霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第九章 (はちす)川辺(かはべ)〔一一一三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第41巻 舎身活躍 辰の巻 篇:第2篇 神機赫灼 よみ:しんきかくしゃく
章:第9章 第41巻 よみ:はちすのかわべ 通し章番号:1113
口述日:1922(大正11)年11月11日(旧09月23日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
ヤスダラ姫とリーダーは虎口を逃れ、姫の故郷・イルナ国の国境にある蓮川のたもとまで逃げてきた。
主従二人が川辺で休息していると、叢の中から数十人の黒い影が二人を取り巻いた。リーダーは我こそは左守の娘・ヤスダラ姫を守る武術の達人だと呼ばわった。
男たちの中の頭らしき大男がリーダーの前に立ちふさがり、武術の達人ハルマンと名乗った。自分たちは右守の命令でヤスダラ姫一行をとらえるべく潜んでいたのだと凄み、素直に縛につくようにと降伏を呼びかけた。
リーダーはハルマンに攻めかかる。ハルマンは、部下たちにヤスダラ姫を捕えるよう下知した。ヤスダラ姫は奮闘するが、衆寡敵せず男たちに抑え込まれてしまった。
すると、後方からあたりを響かせて三五教の宣伝歌が聞こえてきた。宣伝歌は皇神を祀る三五教をたたえ、バラモン教徒たちに皇神を祀るよう促す歌であった。
この宣伝歌に打たれて、ハルマンたちは一目散に逃げて行ってしまった。ヤスダラ姫は危急を救ってくれた宣伝歌の主にお礼を述べ、名を尋ねた。
宣伝歌の主は、セイロン島でサガレン王家を騒がせた悪僧・竜雲であると明かした。竜雲は、三五教の天の目一つの神の訓戒を受けて身魂を救われ、放浪の身となって月の国に三五教を説いて回る身の上となった経緯を涙ながらに語った。
ヤスダラ姫は竜雲の身の上話を聞き、思わず国治立大神に祈願をこらした。
ヤスダラ姫とリーダーは、自分たちがシャールの館から逃げて、イルナ国の姫の父・左守の館に戻る途中であることを明かした。イルナ国の右守の立ち回りについては竜雲も聞き及んでおり、竜雲は二人をイルナの都まで陰ながら守り送っていくことを約した。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4109
愛善世界社版:126頁 八幡書店版:第7輯 577頁 修補版: 校定版:131頁 普及版:62頁 初版: ページ備考:
001(そら)()(わた)(つき)(くに)
002朝日(あさひ)(きよ)くテルマンの
003(くに)(みやこ)()(たか)
004毘舎族(びしやぞく)シヤールの富豪(ふうがう)
005(つま)(くだ)りし刹帝利(せつていり)
006セーラン(わう)従妹(いとこ)なる
007ヤスダラ(ひめ)朝夕(あさゆふ)
008(その)()不運(ふうん)をなげきつつ
009(かな)しき月日(つきひ)(おく)(をり)
010(おも)ひもかけぬイルナ(こく)
011右守(うもり)(かみ)(つか)へたる
012(しこ)(つかさ)のカールチンが
013女房(にようばう)のテーナは遥々(はるばる)
014シヤールの(やかた)()(むか)
015右守(うもり)(かみ)使者(ししや)となり
016四辺(あたり)(はら)堂々(だうだう)
017(すす)(きた)るぞ忌々(ゆゆ)しけれ
018シヤールは使者(ししや)()くよりも
019()(おどろ)きて(わが)居間(ゐま)
020茶菓(さくわ)饗応(きやうおう)慇懃(いんぎん)
021テーナの(ひめ)をあしらひつ
022ヤスダラ(ひめ)館守(やかたもり)
023リーダー(その)()命令(めいれい)
024(やかた)内外(うちと)(きよ)めしめ
025時分(じぶん)はよしとテーナ(ひめ)
026(みちび)きながら()(きた)
027ヤスダラ(ひめ)()(むか)
028無理(むり)無体(むたい)暴言(ばうげん)
029()きかけながらテーナ(ひめ)
030(こころ)(そこ)ねちやならないと
031諂侫阿諛(てんねいあゆ)のありたけを
032(つく)して()をふる卑怯者(ひけふもの)
033二世(にせ)(つま)なるヤスダラ(ひめ)
034(つま)(みこと)(あは)れにも
035堅牢(けんらう)無比(むひ)牢獄(らうごく)
036()()()きて(むね)()
