霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 鷹彦(たかひこ)還元(くわんげん)〔五五三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第14巻 如意宝珠 丑の巻 篇:第1篇 五里夢中 よみ:ごりむちゅう
章:第3章 第14巻 よみ:たかひこかんげん 通し章番号:553
口述日:1922(大正11)年03月23日(旧02月25日) 口述場所: 筆録者:藤津久子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年11月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
岩彦ら宣伝使ら一行は、峠で音彦、弥次彦、与太彦を置いてきてしまったことに気がついて、心配になり、鷹彦は鷹に変化して探しに行っていたのであった。
一行もウラル教の捕り手に出くわす。岩彦は捕り手たちに、三五教に改心するようにと説得をする。そこへ鷹彦が戻って来て、音彦らは捕り手に囲まれて難儀していること、ウラル教の目付の源五郎が討ち死にしたことを告げた。
ウラル教の捕り手のうち、小頭の六だけが改心し、宣伝使たちの供をすることになった。そこへ日の出別宣伝使がやってきて、音彦らの危急を告げた。一行は急いで猿山峠の坂道を下り、小鹿峠へと向かった。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm1403
愛善世界社版:53頁 八幡書店版:第3輯 176頁 修補版: 校定版:56頁 普及版:24頁 初版: ページ備考:
001 鷹彦(たかひこ)002梅彦(うめひこ)003亀彦(かめひこ)(こころ)(かた)岩彦(いはひこ)改心(かいしん)(よろこ)びて、004駒彦(こまひこ)諸共(もろとも)005(こま)(むち)()堂々(だうだう)小鹿峠(こしかたうげ)(のぼ)()く。006爪先(つまさき)(あが)りの山道(さんだう)(かみ)(をしへ)(よる)(みち)007(はや)頂上(ちやうじやう)(のぼ)()いた。
008(たか)御蔭(おかげ)で、009小鹿峠(こしかたうげ)見極(みきは)めました。010一同(いちどう)ここで(うま)休息(きうそく)させて(まゐ)りませうか』
011一同(いちどう)鷹彦(たかひこ)提議(ていぎ)満場(まんぢやう)一致(いつち)賛意(さんい)(あら)はし(うま)よりヒラリと()()りた。
012(いは)(いづ)れも(がた)013(あま)りの急坂(きふはん)でお(つか)れでしたらう。014(しか)し、015音彦(おとひこ)宣伝使(せんでんし)()ませんなア』
016(うめ)『アヽさうですな、017どうしたのでせう。018途中(とちう)(うま)でもへたつたのではありますまいか、019真逆(まさか)あれほど(おほ)きな(こゑ)()んだのだから(きこ)えぬ(はず)もなからうし、020()()めない道理(だうり)()い。021(これ)的切(てつき)落馬(らくば)されたのではありますまいか。022弥次(やじ)023与太(よた)二人(ふたり)()ませぬなア』
024(いは)『ナニ大丈夫(だいぢやうぶ)ですよ。025一人(ひとり)なれば心配(しんぱい)もして()なくてはならぬが、026三人連(さんにんづれ)だから滅多(めつた)紛失(ふんしつ)する心配(しんぱい)もありませぬワ、027アハヽヽヽ』
028(かめ)(なん)だか(わたくし)気懸(きがか)りでなりませぬワ、029途中(とちう)でウラル(けう)目付役(めつけやく)()つかつて苦戦(くせん)して()られるのではありますまいか。030音彦(おとひこ)宣伝使(せんでんし)温順(おんじゆん)胆力(たんりよく)があるから、031如何(いか)なる難関(なんくわん)容易(ようい)()()けられませうが、032新参者(しんざんもの)弥次彦(やじひこ)033与太彦(よたひこ)()らぬ空元気(からげんき)()して一悶着(ひともんちやく)やつて()るのではあるまいかと()()でなりませぬ』
