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第一六章 犬労(けんらう)〔一四六六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第57巻 真善美愛 申の巻 篇:第2篇 顕幽両通 よみ:けんゆうりょうつう
章:第16章 第57巻 よみ:けんろう 通し章番号:1466
口述日:1923(大正12)年03月25日(旧02月9日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年5月24日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5716
愛善世界社版: 八幡書店版:第10輯 335頁 修補版: 校定版:217頁 普及版:100頁 初版: ページ備考:
001 三千彦(みちひこ)はテルモン(ざん)中腹(ちうふく)をケリナ(ひめ)()()ひ、002スマートに道案内(みちあんない)をさせ(なが)(くさ)茫々(ばうばう)たる(ある)(にく)(みち)辿(たど)辿(たど)つて、003デビス(ひめ)押込(おしこ)めた岩窟(いはや)(まへ)(やうや)()いた。
004 デビス(ひめ)はワックスの(はなし)によつて、005如意宝珠(によいほつしゆ)(かへ)(きた)れる(こと)(およ)(ちち)存命(ぞんめい)なる(こと)006(なら)びに(いもうと)安全(あんぜん)なる(こと)(ほぼ)(さと)り、007(むね)()(おろ)し、008(やや)(こころ)(ゆる)みグツタリと(いは)(もた)れて(ねむり)()いた。009(やうや)くにして三千彦(みちひこ)岩窟(いはや)入口(いりぐち)()いた。
010三千彦(みちひこ)『もし、011デビス(ひめ)(さま)012(わたし)三五教(あななひけう)神司(かむづかさ)三千彦(みちひこ)(ござ)います』
013ケリナ(ひめ)『お姉様(あねさま)014ケリナで(ござ)います』
015二人(ふたり)(かは)(がは)()()べども(すこ)しも(こたへ)がない。016ケリナ(ひめ)は、017……(あね)最早(もはや)何者(なにもの)にか(さら)はれ(たま)ひしか……と(こころ)(こころ)ならず、
018ケリナ(ひめ)三千彦(みちひこ)(さま)019どう(いた)しませう。020姉上様(あねうへさま)何者(なにもの)にか(さら)はれ(あそ)ばしたと()えまする。021これ(ほど)()んでもお(こたへ)がないのは不思議(ふしぎ)では(ござ)いませぬか』
022三千彦(みちひこ)(けつ)して御心配(ごしんぱい)なさいますな。023(いびき)(こゑ)(きこ)えて()ます。024屹度(きつと)(やす)みになつて()るのでせう』
025 スマートは四辺(あたり)空気(くうき)震動(しんどう)させ、026『ウワツ ウワツ』と(さけ)んだ。027(この)(こゑ)(おどろ)いてデビス(ひめ)(ゆめ)(やぶ)られ窓口(まどぐち)()て、028……(なに)人声(ひとごゑ)がする(やう)だ……と戸口(とぐち)躙寄(にじりよ)り、029隙間(すきま)より()かし()れば星月夜(ほしづくよ)(こと)とて明瞭(はつきり)姿(すがた)(わか)らねど、030どうやら(いもうと)のスタイルによく()()るので、
031デビス(ひめ)(はな)(いろ)はうつりにけりな(ひめ)姿(すがた)
032(やつ)(たま)ひしことの(くる)しさ。
033(わが)(いのち)(たす)(たま)ひし犬彦(いぬひこ)
034(くろ)姿(すがた)(した)はしきかな』
035 ケリナは(この)(こゑ)打悦(うちよろこ)び、
036ケリナ(ひめ)三千彦(みちひこ)(なさけ)御手(みて)(たす)けられ
037()(すく)はむと(たづ)(きた)りぬ』
038三千彦(みちひこ)神館(かむやかた)(うづ)御子(おんこ)とあれませる
039デビスの(ひめ)(やす)()でませ。
040いざさらば()れの鉄門(かなど)打破(うちやぶ)
041(すく)ひまつらむ(かみ)のまにまに』
042デビス(ひめ)(うれ)しさは乙女(をとめ)(むね)三千彦(みちひこ)