037やつと急場(きふば)をのがれたる
038姑息(こそく)仕打(しうち)(にく)らしき
039ヤスダラ(ひめ)(こころ)より
040至誠(しせい)(ささ)げて(つく)したる
041下僕(しもべ)のリーダーは雨風(あめかぜ)
042はげしき(よる)(さいは)ひに
043(するど)(まさかり)うちふるひ
044獄屋(ひとや)()もなく()(やぶ)
045(ひめ)をば(せな)()ひながら
046警戒(けいかい)(きび)しき邸内(ていない)
047(やみ)(まぎ)れてすたすたと
048荒野(あらの)(わた)(よる)(みち)
049(きた)(きた)へと(すす)みつつ
050ヤスダラ(ひめ)恋慕(こひした)
051故国(ここく)にイルナの国境(くにざかひ)
052(はちす)(かは)(ほとり)まで
053()(かへ)()(をり)もあれ
054カールチン()部下(ぶか)(もの)
055幾十人(いくじふにん)とも(かぎ)りなく
056(はちす)(かは)両岸(りやうがん)
057手具脛(てぐすね)()いて両人(りやうにん)
058(のが)(きた)るを()()たり
059あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
060(かみ)(めぐみ)(さち)はひて
061一日(ひとひ)(はや)本国(ほんごく)
062二人(ふたり)男女(なんによ)(つつが)なく
063(かへ)らせ(たま)へと瑞月(ずゐげつ)
064(こころ)(そら)にかけまくも
065バラモン(がみ)御前(おんまへ)
066(かは)りて(つつし)()ぎまつる
067(あさひ)()るとも(くも)るとも
068(つき)()つとも()くるとも
069仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
070曲津(まがつ)(かみ)(たけ)ぶとも
071忠義(ちうぎ)一途(いちづ)下僕等(しもべら)
072主人(あるじ)(きみ)(まも)りつつ
073()()(みち)(くま)もなく
074(ひら)かせ(たま)惟神(かむながら)
075(かみ)(こころ)になり(かは)
076()()(みち)(あん)じつつ
077(ここ)にそろそろ()()つる
078あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
079御霊(みたま)(さち)はひましませよ。
080 ヤスダラ(ひめ)081リーダーの両人(りやうにん)千辛万苦(せんしんばんく)結果(けつくわ)082やつと虎口(ここう)(のが)蓮川(はちすがは)(たもと)(まで)()(きた)る。083(ころ)しも(あき)(すゑ)(ごろ)084(すこ)()けたる清朗(せいらう)(つき)は、085主従(しゆじゆう)二人(ふたり)(かうべ)遺憾(ゐかん)なく()らし(たま)ひ、086二人(ふたり)行路(ゆくみち)をあつく(まも)らせ(たま)ふ。087二人(ふたり)川辺(かはべ)安着(あんちやく)し、088(やうや)西(にし)(かたむ)いた月影(つきかげ)(なが)めながら、089ヤスダラ(ひめ)は、
090天伝(あまつた)(つき)(ひかり)()らされて
091(はちす)川辺(かはべ)()きにけらしな』
092リーダー『(つき)もよし御空(みそら)(きよ)(つき)(くに)
093ヤスダラ(ひめ)につき(したが)ひし(われ)
094村肝(むらきも)(こころ)もやうやく()(わた)
095イルナの(くに)(つき)はかがやく』
096ヤスダラ『やすやすと下僕(しもべ)(かみ)(まも)られて
097故国(ここく)にイルナの(われ)(うれ)しき。
098セーラン(わう)(かみ)(みこと)如何(いか)にして
099今宵(こよひ)(つき)(なが)めますらむ。
100さゆる()(きみ)面影(おもかげ)(しの)ばれぬ
101(むかし)イルナに()(つき)(おも)へば。
102附添(つきそ)ひしリーダーの()をば()らしつつ
103吾等(われら)(まも)月夜見(つきよみ)(たふと)し』
104リーダー『(あふ)()御空(みそら)(つき)(きよ)けれど
105テーナの()める(やかた)(にご)れる。
106大空(おほぞら)(かがや)(わた)月影(つきかげ)
107(しこ)村雲(むらくも)(おほ)ふぞ忌々(ゆゆ)しき。
108この旅路(たびぢ)いとやすやすと(まも)れかし
109大国彦(おほくにひこ)(かみ)(めぐみ)に』