034(こま)(かめ)サン貴方(あなた)もさう(おも)ふか、035(わたくし)同感(どうかん)だ、036(なん)だか気懸(きがか)りでなりませぬワ。037なんでもこの(へん)はウラル(けう)根拠地(こんきよち)だと()(こと)です。038ウラル(さん)アーメニヤの驍将(げうしやう)(ども)大分(だいぶん)フサの(くに)(あつ)まつてゐると()(こと)ですから油断(ゆだん)出来(でき)ませぬよ。039鷹彦(たかひこ)サン、040御苦労(ごくらう)だが貴方(あなた)特能(とくのう)(あら)はして、041一寸(ちよつと)(たか)還元(くわんげん)して、042偵察(ていさつ)をして(くだ)さるまいか。043大丈夫(だいぢやうぶ)()つても充分(じゆうぶん)安心(あんしん)出来(でき)ませぬからナア』
044(たか)承知(しようち)(いた)しました。045(しばら)()つて(くだ)さい』
046(たちま)霊鷹(れいよう)(へん)中天(ちうてん)(たか)姿(すがた)(かく)した。
047 (あと)四人(よにん)此処(ここ)神言(かみごと)奏上(さうじやう)し、048過来(すぎこ)(かた)物語(ものがた)りに(とき)(うつ)るのも()らなかつた。049(あづま)(そら)(あかね)()して、050()大神(おほかみ)(かげ)051タカオ山脈(さんみやく)(いただき)より(のぼ)りたまふ。
052(いは)『アヽもう()()けた。053鷹彦(たかひこ)さまはどうだらう。054木乃伊(みいら)()りが木乃伊(みいら)になつたのではあるまいかなア』
055(うめ)真逆(まさか)ソンナ(こと)はあるまい。056(おと)サンの(こと)だから(いま)(なん)とか(おと)づれがありませう』
057(こま)本当(ほんたう)(おと)サンの(つれ)がないのは(おと)づれないのと(おな)(こと)058道中(だうちう)(さび)しい(やう)()がする』
059 (かか)(ところ)へ、060四人(よにん)(をとこ)覆面(ふくめん)のまま(たうげ)西方(せいはう)より(のぼ)()たり、
061(かふ)『ヤア()るぞ()るぞ、062(しか)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)四人(よにん)だ。063オイ八公(はちこう)064貴様(きさま)(はや)源五郎(げんごらう)大将(たいしやう)報告(はうこく)して沢山(たくさん)捕手(とりて)()()ける(やう)にして()れ。065吾々(われわれ)はそれ(まで)此処(ここ)彼奴等(あいつら)()げない(やう)監視(かんし)をして()るから』
066小声(こごゑ)(ささや)いて()る。
067(いは)『オイ其処(そこ)()るのはウラル(けう)捕手(とりて)ぢやないか、068(みな)サンお(はや)うから御苦労様(ごくらうさん)だなア、069(ゆつく)一服(いつぷく)なとしなさい。070海山(うみやま)(はな)しを(いた)しませうよ』
071(うめ)()(たうげ)(いただ)きから四方(しはう)見晴(みは)らしもつて、072世間話(せけんばなし)をするのも(あんま)(わる)くはありませぬよ。073さう恟々(びくびく)として落着(おちつ)かない態度(たいど)をせずに、074吾々(われわれ)一所(いつしよ)どつか(こし)(おろ)して御一服(ごいつぷく)なさいませ』
075(かふ)『ヤアその(はう)()(まが)(かた)なき三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)だなア。076吾々(われわれ)汝等(なんぢら)(さつ)する(ごと)く、077ウラル(けう)捕手(とりて)役人(やくにん)だ。078()()うなる以上(いじやう)百年目(ひやくねんめ)だ、079たとへ神変(しんぺん)不可思議(ふかしぎ)(じゆつ)使(つか)つて(てん)(かけ)()(くぐ)(とも)080此方(こつち)にはまた此方(こつち)不可思議力(ふかしぎりよく)がある、081サア神妙(しんめう)()(まは)せ』