043(かみ)(つかさ)()(あふ)ぐかな』
044 三千彦(みちひこ)強力(がうりき)(まか)せて錠前(ぢやうまへ)捻切(ねぢき)り、045窟内(くつない)(はい)つてデビス(ひめ)()()り、046引抱(ひつかか)(すく)()した。047ケリナは()るよりデビスに()きつき、
048ケリナ(ひめ)姉上様(あねうへさま)
049()つたきり(あと)一言(ひとこと)(はつ)()ず、050(かな)しさと(うれ)しさに咽返(むせかへ)つて()る。051デビス(ひめ)(おな)(おも)ひの(なつか)しさに、052(いもうと)(からだ)()きしめ熱涙(ねつるゐ)(なが)し、053言葉(ことば)さへ得出(えだ)さず、054(うれ)()きに()きしやくつて()る。
055三千彦(みちひこ)『お二人様(ふたりさま)056斯様(かやう)(ところ)長居(ながゐ)(おそ)れで(ござ)います。057一時(いちじ)(はや)求道居士(きうだうこじ)やヘルを(すく)()さねばなりますまい。058サア(まゐ)りませう』
059デビス(ひめ)『ハイ、060御親切(ごしんせつ)有難(ありがた)(ござ)います。061どうも(わたし)斯様(かやう)(ところ)押込(おしこ)められて()ちもならず、062(すわ)りもならず()りましたので(ある)(こと)出来(でき)ませぬ。063如何(どう)したら(よろ)しう(ござ)いませうかな』
064三千彦(みちひこ)『ア、065さうでせうとも、066(さつ)(まを)します。067失礼(しつれい)ながらお二人(ふたり)さま、068(わたし)(せな)(おぶ)さつて(くだ)さい。069どうなり、070かうなりお(やかた)(まで)(とど)けしませう。071(ふたた)出直(でなほ)してスマートに案内(あんない)させて居士(こじ)(すく)()しに(まゐ)りませう』
072デビス(ひめ)危急(ききふ)場合(ばあひ)(ござ)いますからお言葉(ことば)(あま)へて、073さう(ねが)ひませうかな。074本当(ほんたう)()まない(こと)(ござ)います』
075三千彦(みちひこ)(けつ)して御心配(ごしんぱい)()りませぬ。076サア』
077()(なが)(すこ)(しやが)んで(せな)()()す。078二人(ふたり)三千彦(みちひこ)(せな)()ぶさつた(まま)079星月夜(ほしづくよ)山坂(やまさか)をトボトボと(くだ)つて神館(かむやかた)(ひそ)かに(かへ)()く。080スマートは後前(あとさき)警護(けいご)(なが)人影(ひとかげ)なき(ところ)案内(あんない)し、081夜明(よあ)(まへ)082ヤツトの(こと)(やかた)()いた。
083 (やかた)玄関口(げんくわんぐち)にはエルが依然(いぜん)として高鼾(たかいびき)をかいて当直(たうちよく)(つと)めて()る。084受付(うけつけ)()()るのを(さいは)勝手(かつて)(おぼ)えし(いへ)(うち)085小国別(をくにわけ)病室(びやうしつ)をさして二人(ふたり)(むすめ)背負(せお)つた(まま)(すす)()つた。086小国別(をくにわけ)(いま)断末魔(だんまつま)(いき)()()らむとする(ところ)であつた。087小国姫(をくにひめ)最早(もは)や、088これ(まで)(をつと)(そば)附添(つきそ)ひ、089(くび)頸垂(うなだ)れて(うれ)ひに(しづ)んでゐる。090それ(ゆゑ)三千彦(みちひこ)(かへ)つて()たのに()がつかなかつた。091三千彦(みちひこ)言葉(ことば)(しづ)かに、
092三千彦(みちひこ)奥様(おくさま)093(ぢやう)さまをお(とも)して(かへ)りました。094御安心(ごあんしん)なさいませ』
095()(こゑ)小国姫(をくにひめ)はフと此方(こちら)()いた。096()れば三千彦(みちひこ)二人(ふたり)(むすめ)(せな)()うて()つて()る。097小国姫(をくにひめ)(ゆめ)か、098(うつつ)か、099(まぼろし)かと(うれ)しさ(あま)つてものをも()()はず、100(くち)()け、101()(みは)つた(まま)102石像(せきざう)(ごと)()()つて()る。103三千彦(みちひこ)二人(ふたり)(むすめ)(いたは)り、104ソツと居間(ゐま)()ろした。105二人(ふたり)乙女(をとめ)身体(しんたい)綿(わた)(ごと)(つか)()一人(ひとり)(あゆ)(こと)出来(でき)なくなつてゐた。
