霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 ()(だま)〔一一二二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第41巻 舎身活躍 辰の巻 篇:第4篇 神出鬼没 よみ:しんしゅつきぼつ
章:第18章 第41巻 よみ:かえだま 通し章番号:1122
口述日:1922(大正11)年11月12日(旧09月24日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
イルナ城の奥の間では、清照姫がヤスダラ姫への変装をしていた。黄金姫は、セーリス姫に三五教の教えの意味を説いて聞かせている。
その間に廊下に足音が聞こえてきた。黄金姫は王の間に姿を隠し、中から錠を下ろしてしまった。ヤスダラ姫に化けた清照姫とセーリス姫は、煙草盆を前に煙を吐いている。
やってきたのは、ユーフテスに先導されたカールチンとマンモスだった。清照姫は、ヤスダラ姫の声を作ってカールチンに声をかけた。
清照姫は、カールチンの妻テーナ姫がテルマン国にやってきて夫のシャールに讒言したことの怨みをぶちまけ、カールチンを非難した。そしてセーラン王との許嫁の仲を無理矢理割いたことについても非難し、怒鳴りつけた。
カールチンは怒って右守の権限でヤスダラ姫を捕縛しようとする。一方ヤスダラ姫(清照姫)は王の代行としてカールチンを捕縛せよと命令する。ユーフテス、マンモスは途方に暮れてしまう。
ヤスダラ姫(清照姫)は傲然として右守を威喝する。右守は怒ってヤスダラ姫(清照姫)をにらみつけている。そこへサマリー姫がやってきた。ヤスダラ姫(清照姫)は、これまでの怨みを晴らすはこのときと叫び、サマリー姫に襲い掛かろうとする。
右守は呼子を出して吹き、十数人の捕り手を呼び寄せたが、ヤスダラ姫(清照姫)は武者ぶりつく捕り手を振り払い、身構えして叱りつける。その権幕に捕り手たちも呆然として遠巻きにするのみであった。
黄金姫は、セーラン王の間から王のつくり声をして、一同に控えるように命じた。ヤスダラ姫(清照姫)はサマリー姫を離縁して自分を正妻にするようにとセーラン王(黄金姫)に頼み込んだ。
黄金姫はセーラン王の作り声で、バラモン教の大黒主にならって一夫多妻主義を取り、サマリー姫を正妻とし、ヤスダラ姫を第二夫人とすると言い渡した。そして右守に対し、改心すれば位を譲って自分は退位するつもりだから、自分の病気が回復したら改めて登城するようにと宣言した。
右守はこれを聞いて喜び勇み、マンモスとサマリー姫を連れて館に引き下がった。後に王の間から出てきた黄金姫は、清照姫、セーリス姫、ユーフテスらとともに笑い転げた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4118
愛善世界社版:252頁 八幡書店版:第7輯 623頁 修補版: 校定版:264頁 普及版:119頁 初版: ページ備考:
001 イルナ(じやう)(おく)()には黄金姫(わうごんひめ)002清照姫(きよてるひめ)003セーリス(ひめ)三人(さんにん)(くび)(あつ)めて(かしま)しく喋々喃々(てふてふなんなん)論戦(ろんせん)(たたか)はして()る。
004セーリス『あのまア、005清照姫(きよてるひめ)(さま)のお(うつく)しい(こと)006ヤスダラ(ひめ)(さま)そつくりですわ。007ようまアお(かほ)御覧(ごらん)になつたことがないのに、008それ(ほど)()るやうに(つく)れましたねえ』
009照山峠(てるやまたうげ)(ふもと)でお()にかかつたのですよ。010(その)(とき)のお(かほ)記憶(きおく)()めて()(つく)つたのですから、011写真(しやしん)()つたやうなものですわ。012何事(なにごと)(あたら)しい(をんな)覇張(はば)()(なか)ですから、013清照姫(きよてるひめ)もどうやら(あたら)しいヤスダラ(ひめ)(さま)になつて仕舞(しま)ひました。014オホヽヽヽヽ』