110ヤスダラ『テルマンの(つま)(やかた)(しの)()
111やうやくここに(つき)(かげ)さゆ。
112(むね)(やみ)一度(いちど)(ひら)くハチス(がは)
113(わた)浮世(うきよ)にさやる(おに)なし。
114さりながら(てん)風雨(ふうう)(さはり)あり
115(ひと)(わざはひ)なしとも(かぎ)らず。
116(こころ)せよリーダーの下僕(しもべ)この(かは)
117イルナの(くに)関所(せきしよ)なりせば』
118リーダー『(つつし)みて(まへ)(うしろ)村肝(むらきも)
119(こころ)(そそ)(まも)(つか)へむ』
120ヤスダラ『朝夕(あさゆふ)(した)ひまつりし(わが)(きみ)
121(ちち)のまします(くに)(ちか)づきぬ。
122(こころ)のみ(さき)()ちつつ(わが)(あし)
123(すす)()ねたるもどかしさかな』
124リーダー『大空(おほぞら)(つき)()(わた)(よる)(みち)
125如何(いか)でか(まが)(おそ)()べきや。
126惟神(かむながら)(かみ)(こころ)(まか)しつつ
127(まこと)(ちから)(すす)()くべし。
128(いま)しばしヤスダラ(ひめ)神司(かむつかさ)
129(しの)ばせたまへ二日三日路(ふつかみつかぢ)
130 かく(うた)ひながら(そら)(あふ)いで主従(しゆじゆう)(いき)(やす)めて()る。131(たちま)川辺(かはべ)草叢(くさむら)より、132(あら)はれ()でたる数十人(すうじふにん)(くろ)(かげ)133()()両人(りやうにん)前後左右(ぜんごさいう)()(かこ)み、134四五間(しごけん)距離(きより)(たも)つて(ちか)よりもせず、135人垣(ひとがき)(つく)()めつけて()る。136リーダーは(こゑ)()()げ、
137(われ)こそは左守(さもり)(かみ)138クーリンス(さま)御息女(おむすめ)ヤスダラ(ひめ)(さま)のお(とも)(いた)武術(ぶじゆつ)達人(たつじん)リーダーなるぞ。139何者(なにもの)指揮(さしづ)()らねども、140吾々(われわれ)往手(ゆくて)にさやるは不都合(ふつがふ)千万(せんばん)141一刻(いつこく)(はや)く、142(みち)(ひら)土下座(どげざ)をなして(ひめ)(さま)謝罪(しやざい)(いた)せ。143猶予(いうよ)(およ)ばば、144()(もの)()せて()れる、145サア(はや)く、146(いのち)()しい(やつ)(この)(はう)(まを)(やう)(いた)すが()からうぞ』
147 大勢(おほぜい)(なか)より、148小頭(こがしら)らしき(だい)(をとこ)149(たちま)ちリーダーの(まへ)()(ふさ)がり大口(おほぐち)あけて高笑(たかわら)ひ、
150『アハヽヽヽヽ、151只今(ただいま)(なんぢ)広言(くわうげん)片腹(かたはら)(いた)し。152(われ)こそはイルナの(くに)にて武術(ぶじゆつ)達者(たつしや)(きこ)えたる強力(がうりき)無双(むさう)のハルマンなるぞ。153カールチン(さま)命令(めいれい)()り、154汝等(なんぢら)両人(りやうにん)生擒(いけどり)にせむため、155この関所(せきしよ)人数(にんず)(あつ)め、156(いま)(おそ)しと()(つか)れて()(ところ)だ。157愚図々々(ぐづぐづ)(いた)さず、158(すみやか)(ばく)につけ』
159『アハヽヽヽヽ(ぬか)したりな、160ハルマンの()つけ(もの)め、161このリーダーが、162(にが)()()せて()れむ』
163()ふより(はや)鉄拳(てつけん)()()りながら、164ハルマンに(むか)つて()()つた。165ハルマンは一歩(ひとあし)二歩(ふたあし)(あと)へすざり、166キツト身構(みがま)へしながら、
167『ヤアヤア家来(けらい)者共(ものども)168(われ)はリーダー一人(ひとり)にかかつて()るから、169(その)()にヤスダラ(ひめ)捕縛(ほばく)(いた)せよ』