106デビス(ひめ)『お父様(とうさま)107母様(かあさま)108(やうや)(この)(かた)(たす)けられ(かへ)つて(まゐ)りました。109(まこと)御心配(ごしんぱい)かけて()まぬ(こと)(ござ)いました』
110ケリナ(ひめ)御両親様(ごりやうしんさま)111つひ悪魔(あくま)(さそ)はれて家出(いへで)(いた)し、112種々(いろいろ)御心配(ごしんぱい)()けましてお(わび)(まを)(やう)(ござ)いませぬ。113何卒(どうぞ)御許(おゆる)(くだ)さいませ』
114(なみだ)(とも)詫入(わびい)る。
115小国姫(をくにひめ)『ア、116(ゆめ)かと(おも)つたら(ゆめ)ではなかつたかな。117三千彦(みちひこ)(さま)118有難(ありがた)(ござ)います。119旦那様(だんなさま)貴方(あなた)(こと)()うて(いま)(いま)(まで)()()ねて()られた様子(やうす)でしたが最早(もはや)絶命(ことぎ)れた(やう)です。120アーア(なん)とかして貴方(あなた)のお(かほ)(むすめ)(かほ)を、121一度(いちど)()()いものですが、122とても(この)()では(かな)ひますまいな』
123とワツと()(たふ)れる。124二人(ふたり)(むすめ)(ちち)枕辺(まくらべ)にすり()つて、
125『お父様(とうさま)父様(とうさま)
126()(さけ)ぶ。127三千彦(みちひこ)(この)惨状(さんじやう)()るに(しの)びず、
128国治立大神(くにはるたちのおほかみ)(さま)129豊国主大神(とよくにぬしのおほかみ)(さま)130神素盞嗚大神(かむすさのをのおほかみ)(さま)131何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)132一度(いちど)病人(びやうにん)魂返(たまがへ)しをお(ゆる)(くだ)さいまして親娘(おやこ)対面(たいめん)さして(くだ)さい』
133(あせ)をタラタラ(なが)(なが)祈願(きぐわん)()らし、134(あま)数歌(かずうた)(とな)()した。135昏睡状態(こんすゐじやうたい)(おちい)つた小国別(をくにわけ)はパツと()(ひら)き、136二人(ふたり)(むすめ)枕許(まくらもと)()るのを()打驚(うちおどろ)き、
137小国別(をくにわけ)『ア、138其方(そなた)はデビス(ひめ)139ケリナ(ひめ)であつたか。140臨終(いまは)(きは)一目(ひとめ)()ひたかつた。141ようマア()(ところ)(かへ)つて(くだ)さつた。142(さぞ)苦労(くらう)をしたであらうな』
143男泣(をとこな)きに()く。144二人(ふたり)姉妹(おとどい)(こゑ)(そろ)へて、
145『お父様(とうさま)146(なつか)しう(ござ)います。147何卒(どうぞ)(しつか)りして(くだ)さいませ。148三千彦(みちひこ)(さま)()らつしやいますから大丈夫(だいぢやうぶ)(ござ)います。149さうお()(よわ)(こと)()はずに長生(ながいき)して(くだ)さいませ』
150小国別(をくにわけ)『ア、151(むすめ)152よう()うて()れた。153その言葉(ことば)()くからは、154(ちち)はもう、155何時(いつ)()んでも心残(こころのこ)りはない』
156 小国姫(をくにひめ)(やうや)うに(かほ)をあげ、
157旦那様(だんなさま)158(さぞ)御満足(ごまんぞく)(ござ)いませうな。159(わたし)()んな有難(ありがた)(こと)(ござ)いませぬ』
160 小国別(をくにわけ)は「ウン」と()つたきり、161(また)もやスヤスヤ昏睡状態(こんすゐじやうたい)()つた。162三千彦(みちひこ)小国姫(をくにひめ)(むか)ひ、
