霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一一章 霊陽山(れいやうざん)〔一二六五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第48巻 舎身活躍 亥の巻 篇:第3篇 愛善信真 よみ:あいぜんしんしん
章:第11章 第48巻 よみ:れいようざん 通し章番号:1265
口述日:1923(大正12)年01月13日(旧11月27日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高天原に発生する樹木は、仏説にあるように金、銀、瑪瑙、硨磲、瑠璃、玻璃、水晶などの七宝をもって飾られたごとくに美しい。神社、殿堂、その他住宅も内部に入ると愛善の徳と信真の光明に相応して驚くばかりに壮観で美麗である。
天国の団体はたいてい高いところに住居を占めている。その場所は自然界の山岳の頂上に掃除している。霊国の団体は少し低いところ、丘陵のようなところに住居を定めている。
霊国の天人は信の徳を主とし、愛の徳を従としている。智慧と証覚を磨き、宇宙の真理をよく悟り、次いで神の愛をよくその身に体し、天国の宣伝使として各団体に派遣される者が多いため、最高ならず最低ならず、中間の場所に位置を占めることになっているのである。
天人の中で団体的に生活を営まず、珍彦のように家々別々に住居を構えているのは、天人中においてももっとも智慧証覚にすぐれているため、光明が輝きわたり、惟神的に中心人物となるがゆえである。
また霊界においては時間空間の観念はなく、ただ情動の変化があるのみである。治国別と竜公が浮木の森で深い落とし穴に墜落し、人事不省となって霊界を巡覧したのはよほど長い旅行のようであるが、現界の時間でほんど二時間以内の間失神状態にあったのみである。
治国別と竜公は五三公に導かれて霊陽山の中央まで登りつめた。このとき五三公はまばゆい小さな火団となって空中に姿を隠してしまった。二人はそれに気づかず、天国の荘厳をうつつになってほめたたえていた。
二人は大神に感謝を述べ、天津祝詞と天の数歌を唱えた。あたりを見ると五三公の姿がないことに気が付いた。二人は自分たちの情動に慢心があったのではないかと省み、神様へのお詫びをするほかないと話し合っていた。
すると足下の土から片彦将軍が頭を突き出して現れた。そして二人に対して、ここは天国の霊陽山ではなく、バラモン教の聖場大雲山であり、悪神の力を使って二人をたばかって連れてきたのだと高笑いした。
片彦は家来に命じて二人を取り巻き、三五教を棄ててバラモン教に降参するように迫った。思案に暮れていた治国別は顔を上げて高笑いし、自分の神霊は万劫末代大神に信従するのみであり、これ以外に返答はないと言い放った。
竜公もまた片彦の脅しに屈せず、ここは第二天国の神聖な場所だと一喝し、音吐朗々と神言を奏上し始めた。治国別もそれに合わせた。
片彦は部下を集めて二人を金棒で粉砕せしめようとしたが、二人が神言を奏上し終わり「惟神霊幸倍坐世」と唱えると、片彦たちの姿は消えて四辺に芳香が薫じ、嚠喨とした音楽がしきりに聞こえてきた。
二人はここはやはり第二天国であり、片彦は悪魔の襲来でなく、神様のお試しだったのであろうと納得した。そこへ麗しい神人が現れて近寄り、二人が第二天国の試験に合格したことを告げた。そして、最奥天国の巡覧修行へと二人を案内した。この神人は言霊別命であった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4811
愛善世界社版:161頁 八幡書店版:第8輯 648頁 修補版: 校定版:168頁 普及版:84頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎著作集 > 第一巻「神と人間」 > 『霊界物語』 抄 > 愛善信真