015(しか)し、016(あたら)しい()(なか)建設(けんせつ)されるとか、017されたとか、018三五教(あななひけう)では仰有(おつしや)るぢや(ござ)いませぬか』
019 黄金姫(わうごんひめ)はしたり(がほ)にて(こた)ふ。
020(あたら)しき(てん)(あたら)しき()とが今度(こんど)三五教(あななひけう)神力(しんりき)によつて(あら)はれるのですよ。021今迄(いままで)(てん)今迄(いままで)()(すで)()()つた今日(こんにち)です。022(これ)から聖城(せいじやう)なる(あたら)しきヱルサレムが()(くだ)り、023国治立尊(くにはるたちのみこと)(くだ)(たま)うて天下万民(てんかばんみん)(また)(あたら)しく()(かへ)らせ(たま)時代(じだい)(ちか)づいたのです。024ヱルサレムの(しろ)四方(しはう)になつて()(なが)さと(はば)同一(どういつ)です。025木花姫命(このはなひめのみこと)(さま)天教山(てんけうざん)より出雲姫命(いづもひめのみこと)(つか)はし(たま)うて、026竿(さを)(もつ)てエルサレムの(しろ)測量(そくりやう)させられた(ところ)一万二千(いちまんにせん)フアーロングあるといふことです。027(しろ)(なが)さも(ひろ)さも(たか)さも(みな)相等(あひひと)しく、028(その)石垣(いしがき)百四十四(ひやくしじふし)キユーピツトあつて、029碧玉(へきぎよく)にて石垣(いしがき)(きづ)き、030(その)(しろ)(きよ)らかな玻璃(はり)(ごと)純金(じゆんきん)(つく)り、031(しろ)石垣(いしがき)(いしずゑ)(かく)様々(さまざま)宝石(はうせき)(かざ)られてあります。032十二(じふに)(もん)十二(じふに)真珠(しんじゆ)(つく)られ、033()(とほ)(やう)黄金造(わうごんづく)りの建物(たてもの)ばかりで()(まば)ゆきばかりであります』
034 セーリス(ひめ)(おどろ)いて、
035(あたら)しい(てん)(あたら)しい()(あら)はれるとはソリヤ大変(たいへん)(こと)ぢやありませぬか。036地異(ちい)天変(てんぺん)(ここ)(いた)つて(きは)まれりと()ふべしですな』
037(あたら)しき天地(てんち)とは(あたら)しき教会(けうくわい)のことで、038(えう)するに埴安彦(はにやすひこ)039埴安姫(はにやすひめ)神様(かみさま)三五教(あななひけう)道場(だうぢやう)をお(ひら)(あそ)ばしたことを()して()ふのですワ』
040(てん)より(くだ)(きた)るエルサレム(じやう)といふことは全体(ぜんたい)(なに)をいふのでせうか』
041救世主神(きうせいしゆしん)埴安彦(はにやすひこ)(かみ)(しめ)(たま)(ところ)天地(てんち)(まこと)042三五教(あななひけう)教説(けうせつ)のことであります』
043『その(なが)(ひろ)(たか)(あひ)(ひと)しくして(かく)一万二千(いちまんにせん)フアーロングあると仰有(おつしや)つたのは、044如何(いか)なる意味(いみ)(ござ)いますか』
