霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 初花姫(はつはなひめ)〔一三二七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第51巻 真善美愛 寅の巻 篇:第3篇 鷹魅艶態 よみ(新仮名遣い):ようみえんたい
章:第12章 初花姫 よみ(新仮名遣い):はつはなひめ 通し章番号:1327
口述日:1923(大正12)年01月26日(旧12月10日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年12月29日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
片彦とランチは三人の乙女に声をかけた。三人は花摘みに夢中のふりをして驚いて見せ、二人の姓名を問うた。片彦は、二人は元バラモン軍の将軍であったが、今は軍服を脱いで三五教の宣伝使となっていることを語った。
高姫は、自分は月の国のコーラン国の王女・初花姫だと名乗った。そして、コーラン国はにわかに国替えを行い、昼夜兼行で四か月ほどにてようやく城郭が出来上がったのだと説明した。さらに高姫は、自分の父王は斎苑の館の宣伝使・初稚姫によってにわかに三五教に改心し、初稚姫も今城内に逗留していると偽って、二人を城内に誘い込んだ。
ランチは、忽然としてこのような立派な城郭が、噂も立たずにできるのは魔神の仕業ではないかとなおも疑いの目を向けていた。高子と宮子は芝居を打って、ランチがコーラン国の王家を魔神だと決めつけたかのような流れにしてしまった。
高姫は、侍女がこのように恐れをなしたのはランチのせいだと言い立て、責任をもって城内に自分たちを送るようにと二人を促した。ランチと片彦は、城内にいるというコーラン国王や初稚姫が本物かどうか調査するのも無駄ではないと決心し、一同は連れだって城の奥に進んで行った。
一同は麗しい門をいくつもくぐり、ようやく玄関口にたどり着いた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-09-06 17:55:41 OBC :rm5112
愛善世界社版:175頁 八幡書店版:第9輯 328頁 修補版: 校定版:180頁 普及版:79頁 初版: ページ備考:
001 片彦(かたひこ)(さん)(にん)乙女(をとめ)(むか)つて言葉(ことば)(やさ)しく、
002片彦『もし、003それなる嬢様(ぢやうさま)(たち)004一寸(ちよつと)(たづ)(いた)しますが、005(むか)ふに()えるあの立派(りつぱ)城廓(じやうくわく)は、006何時(いつ)(ごろ)出来上(できあが)つたのですか』
007 (さん)(にん)(をんな)(すこ)しも(きこ)えぬやうなふりをして、008(しき)りに(はな)()んで()る。009片彦(かたひこ)益々(ますます)(そば)()つて、010一層(いつそう)(こゑ)(たか)く、
011片彦『お(ぢやう)さま、012一寸(ちよつと)(もの)(うかが)ひます』
013 (この)(こゑ)(さん)(にん)(おどろ)いたやうな(かほ)で、014片彦(かたひこ)015ランチ両人(りやうにん)(かほ)()(まも)つた。016さうして高姫(たかひめ)は、
017高姫『アヽ吃驚(びつくり)したよ。018貴方(あなた)どこのお(かた)ですか』
019片彦(かたひこ)拙者(せつしや)()(げつ)以前(いぜん)(この)浮木(うきき)(もり)にバラモン(ぐん)引率(いんそつ)し、020滞陣(たいじん)して()片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)()れの(はて)(ござ)る。021此処(ここ)()られるのは吾々(われわれ)上官(じやうくわん)ランチ将軍(しやうぐん)(ござ)る。022(この)(かた)拙者(せつしや)(おな)じく軍服(ぐんぷく)()()て、023(いま)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(ござ)る』