001 高天原(たかあまはら)発生(はつせい)せる樹木(じゆもく)は、002仏説(ぶつせつ)にある(ごと)(きん)003(ぎん)004瑪瑙(めなう)005硨磲(しやこ)006瑠璃(るり)007玻璃(はり)008水晶(すゐしやう)(など)七宝(しつばう)(もつ)(かざ)られたるが(ごと)(その)(みき)009(えだ)010()011(はな)012果実(くわじつ)(いた)るまで、013(じつ)(うる)はしきこと口舌(こうぜつ)()(つく)()(ところ)ではない。014神社(じんじや)殿堂(でんだう)(その)()住宅(ぢゆうたく)(おい)ても、015内部(ないぶ)()つて()れば、016愛善(あいぜん)(とく)信真(しんしん)光明(くわうみやう)相応(さうおう)するによつて、017これ(また)(おどろ)(ばか)りの壮観(さうくわん)であり美麗(びれい)である。018大神(おほかみ)のしろしめす天国団体(てんごくだんたい)組織(そしき)せる天人(てんにん)大抵(たいてい)(たか)(ところ)住居(ぢゆうきよ)()めてゐる。019(その)場所(ばしよ)自然界(しぜんかい)地上(ちじやう)()山岳(さんがく)頂上(ちやうじやう)相似(さうじ)して()る。020(また)大神(おほかみ)霊国団体(れいごくだんたい)(つく)れる天人(てんにん)は、021(すこ)(ひく)(ところ)住居(ぢゆうきよ)(さだ)めて()る。022(あだか)丘陵(きうりよう)(やう)である。023されど高天原(たかあまはら)(もつと)(ひく)(ところ)住居(ぢゆうきよ)する天人(てんにん)は、024岩石(がんせき)()たる絶景(ぜつけい)場所(ばしよ)住居(ぢゆうきよ)(かま)へてゐる。025(しか)して之等(これら)事物(じぶつ)(すべ)(あい)(しん)との相応(さうおう)()によつて存在(そんざい)するものである。
026 大神(おほかみ)天国(てんごく)は、027(すべ)想念(さうねん)国土(こくど)なるを(もつ)て、028内辺(ないへん)(こと)(たか)(ところ)に、029外辺(ぐわいへん)(こと)はすべて(ひく)(ところ)相応(さうおう)するものである。030(ゆゑ)(たか)(ところ)(もつ)天国的(てんごくてき)愛善(あいぜん)表明(へうめい)し、031(ひく)(ところ)(もつ)霊国的(れいごくてき)愛善(あいぜん)(あら)はし、032岩石(がんせき)(もつ)信真(しんしん)(あら)はすのである。033岩石(がんせき)なるものは万世不易(ばんせいふえき)性質(せいしつ)(いう)し、034信真(しんしん)相応(さうおう)するが(ゆゑ)である。035(しか)しながら霊国(れいごく)団体(だんたい)(ひく)(ところ)()りとはいへ、036矢張(やはり)地上(ちじやう)()丘陵(きうりよう)(うへ)(まう)けられてある。037丁度(ちやうど)(あや)聖地(せいち)()ける本宮山(ほんぐうやま)(ごと)きはその好適例(かうてきれい)である。038霊国(れいごく)何故(なにゆゑ)天国(てんごく)団体(だんたい)よりも(やや)(ひく)(ところ)居住(きよぢゆう)するかと()へば、039(すべ)霊国(れいごく)天人(てんにん)(しん)(とく)(しゆ)とし、040(あい)(とく)(じう)として()る。041所謂(いはゆる)信主愛従(しんしゆあいじう)情態(じやうたい)なるが(ゆゑ)に、042(この)国土(こくど)天人(てんにん)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)(みが)き、043宇宙(うちう)真理(しんり)(さと)り、044(つい)(かみ)(あい)()(その)()(たい)し、045天国(てんごく)宣伝使(せんでんし)として各団体(かくだんたい)派遣(はけん)さるるもの(おほ)きを(もつ)て、046最高(さいかう)ならず最低(さいてい)ならず、047(ほとん)中間(ちうかん)場所(ばしよ)(その)位置(ゐち)()むる(こと)になつてゐるのである。048(ゆゑ)世界(せかい)大先祖(だいせんぞ)たる大国常立尊(おほくにとこたちのみこと)海抜(かいばつ)二百(にひやく)フイート内外(ないぐわい)(あや)聖地(せいち)(あら)はれ(たま)ふにも(かか)はらず、049木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)海抜(かいばつ)一万三千尺(いちまんさんぜんしやく)天教山(てんけうざん)(その)天国的(てんごくてき)中枢(ちうすう)(さだ)(たま)ふも、050(この)()によるのである。