082(いは)『アハヽヽヽヽ、083仰有(おつしや)ります(わい)084(なまり)(こしら)へた仁王(にわう)サンのやうに四角(しかく)四面(しめん)(かほ)をして、085さう頑張(ぐわんば)るものぢあない。086(おな)(てん)神様(かみさま)氏子(うぢこ)だ、087()ちつ()たれつ、088(たがひ)(たす)(たす)けられ、089この()()きて(さか)えて、090(まこと)(かみ)御用(ごよう)(いた)(たふと)人間(にんげん)同志(どうし)だ、091マア(ゆつく)りと一服(いつぷく)なさるがよかろう』
092(おつ)『この()(およ)んで()らざる繰言(くりごと)093()(みみ)()たぬぞ。094貴様(きさま)三五教(あななひけう)といふ邪教(じやけう)天下(てんか)宣伝(せんでん)する曲津神(まがつかみ)だ、095それ(だけ)(さと)りがあるなら何故(なぜ)そのやうな(をしへ)(しん)ずるのだ。096巧言令色(かうげんれいしよく)(いた)らざるなく、097乞食(こじき)(しらみ)ぢやないが(くち)(ころ)さうと(おも)つたつて、098ソンナ(こと)迂濶々々(うかうか)()(ろく)サンぢやないぞ。099エヽグヅグヅ(ぬか)さずと従順(すなを)()(まは)せ、100ウラル(さん)(とりで)拘引(こういん)してやらうか』
101(こま)『アハハヽヽヽ、102マアマア、103マアこの()(なが)いのに(あさ)つぱらから、104さう発動(はつどう)をなさると草臥(くたぶ)れますよ。105マア(おさ)まつて一服(いつぷく)しなさい。106吾々(われわれ)丁寧(ていねい)鎮魂(ちんこん)でもして()げませう』
107(ろく)『ナヽ(なに)(ぬか)しよるのだ、108その鎮魂(ちんこん)()()はぬのだ。109グヅグヅ(ぬか)すと貴様(きさま)(いのち)(またた)(うち)沈没(ちんぼつ)だぞ』
110(かめ)(なん)とウラル(けう)といふ(をしへ)(あら)言葉(ことば)使(つか)教理(けうり)だな、111(まる)雲助(くもすけ)サンと間違(まちが)へられますよ。112言霊(ことたま)(さち)はふ()(なか)113(ちつ)とは丁寧(ていねい)言葉(ことば)をお使(つか)ひなさつたら如何(どう)ですか』
114(ろく)(やかま)しい(わい)115貴様(きさま)(やう)(うはべ)(のみ)(ころ)さぬ(やう)態度(たいど)(よそほ)ふて、116(おに)大蛇(おろち)(おほかみ)獅子(しし)山犬(やまいぬ)かといふ(やう)表裏(へうり)反対(はんたい)(をしへ)とは雲泥(うんでい)相違(さうゐ)があるのだ。117温和(おとなし)(かほ)をして悪念(あくねん)包蔵(はうざう)する(やつ)(ほど)118この()(なか)危険(きけん)(もの)はない。119外面(げめん)(によ)菩薩(ぼさつ)120内心(ないしん)(によ)夜叉(やしや)121悪鬼(あくき)羅刹(らせつ)(ばけ)(かは)(いま)にヒン()いてやるから覚悟(かくご)(いた)せ。122吾々(われわれ)ウラル(けう)御方(おんかた)(うへ)から()れば荒削(あらけづ)りの仁王(にわう)サンの(やう)だが、123(こころ)綺麗(きれい)(こと)竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)サンか天教山(てんけうざん)()花姫(はなひめ)素足(はだし)()()(やう)綺麗(きれい)御霊(みたま)持主(もちぬし)(ばか)りだぞ。124(あま)見違(みちが)ひをして(もら)ふまいかい』
125(いは)『それはそれは結構(けつこう)(をしへ)ですな、126しかしながら霊肉一致(れいにくいつち)といつて(こころ)(いろ)(そと)(あら)はれるものだ。127(こころ)(やはら)(うつく)しければ(その)(ひと)言行(げんかう)はやつぱり(やはら)かく(うつく)しくなくてはならぬ。128黄金(こがね)(たま)襤褸(ぼろ)(つつ)むと()道理(だうり)()(はず)だ』