024 高姫(たかひめ)は、025(はな)(くちびる)をパツと(ひら)き、026()びを(てい)(なまめ)かしい(こゑ)で、
027高姫『アヽ、028左様(さやう)(ござ)いますか、029それは(たふと)貴方(あなた)はお役柄(やくがら)030(わらは)如意王(によいわう)(むすめ)031初花姫(はつはなひめ)(まを)します』
032片彦(かたひこ)『ハテ不思議(ふしぎ)(こと)(ござ)るものだ。033如意王(によいわう)(さま)とは(つき)(くに)コーラン(ごく)刹帝利(せつていり)(さま)では(ござ)りませぬか』
034高姫『ハイ、035左様(さやう)(ござ)います。036(この)(ごろ)(ちち)(とも)数多(あまた)家来(けらい)引連(ひきつ)れ、037此方(こなた)国替(くにがへ)(いた)しまして、038昼夜(ちうや)兼行(けんかう)(やうや)城廓(じやうくわく)()(あが)つた(ところ)(ござ)ります』
039片彦『ハテ、040(なん)不思議(ふしぎ)(こと)だなア。041何程(なにほど)富貴(ふうき)なお(かた)でも、042斯様(かやう)(たん)日月(じつげつ)(かん)にかかる城廓(じやうくわく)()(あが)るとは、043ランチ殿(どの)044(なん)不思議(ふしぎ)では(ござ)らぬか』
045ランチ『如何(いか)にも不思議(ふしぎ)千万(せんばん)(ござ)る』
046高姫『オホホホホホ、047あのまア、048あのお二人(ふたり)(さま)不思議(ふしぎ)さうなお(かほ)……(わが)(ちち)如意王(によいわう)はコーラン(ごく)より()(げつ)以前(いぜん)(まゐ)りまして、049数万(すうまん)部下(ぶか)(めい)じ、050(やうや)くこの(とほ)完成(くわんせい)(いた)した(ところ)(ござ)ります。051(わが)(ちち)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)所持(しよぢ)して()りますれば、052如何(いか)なる(こと)でも出来(でき)ます。053さうして貴方(あなた)(いま)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(おほ)せになりましたが、054(わたし)(ちち)(にはか)三五教(あななひけう)入信(にふしん)(いた)しまして、055斎苑(いそ)(やかた)からお()での初稚姫(はつわかひめ)(さま)()招待(せうたい)(まを)し、056(いま)(おく)()逗留(とうりう)(ござ)います。057()うかお立寄(たちより)(ねが)ひますれば(ちち)(よろこ)(こと)(ござ)いませう』
058片彦(かたひこ)(なん)(おほ)せられますか、059初稚姫(はつわかひめ)(さま)(この)()城内(じやうない)()逗留(とうりう)とは、060そりや何時(いつ)からの(こと)(ござ)います』
061高姫『ハイ、062二三(にさん)(にち)以前(いぜん)斎苑(いそ)(やかた)から(ほこら)(もり)とやらに()出張(しゆつちやう)になり、063それから(この)曲輪城(まがわじやう)をお(たづ)ねになり、064(わが)両親(りやうしん)(たふと)きお(はなし)(うけたま)はり、065(いま)(まつた)三五教(あななひけう)信者(しんじや)になりました。066初稚姫(はつわかひめ)(さま)のお言葉(ことば)には、067やがて片彦(かたひこ)068ランチと()三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)がお(とほ)りになるであらうとのお言葉(ことば)に、069かうして二人(ふたり)侍女(こしもと)をつれ、070(はな)()みながら、071もしお二人(ふたり)(さま)がお()でになれば、072(むか)(まを)したいと最前(さいぜん)から此処(ここ)()つて()ました。073何卒(どうぞ)一寸(ちよつと)立寄(たちより)をお(ねが)(まを)(わけ)には(まゐ)りますまいかなア』