045三五教(あななひけう)教説中(けうせつちう)(しん)(ぜん)()とを合一(がふいつ)して()つたのです。046(また)(しろ)石垣(いしがき)といふのは(この)(をしへ)守護(しゆご)宣伝(せんでん)する神司(かむつかさ)のことです。047百四十四(ひやくしじふし)キユーピツトあるとは三五教(あななひけう)(しん)(ぜん)()三相(さんさう)(ことごと)()げて称讃(しようさん)したもので、048宣伝使(せんでんし)たるものの純良(じゆんりやう)なる性相(せいさう)()つたのです。049(また)真珠(しんじゆ)より()つた十二(じふに)(もん)とは能道(のうだう)(しん)()つたのです。050宝石(はうせき)より()れる石垣(いしがき)(いしずゑ)といふのも(かれ)説教(せつけう)()いて()(ところ)諸々(もろもろ)知識(ちしき)()ふのであります。051(しろ)(つく)れる(きよ)(とう)れる玻璃(はり)()たる黄金(わうごん)とは至仁(しじん)至愛(しあい)(とく)()して()つたのです。052教説(けうせつ)(その)(しん)(ぜん)()(あい)(ちから)()つて倍々(ますます)透明(とうめい)となるものですからなア』
053『さうすると「天地(てんち)逆様(さかさま)になるぞよ」といふ三五教(あななひけう)御神諭(ごしんゆ)矢張(やはり)(みぎ)(しき)解釈(かいしやく)すれば()いのですかなア』
054三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)幹部(かんぶ)(なか)には(いま)でも(てん)()とが現実的(げんじつてき)顛覆(てんぷく)するやうに(おも)つて()人々(ひとびと)もあり、055御経綸(ごけいりん)霊地(れいち)真珠(しんじゆ)十二(じふに)(もん)現実的(げんじつてき)()(やう)(おも)つて()人々(ひとびと)があるのだから、056それで(こま)るのですよ。057セーリス(ひめ)(さま)矢張(やつぱり)さう(おも)つて()られませうなア』
058『ヘイヘイ、059(もつと)現実(げんじつ)立派(りつぱ)(みや)()つたり、060(しろ)築造(ちくざう)されるものだと、061(おも)つて()ましたワ』
062現実的(げんじつてき)にソンナ立派(りつぱ)(みや)()てようものなら、063(たちま)ちウラルやバラモンから(にら)まれて(たた)(つぶ)されて(しま)ひますぞや。064オホヽヽヽ』
065『オホヽヽヽ』
066本当(ほんたう)神様(かみさま)(をしへ)といふものは六ケ敷(むつかし)いもののやうな(やす)いものですなア。067何故(なぜ)コンナ(こと)肝腎(かんじん)幹部(かんぶ)連中(れんちう)さまに(わか)らなかつたのでせうかなア、068(かあ)さま』
069(これ)時世時節(ときよじせつ)だから仕方(しかた)がありませぬわ、070アーアー』
071『かうして、072清照姫(きよてるひめ)(さま)のヤスダラ(ひめ)出来上(できあが)りましたが、073右守(うもり)はもう()さうなものですなア。074ユーフテスも(なに)愚図々々(ぐづぐづ)して()るのでせうか』
075 ()(はな)(をり)しも廊下(らうか)(きこ)ゆる足音(あしおと)076黄金姫(わうごんひめ)はツと()つて(わう)(こも)りし(しつ)()(かく)し、077(なか)より(ぢやう)(おろ)して(しま)つた。078清照姫(きよてるひめ)079セーリス(ひめ)煙草盆(たばこぼん)(まへ)()きスパスパと(けむり)()いて()る。
080 そこへユーフテスの案内(あんない)足音(あしおと)(たか)くやつて()たのは、081カールチン、082マンモスの両人(りやうにん)である。083清照姫(きよてるひめ)は、084ヤスダラ(ひめ)(こゑ)一度(いちど)()(おぼ)えて()るのを(さいは)ひ、085(つく)(ごゑ)をして、
086『オヽ其方(そなた)右守(うもり)(つかさ)カールチン殿(どの)087()御無事(ごぶじ)重畳々々(ちようでふちようでふ)088ヤスダラ(ひめ)其方(そなた)壮健(さうけん)姿(すがた)()安心(あんしん)(いた)したぞや』
089 カールチンは周章(あわ)てて、