051(しか)しながら木花姫命(このはなひめのみこと)霊国(れいごく)(めい)()け、052天国(てんごく)()ふに(およ)ばず、053中有界(ちううかい)054現実界(げんじつかい)(およ)地獄界(ぢごくかい)まで(かみ)(あい)均霑(きんてん)せしむべき(その)聖職(せいしよく)につかはせ(たま)ひ、055(かつ)神人和合(しんじんわがふ)御役目(おんやくめ)(あた)らせ(たま)ふを(もつ)て、056仮令(たとへ)天国(てんごく)団体(だんたい)にましますと(いへど)時々(ときどき)化相(けさう)(もつ)精霊(せいれい)()たし、057(あるひ)直接(ちよくせつ)化相(けさう)して万民(ばんみん)(をし)(みちび)(たま)ふのである。
058 (また)天人(てんにん)(うち)には団体的(だんたいてき)生活(せいくわつ)(いとな)まないのがある。059(すなは)家々(いへいへ)別々(べつべつ)住居(ぢゆうきよ)(かま)へてゐるのは、060丁度(ちやうど)(まへ)()べた珍彦館(うづひこやかた)(ごと)きは(その)(れい)である。061(しか)して此等(これら)天人(てんにん)(その)団体(だんたい)中心地点(ちうしんちてん)(および)(だい)なるものに(いた)つては高天原(たかあまはら)中央(ちうあう)(ぼく)して住居(ぢゆうきよ)(かま)へてゐる。062何故(なぜ)なれば彼等(かれら)天人中(てんにんちう)(おい)ても、063(もつと)(あい)(しん)とによる智慧証覚(ちゑしようかく)()(すぐ)れて、064光明(くわうみやう)赫灼(かくしやく)として(かがや)(わた)り、065惟神的(かむながらてき)中心(ちうしん)人物(じんぶつ)たるが(ゆゑ)に、066大神(おほかみ)摂理(せつり)によりて、067(その)(とく)(あつ)きと相応(さうおう)()(たか)きによるが(ゆゑ)である。068(しか)して高天原(たかあまはら)想念(さうねん)世界(せかい)なるが(ゆゑ)に、069(その)延長(えんちやう)(ぜん)情態(じやうたい)(あら)はし、070(その)(ひろ)さは(しん)情態(じやうたい)(あら)はし、071(その)(たか)さは(ぜん)(しん)との両方面(りやうはうめん)度合(どあひ)(うへ)より()区別(くべつ)することを(あら)はすものである。072(また)霊界(れいかい)(おい)ては(さき)()べた(とほ)り、073時間(じかん)空間(くうかん)などの観念(くわんねん)(すこ)しもない、074(ただ)情動(じやうだう)変化(へんくわ)あるのみである。075(しか)して(その)想念(さうねん)は、076時間(じかん)空間(くうかん)超越(てうゑつ)し、077無限(むげん)(その)相応(さうおう)()によつて延長(えんちやう)拡大(くわくだい)(かつ)(たか)まるものである。
078 治国別(はるくにわけ)079竜公(たつこう)二人(ふたり)浮木(うきき)陣営(ぢんえい)(おい)片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)()奸計(かんけい)(おちい)り、080暗黒(あんこく)なる(ふか)陥穽(かんせい)墜落(つゐらく)し、081(ここ)人事不省(じんじふせい)となり、082(その)(かん)中有界(ちううかい)(および)最下層(さいかそう)天国(てんごく)より最高(さいかう)天国(てんごく)083霊国(れいごく)巡覧(じゆんらん)したる期間(きかん)余程(よほど)(なが)旅行(りよかう)(やう)であるが、084現界(げんかい)時間(じかん)にすれば、085(ほとん)二時間(にじかん)以内(いない)(あひだ)失神(しつしん)状態(じやうたい)()つたのである。086されど想念(さうねん)延長(えんちやう)によりて、087現界人(げんかいじん)一ケ月(いつかげつ)以上(いじやう)もかかつて巡歴(じゆんれき)した(やう)長時間(ちやうじかん)巡覧(じゆんらん)をなしたのである。088(しか)して情動(じやうだう)変化(へんくわ)(おほ)ければ(おほ)(ほど)089天国(てんごく)(おい)ては延長(えんちやう)さるるものである。
