なくして大切(たいせつ)なお客様(きやくさま)(まへ)左様(さやう)(こと)(まを)すと、293第一(だいいち)(をつと)名折(なを)れ、294(をしへ)(みち)(きず)がつく。295サア返答(へんたふ)(いた)せ』
296 ベリス(ひめ)(うら)めし()(なみだ)(ぬぐ)ひながら、
297『オホヽヽヽ(なん)とまア白々(しらじら)しい(こと)仰有(おつしや)いますわい。298証拠(しようこ)がなくて(なに)そんな(こと)(まを)しませうぞ。299貴方(あなた)名誉(めいよ)(おも)ひ、300(をしへ)大切(たいせつ)だと(おも)へばこそ(わたし)()()むのぢや(ござ)いませぬか。301よう此処(ここ)(ところ)聞分(ききわ)けて(くだ)さい。302貴方(あなた)改心(かいしん)出来(でき)ねば、303(わたし)(この)()自殺(じさつ)(いた)します。304何卒(どうぞ)それを()御改心(ごかいしん)(ねが)ひます』
305(はや)くも懐剣(くわいけん)()(はな)(のど)()()てむとするを、306レーブは(あわ)てて(その)()(にぎ)短刀(たんたう)()つたくり、
307『コレコレ奥様(おくさま)308誤解(ごかい)なさつては(こま)りますよ。309此方(こなた)旦那様(だんなさま)(かぎ)つてそんな(こと)をなさる気遣(きづか)ひはありませぬ。310そりや(なに)かの間違(まちが)ひでせう。311キツト(わたし)保証(ほしよう)(いた)しますから御安心(ごあんしん)なさいませ』
312 ベリスは冷笑(れいせう)(うか)べながら、
313『オホヽヽヽ()いて(くだ)さいませ。314そんな巧妙(かうめう)辞令(じれい)百万遍(ひやくまんべん)(なら)べなさつても、315そんな(こと)胡麻化(ごまか)されるやうなベリスではありませぬ。316よい加減(かげん)(ひと)馬鹿(ばか)にしておきなさい。317レーブとカルが、318(うち)のテームスと(はら)(あは)せたる(おな)(あな)(むじな)でせう。319どこを(おさ)へたら、320そんな素々(しらじら)しい(こと)がよく()はれるものですかなア。321オホヽヽヽ』
322 テームス、323レーブ、324カルの三人(さんにん)一向(いつかう)合点(がてん)()かず、325両手(りやうて)()んで思案(しあん)()れて()る。326其処(そこ)監督(かんとく)のエムが、327セーリス(ひめ)(ともな)(あら)はれ(きた)(うやうや)しく両手(りやうて)をついて、
328旦那様(だんなさま)329只今(ただいま)330左守(さもり)司様(かみさま)御息女(おんそくぢよ)331セーリス(ひめ)(さま)が、332至急(しきふ)御用(ごよう)があつて、333夜中(やちう)にも(かかは)らず(なに)御用(ごよう)出来(でき)たと()えてお()しになりましたから、334此処迄(ここまで)御案内(ごあんない)(いた)しました』
335 テームスはセーリス(ひめ)来訪(らいほう)()き、336ハツと(おどろ)叮嚀(ていねい)(くび)(たたみ)()()けながら、
337『これはこれはセーリス(ひめ)(さま)338よくまア夜中(やちう)にも(かかは)らず(この)破家(あばらや)をお(たづ)(くだ)さいました。339(なに)(かは)つた御用(ごよう)(ござ)いますか』
340『ハイ、341今晩(こんばん)是非(ぜひ)(まを)()げねばならぬ(こと)出来(でき)ましたので、342夜中(やちう)(おどろ)かせ(まを)しまして(まこと)にすみませぬ』
343 ベリス(ひめ)は、344セーリス(ひめ)()きて今更(いまさら)(ごと)()(おどろ)き、345鯱鉾立(しやちほこだち)になつて(あたま)をペコペコ()ちつけながら、
346『これはこれは(たふと)(たふと)きセーリス(ひめ)(さま)御座(ござ)いましたか。347(ぞん)ぜぬ(こと)とて重々(ぢゆうぢゆう)御無礼(ごぶれい)348どうぞお(ゆる)(くだ)さいませ』
349 セーリス(ひめ)何気(なにげ)なき(てい)にて、
350『オホヽヽヽ、351(まこと)夜中(やちう)(まゐ)りまして(きつ)誤解(ごかい)をさせました。352(さだ)めしテームス(さま)情婦(いろ)()()たと誤解(ごかい)をおさせしたと(おも)うて()ました。353あの(とき)名乗(なのり)をすればよかつたのですが、354(てん)(くち)355(かべ)(みみ)()(こと)がありますから申上(まをしあ)げませぬでした。356どうぞテームス(さま)(たい)して、357(あや)しき関係(くわんけい)()つて()(をんな)ぢや(ござ)いませぬから、358御安心(ごあんしん)(くだ)さいませ』
359 ベリス(ひめ)は、
360『ハイハイ』
361(おそ)()(あたま)得上(えあ)げず、362(かほ)真紅(まつか)にして畏縮(ゐしゆく)してゐる。
363テームス『ベリス(ひめ)364毎度(まいど)()つてお(まへ)()()ますか()らぬが、365一寸(ちよつと)秘密(ひみつ)御用(ごよう)があるさうだから(せき)(はづ)して()()れ』
366 ベリスは、
367『ヘー』
368長返事(ながへんじ)しながら、369(すこ)しく不安心(ふあんしん)面持(おももち)にて、370不承々々(ふしようぶしよう)挨拶(あいさつ)もせず(つぎ)()()つて()く。371テームスはセーリス(ひめ)(たい)して()(どく)でならず(こころ)(いた)めながら、
372『セーリス(ひめ)(さま)373御存(ごぞん)じの(とほ)りの(こま)つた女房(にようばう)ですから、374どうぞお()()へられないやうに(ねが)ひます』
375『そんなお心遣(こころづか)ひは御無用(ごむよう)にして(くだ)さいませ。376(をつと)のある(かた)(たい)し、377(わか)(をんな)(たづ)ねて()るのが元来(ぐわんらい)間違(まちが)つて()ます。378(しか)しながら、379そんなことを()つて()られないのでお(たづ)(いた)しました。380(とき)にこのお二人(ふたり)(かた)此処(ここ)()られても差支(さしつか)(ござ)いますまいかなア。381(なん)だか申上(まをしあ)(にく)うて(こま)ります』
382レーブ『イヤ、383(わたし)(なが)らく座談(ざだん)(とき)(つひ)やし(しり)(いた)くなりましたから一寸(ちよつと)(そと)()(つき)でも()めて()ませう。384サア、385カルさま、386(しばら)屋外(をくぐわい)空気(くうき)()うて()ようぢやありませぬか』
387()ひながら(はや)くも()つて(そと)()でて()く。388カルも(したが)つて屋外(をくぐわい)姿(すがた)(あら)はした。389無心(むしん)(つき)は、390皎々(かうかう)として遺憾(ゐかん)なく万物(ばんぶつ)照臨(せうりん)してゐる。391(おく)一間(ひとま)にはテームスとセーリス(ひめ)との(あひだ)重要(ぢうえう)なる問答(もんだふ)交換(かうくわん)された様子(やうす)である。
392大正一一・一一・一〇 旧九・二二 加藤明子録)
   
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