090『イヤ、091(ひめ)(さま)のお(かへ)りと(うけたま)はり早速(さつそく)(うかが)ひに(まゐ)るところで(ござ)いましたが、092あまり突然(とつぜん)(こと)(しん)ずる(わけ)にもゆかず、093ユーフテスをして実否(じつぴ)(うかが)はせました(ところ)094(まさ)しく(ひめ)(さま)のお(かへ)りと()き、095()るものも取敢(とりあ)へず(うかが)ひました。096()御壮健(ごさうけん)(なに)よりお目出度(めでた)(ござ)います』
097気乗(きの)らぬ(こゑ)(いや)さうな挨拶(あいさつ)をして()る。
098『コレ右守殿(うもりどの)099其方(そなた)言葉(ことば)には(きは)めて冷淡(れいたん)(いろ)(あら)はれて()ますぞや。100御叮嚀(ごていねい)にテーナ(ひめ)遥々(はるばる)とテルマン(ごく)まで使者(ししや)にお()(くだ)さいまして、101(つみ)もない(わらは)をシヤールに牢獄(らうごく)(つく)らして()()んで(くだ)さつた御親切(ごしんせつ)(けつ)して(わす)れはしませぬぞや。102(よわ)(をんな)()えても左守(さもり)血統(けつとう)()けた刹帝利(せつていり)(むすめ)103如何(いか)なる鉄牢(てつらう)でも、104この細腕(ほそうで)(ひと)()せば、105(なん)雑作(ざふさ)もありませぬ。106鼻糞(はなくそ)(まと)をはつたやうな牢獄(らうごく)(つな)がれて(くる)しんで()るやうな(をんな)だつたら、107さつぱり駄目(だめ)ですよ』
108『これは()なことを(うけたま)はります。109テーナ(ひめ)は、110二三ケ月(にさんかげつ)(あひだ)111(やかた)(もん)(くぐ)つたことはありませぬ。112そりや(なに)かの間違(まちが)ひか、113(ただし)何者(なにもの)かの計画(けいくわく)(にせ)テーナ(ひめ)貴女(あなた)(くる)しめるべく(まゐ)つたのでせう。114左様(さやう)なことを(あふ)せらるるからは、115キツト貴女(あなた)(この)右守(うもり)がテーナと(はら)(あは)せ、116()からぬ(こと)(たく)んで()ると(おも)はれるでせう。117これはこれは近頃(ちかごろ)大変(たいへん)迷惑(めいわく)118どうぞ神直日(かむなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)し、119(うたがひ)()らして(くだ)さいませ』
120『あの白々(しらじら)しい右守殿(うもりどの)言葉(ことば)121(わらは)はテーナ殿(どの)(かほ)をよく見知(みし)つて()るから、122(うたがひ)()らしたくば此処(ここ)へテーナ殿(どの)()れて()なさい』
123『ハイ、124何時(なんどき)でも()れて(まゐ)るのが本意(ほんい)御座(ござ)いますが、125昨夜(さくや)より急病(きふびやう)(おこ)大変(たいへん)(くる)しんで()るから、126本復(ほんぷく)次第(しだい)()(かか)らせませう』
127(わらは)其方(そなた)(たい)(あつ)くお(れい)申上(まをしあ)げねばならぬ(こと)がある。128右守殿(うもりどの)129(けつ)してお(わす)れではありますまいなア』
130『これは(また)131合点(がてん)()かぬお言葉(ことば)132貴女様(あなたさま)にお(れい)()うて(いただ)くやうな(こと)(いた)した(おぼ)えは(ござ)いませぬがなア』
133『オホヽヽヽ、134右守殿(うもりどの)(とし)()つたと()えて健忘症(けんばうしやう)になられましたなア。135(わらは)(おや)(おや)との許嫁(いひなづけ)でセーラン王様(わうさま)夫婦(ふうふ)(きま)つて()たのを、136其方(そなた)御親切(ごしんせつ)にも(わらは)をテルマン(ごく)毘舎(びしや)(やかた)無理(むり)()ひやり、137(わが)(むすめ)サマリー(さま)(わう)(きさき)()しつけなさいましたでせう。138(その)(とき)(わらは)(うれ)しさ、139(いや)腹立(はらだち)たしさ、140これがどうして()ても()めても(わす)れられませうぞいなア』