129(ろく)『エヽ()うツベコベ団子(だんご)理窟(りくつ)()ねる(やつ)だナ。130(いま)()(なか)(やつ)は、131(くち)(ばか)発達(はつたつ)しやがつて、132(をとこ)までが(をんな)のやうな言葉(ことば)使(つか)ひ、133(かみ)(あぶら)をつけ洒落(しやれ)時節(じせつ)だ。134(おい)らの(やう)な、135天真爛漫(てんしんらんまん)素地(きじ)その(まま)人間(にんげん)(かね)太鼓(たいこ)(さが)(まは)つた(ところ)でさう沢山(たくさん)はありはせぬぞ、136悪魔(あくま)(ぜん)仮面(かめん)(かぶ)つて()(たぶ)らかすものだ。137貴様等(きさまら)もその(でん)だらう、138()ふべくして(おこな)ふべからざるものは(をしへ)(みち)だ。139グヅグヅ()はずに、140もう()うなつちや仕方(しかた)()い、141因縁(いんねん)づくぢやと(あきら)めてこの(はう)(あふ)せに服従(ふくじゆう)(いた)せ』
142(いは)『アハヽヽヽヽ、143ウラル(けう)随分(ずゐぶん)理窟(りくつ)(きは)めて巧妙(こうめう)仰有(おつしや)りますな、144(いな)145()いて()なくては()からぬものだ、146(たれ)()(なか)人間(にんげん)()はず(ぎら)ひが(おほ)くて(こま)る。147(まへ)()ふのが本当(ほんたう)なら吾々(われわれ)もウラル(けう)(しん)ずるのだ。148(しか)(なが)らウラル(けう)言行(げんかう)相反(あひはん)する邪教(じやけう)だ。149(じつ)(こと)()へば吾々(われわれ)(もと)はウラル(けう)宣伝使(せんでんし)だ、150竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)(わた)つて宣伝(せんでん)をし(なが)らつい一月前(ひとつきまへ)までウラル(けう)宣伝使(せんでんし)(つと)めて()たのだ。151(しか)(なが)吾々(われわれ)三五教(あななひけう)()いてウラル(けう)比較(ひかく)して()れば(じつ)天地(てんち)霄壤(せうじやう)()ある(こと)(こころ)(そこ)より(さと)つたのだ。152(えう)するに何程(なにほど)(をしへ)立派(りつぱ)でも(おこな)ひが出来(でき)なくては(かへつ)社会(しやくわい)害毒(がいどく)(なが)(やう)になる。153三五教(あななひけう)不言実行(ふげんじつかう)(をしへ)だよ。154(なに)ほど立派(りつぱ)(をしへ)でも宣伝使(せんでんし)にその(ひと)()ざれば、155折角(せつかく)金玉(きんぎよく)泥濘(でいねい)埋没(まいぼつ)した(やう)なものだ。156(まへ)たちもどうだ、157(いま)から三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)して(しま)つたが後生(ごしやう)(ため)だらう(いな)この()このまま無限(むげん)安心(あんしん)光栄(くわうえい)(よく)する(こと)出来(でき)るであらう。158三五教(あななひけう)現当利益(げんたうりやく)教理(けうり)だよ』
159(ろく)『ヤイヤイ(みな)(やつ)160どう仕様(しやう)かな。161この四人(よにん)宣伝使(せんでんし)(もと)はウラル(けう)宣伝使(せんでんし)だと()(こと)だ。162吾々(われわれ)(ここ)(いた)つて沈思黙考(ちんしもくかう)余地(よち)充分(じゆうぶん)(そん)するではないか』