074 片彦(かたひこ)(すこ)しく(くび)(かた)げながら、075ランチに(むか)ひ、
076片彦『ランチ殿(どの)077貴殿(きでん)のお(かんが)へは如何(いかが)(ござ)りますか。078初稚姫(はつわかひめ)(さま)()逗留(とうりう)()ひ、079()かる(うるは)しき乙女(をとめ)()ひ、080いやもう吾々(われわれ)一向(いつかう)合点(がてん)(まゐ)りませぬ』
081ランチ成程(なるほど)082拙者(せつしや)()うも不思議(ふしぎ)(ござ)る。083()くも立派(りつぱ)普請(ふしん)出来(でき)以上(いじやう)は、084(すこ)しは(うはさ)(ぐらゐ)はありさうなもので(ござ)るのに、085忽然(こつぜん)としてかかる蜃気楼(しんきろう)(てき)城廓(じやうくわく)出来(でき)るとは、086(さつ)する(ところ)魔神(まがみ)仕様(しわざ)では(ござ)いますまいかな』
087 高子(たかこ)はランチの(そば)()り、
088高子『モシ小父(をぢ)さま、089魔神(まがみ)とは如何(いか)なるもので(ござ)りますか、090どうぞ(をし)へて(くだ)さいな』
091ランチ『ハハハハハ、092(をし)へて()げませう、093魔神(まがみ)(まを)せば悪魔(あくま)(こと)です』
094高子貴方(あなた)(この)立派(りつぱ)なお屋敷(やしき)を、095さうすると悪魔(あくま)住家(すみか)(おも)うておいでになりますか。096それなら(わらは)悪魔(あくま)(とりこ)になつて、097斯様(かやう)(ところ)()れて()られたのでせうかなア』
098宮子(みやこ)(ねえ)さま、099それなら(わたし)魔神(まがみ)とやらに矢張(やつぱり)使(つか)はれて()るのだわ。100もし初花姫(はつはなひめ)(さま)101(われ)()姉妹(きやうだい)何卒(どうぞ)(ひま)(くだ)さいませ』
102(こは)さうな(ふう)をして(ふる)へながら()く。
103高姫(たかひめ)『これこれ高子(たかこ)104宮子(みやこ)105(おそ)(おほ)くも如意王(によいわう)(さま)(わらは)(むすめ)106左様(さやう)(こと)(まを)すと承知(しようち)(いた)しませぬぞや。107コーラン(ごく)刹帝利(せつていり)(さま)のお(やかた)をさして、108魔神(まがみ)(しろ)とは(もつ)ての(ほか)(こと)109一度(いちど)そんな(こと)()うて御覧(ごらん)110(けつ)して(ゆる)しはしませぬぞや』
111高子(たかこ)『それでも嬢様(ぢやうさま)112あの小父(をぢ)さまが魔神(まがみ)仕業(しわざ)仰有(おつしや)いました。113(わらは)姉妹(きやうだい)はそれを()くと、114(なん)だか(おそ)ろしくなりました。115何卒(どうぞ)此処(ここ)でお(ひま)(くだ)さいませ。116さうして(わらは)のお友達(ともだち)がまだ(じふ)(にん)ばかり()厄介(やくかい)になつて()ますが、117(みんな)(ゆる)してやつて(くだ)さい、118(ねが)(いた)します』
119 宮子(みやこ)(また)(なみだ)(そで)にぬぐひながら、
120宮子『もしお嬢様(ぢやうさま)121(ねが)ひで(ござ)います、122(わらは)仮令(たとへ)(ころ)されても(いと)ひませぬが、123(じふ)(にん)友達(ともだち)何卒(どうぞ)(たす)けて(くだ)さいませ。124(その)(かは)(わらは)此処(ここ)(のど)をついて()にます。125ああ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
126()ふより(はや)く、127(ふところ)懐剣(くわいけん)()いて(のど)()()てむとす。128高姫(たかひめ)(あわ)てて()びつき懐剣(くわいけん)をもぎ()り、129腹立(はらだ)たしげに、
130高姫『これ宮子(みやこ)131(なん)()不心得(ふこころえ)(こと)をなさるのだ。132もし(たび)(かた)133貴方(あなた)(がた)(なん)でもない(こと)仰有(おつしや)るものですから、134初花姫(はつはなひめ)迷惑(めいわく)135どうか二人(ふたり)侍女(こしもと)(さと)して(くだ)さいませ』