141甲声(かんごゑ)()()げて呶鳴(どな)りつけた。
142貴女(あなた)は、143一切(いつさい)経緯(いきさつ)御存(ごぞん)じないから、144左様(さやう)御立腹(ごりつぷく)をなさいますが、145これには(ふか)様子(やうす)のあることで(ござ)います。146セーラン王様(わうさま)左守(さもり)(かみ)クーリンスは大黒主(おほくろぬし)神様(かみさま)内々(ないない)反対(はんたい)なされ、147鬼熊別(おにくまわけ)(さま)御贔屓(ごひいき)ばかり(あそ)ばすと()ふことがハルナの(みやこ)()(わた)り、148この右守(うもり)(たい)して(きび)しい御質問(ごしつもん)149(いへ)一大事(いちだいじ)(おも)ひ、150イルナの(くに)(すく)ふべく、151また王様(わうさま)安全(あんぜん)(まも)るべく、152貴女(あなた)にはお()(どく)ながら、153あゝいふ手段(しゆだん)()つたのです。154さうして(わが)(むすめ)サマリー(ひめ)(きさき)()()げたのも、155大黒主(おほくろぬし)(さま)安心(あんしん)させる(ため)安全弁(あんぜんべん)156何卒(どうぞ)この右守(うもり)胸中(きようちう)御推察(ごすゐさつ)あらむ(こと)希望(きばう)(いた)します』
157『あゝさうだつたかなア。158右守司(うもりつかさ)六韜三略(りくたうさんりやく)兵法(へいはふ)をも()らず、159貴方(そなた)今迄(いままで)(うら)んで()たのは(まこと)にもつて(はづ)かしい、160(をんな)()浅薄(あさはか)さ、161それでは(わらは)(これ)から(ふたた)此処(ここ)()()で、162サマリー(ひめ)(さま)のお邪魔(じやま)をしないやうに(いた)しますから、163御安心(ごあんしん)なさいませ』
164貴女(あなた)はこれからテルマン(ごく)のシヤールの(やかた)(かへ)つて(くだ)さいますか。165さう(ねが)へれば大変(たいへん)結構(けつこう)(ござ)いますが』
166『そりや真平(まつぴら)御免(ごめん)(かうむ)りませう。167(また)してもギス(かご)(なか)投込(なげこ)まれますと、168(たた)(つぶ)して()()ねばなりませぬからなア、169ホヽヽヽヽ』
170『キツト(この)右守(うもり)保護(ほご)(いた)しまして左様(さやう)不心得(ふこころえ)(こと)は、171シヤールに厳命(げんめい)して(いた)させませぬから、172どうぞお(かへ)(あそ)ばして(くだ)さい。173さうして貴女(あなた)王様(わうさま)にお()ひになりましたか』
174折角(せつかく)()にかからうと(おも)ひ、175遥々(はるばる)虎口(ここう)(のが)れ、176ここう(まで)やつて()ました(ところ)177拍子(ひやうし)(わる)(とき)には(わる)いものです。178王様(わうさま)(にはか)大病(たいびやう)でお()(こも)(あそ)ばし、179何人(なんぴと)にも面会(めんくわい)せないとのこと、180(わらは)(こころ)もちつとは推量(すゐりやう)して(くだ)さいませ、181右守(うもり)殿(どの)
182(わざ)とに泣声(なきごゑ)()して芝居(しばゐ)をして()せた。
183 カールチンは威丈高(ゐたけだか)になり、
184王様(わうさま)御面会(ごめんくわい)せぬと仰有(おつしや)るのに、185貴女(あなた)御命令(ごめいれい)(そむ)き、186たつて()はうと(あそ)ばすのか、187(なん)()不届(ふとど)きな御心(おこころ)(ござ)る。188今日(けふ)右守(うもり)(つかさ)189王様(わうさま)(かは)つてヤスダラ(ひめ)放逐(はうちく)(いた)すから、190(はや)くお()()され』