170下知(げち)すれば、171オーと(こた)へて数十人(すうじふにん)(ただ)一人(ひとり)のヤスダラ(ひめ)(むか)遮二無二(しやにむに)()びつき(きた)る。172ヤスダラ(ひめ)(たちま)下紐(したひも)()き、173襷十文字(たすきじふもんじ)綾取(あやど)り、174後鉢巻(うしろはちまき)リンと()めたる女武者(をんなむしや)(いさ)ましさ。175()(きた)木端武者(こつぱむしや)片端(かたつぱし)からスツテンドウと(あるひ)草中(くさなか)(あるひ)川底(かはぞこ)()()(ふせ)(たたか)へど、176()(かは)()(かは)()()(てき)(つか)()て、177ドウと(その)()()(たふ)れて仕舞(しま)つた。178(その)()(いつ)せず数人(すうにん)大男(おほをとこ)は、179(かさ)なり()うて(ひめ)力限(ちからかぎ)りに(おさ)へつけ、180(うで)()(いま)(なは)をかけむとする(とき)しもあれ、181(うしろ)(はう)より四方(あたり)(ひび)かす宣伝歌(せんでんか)(きこ)(きた)る。
182(かみ)(おもて)(あら)はれて
183正邪(せいじや)理非(りひ)()()ける
184ウラルの(かみ)(つか)へたる
185(われ)(たふと)宣伝使(せんでんし)
186セイロン(たう)()(わた)
187バラモン(けう)神司(かむつかさ)
188サガレン(わう)放逐(はうちく)
189ケーリス(ひめ)()()れて
190意気(いき)揚々(やうやう)神地城(かうぢじやう)
191(かみ)(つかさ)となりし(をり)
192三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
193(あめ)目一(まひと)神司(かむつかさ)
194(あら)はれ(きた)りていと(きよ)
195(たふと)言霊(ことたま)()(いだ)
196神地(かうぢ)(しろ)(たちま)ちに
197紅蓮(ぐれん)(した)()められぬ
198(わが)()(なが)憑依(ひようい)せし
199八岐(やまた)大蛇(をろち)(おどろ)きて
200(くも)(かすみ)()()せば
201今迄(いままで)(まよ)ひし(ゆめ)もさめ
202(まこと)(こころ)()(かへ)
203(いさ)(すす)みて三五(あななひ)
204(うづ)信徒(しんと)となりにけり
205三五教(あななひけう)(つかさ)()
206仁慈(じんじ)無限(むげん)のやり(かた)
207(こころ)(そこ)より感歎(かんたん)
208神地(かうぢ)(みやこ)(あと)にして
209(つき)(くに)へと()(わた)
210七千余国(しちせんよこく)(くま)もなく
211三五教(あななひけう)宣伝歌(せんでんか)
212(うた)ひて(すす)(われ)なるぞ
213バラモン(けう)やウラル(けう)
214三五教(あななひけう)といろいろに
215(をしへ)区別(くべつ)はありとても
216(この)()(つく)(かた)めたる
217(もと)御祖(みおや)一柱(ひとはしら)
218吾等(われら)(ちち)といます(かみ)
219(あめ)(した)なる人草(ひとぐさ)
220一人(ひとり)(のこ)らず皇神(すめかみ)
221御息(みいき)()れし(うづ)御子(みこ)
222(たがひ)(にく)(あらそ)ひて
223神慮(しんりよ)(なや)ませまつるなよ
224(ひと)(かみ)()(かみ)(みや)
225(たふと)身魂(みたま)()れながら
226(とら)(おほかみ)(おと)るべき
227(しこ)(おこな)ひつづけつつ
228(みづか)(わが)()品格(ひんかく)
229(きず)つけ(やぶ)()(くに)
230(そこ)(くに)なる(くる)しみを
231(けつ)して()くる(こと)なかれ
232(あく)身魂(みたま)善心(ぜんしん)
233()(かへ)りたる竜雲(りううん)
234四海同胞(しかいどうはう)好誼(よしみ)にて
235(ここ)忠告(ちうこく)(つかまつ)
236バラモン(けう)人々(ひとびと)
237直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
238(たがひ)(わが)()(あやま)ちを
239(かへり)みなして皇神(すめかみ)
240(こころ)(やす)んじ(たてまつ)
241黄金(わうごん)(はな)()天国(てんごく)
242(すく)ひの(もん)(ひら)くべし
243あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
244御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