090 治国別(はるくにわけ)091竜公(たつこう)言霊別命(ことたまわけのみこと)化相神(けさうしん)なる五三公(いそこう)(みちび)かれ、092天国(てんごく)消息(せうそく)詳細(しやうさい)(をし)へられながら、093霊陽山(れいやうざん)(ほとん)中央(ちうあう)まで(のぼ)りつめた。094(この)(とき)五三公(いそこう)()(まばゆ)(ばか)りの(ちひ)さき光団(くわうだん)となつて、095驀地(まつしぐら)(ひがし)()して、096空中(くうちう)線光(せんくわう)(ゑが)きながら、097何処(どこ)ともなく姿(すがた)(かく)して(しま)つた。098二人(ふたり)霊陽山(れいやうざん)頂上(ちやうじやう)()つて、099四方(よも)景色(けしき)瞰下(かんか)しながら、100天国(てんごく)荘厳(さうごん)をうつつになつて()(たた)へてゐた。101さうして五三公(いそこう)(この)()姿(すがた)(かく)したことは(すこ)しも()がつかず、
102『モシ先生(せんせい)103此処(ここ)霊陽山(れいやうざん)とか()きましたが、104(じつ)にいい(ところ)ですなア、105最早(もはや)此処(ここ)最高天国(さいかうてんごく)ではありますまいか。106四辺(あたり)樹木(じゆもく)()ひ、107山容(さんよう)()ひ、108如何(いか)なる画伯(ぐわはく)()にも到底(たうてい)(ゑが)くことは出来(でき)ますまい。109どうかして(はや)現界(げんかい)御用(ごよう)()へ、110斯様(かやう)(ところ)(たの)しき生涯(しやうがい)(おく)りたいものですなア』
111『いかにも結構(けつこう)(ところ)だ。112現界人(げんかいじん)美術(びじゆつ)だとか、113耽美(たんび)生活(せいくわつ)だとか、114文化生活(ぶんくわせいくわつ)だとか、115いろいろと(さわ)いでゐるが、116(この)光景(くわうけい)(くら)ぶれば、117(その)(しつ)(おい)て、118(その)(りやう)(おい)て、119(その)()(おい)て、120到底(たうてい)比較(ひかく)にならないやうだ。121そして(なん)とも()へぬ(わが)心霊(しんれい)爽快(さうくわい)さ、122ホンに斯様(かやう)結構(けつこう)(ところ)があるとは、123夢想(むさう)だにもしえなかつた(ところ)だ。124(この)治国別(はるくにわけ)第一天国(だいいちてんごく)ともいふべき斎苑(いそ)(やかた)(なが)らく(つか)へながら、125()愛信(あいしん)(まつた)からざりし(ため)126(みづ)御霊(みたま)大神(おほかみ)のまします地上(ちじやう)天国(てんごく)が、127さまで立派(りつぱ)だとは(おも)はなかつた。128矢張(やはり)如何(いか)なる荘厳麗美(さうごんれいび)(いへど)も、129(こころ)(まなこ)(ひら)けざる(とき)到底(たうてい)駄目(だめ)だ。130(あだか)(ぶた)真珠(しんじゆ)(あた)へられたやうなものだ。131これを(おも)へば吾々(われわれ)はあく(まで)(かみ)賦与(ふよ)されたる(わが)精霊(せいれい)(みが)(きよ)め、132大神(おほかみ)神格(しんかく)和合(わがふ)帰一(きいつ)せなくてはならない。133アヽ(じつ)五三公(いそこう)(さま)(くち)(とほ)して、134かやうな至喜(しき)至楽(しらく)境遇(きやうぐう)吾々(われわれ)(みちび)き、135無限(むげん)歓喜(くわんき)(よく)せしめ(たま)ひしことを、136有難(ありがた)大神様(おほかみさま)御前(おんまへ)感謝(かんしや)(いた)します。137アヽ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
138()ひながら拍手(かしはで)をうち、139天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)(をは)つて、140(あま)数歌(かずうた)(うた)ひ、141あたりを()れば、142豈計(あにはか)らむや、143五三公(いそこう)姿(すがた)眼界(がんかい)(とど)(ところ)には(その)片影(へんえい)だにも(みと)()なかつた。144治国別(はるくにわけ)(おどろ)いて、
145『ヤア竜公(たつこう)さま、146五三公(いそこう)さまは何処(どこ)()かれたのだらう、147今迄(いままで)(つき)(ごと)(かがや)いてゐられたあの霊姿(れいし)(をが)めなくなつたぢやないか』