163(かふ)今更(いまさら)らしい(こと)()つたつて仕方(しかた)がないぢやないか。164(いま)八公(はちこう)報告(はうこく)()つて、165源五郎(げんごらう)大将(たいしやう)数多(あまた)部下(ぶか)引連(ひきつ)()()せて()るといふ手筈(てはず)になつて()るのだ。166コンナ(ところ)で、167三五教(あななひけう)になろうものなら、168それこそ大変(たいへん)だぞ。169(なに)170(かま)ふものか、171弱音(よわね)()くな、172たとヘウラル(けう)(あく)(をしへ)であらうと、173(どく)()はば(さら)まで()ぶれといふ(こと)がある、174()(ところ)まで()くのだよ』
175(ろく)『アヽ此処(ここ)はサル(やま)(たうげ)頂上(ちやうじやう)だ、176此処(ここ)()(あめ)(かみ)一枚(いちまい)(ちが)ひで、177一方(いつぱう)(ひがし)(なが)()ちる、178一方(いつぱう)西(にし)(なが)()ちる、179善悪正邪(ぜんあくせいじや)分水嶺(ぶんすゐれい)だ。180吾々(われわれ)(ひと)此処(ここ)向背(かうはい)(けつ)せねばなるまい』
181 この(とき)182天空(てんくう)より()(さが)つた一羽(いちは)霊鷹(れいよう)()()身体(しんたい)膨張(ばうちよう)し、183一丈(いちぢやう)(ばか)りの(はね)(ひろ)げてバタバタ()ばたきした。
184(いは)『アヽ鷹様(たかさん)か、185音彦(おとひこ)様子(やうす)如何(いか)に』
186 鷹彦(たかひこ)(はね)(をさ)(もと)姿(すがた)となり(あせ)()(なが)ら、
187御連中(ごれんちう)188大変(たいへん)ですよ。189音彦(おとひこ)宣伝使(せんでんし)はウラル(けう)大目付(おほめつけ)190鷲掴(わしづかみ)源五郎(げんごらう)(ため)包囲(はうゐ)攻撃(こうげき)をされ、191(いのち)からがら小鹿峠(こしかたうげ)方面(はうめん)(のが)()つたといふ(こと)です。192()うして源五郎(げんごらう)自分(じぶん)(うま)下敷(したじき)となつて(はら)(やぶ)悶死(もんし)したさうです。193(はち)といふ(をとこ)一隊(いつたい)()()れて音彦(おとひこ)(さん)(あと)追跡(つゐせき)したと()(こと)です』
194(ろく)『そりや大変(たいへん)だ、195(はち)といふ()沢山(たくさん)にあるが源五郎(げんごらう)といふ大将(たいしやう)()一人(ひとり)だ、196そうすれば吾々(われわれ)大将(たいしやう)討死(うちじに)したのか、197エヽ残念(ざんねん)ぢやない(わい)198残念(ざんねん)なのは源五郎(げんごらう)御自身(ごじしん)だ。199常平生(つねへいぜい)からウラル(ひこ)大将(たいしやう)(かさ)()よつて、200(とら)()()古狐(ふるぎつね)(ばち)覿面(てきめん)201死様(しにやう)にも種々(いろいろ)あるに、202自分(じぶん)()つた(うま)背中(せなか)(おさ)へられ()ぬとはよくよく因果(いんぐわ)(もの)だナア。203ヤア()安心(あんしん)だ、204何時(いつ)もいつも吾々(われわれ)圧迫(あつぱく)しよつた(むく)いだ。205モシモシウラル(けう)(もと)宣伝使(せんでんし)206三五教(あななひけう)新米(しんまい)のヌクヌクの宣伝使(せんでんし)御歴々(ごれきれき)さま、207(わたくし)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)いたしますワ』
208(いは)()らぬ(こと)沢山(たくさん)()ふものぢやない。209(きう)だの(しん)だのホヤホヤだのと、210それだからウラル(けう)(くち)(わる)いと()ふのだ。211帰順(きじゆん)するならするで、212ベンベンダラリと前口上(まへこうじやう)(なら)べなくても()いぢやないか。213モシモシ鷹彦(たかひこ)さま、214この(をとこ)(いま)()きの(とほ)帰順(きじゆん)すると()ひました。215貴方(あなた)のお留守中(るすちう)にコンナ勝利品(しようりひん)()ました、216ホンの一服(いつぷく)(やす)みに一人(ひとり)帰順者(きじゆんしや)()たのですから随分(ずゐぶん)豪勢(がうせい)なものでせう』