245 (この)宣伝歌(せんでんか)()たれてや、246ハルマンを(はじ)数十人(すうじふにん)人影(ひとかげ)(くも)(かぜ)()(ごと)く、247一目散(いちもくさん)(きた)(きた)へと蓮川(はちすがは)(よこ)ぎり(さき)(あらそ)()げて()く。248ヤスダラ(ひめ)宣伝歌(せんでんか)(ぬし)(むか)ひ、249いと叮嚀(ていねい)会釈(ゑしやく)しながら、
250『いづくの(かた)(ぞん)じませぬが、251剣呑(けんのん)千万(せんばん)(ところ)へお()(くだ)さいまして、252(たふと)宣伝歌(せんでんか)をお(うた)(くだ)され、253吾々(われわれ)主従(しゆじゆう)(その)御神力(ごしんりき)()つて(すく)はれまして(ござ)ります。254あゝ(わたし)もかういふ場合(ばあひ)宣伝歌(せんでんか)(うた)ひ、255()()(てき)言向和(ことむけやは)せばよかつたのですが、256あまり(にはか)(てき)襲来(しふらい)挙措(きよそ)(その)()(しつ)し、257(はづか)しながら(をんな)分際(ぶんざい)としてあられもない腕立(うでだて)(いた)しました。258そして貴方(あなた)何処(どこ)何人(なにびと)(ござ)いますか』
259『ハイ、260(わたし)(いや)しき首陀(しゆだ)(いへ)(うま)れたもので(ござ)います。261()(およ)びでも(ござ)いませうが、262セイロン(たう)神地(かうぢ)(みやこ)(おい)曲津神(まがつかみ)誑惑(きやうわく)され、263大国別命(おほくにわけのみこと)(さま)御実子(ごじつし)国別彦(くにわけひこ)(さま)が、264サガレン(わう)となつてバラモンの(をしへ)神地(かうぢ)(しろ)(おい)てお(ひら)(あそ)ばす(ところ)(まゐ)り、265(ひめ)(さま)チヨロまかし、266悪逆無道(あくぎやくぶだう)振舞(ふるまひ)(いた)しました竜雲(りううん)(ござ)います。267只今(ただいま)(うた)(まを)()げました(とほ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(あめ)目一(まひと)つの(かみ)御訓誡(ごくんかい)やサガレン王様(わうさま)御仁慈(ごじんじ)()つて、268(くも)りきつたる身魂(みたま)(すく)はれ、269(いま)果敢(はか)なき放浪(はうらう)()となり、270(つき)(くに)七千余(しちせんよ)国々(くにぐに)(まは)(まは)りて(いま)此処(ここ)(まゐ)ります途中(とちう)(あや)しき人声(ひとごゑ)何事(なにごと)ならむと()けつけ()れば、271御両人様(ごりやうにんさま)大勢(おほぜい)取囲(とりかこ)まれ御困難(ごこんなん)最中(さいちう)272それ(ゆゑ)273(およ)ばずながら三五(あななひ)(みち)宣伝歌(せんでんか)(うた)(てき)()()らしたので(ござ)います』
274と、275(つつ)まず(かく)さず(おの)素性(すじやう)()()け、276落涙(らくるい)しながら(その)事実(じじつ)物語(ものがた)殊勝(しゆしよう)さに、277ヤスダラ(ひめ)(かん)()たれ、
278貴方(あなた)(おと)名高(なだか)竜雲様(りううんさま)(ござ)いましたか。279ようまあ其処迄(そこまで)御改心(ごかいしん)出来(でき)ました。280(じつ)御立派(ごりつぱ)御人格(ごじんかく)とおなり(あそ)ばしましたなア』
281『お()めに(あづ)かつては(おそ)()ります。282(わたし)神様(かみさま)のお(かげ)によつていろいろと苦労(くらう)(あた)へられ、283身魂(みたま)(みが)いて(いただ)きました。284これも(まつた)三五教(あななひけう)のお(かげ)(ござ)います』
285三五教(あななひけう)はそれだけ感化力(かんくわりよく)(ござ)りますか、286(じつ)結構(けつこう)(をしへ)(ござ)いますなア。287(わたくし)一度(いちど)(その)(をしへ)()かして(いただ)きたいもので(ござ)います』
288貴女(あなた)さへ()きたいお(こころ)におなりなさつたならば、289神様(かみさま)はキツト()かして(くだ)さるでせう。290先日(せんじつ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)291照国別(てるくにわけ)(さま)数多(あまた)(ひと)(まへ)で、292結構(けつこう)(はなし)をして()られた。293(その)(をしへ)()いた人間(にんげん)貴賤(きせん)老幼(らうえう)(きら)ひなく(のこ)らず帰順(きじゆん)して仕舞(しま)ひました。294(まこと)(ひと)つを()()無抵抗主義(むていかうしゆぎ)三五(あななひ)(をし)へは、295(その)伝播力(でんぱりよく)(つよ)く、296(あだか)燎原(れうげん)()(ごと)(いきほひ)(ござ)います』