191『セーラン(わう)許嫁(いひなづけ)(まこと)(つま)ヤスダラ(ひめ)192今日(けふ)より(なんぢ)右守(うもり)(たい)して退職(たいしよく)(めい)ずる。193エヽ(けが)らはしい、194一刻(いつこく)(はや)退城(たいじやう)()され』
195『これはしたり、196ヤスダラ(ひめ)狂気(きやうき)()されたなア。197狂人(きやうじん)をお(やかた)()くは危険(きけん)千万(せんばん)198()用心(ようじん)(ほど)(あん)ぜらるる。199イヤ、200マンモス、201ユーフテス、202(すみやか)にヤスダラ(ひめ)捕縛(ほばく)して座敷牢(ざしきろう)にぶち()御静養(ごせいやう)をさせ(たてまつ)れ。203彼様(かやう)(こと)外部(ぐわいぶ)()れては王様(わうさま)御信用(ごしんよう)(くわん)する一大事(いちだいじ)だから』
204『アイヤ、205ヤスダラ(ひめ)命令(めいれい)する。206ユーフテス、207マンモス、208セーリス(ひめ)209(すみやか)にカールチンを高手(たかて)小手(こて)(いまし)牢獄(らうごく)投入(とうにふ)せよ。210(しゆ)(むか)つて無礼千万(ぶれいせんばん)()(かた)211容赦(ようしや)はならぬぞ。212セーラン(わう)(かは)(かた)(まを)しつくる』
213 マンモスは途方(とはう)()れながら、
214『オイ、215ユーフテス、216どちらを()いたらよいのだらうかなア』
217 セーリス(ひめ)は、
218『オホヽヽヽ。219一層(いつそう)(こと)どちらも牢獄(らうごく)()()んだらどうでせう。220喧嘩(けんくわ)両成敗(りやうせいばい)()ふから、221まさか片手落(かたておち)ちの処置(しよち)()れますまい』
222『マンモス、223ユーフテス、224主人(しゆじん)カールチンの命令(めいれい)()かぬか』
225『ハイハイ、226()かぬ(わけ)では(ござ)いませぬ、227一寸(ちよつと)(しばら)くお()(くだ)さいませ。228マンモスは(にはか)便所(べんじよ)()きたくなりましたから』
229『ユーフテス、230(はや)捕縛(ほばく)せぬか』
231『ハイ、232捕縛(ほばく)(いた)しませう、233(しか)(ひと)(かんが)へさして(くだ)さいませ。234セーリス(ひめ)(さま)(とく)相談(さうだん)(いた)しますから』
235『オホヽヽヽ、236このヤスダラ(ひめ)指一本(ゆびいつぽん)でも()へるなら()へて御覧(ごらん)237面白(おもしろ)活劇(くわつげき)(えん)ぜられ、238手足(てあし)(くび)(どう)(ところ)(こと)にし、239小児(こども)のお玩具箱(おもちやばこ)人形(にんぎやう)のやうになりますよ。240それでも(かま)はねば何人(なんぴと)(かぎ)らず手向(てむか)ひして御覧(ごらん)
241 右守(うもり)(かみ)()(いか)らし、242清照姫(きよてるひめ)()めつけて()る。243マンモスはブルブルブルと地震(ぢしん)(まご)(よろ)しく(ふる)へて()る。244セーリス(ひめ)245ユーフテスは平然(へいぜん)として沈黙(ちんもく)(つづ)けてゐる。246其処(そこ)へスタスタ(かけ)つて()たのはサマリー(ひめ)である。
247『ヤアお(まへ)はサマリー(ひめ)248こんな(ところ)()るものでない、249(ひか)へて()なさい。250何故(なぜ)(うち)()ないのか、251誰人(だれ)()いてやつて()たのだ』
252父上(ちちうへ)253そんな気楽(きらく)なことが()うて()れますか。254王様(わうさま)御大病(ごたいびやう)255(つま)(わたし)として、256どうして()らぬ(かほ)がして()られませう』