136ランチ『イヤ、137子供衆(こどもしう)(まへ)不謹慎(ふきんしん)(こと)(まを)しまして、138(じつ)申訳(まをしわけ)(ござ)いませぬ。139これこれ侍女殿(こしもとどの)140(けつ)して(わたし)()うた(こと)()()けて(もら)つては(こま)ります。141あまり立派(りつぱ)なから、142曲神(まがかみ)仕業(しわざ)ぢやあるまいかと()つただけです。143(けつ)して曲神(まがかみ)仕業(しわざ)であるとは(まを)しませぬ、144さう早合点(はやがてん)しては(こま)ります』
145宮子(みやこ)『いやいや(なん)仰有(おつしや)つても貴方(あなた)仰有(おつしや)つた(こと)真実(ほんと)(ござ)います。146そんな気休(きやす)めを()はずと、147何卒(どうぞ)()なして(くだ)さいませ。148繊弱(かよわ)(をんな)()をもつて曲神(まがかみ)(とりこ)()らうより、149()んだ(はう)(まし)(ござ)ります』
150()(たふ)れる。151片彦(かたひこ)()(どく)(たま)らず、152(そば)()つて宮子(みやこ)をなだめるやうに、
153片彦『もしお(ぢやう)さま、154どうも()みませなんだ。155(みな)(うそ)ですから、156何卒(どうぞ)()にかけて(くだ)さいますな』
157宮子『イエイエ(なん)仰有(おつしや)つても貴方(あなた)気休(きやす)めと(おも)ひます。158よう()うて(くだ)さつた、159曲神(まがかみ)(わざ)(ちが)ひありませぬ、160サア高子(たかこ)さま、161(はや)()げませう』
162(はや)()()しさうにする。
163高姫(たかひめ)『これ高子(たかこ)164宮子(みやこ)165なんぼ()げてもお(とう)さまが(うま)()つかけさせるから、166駄目(だめ)ですよ。167そんな小父(をぢ)さまの()(こと)など()かずに、168(わらは)一緒(いつしよ)(かへ)りませう。169(まへ)主人(しゆじん)()(こと)()きませぬか』
170()めつける。171高子(たかこ)(なみだ)(そで)(ぬぐ)ひながら、
172高子初稚姫(はつわかひめ)(さま)のお言葉(ことば)に……宣伝使(せんでんし)(けつ)して(うそ)(いつは)りは()はぬものだ……と仰有(おつしや)いました。173このお(かた)宣伝使(せんでんし)(さま)174どうして(うそ)など仰有(おつしや)りませう、175(わらは)はどうしても(はじめ)のお言葉(ことば)(しん)じます』
176片彦(かたひこ)『ああ(こま)つたことだなア、177どうしたらよからうか』
178高子何卒(どうぞ)小父(をぢ)さま、179一遍(いつぺん)()(くだ)さい。180そして(はた)して魔神(まがみ)(やかた)なら、181何卒(どうぞ)(わらは)()れて()げて(くだ)さい。182(わらは)のお友達(ともだち)(じふ)(にん)(ばか)()()ますから』
183高姫(たかひめ)貴方(あなた)(もと)将軍(しやうぐん)で、184(いま)立派(りつぱ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)仰有(おつしや)つたぢやありませぬか。185それに(わらは)迷惑(めいわく)になるやうな(こと)仰有(おつしや)つて、186それで貴方(あなた)(つと)めがすみますか』
187 片彦(かたひこ)188ランチ両人(りやうにん)芝生(しばふ)(うへ)()をついて、
189片彦、ランチ『イヤ(ひめ)(さま)190(まこと)失礼(しつれい)(いた)しました。191何卒(どうぞ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)しを(ねが)ひます』