297 ヤスダラ(ひめ)は、
298『あゝ左様(さやう)(ござ)いますか』
299()つたきり、300さし(うつむ)いて両手(りやうて)(あは)せ「国治立(くにはるたち)(かみ)301(わが)()将来(ゆくゑ)(まも)らせたまへ」と小声(こごゑ)になつて(いの)つて()る。302リーダーは膝頭(ひざがしら)負傷(ふしやう)()(さす)りながら(やうや)くにして()(あが)り、303竜雲(りううん)(むか)叮嚀(ていねい)(かしら)()げ、
304(いま)(うけたま)はれば貴方(あなた)有名(いうめい)竜雲様(りううんさま)(ござ)いましたか、305(おも)はぬ(ところ)でお()(かか)りました。306これも何彼(なにか)因縁(いんねん)(ござ)いませう。307よくまあ(ひめ)(さま)御危難(ごきなん)をお(すく)(くだ)さいました。308(わたし)下僕(しもべ)のリーダーで(ござ)います。309何分(なにぶん)宜敷(よろしく)(この)()御指導(ごしだう)(ねが)ひます』
310 竜雲(りううん)(かしら)()叮嚀(ていねい)言葉(ことば)つきで、
311『ハイ、312言葉(ことば)(おそ)()ります。313(そで)()()はすも他生(たしやう)(えん)とやら、314(つみ)(ふか)竜雲(りううん)315何卒(なにとぞ)互様(たがひさま)(たす)()ひを(ねが)ひたいもので(ござ)います。316そして貴方等(あなたがた)はどちらへお()(あそ)ばすので(ござ)いますか』
317『ハイ、318テルマン(ごく)のシヤールの(やかた)からイルナの(みやこ)319クーリンス(さま)のお(たく)()して(ひめ)(さま)がお(かへ)(あそ)ばすので、320(わたし)はお(とも)(まゐ)つたので(ござ)います。321(しか)るに(この)川辺(かはべ)(おい)て、322右守(うもり)(かみ)のカールチンが部下(ぶか)(ども)323(ひめ)(さま)此処(ここ)にて(とら)へむと(いた)しましたについては、324(なに)(みやこ)大変事(だいへんじ)(おこ)つて()るので(ござ)まいせうと(じつ)心配(しんぱい)でなりませぬ』
325左守(さもり)326右守(うもり)二方(ふたかた)(あひだ)大変(たいへん)暗闘(あんとう)出来(でき)()ると()(こと)は、327(この)竜雲(りううん)薄々(うすうす)()(およ)んで()ります。328カールチンと()(をとこ)(じつ)奸侫(かんねい)邪智(じやち)痴者(しれもの)で、329国人(くにびと)()けの(わる)神司(かむつかさ)330それに()きかへ左守(さもり)人気(にんき)のよい(こと)331(うらや)ましい(くらゐ)(ござ)います。332そんな(こと)から右守(うもり)嫉妬心(しつとしん)(おこ)し、333悶着(もんちやく)(おこ)つて()るのでせう。334これから(およ)ばずながら竜雲(りううん)(ひめ)(さま)をイルナの(みやこ)(まで)(おく)(いた)しますから御安心(ごあんしん)なさいませ』
335『ハイ有難(ありがた)う、336地獄(ぢごく)(ほとけ)()うたと(まを)さうか、337根底(ねそこ)(くに)(すく)ひの(かみ)()うたと(まを)さうか、338こんな(うれ)しい(こと)(ござ)りませぬ。339何分(なにぶん)かよわき(をんな)(たび)340宜敷(よろしく)(ねが)(いた)します』
341(しか)らば(わたし)(あと)になり(さき)になり御身辺(ごしんぺん)保護(ほご)して(まゐ)ります、342サア()きませう』
343()ふかと()れば、344竜雲(りううん)姿(すがた)(たちま)(くさ)(しげ)みに(かく)れて仕舞(しま)つた。345主従(しゆじゆう)二人(ふたり)宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら(はちす)(かは)(よこ)ぎり、346(なん)となく勇気(ゆうき)(くは)はり、347足許(あしもと)もいと(かる)げに(きた)(きた)へと(すす)()く。
348大正一一・一一・一一 旧九・二三 加藤明子録)