257其方(そなた)(この)(あひだ)から夫婦喧嘩(ふうふげんくわ)をおつ(ぱじ)め、258()(その)和解(わかい)出来(でき)()ないのだから、259(はなし)のつく(まで)(はや)(わが)(やかた)(かへ)つて()つて()るがよからうぞよ』
260『ヤア(めづ)らしや其方(そなた)はサマリー(ひめ)殿(どの)261(わらは)其方(そなた)(ため)許嫁(いひなづけ)(をつと)()(こと)出来(でき)ず、262テルマンの(くに)()ひやられたヤスダラ(ひめ)(ござ)いますぞ。263日頃(ひごろ)(うらみ)()らすは(いま)(この)(とき)264よい(ところ)()(ござ)つた。265サア覚悟(かくご)なされ』
266(たすき)十字(じふじ)綾取(あやど)つて()せた。267サマリー(ひめ)()(おどろ)き、268カールチンの(こし)(くら)ひつき、269ぶるぶる(ふる)へながら、
270『もしもしお父様(とうさま)271どうしませう、272(たす)けて(くだ)さいませな』
273『ウン(いま)()て、274ヤスダラ(ひめ)をふん(じば)つて、275其方(そなた)邪魔(じやま)(のぞ)いてやるから』
276()ひつつ、277懐中(ふところ)より呼子(よびこ)(ふえ)()()し、278ヒユウヒユウと()()つれば、279(たちま)十数人(じふすうにん)捕手(とりて)280バラバラバラと(この)()(あら)はれ(きた)り、281清照姫(きよてるひめ)(むか)つて武者振(むしやぶ)りつくを、282清照姫(きよてるひめ)両手(りやうて)(ひろ)四股(しこ)()みしめながら、
283『イヤ面白(おもしろ)面白(おもしろ)し、284ヤスダラ(ひめ)武勇(ぶゆう)(あら)はし(どき)285木端武者(こつぱむしや)(ども)286一人(ひとり)(のこ)らず(こら)してくれむ。287サア()(きた)れ』
288身構(みがま)へする。289美人(びじん)雄々(をを)しき権幕(けんまく)捕手(とりて)茫然(ばうぜん)として手出(てだ)しもせず遠巻(とほまき)()いて()る。290(つぎ)()より()(へだ)ててセーラン(わう)(こゑ)
291『アイヤ右守(うもり)(つかさ)292(われ)はセーラン(わう)なるぞ。293サマリー(ひめ)(しづ)かにせよ。294ヤスダラ(ひめ)(むか)つて手向(てむか)(いた)せば、295最早(もはや)(われ)(ゆる)さぬぞよ。296サマリー(ひめ)297(わが)(げん)(もち)ひずば唯今(ただいま)(かぎ)夫婦(ふうふ)(えん)()る。298それでもよいか』
299呶鳴(どな)つたのは、300()ふまでもなく、301隣室(りんしつ)(かく)れて()黄金姫(わうごんひめ)(つく)(ごゑ)である。302カールチンは(わう)(こゑ)としては(すこ)(とし)()つて()るやうである。303(しか)病気(びやうき)のため(からだ)(よわ)(こゑ)(ふる)うて()るのであらうと(こころ)にきめて(しま)ひ、304(にはか)言葉(ことば)(やはら)げて、
305御病気中(ごびやうきちう)をお()()ましまして(まこと)()みませぬ。306何卒(どうぞ)(ゆる)しを(ねが)ひます』
307王様(わうさま)308どうぞ(ゆる)して(くだ)さいませ』
309とサマリー(ひめ)()きすする。
310王様(わうさま)311(わらは)はテルマン(ごく)から貴方(あなた)(した)(まを)遥々(はるばる)(まゐ)りました許嫁(いひなづけ)(つま)312ヤスダラ(ひめ)(ござ)います。313何卒(どうぞ)サマリー(ひめ)との(えん)()り、314(わたし)貴方(あなた)(つま)として(くだ)さいませ。315さうしてどうぞ一度(ひとたび)(たふと)きお(かほ)(をが)まして(くだ)さいませ』
316(わざ)(なみだ)(なが)しさし(うつむ)く。