148成程(なるほど)149コリヤ大変(たいへん)だ、150()(いた)しませう』
151『どうしようと()つても、152仕方(しかた)がない、153(これ)神様(かみさま)御試(おため)しだらうよ。154四辺(あたり)光景(くわうけい)憧憬(どうけい)(あま)り、155五三公(いそこう)(さま)御親切(ごしんせつ)案内振(あんないぶり)念頭(ねんとう)より取除(とりのぞ)いてゐた。156(すべ)天国(てんごく)相応(さうおう)和合(わがふ)国土(こくど)だ。157(あい)(しん)とによつて和合(わがふ)し、158結合(けつがふ)するものである。159(すなは)想念(さうねん)によつて(たふと)神人(しんじん)(とも)にゐることを()たのだ。160吾々(われわれ)情動(じやうどう)変転(へんてん)によつて、161(わが)(こころ)(うち)より五三公(いそこう)(さま)()がして(しま)つたのだ。162アヽ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
163(また)もや合掌(がつしやう)する。
164成程(なるほど)165さうで(ござ)いましたなア、166(わたし)(あま)(うれ)しいので、167五三公(いそこう)(さま)御導(おみちび)きによつて()中有界(ちううかい)彷徨(さまよ)ふべき()が、168かかる(たふと)天国(てんごく)まで(みちび)かれながら、169うつかりと自分(じぶん)勝手(かつて)(のぼ)つて()たやうな気分(きぶん)になつて、170無性(むしやう)矢鱈(やたら)天国(てんごく)(わが)(もの)のやうに(おも)ひましたのが(あやま)りで(ござ)います。171先生(せんせい)172(なん)(いづ)御霊(みたま)神諭(しんゆ)にあります(とほ)り、173高天原(たかあまはら)結構(けつこう)(ところ)(おそ)ろしい(ところ)(ござ)いますな。174油断(ゆだん)をすれば(たちま)天国(てんごく)(へん)じて地獄(ぢごく)となり、175(めい)(へん)じて(あん)となり、176(かみ)(くわ)して(おに)となるとお(しめ)しの(とほ)り、177(じつ)戒慎(かいしん)すべきは(こころ)持方(もちかた)(ござ)いますなア』
178『ハイ左様(さやう)179吾々(われわれ)最早(もはや)()うなる以上(いじやう)は、180(ふたた)中有界(ちううかい)(かへ)り、181現界(げんかい)復帰(ふくき)すべき(みち)(わか)らない、182(また)どこをどう(ある)いたらいいか、183方角(はうがく)さへも判然(はんぜん)せない、184天国(てんごく)迷児(まよひご)になつたやうなものだ。185アヽ(こころ)油断(ゆだん)ほど(おそ)ろしいものはない。186(ただ)大神様(おほかみさま)にお(わび)をなし、187(すく)ひをお(ねが)ひするより(みち)はなからう』
188(はな)(をり)しも、189足下(あしもと)(つち)をムクムクムクと土鼠(もぐら)のやうに(ふく)らせながら、190ポカンと(あたま)をつき()したのは、191片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)であつた。192二人(ふたり)(おどろ)いて、193無言(むごん)(まま)よくよく()れば、194(まが)(かた)なき将軍(しやうぐん)泥酔(どろよひ)になつて、195全身(ぜんしん)山上(さんじやう)(あら)はし、
196『ワハツハヽヽ』
197(やま)(くづ)るるばかり高笑(たかわら)ひした。
198治国(はるくに)『ヤア其方(そなた)河鹿峠(かじかたうげ)にてお()にかかつた片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)では(ござ)らぬか』