192高姫(わらは)初花姫(はつはなひめ)(まを)すもの、193初稚姫(はつわかひめ)(さま)とよく()()(ござ)ります。194(うけたま)はれば(みたま)姉妹(きやうだい)だと仰有(おつしや)いました。195サア何卒(どうぞ)城内(じやうない)一度(いちど)宣伝(せんでん)(ため)()(くだ)さいますまいかなア』
196片彦(かたひこ)『ランチ殿(どの)197如何(いかが)(いた)しませうか、198初稚姫(はつわかひめ)(さま)()逗留(とうりう)とあれば、199()にかかつて()くも結構(けつこう)ぢやありませぬか』
200ランチ(なん)()うても、201治国別(はるくにわけ)(さま)道寄(みちより)をしてはならぬと仰有(おつしや)つた以上(いじやう)202何事(なにごと)があつても道寄(みちより)はなりますまい』
203高姫(たかひめ)『モシ、204ランチ(さま)とやら、205侍女(こしもと)二人(ふたり)がこの(とほ)()げると()ひます。206(わらは)()うして一人(ひとり)城内(じやうない)(かへ)れませう。207何卒(どうぞ)二人(ふたり)(おく)つて(くだ)さいますまいか。208これと(まを)すも、209(みな)貴方(あなた)(がた)から(おこ)つた(こと)210宣伝使(せんでんし)職責(しよくせき)(おも)んじて、211(じや)()でもお(ねが)(まを)します』
212片彦『ランチ殿(どの)213(とし)にも似合(にあ)はぬ(えら)理窟(りくつ)をかますぢやないか、214(おどろ)いたなア』
215ランチ(おどろ)いたなア、216こりやうつかりしては()られますまい。217(しか)本当(ほんたう)初稚姫(はつわかひめ)(さま)218如意王(によいわう)か、219(ただし)(まが)か、220調査(てうさ)するのも(あなが)無駄(むだ)ではありますまい。221一層(いつそう)(この)初花姫(はつはなひめ)言葉(ことば)(したが)ひ、222城内(じやうない)(さぐ)つて()ませうか』
223片彦『サア、224さう(いた)しませう』
225二人(ふたり)(ここ)決心(けつしん)し、226(くち)(そろ)へて両人(りやうにん)は、
227ランチ、片彦『イヤお(とも)(いた)しませう、228世話(せわ)(あづか)りませう』
229高姫『それは早速(さつそく)のお()きずみ、230有難(ありがた)(ござ)います。231初稚姫(はつわかひめ)(まを)すに(およ)ばず、232父母(ふぼ)(さぞ)(よろこ)びますで(ござ)いませう。233サア高子(たかこ)234宮子(みやこ)235もう心配(しんぱい)には(およ)びませぬ。236宣伝使(せんでんし)(さま)()(くだ)さいますから』
237 高子(たかこ)238宮子(みやこ)はやつと機嫌(きげん)(なほ)し、239二男(になん)三女(さんぢよ)()()つて、240金銀(きんぎん)珠玉(しゆぎよく)(ちりば)めたる楼門(ろうもん)(くぐ)(おく)(おく)へと(すす)()る。241高姫(たかひめ)道々(みちみち)(うた)ふ。
242高姫七千(しちせん)余国(よこく)(つき)(くに)
243(なか)にも()けてコーランの
244(くに)(こきし)とあれませる
245(わらは)如意王(によいわう)()(うま)
246(こひ)しき(くに)立出(たちい)でて
247はるばる此処(ここ)()(うつ)
248十二(じふに)侍女(じぢよ)(したが)へて
249(なん)不自由(ふじゆう)もなけれども
250山河(さんか)風土(ふうど)(かは)りたる
251これの(みやこ)(なん)となく
252物淋(ものさび)しくぞ(おも)はれぬ
253ウラルの(をしへ)(まも)りたる
254(ちち)(はは)とはバラモンの
255(かみ)(いくさ)降服(かうふく)
256コーラン(ごく)()()てて
257(やうや)此処(ここ)(のが)れまし
258安全(あんぜん)地帯(ちたい)(みやこ)をば
259(つく)りて永久(とは)住処(すみか)ぞと
260(さだ)(たま)ひし(たふと)さよ
261(しろ)普請(ふしん)(やうや)くに
262()()をついで竣工(しゆんこう)
263いづれの(かみ)(まつ)らむと