217(たか)相変(あひかは)らず、218喇叭(らつぱ)()きがお上手(じやうづ)ですなア』
219(ろく)『オイオイ(みな)(やつ)220小頭(こがしら)(ろく)サンが帰順(きじゆん)したのだから、221貴様(きさま)たちも(おれ)殉死(じゆんし)だぞ。222異議(いぎ)はあるまいな』
223一同(いちどう)『あーりーがー()(ぞん)じませぬワイ』
224(ろく)『なんだ、225曖昧(あいまい)ぢやないか、226しつかり()はぬかい』
227(たつ)『お(まへ)()(とほ)り、228善悪正邪(ぜんあくせいじや)分水嶺(ぶんすゐれい)だ、229一雨(ひとあめ)()るまで()つて()れ。230決着(けつちやく)()かぬ(わい)
231(ろく)執着心(しふちやくしん)(ふか)(やつ)だナア、232()()け。233人間(にんげん)淡白(あつさり)とするものだ。234三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)音彦(おとひこ)二人(ふたり)(とも)のやうに、235吾々(われわれ)両方(りやうはう)から包囲(はうゐ)攻撃(こうげき)されて(ふか)谷間(たにま)()(をど)らして()()冥土(めいど)(たび)をした(こと)(おも)へば()でもない(こと)だ。236(うし)(うま)()()へる(だけ)(こと)だ。237とかく人間(にんげん)(あきら)めが肝腎(かんじん)だよ。238(だん)一字(いちじ)男子(だんし)たるものの必要(ひつえう)()くべからざる(たから)だからのう』
239(いは)『モシ(ろく)サンとやら、240音彦(おとひこ)(たに)()()んで死んだと()ふのは、241そりや本当(ほんたう)かい』
242(ろく)(わたくし)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)した以上(いじやう)は、243(なに)244(うそ)(まを)しませうか、245(まこと)(まこと)246(げん)(わたくし)実地(じつち)目撃(もくげき)したのですもの』
247(こま)『そりや大変(たいへん)だ、248こりや()うして()られぬ(わい)
249(ろく)『モシモシ三五教(あななひけう)刹那心(せつなしん)ですよ。250()()苦労(くらう)はお()しなさい。251もう今頃(いまごろ)三途(せうづ)(かは)(ばば)アに着物(きもの)強請(ねだ)られて(わた)着物(きもの)()当惑(たうわく)して()最中(さいちう)ですだらう。252(なに)ほど()いても(くや)んでも、253一旦(いつたん)()んだ(ひと)()べど(さけ)べど(なん)(こた)へもないぢやくり、254()いて明石(あかし)浜千鳥(はまちどり)
255(いは)『オイオイ(ろく)256ろくでも()いことを()ふな、257冗談(じやうだん)(どころ)ではないワ』
258(ろく)六道(ろくだう)(つじ)(ろく)サンが………と()(ところ)ですワイ』
259(いは)『エヽソンナ冗談(じやうだん)(どころ)かい、260神言(かみごと)奏上(そうじやう)してせめては音彦(おとひこ)一同(いちどう)冥福(めいふく)(いの)り、261幽界(いうかい)宣伝(せんでん)加勢(かせい)をして()げねばなるまい。262……頓生(とんしやう)菩提(ぼだい)音彦(おとひこ)263弥次彦(やじひこ)264与太彦(よたひこ)御魂(みたま)265(かみ)御国(みくに)(さち)あれよ。266アーメン、267ソーメン、268ドツコイ南無(なむ)(めう)法蓮(はふれん)269陀仏(だぶつ)270(とほ)(かめ)()みため、271惟神(かむながら)(はらひ)(たま)(たす)(たま)へ、272妙々(めうめう)
273(たか)『アハヽヽヽヽ、274岩彦(いはひこ)サン、275ソンナ混雑(こんざつ)した祝詞(のりと)がありますか』