199『ワハツハヽヽヽ、200(その)(はう)盲宣伝使(めくらせんでんし)治国別(はるくにわけ)であらう。201そしてマ一匹(いつぴき)小童武者(こわつぱむしや)(それがし)(やつこ)202(しばら)秘書(ひしよ)(めい)じておいた竜公(たつこう)であらう。203悪虐(あくぎやく)無道(ぶだう)素盞嗚尊(すさのをのみこと)()びへつらひ、204大自在天(だいじざいてん)大国彦命(おほくにひこのみこと)宣伝使(せんでんし)(けん)征討将軍(せいたうしやうぐん)片彦(かたひこ)(むか)つて刃向(はむか)ひを(いた)した極重悪人(ごくぢうあくにん)()205()くもマア悪魔(あくま)にたばかられ、206斯様(かやう)(ところ)彷徨(さまよ)つて()よつたなア。207天下一品(てんかいつぴん)大馬鹿者(おほばかもの)()208(それがし)計略(けいりやく)によつて、209八岐大蛇(やまたをろち)金毛九尾(きんまうきうび)悪狐(あくこ)使(つか)ひ、210(なんぢ)を、211天国(てんごく)とみせかけ、212此処(ここ)まで()れて()たのは(この)(はう)計略(けいりやく)だ、213どうだ、214大自在天(だいじざいてん)神力(しんりき)には(おそ)()つたか、215アハツハヽヽヽハア、216(なん)とマア不思議(ふしぎ)さうな(かほ)(いた)してをるワイ、217イヒヽヽヽ、218オイ竜公(たつこう)219(その)(はう)(その)(はう)だ。220主人(しゆじん)(そむ)いた大逆無道(たいぎやくぶだう)痴者(しれもの)221どうだ、222(この)霊陽山(れいやうざん)()せかけたのはバラモン(けう)霊場(れいぢやう)223大雲山(だいうんざん)頂辺(てつぺん)(ござ)るぞ。224あれ、225あの(こゑ)()け、226雲霞(うんか)(ごと)大軍(たいぐん)(もつ)て、227当山(たうざん)十重(とへ)二十重(はたへ)取巻(とりま)きあれば、228いかに抜山蓋世(ばつざんがいせい)智勇(ちゆう)あるとも、229到底(たうてい)(にげ)るることは出来(でき)まい、230治国別(はるくにわけ)231返答(へんたふ)はどうだ』
232 治国別(はるくにわけ)は、
233『ハテ心得(こころえ)ぬ』
234()つたきり、235双手(もろて)()んで(しば)想念(さうねん)をたぐつてゐる。236竜公(たつこう)(また)無言(むごん)(まま)237(うつむ)いてゐる。
238『アツハヽヽヽ、239エツヘヽヽヽ、240如何(いか)治国別(はるくにわけ)241モウ()うなる以上(いじやう)何程(なにほど)(かんが)へても(あと)へは()かぬ。242サアどうだ。243キツパリと素盞嗚尊(すさのをのみこと)悪神(あくがみ)()てて、244大自在天(だいじざいてん)(さま)帰順(きじゆん)(いた)すか』
245『サアそれは……』
246(はや)返答(へんたふ)(いた)せ。247返答(へんたふ)なきは不承知(ふしようち)(まを)すのか。248アイヤ家来(けらい)(もの)(ども)249治国別(はるくにわけ)250竜公(たつこう)両人(りやうにん)をふん(じば)り、251(なぶ)(ごろ)しに(いた)せ』
252竜公(たつこう)将軍様(しやうぐんさま)253(しばら)くお()(くだ)さいませ』
254『アハヽヽヽ、255往生(わうじやう)(いた)したか。256ヨシ、257(しか)らば此処(ここ)(この)(とほ)黄金(わうごん)(もつ)(つく)りたる素盞嗚尊(すさのをのみこと)(ざう)がある。258治国別(はるくにわけ)259竜公(たつこう)(とも)(いのち)(たす)かりたくば、260(この)(ざう)(むか)つて小便(せうべん)をひつかけ、261(その)(うへ)(この)岩石(がんせき)(もつ)木端御塵(こつぱみじん)打砕(うちくだ)き、262大自在天(だいじざいてん)(さま)帰順(きじゆん)(まこと)(あら)はせ。263(いな)むに(おい)ては、264(その)(はう)身体(からだ)木端微塵(こつぱみぢん)265地獄(ぢごく)()(おと)し、266無限(むげん)責苦(せめく)(くは)へるが、267どうだ』
268 治国別(はるくにわけ)(はじ)めて(かほ)をあげ、269大口(おほぐち)あけて高笑(たかわら)ひ、
270『アハヽヽヽ、271拙者(せつしや)(いづ)御霊(みたま)272(みづ)御霊(みたま)大神(おほかみ)信仰(しんかう)(いた)(まこと)宣伝使(せんでんし)だ、273仮令(たとへ)(なんぢ)(ごと)悪神(あくがみ)脅迫(けうはく)され、274(あるひ)()(ころ)さるることありとも、275(わが)心霊(しんれい)万劫末代(まんごふまつだい)276大神(おほかみ)信従(しんじゆう)するのみだ。277治国別(はるくにわけ)はこれ以外(いぐわい)(なんぢ)(こた)ふることはない、278どうなりと勝手(かつて)(いた)したがよからう』