264(かんが)()ます(をり)もあれ
265(みづ)御霊(みたま)御教(みをしへ)
266四方(よも)(つた)ふる宣伝使(せんでんし)
267初稚姫(はつわかひめ)(あら)はれて
268(ちち)(はは)とを(はじ)めとし
269(われ)()一同(いちどう)神国(かみくに)
270(はな)()(その)(いざな)ひて
271天国(てんごく)浄土(じやうど)(たのし)みを
272(さと)したまひし有難(ありがた)
273(ちち)(はは)とは(いさ)()
274()さへ目出度(めでた)三五(あななひ)
275(をしへ)(みち)帰順(きじゆん)して
276(あさ)(ゆふ)なに太祝詞(ふとのりと)
277()げさせ(たま)健気(けなげ)さよ
278(わらは)(いま)十八(じふはち)
279(つぼみ)(はな)初心娘(うぶむすめ)
280二人(ふたり)侍女(じぢよ)()()れて
281春野(はるの)(てふ)憧憬(あこが)れつ
282(すみれ)タンポポ()まむとて
283いつとはなしに門外(もんぐわい)
284(あゆ)みを(はこ)湯津蔓(ゆづかづら)
285椿(つばき)(もと)(あそ)(をり)
286(はるか)(きこ)ゆる宣伝歌(せんでんか)
287よくよく(みみ)()ますうち
288初稚姫(はつわかひめ)()りたまふ
289御歌(みうた)(こころ)によく()たり
290これぞ(まつた)三五(あななひ)
291教司(をしへつかさ)にますならむ
292なぞと(こころ)(うご)かしつ
293(はな)(しきり)()()れば
294(たちま)(きこ)ゆる(ふと)(こゑ)
295(かしら)()げて(なが)むれば
296()るも凛々(りり)しき宣伝使(せんでんし)
297(わらは)()ひを()れたまひ
298(ちち)(みこと)面会(めんくわい)
299初稚姫(はつわかひめ)(おん)(まへ)
300(たず)ねやらむと()りたまふ
301(その)()言葉(ことば)()くにつけ
302(てん)にも(のぼ)心地(ここち)して
303()()(あし)(おのづか)
304(をど)るが(ごと)(すす)むなり
305春野(はるの)(あそ)(てふ)(まひ)
306(はな)()りくる蜜蜂(みつばち)
307(けん)()てたる宣伝使(せんでんし)
308(われ)()三人(みたり)慇懃(いんぎん)
309(おく)らせ(たま)(うれ)しさよ
310ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
311(たふと)(かみ)(おん)(めぐみ)
312(つつし)感謝(かんしや)(たてまつ)
313朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
314(つき)()つとも()くるとも
315仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
316三五教(あななひけう)()(すく)
317(すく)ひの(かみ)()れませる
318(かむ)素盞嗚(すさのを)大御神(おほみかみ)
319(したが)ひませる神司(かむつかさ)
320わけて初稚姫(はつわかひめ)(つかさ)
321ランチ、片彦(かたひこ)宣伝使(せんでんし)
322(そろ)ひも(そろ)うて(わが)(やかた)
323(おとづ)(たま)(うれ)しさよ
324(さぞ)父上(ちちうへ)母君(ははぎみ)
325(よろこ)(むか)(たま)ふらむ
326ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
327(かみ)御前(みまへ)()ぎまつる』
328(うた)ひながら、329(うるは)しき(もん)(いく)つとなく(くぐ)玄関口(げんくわんぐち)辿(たど)りついた。
330大正一二・一・二六 旧一一・一二・一〇 加藤明子録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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