276(いは)『イヤもう親密(しんみつ)なる友人(いうじん)()()いて(こころ)(こころ)ならず、277(いづ)れの神様(かみさま)(いの)つたら音彦(おとひこ)御魂(みたま)サンを(まも)つて(くだ)さらうかと一寸(ちよつと)麻胡(まご)つきました。278(しか)(なが)(これ)人間(にんげん)真心(まごころ)ですワ』
279(かめ)岩彦(いはひこ)サンは()麻胡(まご)つく(かた)だなア、280シヅの(いはや)(わたくし)たちの(ほね)なと(にく)なと(ひろ)ふてやろうと仰有(おつしや)つた(とき)のお麻胡(まご)つき(かた)そつくりだワ』
281(いは)『アハヽヽヽヽ、282一寸(ちよつと)余興(よきよう)洒落(しやれ)()ました』
283(こま)『これは()しからぬ、284友人(いうじん)()()いてそれ(ほど)可笑(をか)しいですか』
285(いは)『アハヽヽヽ、286可笑(をか)しい可笑(をか)しい、287(いやし)くも三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)たるもの、288(たふと)(かみ)御守(おまも)りある以上(いじやう)(てき)包囲(はうゐ)攻撃(こうげき)されたと()つて、289(みづか)(たに)()()んで自殺(じさつ)()げると()(こと)がどうしてありませう。290屹度(きつと)(たす)かつて()ると、291吾々(われわれ)(なん)だか琴線(きんせん)()れる(やう)心持(こころも)ちがして()ましたアハヽヽヽ』
292 (にはか)(きこ)ゆる人馬(じんば)物音(ものおと)293五人(ごにん)宣伝使(せんでんし)一斉(いつせい)()(あが)(おと)する(かた)(なが)むれば、294数百人(すうひやくにん)のウラル(けう)捕手(とりて)役人(やくにん)295各自(てんで)柄物(えもの)(たづさ)へて此方(こなた)(むか)つて(のぼ)()る。
296(いは)『ヨー、297(いで)たお(いで)た』
298『サア面白(おもしろ)い、299一行(いつかう)宣伝使(せんでんし)(さま)300此処(ここ)六公(ろくこう)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)しました心底(しんてい)(あら)はして()せませう』
301捻鉢巻(ねぢはちまき)をしながら、302六公(ろくこう)(たうげ)()(なか)大手(おほで)(ひろ)大音声(だいおんじやう)
303『その(はう)悪逆無道(あくぎやくぶだう)鷲掴(わしづかみ)源五郎(げんごらう)か、304自分(じぶん)(うま)()(つぶ)されて()んだ(やつ)めが。305()娑婆(しやば)(こひ)しいと()えて数多(あまた)亡者(まうじや)()()れて、306三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)()(とら)むとは片腹(かたはら)(いた)い。307サアこれから(ろく)サンが三五教(あななひけう)寝返(ねがへ)()つた初陣(うひじん)活動(くわつどう)308()言霊(ことたま)神力(しんりき)往生(わうじやう)いたせ。309アーオーウーエーイー』
310 この(こゑ)(をは)ると(とも)に、311大将(たいしやう)源五郎(げんごらう)騎馬(きば)姿(すがた)も、312数多(あまた)軍卒(ぐんそつ)(かげ)(たちま)(けむり)(ごと)()()せて、313(あと)には、314()()(わた)松風(まつかぜ)(おと)(きこ)ゆるのみ。
315(ろく)『アハヽヽヽヽ、316(なん)源五郎(げんごらう)(やつ)317執念深(しふねんぶか)(やつ)だ。318亡者(まうじや)になつても()だやつて()よる。319しかし(なが)ら、320三五教(あななひけう)のお(かげ)亡者隊(まうじやたい)は、321モジヤモジヤと(けむり)となつて()()せたり。322ヤア宣伝使(せんでんし)御一同様(ごいちどうさま)323何卒(どうぞ)これを証拠(しようこ)貴方(あなた)のお弟子(でし)にして(くだ)さいませ。324荷物(にもつ)でも()たして(いただ)きませう』