279勝手(かつて)(いた)せと(まを)さいでも、280(この)(はう)制敗(せいばい)(いた)してくれる。281(しか)しながら竜公(たつこう)282(その)(はう)(にく)くき(やつ)なれど、283一旦(いつたん)(それがし)部下(ぶか)となつたよしみによつて制敗(せいばい)(ゆる)して(つか)はす。284(その)(かは)りに治国別(はるくにわけ)をこの金剛杖(こんがうづゑ)(もつ)()ちのめせ、285さうすれば(なんぢ)(まこと)(わか)るであらう。286()うぢや、287治国別(はるくにわけ)()ちのめす勇気(ゆうき)はないか。288矢張(やはり)(その)(はう)二心(ふたごころ)()つてゐるのか。289返答(へんたふ)(いた)せツ』
290呶鳴(どな)りつけた。291(その)(こゑ)不思議(ふしぎ)にも、292あたりの山岳(さんがく)はガタガタガタと震動(しんどう)(はじ)めた。293竜公(たつこう)少時(しばし)双手(もろて)()思案(しあん)にくれてゐたが、294(たちま)威丈高(ゐたけだか)になり、
295『コリヤ、296悪神(あくがみ)張本(ちやうほん)片彦(かたひこ)()297(なんぢ)拙者(せつしや)一時(いちじ)主人(しゆじん)間違(まちが)ひはない。298(その)主人(しゆじん)(はな)れたるのは(なんぢ)行動(かうどう)(てん)(そむ)き、299(ぜん)(はな)れたるが(ゆゑ)だ。300仮令(たとへ)拙者(せつしや)(なんぢ)(ため)一寸(いつすん)(きざ)みか五分(ごぶ)だめしに()はされようとも、301恩情(おんじやう)(ふか)治国別(はるくにわけ)(さま)御身(おんみ)に、302()うして一指(いつし)をそむることが出来(でき)ようか。303ここを(なん)心得(こころえ)()る、304第二天国(だいにてんごく)神聖(しんせい)場所(ばしよ)だ、305大雲山(たいうんざん)などとは(おも)ひもよらぬ、306(いつは)りを(まを)すな。307天国(てんごく)には虚偽(きよぎ)迫害(はくがい)(あく)はない(はず)308(その)(はう)(えう)するに天国(てんごく)()であらう』
309()ひながら………「(いづ)御霊(みたま)310(みづ)御霊(みたま)311(まも)(たま)(さき)はへ(たま)へ」と拍手(はくしゆ)し、312音吐朗々(おんとらうらう)()めず(おく)せず神言(かみごと)奏上(そうじやう)(はじ)めた。313治国別(はるくにわけ)竜公(たつこう)(とも)神言(かみごと)をいと落着(おちつ)いた調子(てうし)奏上(そうじやう)(はじ)めた。314片彦(かたひこ)何時(いつ)()にやら数多(あまた)部下(ぶか)(あつ)め、315金棒(かなぼう)をふり()げ、316(ただ)一打(ひとうち)両人(りやうにん)粉砕(ふんさい)せんず(いきほひ)(しめ)してゐる。317治国別(はるくにわけ)318竜公(たつこう)両人(りやうにん)胆力(たんりよく)()ゑ、319声調(せいてう)ゆるやかに(さわ)がず(あせ)らず、320神言(かみごと)奏上(そうじやう)(をは)り、321惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)」と(とな)ふるや(いな)や、322今迄(いままで)ここに()つてゐた片彦(かたひこ)(ほか)一同(いちどう)姿(すがた)(けむり)(ごと)()()せ、323四辺(あたり)芳香(はうかう)(くん)じ、324嚠喨(りうりやう)たる音楽(おんがく)さへ(しき)りに(きこ)()るのであつた。
325『アハヽヽヽ、326猪口才(ちよこざい)千万(せんばん)な、327バラモン(けう)守護(しゆご)(いた)八岐大蛇(やまたのをろち)()328(おそれおほ)くもかかる天国(てんごく)(まで)()けて()やがつて、329(たふと)神言(かみごと)面喰(めんくら)ひ、330()のやうに()()るとは、331さてもさても神様(かみさま)御神力(ごしんりき)(たふと)いものだ。332アヽ有難(ありがた)(ござ)います。333惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