163『ケリナ(ひめ)(さま)164デビス(ひめ)(さま)をお(たす)(くだ)さつた求道居士(きうだうこじ)が、165悪漢(わるもの)(ため)岩窟内(がんくつない)押込(おしこ)められて()りますから、166(わたし)(これ)から(すく)うて(まゐ)ります。167さうして(ひめ)(さま)がお(かへ)りになつた(こと)(わたし)(かへ)(まで)内密(ないみつ)(ねが)ひます。168何卒(どうぞ)169(べつ)座敷(ざしき)(うつ)してお(しの)ばせを(ねが)ひます』
170裏口(うらぐち)よりスマートと(とも)()()した。
171 受付(うけつけ)のエルは(おく)様子(やうす)(なん)となく(さわ)がしいのでフと()()まし、172四這(よつばひ)になつて足音(あしおと)(しの)ばせ(なが)親娘(おやこ)対面(たいめん)様子(やうす)()いて()た。173(いま)三千彦(みちひこ)()()したので自分(じぶん)裏口(うらぐち)から真跣足(まつぱだし)(まま)174()()し、175()(かく)れにトントントンと(あと)()うて()く。176三千彦(みちひこ)一生懸命(いつしやうけんめい)にスマートの(あと)(したが)ひ、177求道居士(きうだうこじ)(すく)ふべく(みち)(いそ)いだ。178岩窟(がんくつ)一町(いつちやう)ばかり手前(てまへ)(まで)()()ると数多(あまた)荒男(あらをとこ)がワイワイと何事(なにごと)(わめ)いて()る。
179 三千彦(みちひこ)(しば)らく様子(やうす)(うかが)はむと(くさ)(なか)()(かく)し、180(かんが)へて()た。181エルは(みち)(てん)じて(くさ)()大勢(おほぜい)(まへ)(はし)()つて、
182エル『(いま)三五教(あななひけう)魔法使(まはふつかひ)三千彦(みちひこ)()(やつ)183二人(ふたり)(ひめ)(さま)()(かへ)り、184(いま)(また)求道居士(きうだうこじ)(すく)()すべくやつて()て、185其処(そこ)草原(くさはら)(かく)れて()る』
186報告(はうこく)したので数十人(すうじふにん)(あら)くれ(をとこ)(ふた)つに(わか)れ、187三十人(さんじふにん)(ばか)りは三千彦(みちひこ)召捕(めしと)らむとエルが案内(あんない)(もと)()めかけて()た。188スマートは(たちま)()逆立(さかだ)縦横無尽(じうわうむじん)()(めぐ)り、189(あし)(くわ)へて将棊倒(しやうぎだふ)しにバタバタと(たふ)して(しま)つた。190(この)(いきほ)ひに辟易(へきえき)し、191(いづ)れも四這(よつばひ)となつて雑草(ざつさう)(なか)()(かく)(ふる)うて()る。192三千彦(みちひこ)は、
193三千彦(みちひこ)『アハハハハハ』
194高笑(たかわら)ひし(なが)岩窟(がんくつ)近付(ちかづ)けば、195求道居士(きうだうこじ)196ヘルの両人(りやうにん)雁字搦(がんじがら)みにして数十人(すうじふにん)(をとこ)棒片(ぼうちぎれ)(もつ)(たた)きつけて()る。
197 求道居士(きうだうこじ)198ヘルの両人(りやうにん)半死半生(はんしはんしやう)(てい)にて顔面(がんめん)血潮(ちしほ)(みなぎ)らし(たふ)れて()た。199三千彦(みちひこ)(その)()(あら)はれ、
200三千彦(みちひこ)(つみ)なき修験者(しゆげんじや)打擲(ちやうちやく)するとは何事(なにごと)ぞ。201理由(りいう)(うけたま)はり()い』
202()はせも()てず、
203群衆(ぐんしう)(その)(はう)三五教(あななひけう)魔法使(まはふづかひ)204サアよい(ところ)()た。205貴様(きさま)血祭(ちまつり)にして()れむ』
206棍棒(こんぼう)207竹槍(たけやり)()つて(いきほひ)よく(せま)()る。208三千彦(みちひこ)(みぎ)(ひだり)(たい)をすかし、209一方(いつぱう)求道居士(きうだうこじ)(かば)ひながら、210(てき)(かたな)をひつたくり、211仁王立(にわうだ)ちとなつて、212()らば()らむと身構(みがま)へして()る。213(くう)()つて()(きた)るスマートは、214(また)もや縦横無尽(じうわうむじん)()(めぐ)(あし)(くわ)()()一人(ひとり)(のこ)さず草原(くさはら)(なか)投倒(なげたふ)した。215悪酔怪員(あくすゐくわいゐん)面々(めんめん)(いづ)れも不意(ふい)(くら)ひ、216(きも)(つぶ)四這(よつばひ)となつて草野(くさの)(くぐ)(なが)(おのおの)(おも)(おも)ひに()げて()く。