317 (つぎ)()より(また)もや(わう)(つく)(ごゑ)にて、
318『バラモン(けう)大棟梁(だいとうりやう)大黒主(おほくろぬし)(さま)は、319一夫多妻(いつぷたさい)主義(しゆぎ)だ。320(せん)(つま)逐出(おひだ)して第二(だいに)石生能姫(いそのひめ)本妻(ほんさい)(あそ)ばし、321吾々(われわれ)手本(てほん)をお(しめ)(くだ)さつた以上(いじやう)(なに)(はばか)(こと)はない。322サマリー(ひめ)(もと)(ごと)本妻(ほんさい)(いた)し、323ヤスダラ(ひめ)第二(だいに)夫人(ふじん)として上女中(かみぢよちう)取締(とりしま)りに使(つか)うてやるから安心(あんしん)(いた)せ。324右守(うもり)(つかさ)も、325これに違背(ゐはい)はあるまいがなア』
326『ハイ、327理義(りぎ)明白(めいはく)なる御仰(おんあふ)せ、328(けつ)して違背(ゐはい)(いた)しませぬ。329サマリー(ひめ)をどこ(まで)本妻(ほんさい)として(あい)してやつて(くだ)さいますか』
330 (つぎ)()より(わう)(こゑ)
331『サマリー(ひめ)心次第(こころしだい)だ。332(つい)では右守(うもり)(つかさ)改心(かいしん)次第(しだい)だ。333最早(もはや)()刹帝利(せつていり)(しよく)()()てたから、334ここ一二ケ月(いちにかげつ)(あひだ)(わが)(くらゐ)(なんぢ)(ゆづ)(ほど)に、335(はや)くサマリー(ひめ)()(かへ)り、336()本復(ほんぷく)()つて(あらた)めて登城(とじやう)(いた)すがよからう。337(また)ヤスダラ(ひめ)も、338サマリー(ひめ)()面会(めんくわい)するまでは面会(めんくわい)(ゆる)さぬぞ。339さう心得(こころえ)たらよからう。340コンコンコン、341あゝ(くる)しい、342()(せき)(なや)んで()るから、343病気(びやうき)本復(ほんぷく)する(まで)神殿(しんでん)(こも)御祈願(ごきぐわん)()らすによつて、344右守殿(うもりどの)345()(あと)()用意(ようい)万事(ばんじ)万端(ばんたん)(やかた)(かへ)つて(ととの)へたがよからうぞ』
346 右守(うもり)(この)言葉(ことば)()いて雀躍(こをどり)しながら、
347『ハイ何分(なにぶん)宜敷(よろし)くお(ねが)(まを)します。348(しか)らばサマリー(ひめ)一先(ひとま)(わが)()()(かへ)本復(ほんぷく)()つて登城(とじやう)(いた)させませう。349何卒(なにとぞ)一日(いちにち)(はや)御本復(ごほんぷく)あらむ(こと)をお(ねが)(まを)します。350サア、351サマリー(ひめ)352マンモス、353(これ)より(やかた)(かへ)らう。354ヤア(もの)(ども)355()(やかた)(おく)つて(まゐ)れ。356ユーフテス、357(なんぢ)はセーリス(ひめ)(とも)此処(ここ)(とど)まり万事(ばんじ)()をつけ()され』
358()()意気(いき)揚々(やうやう)(おの)(やかた)をさしてドヤドヤと(かへ)()く。
359 (その)(あと)黄金姫(わうごんひめ)()(はい)して(あら)はれ(きた)り、360清照姫(きよてるひめ)361セーリス(ひめ)ユーフテスと(かほ)見合(みあは)せ、
362『オホヽヽヽ、363ウフヽヽヽ、364エヘヽヽヽ、365アハヽヽヽ』
366(わら)()ける。367()(やうや)西天(せいてん)姿(すがた)(ぼつ)し、368双樹(さうじゆ)(えだ)(とま)つた九官鳥(からす)大口(おほぐち)()けて、369阿呆(あはう)々々(あはう)()()てて()る。
370大正一一・一一・一二 旧九・二四 加藤明子録)
   
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