334竜公(たつこう)さま、335ここは第二天国(だいにてんごく)336しかも霊陽山(れいやうざん)(いただき)だ。337八岐大蛇(やまたをろち)(きた)るべき道理(だうり)がない、338大方(おほかた)これは神様(かみさま)御試(おため)しだつたらう。339(わたし)一度(ひとたび)悪魔(あくま)襲来(しふらい)かと(かんが)へてみたが、340よくよく(おも)(なほ)せば、341かかる天国(てんごく)悪魔(あくま)(きた)るべき理由(りいう)がない。342()しも(かれ)(はた)して悪魔(あくま)なりとせば、343吾等(われら)天国(てんごく)(おも)ひ、344慢心(まんしん)して地獄(ぢごく)()ちてゐたのであらう……と(かんが)へてみたが、345(たちま)心中(しんちう)天海(てんかい)(ひら)けて神様(かみさま)御神格(ごしんかく)内流(ないりう)(よく)し、346矢張(やはり)第二天国(だいにてんごく)なることを(さと)り、347(かつ)片彦(かたひこ)()えしは(たふと)きエンゼルの、348吾等(われら)(こころ)(ため)させ(たま)御所為(ごしよゐ)(しん)ずるより(ほか)(みち)はない、349(かなら)(かなら)悪魔(あくま)などと、350(ゆめ)にも(おも)つてはなりませぬぞや』
351(おほ)御尤(ごもつと)もで(ござ)います。352サア先生(せんせい)353どうでせう、354これから霊陽山(れいやうざん)(くだ)つて、355(また)天国(てんごく)団体(だんたい)修業(しうげふ)さして(いただ)きませうか』
356 かくいふ(ところ)へ、357忽然(こつぜん)として(あら)はれ(たま)うたのは、358三十恰好(さんじふかつかう)(うる)はしき容貌(ようばう)をもてる一柱(ひとはしら)神人(しんじん)であつた。359神人(しんじん)治国別(はるくにわけ)側近(そばちか)()り、360(その)()(かた)(にぎ)り、
361治国別(はるくにわけ)さま、362第二天国(だいにてんごく)団体(だんたい)無数無辺(むすうむへん)にありますが、363貴方(あなた)第二天国(だいにてんごく)試験(しけん)合格(がふかく)(いた)しました。364(また)竜公(たつこう)さまも(その)(とほ)り、365余程(よほど)証覚(しようかく)()られたやうです。366(これ)から拙者(せつしや)最奥(さいあう)第一(だいいち)天国(てんごく)(およ)霊国(れいごく)御案内(ごあんない)(いた)しませう。367(しか)しながら(この)第二天国(だいにてんごく)(くら)ぶれば、368最高天国(さいかうてんごく)光明(くわうみやう)(ほとん)万倍(まんばい)匹敵(ひつてき)するものです。369(しか)して(その)天国(てんごく)()諸天人(しよてんにん)は、370(ぜん)(しん)とより(きた)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)()ち、371容易(ようい)(おもて)()くることが出来(でき)ませぬ。372(その)団体(だんたい)天人(てんにん)()(とき)(たちま)(まなこ)くらみ、373言句(げんく)(しぶ)り、374(かしら)(いた)み、375(むね)(ふさ)がり、376四肢五体(ししごたい)萎縮(ゐしゆく)して非常(ひじやう)苦痛(くつう)(ござ)いますが、377貴方(あなた)(がた)両人(りやうにん)天国(てんごく)試験(しけん)合格(がふかく)されましたから、378(その)被面布(ひめんぷ)(もつ)最奥天国(さいあうてんごく)巡覧的(じゆんらんてき)修業(しゆげふ)をなさいませ。379拙者(せつしや)案内(あんない)(いた)しませう』
380(さき)()ち、381(くも)()()けてのぼり()く。382二人(ふたり)一生懸命(いつしやうけんめい)神言(かみごと)天津祝詞(あまつのりと)(かは)(がは)奏上(そうじやう)しながら、383フワリフワリと(くも)(はし)(わた)つてのぼり()く。384(この)神人(しんじん)言霊別命(ことたまわけのみこと)であつた。385あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
386大正一二・一・一三 旧一一・一一・二七 松村真澄録)