325(いは)自分(じぶん)荷物(にもつ)自分(じぶん)()つべき(もの)だ。326吾々(われわれ)(ひと)(ちから)()りるといふ(こと)絶対(ぜつたい)出来(でき)ない。327(ろく)サンは(ろく)サンの荷物(にもつ)()つて()いて()なさい』
328(ろく)御存(ごぞん)じの(とほ)り、329(わたくし)荷物(にもつ)()(やり)(ひと)つで御座(ござ)ります。330もう()うなる以上(いじやう)(やり)必要(ひつえう)もござりませぬ。331コンナ(もの)谷底(たにそこ)やり(ほか)しにして、332()れから(おほ)いに、333神様(かみさま)宣伝(せんでん)をやりませう。334やり(くり)上手(じやうづ)(ろく)サンは(ひと)()らぬ(ばか)りで何時(いつ)(なな)つやの御厄介(ごやくかい)335(これ)からは、336三五教(あななひけう)御厄介(ごやくかい)になりませう』
337(いは)『アハヽヽヽヽ、338滑稽(こつけい)諧謔(かいぎやく)(くち)()いて(いづ)ると()風流人(ふうりうじん)だナ、339面白(おもしろ)面白(おもしろ)い。340(まへ)荷物(にもつ)()ふのは(ほか)でもない、341まだ一匹(いつぴき)(のこ)つてゐる、342四足(よつあし)副守護神(ふくしゆごじん)だよ』
343(ろく)『エエソンナ(もの)()りますか』
344(いは)()るとも()るとも、345その(ふく)サンが滑稽(こつけい)諧謔(かいぎやく)(ぬし)だ。346(しか)(なが)らお正月(しやうぐわつ)言葉(ことば)(ばか)使(つか)つて()宣伝使(せんでんし)(ちう)には、347(とき)()つては(ふく)サンも必要(ひつえう)だ。348()時機(じき)までは大切(たいせつ)背負(せお)つて()きなさい』
349(ろく)(ろく)身体(からだ)から(ひと)()つたら(いつ)つになります。350()ツの御霊(みたま)宣伝使(せんでんし)にして(くだ)さいな』
351(いは)(よろ)しい(よろ)しい、352もう(しば)らく(ふく)サンを保留(ほりう)して()くんだよ』
353 (にはか)一陣(いちぢん)強風(きやうふう)()(きた)ると()()に、354(うま)(ひづめ)(おと)355何処(どこ)ともなく(ひび)いて、356()()(あら)はれた眉目清秀(びもくせいしう)宣伝使(せんでんし)あり。
357(たか)貴方(あなた)は、358()出別(でわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)359()()(くだ)さいました。360一同(いちどう)(もの)がどれ()け、361憧憬(あこが)れて()つた(こと)ぢやか()れませぬワ』
362()『ホー(みな)サンご苦労(くらう)でした。363しかし音彦(おとひこ)364(ほか)二人(ふたり)は、365コシカ(たうげ)においてウラル(けう)捕手(とりて)()めに包囲(はうゐ)攻撃(こうげき)されて、366進退(しんたい)(これ)(きは)まり、367千仭(せんじん)谷間(たにま)()(とう)じて気絶(きぜつ)をしてゐます。368(とき)(おく)れては一大事(いちだいじ)369サアサア(みな)サン(はや)くお支度(したく)をなされ、370一鞭(ひとむち)()ててコシカ(たうげ)溪間(けいかん)に、371宣伝使(せんでんし)(すく)ひに(まゐ)りませう』
372一同(いちどう)『ヨーそれは大変(たいへん)
373()ふより(はや)くヒラリと(うま)(またが)り、374九十九折(つづらをり)のサル山峠(やまたうげ)坂道(さかみち)さして『ヤア(ろく)サン(きた)れ』と一目散(いちもくさん)()出別(でわけ)(かみ)(したが)(はし)()く。
375大正一一・三・二三 旧二・二五 藤津久子録)
   
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