217 求道居士(きうだうこじ)(および)ヘルは(あま)りの負傷(いたで)()(とほ)くなり、218(ほう)けた(やう)になつて(くび)ばかり()つて()る。219三千彦(みちひこ)(こゑ)(はげ)まし、
220三千彦(みちひこ)求道居士(きうだうこじ)殿(どの)221ヘル殿(どの)222(しつか)りなさいませ。223(わたし)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)三千彦(みちひこ)(ござ)いますぞ』
224耳許(みみもと)にて(よば)はつた。225求道居士(きうだうこじ)はハツと()()(なほ)し、226四辺(あたり)をキヨロキヨロ見廻(みまは)(なが)らヤツと安心(あんしん)(てい)にて、
227求道居士(きうだうこじ)『ア、228(あやふ)(ところ)へよく(たす)けに()(くだ)さいました。229二三日(にさんにち)以前(いぜん)から(この)岩窟(がんくつ)()()まれ、230夜中(よなか)(ごろ)引張(ひつぱ)()されて種々(いろいろ)打擲(ちやうちやく)()ひ、231到底(たうてい)(たす)かるまいと(おも)ひましたが貴方(あなた)がおいでなさつて(わたし)(いのち)をお(たす)(くだ)さつて、232有難(ありがた)(ござ)います。233そしてデビス(さま)234ケリナ(さま)無事(ぶじ)(ござ)いませうか。235どうも、236それが()にかかりましてなりませぬ』
237三千彦(みちひこ)御心配(ごしんぱい)なさいますな。238(ひめ)(さま)はお二人(ふたり)とも(わたし)(すく)()(いま)(やかた)(おく)(とど)けました。239そして親娘(おやこ)対面(たいめん)をなさいました。240()(かく)貴方(あなた)(こと)()にかかりお(すく)ひに(まゐ)りまして(ござ)います』
241求道居士(きうだうこじ)『ハイ、242有難(ありがた)(ござ)います。243(しか)(なが)如何(どう)したものか(わたし)(あし)()たない(やう)(ござ)います』
244三千彦(みちひこ)(わたし)御存(ごぞん)じの(とほ)独活(うど)大木(たいぼく)()はれた(くらゐ)ですから、245二人(ふたり)さまとも(わたし)()(おぶ)さつて(くだ)さい。246()(かく)(やかた)までお(とど)(いた)します』
247求道居士(きうだうこじ)(まこと)腑甲斐(ふがひ)ない(こと)(ござ)いますが、248そんなら(たす)けて(いただ)きませう。249ヘルさま、250貴方(あなた)如何(どう)ですか』
251ヘル『ハイ、252(わたし)はどうなりと(ある)けるだらうと(おも)ひます』
253三千彦(みちひこ)『もし(ある)けなかつたら、254スマートさまの(くび)にでも(くら)いついてお(かへ)りなさい』
255ヘル『ハイ、256有難(ありがた)(ござ)います、257(いのち)親様(おやさま)
258感謝(かんしや)(なみだ)(なが)(なが)らエチエチと神館(かむやかた)()して(かへ)()く。
259 三五教(あななひけう)魔法使(まはふつかひ)260(ならび)狂犬(きやうけん)(あら)はれたと()ふので、261悪酔怪員(あくすゐくわいゐん)宮町(みやまち)老若男女(らうにやくなんによ)戦々恟々(せんせんきようきよう)として魔法使(まはふつかひ)(およ)狂犬(きやうけん)撲殺(ぼくさつ)相談会(さうだんくわい)彼方(あちら)此方(こちら)(ひら)いて()た。
262惟神(かむながら)(かみ)のまにまに()べて()
263テルモン(やかた)にありし次第(しだい)を。
264大正一二・三・二五 旧二・九 於皆生温泉浜屋 北村隆光録)
   
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